姫路城

提供: miniwiki
移動先:案内検索
姫路城
兵庫県
別名 白鷺城
城郭構造 渦郭式平山城[1]
天守構造 連立式望楼型
5重6階地下1階[2][3][4][5]
築城主 赤松貞範[6]
築城年 1346年(南朝:正平元年、北朝:貞和2年)
主な改修者 黒田重隆羽柴秀吉池田輝政
主な城主 小寺氏黒田氏池田氏本多氏松平氏榊原氏酒井氏
廃城年 1871年明治4年)
遺構 現存天守・門・塀
石垣土塁・庭園
指定文化財 国宝(大小天守と渡櫓等8棟)
重要文化財
(櫓・渡櫓27棟、門15棟、塀32棟)[7]
特別史跡
ユネスコ世界遺産
位置 北緯34度50分21.76秒
東経134度41分38.75秒
地図
姫路城の位置
<div style="position: absolute; z-index: 2; top: 構文エラー: * の演算対象がありません。%; left: -10420.4%; height: 0; width: 0; margin: 0; padding: 0;">
姫路城
代表紋章:揚羽蝶

姫路城(ひめじじょう)は、兵庫県姫路市にある日本の城江戸時代初期に建てられた天守等の主要建築物が現存し、国宝重要文化財に指定されている。また、主郭部を含む中堀の内側は「姫路城跡」として国の特別史跡に指定されている[8][9]。また、ユネスコ世界遺産リストにも登録され[10][11]日本100名城[12]などに選定されている。別名を白鷺城(はくろじょう・しらさぎじょう。詳細は名称の由来と別名を参照)という。

概要

姫路城は播磨国飾東郡姫路、現在の姫路市街の北側にある姫山および鷺山を中心に築かれた平山城で、日本における近世城郭の代表的な遺構である。江戸時代以前に建設された天守が残る現存12天守の一つで、中堀以内のほとんどの城域が特別史跡に、現存建築物の内、大天守・小天守・渡櫓等8棟が国宝に、74棟の各種建造物(櫓・渡櫓27棟、門15棟、塀32棟)が重要文化財に、それぞれ指定されている。1993年平成5年)12月にはユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された[13]。この他、「国宝五城」[注釈 1]や「三名城」、「三大平山城・三大連立式平山城」の一つにも数えられている。

姫路城の始まりは、1346年南朝正平元年、北朝貞和2年)の赤松貞範による築城とする説が有力で、『姫路城史』や姫路市ではこの説を採っている。一方で赤松氏時代のものは砦や館のような小規模なもので、城郭に相当する規模の構築物としては戦国時代後期に西播磨地域で勢力を持っていた小寺氏[注釈 2]の家臣、黒田重隆職隆父子による築城を最初とする説もある[14]

戦国時代後期から安土桃山時代にかけて、黒田氏羽柴氏城代になると、山陽道上の交通の要衝・姫路に置かれた姫路城は本格的な城郭に拡張され、関ヶ原の戦いの後に城主となった池田輝政によって今日見られる大規模な城郭へとさらに拡張された。

江戸時代には姫路藩藩庁となり、更に西国外様大名監視のために西国探題が設置されたが、城主が幼少・病弱・無能な場合には牽制任務を果たせないために城主となる大名が頻繁に交替している。池田氏に始まり譜代大名本多氏榊原氏酒井氏親藩松平氏が配属され、池田輝政から明治新政府による版籍奉還が行われた時の酒井忠邦まで約270年間、6氏31代(赤松氏から数えると約530年間、13氏48代)が城主を務めた。

明治時代には維新の初期に払い下げが行われ、百円で落札されたが、取り壊し費用が莫大であったことから落札者が願い下げした[15]。その後陸軍の兵営地となり、歩兵第10連隊が駐屯していた。この際に多くの建物が取り壊されたが、陸軍の中村重遠工兵大佐の働きかけによって大小天守群・櫓群などが名古屋城とともに国費によって保存される処置がとられた[2]

昭和に入り、太平洋戦争において姫路も2度の空襲被害があったものの、大天守最上階に落ちた焼夷弾不発弾となる幸運もあり奇跡的に焼失を免れ、現在に至るまで大天守をはじめ多くの城郭建築の姿を残している。昭和の大修理を経て、姫路公園の中心として周辺一帯も含めた整備が進められ、祭りや行事の開催、市民や観光客の憩いの場になっているほか、戦国時代江戸時代を舞台にした時代劇などの映像作品の撮影が行われることも多く、姫路市の観光・文化の中核となっている。


注釈

  1. 国宝指定の現存天守を持つ5箇所の城郭、姫路城・松本城彦根城犬山城松江城を指す。
  2. 赤松氏の傍系を先祖に持つ。

  1. 『姫路城の基礎知識』の「螺旋状の堀と総構式」
  2. 2.0 2.1 平井聖監修『城 6.中国編』
  3. 財団法人日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』
  4. 三浦正幸監修『【決定版】図説・天守のすべて』
  5. 『姫路城の基礎知識』の「天守」
  6. 『姫路城の基礎知識』の「最初の築城説」
  7. 『姫路城の基礎知識』の「国宝・重要文化財建造物一覧」
  8. 中井均・三浦正幸監修 学習研究社編『歴史群像 よみがえる日本の城 4 姫路城』学習研究社 2004年
  9. 姫路城跡文化庁文化遺産オンライン
  10. 姫路城文化庁 世界遺産と無形文化遺産 文化遺産オンライン
  11. Himeji-jo -UNESCO World Heritage Centre-、2008年9月4日閲覧
  12. 日本城郭協会「日本100名城」
  13. http://www.himeji-kanko.jp/castle/
  14. 『歴史群像名城シリーズ 姫路城』
  15. 『岩波講座日本歴史. 廃仏毀釈』p50国史研究会 (岩波書店, 1935)