大阪製鐵

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大阪製鐵株式会社(おおさかせいてつ、英文社名 OSAKA STEEL CO., LTD.)は、大阪を本拠とする鉄鋼メーカー(電気炉メーカー)。新日鐵住金グループの企業である。

概要

電気炉を持ち、鉄スクラップを原料に製鋼を行い鉄鋼製品を生産する、「電気炉メーカー」と呼ばれる鉄鋼メーカーの一つである。製品は建築土木向けが主で、形鋼(山形鋼・溝形鋼・I形鋼など)や軽軌条棒鋼異形棒鋼・丸鋼・平鋼・角鋼など)がある。

実際の本社機能がある本社事務所は大阪市中央区道修町にある。製造拠点は登記上の本店である大阪市大正区南恩加島一丁目にある大阪事業所恩加島工場、同じ大阪府内の堺市の新日鐵住金和歌山製鐵所・堺地区構内にある大阪事業所堺工場熊本県宇土市にある西日本熊本工場の3か所がある。これらの3工場にはいずれも電気炉があり、鋼材の製造を行っていたが、2016年(平成28年)3月に恩加島工場での鋼材の製造を休止し、現在は残る2工場で鋼材の製造を行っている。

新日鐵住金が約60%の株式を保有しており、大阪製鐵は新日鐵住金の子会社に分類される。新日鉄とは発足当初から関係があり、現在の大阪事業所恩加島工場は元々新日鐵住金の源流企業・日本製鐵(日鉄)の大阪製鉄所であった。

沿革

大阪製鐵は1978年昭和53年)に、大鐵工業株式会社と大和製鋼株式会社の合併母体として設立された。

  • 1937年(昭和12年)4月 - 大和製鋼株式会社設立。
  • 1949年(昭和24年)4月 - 解体されていた日本製鐵(日鉄)大阪製鉄所を元に、大鐵工業株式会社設立。
  • 1951年(昭和26年)4月 - 大鐵工業に、日鉄の後身八幡製鐵(現・新日鉄)が資本参加。
  • 1955年(昭和30年)1月 - 大鐵工業に、日鉄の後身富士製鐵(現・新日鉄)が資本参加。
  • 1957年(昭和32年)3月 - 大和製鋼に富士製鐵が資本参加。
  • 1978年(昭和53年)5月15日 - 大阪製鐵株式会社設立。
  • 1978年(昭和53年)10月 - 大阪製鐵が、大鐵工業・大和製鋼を吸収合併。
  • 1980年(昭和55年)10月 - 日鐵鋼機株式会社を合併。
  • 1987年(昭和62年)9月 - 子会社の日本スチール株式会社を設立。
  • 1990年平成2年)3月 - 新日本製鐵の子会社となる。
  • 1990年(平成2年)4月 - 堺製鐵所構内での電気炉操業を目的に、合同製鐵の共同出資で関西ビレットセンター株式会社を設立。
  • 1994年(平成6年)12月 - 大阪証券取引所市場第2部(大証2部)に上場。
  • 1995年(平成7年)6月 - 西日本製鋼株式会社を合併、同社工場を西日本製鋼所(現西日本熊本工場)とする。
  • 1996年(平成8年)11月 - 東京証券取引所市場第2部(東証2部)に上場。
  • 1997年(平成9年)9月 - 東証1部・大証1部に指定替え。
  • 1998年(平成10年)10月 - 堺圧延工場操業開始。津守工場閉鎖。
  • 1999年(平成11年)3月 - 子会社の新北海鋼業株式会社を設立。
  • 1999年(平成11年)10月 - 関西ビレットセンターを合併し、同社工場を堺製鋼工場とする。
  • 2005年(平成17年)1月 - 子会社の日本スチール株式会社を完全子会社化。
  • 2014年(平成26年)3月 - 子会社の新北海鋼業株式会社を解散。
  • 2016年(平成28年)3月 - ジャスダック上場の東京鋼鐵株式会社株式公開買付けにより子会社化。
  • 2016年(平成28年)3月 - 大阪恩加島工場の製鋼を休止し、堺工場に移管。
  • 2017年(平成29年)4月 - 大阪事業所を新設し、大阪恩加島工場を大阪事業所恩加島工場、堺工場を大阪事業所堺工場に改称。

主なグループ企業

  • 東京鋼鐵株式会社 - 本社は東京都千代田区。電気炉メーカー。
  • 日本スチール株式会社 - 本社は大阪府岸和田市。平鋼・角鋼の圧延メーカー。

その他

2007年(平成19年)に、東京鋼鐵株式会社を株式交換により完全子会社化する方針だったが、東京鋼鐵の株主総会においていちごアセットマネジメントが「交換比率が低すぎる」として反対し、他の株主の委任状を含めて34%以上の株主の反対票を集めた。このプロキシーファイト(委任状争奪戦)によって日本初の株主否決がなされ、この方針は白紙化された。その後2016年(平成28年)に、株式公開買付けにより同社を子会社化している。

関連項目

参考文献

  • 新日本製鐵 『炎とともに』八幡製鐵株式會社史、新日本製鐵、1981年。

外部リンク