大阪市立科学館
大阪市立科学館(おおさかしりつかがくかん)は、大阪市北区中之島にある科学館。テーマは「宇宙とエネルギー」。
概要
大阪市制100周年事業として、関西電力から65億円の建物設備の寄付を受けて1989年に開館した。「夢宙ときめき館」という愛称を使用していた時期もあった。
前身は、日本初の科学館であり、初めてプラネタリウムを導入した大阪市立電気科学館(開館は戦前の1937年)である。
科学館が所在する中之島4丁目にはかつて大阪大学理学部があり、後にノーベル賞を受賞する湯川秀樹が中間子論を構想した。日本ではじめて天体電波観測が行われた地ともいわれ、関連する資料の収集や研究を積極的に行われている。
常設展示では参加型を中心に200のアイテムがあるほか、サイエンスショーなどが行われている。直径26.5mのドーム(世界5位)でのプラネタリウム・オムニマックス(IMAX)による天体の映写をはじめ、2004年7月にはプラネタリウムが、全天デジタル映像装置を組み合わせた次世代の施設としてリニューアルオープンした。2008年7月18日には展示場がリニューアルされ、1928年に東洋最初のロボット(人造人間)とされた學天則を復元した実物大の動態模型が公開された。友の会は会員1050人、ジュニアクラブで170人を擁する。科学の書籍やグッズを販売するショップとカフェを併設する。
また、収蔵資料として日本初のプラネタリウム(カールツァイスII型)や、大阪大学で使われたコッククロフト・ウォルトン型加速器、日本初の本格的化学研究所である舎蜜局(せいみきょく)についての資料、戦前からの電気計測器や電気設備に関する資料などのコレクションを持つ。また、戦前からの天文学を中心とする普及書籍・雑誌のコレクションは西日本随一である。
なお、同科学館の建設費や改装費などに充てる目的で、大阪市が関西電力から1989年以降、72億円を超す寄付を受けていたと、2012年になって新聞各社が報道、寄付金は電気料金から支出されていることもあって、問題視されているとした[1]。しかし、科学館の前身である大阪市立電気科学館は関西電力の母体である旧大阪市電気局[2]が設立に関わっており、その歴史的関係[3]について記事では触れられていない。
建築概要
- 設立― 1989年
- 竣工― 1989年
- 設計― 竹中工務店
- 延床面積― 8,920.79m2
- 敷地面積―16,086.75m2
- 建築面積―3,165.78m2
- 所在地― 〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4-2-1
館長
- 中野董夫(初代、元大阪市立大学教授)
- 宮本重徳(二代、元大阪大学名誉教授)
- 伊藤公一(三代、元大阪市立大学教授)
- 高橋憲明(四代、元大阪大学教授)
- 加藤賢一(五代、元大阪市立科学館学芸員)
- 齋藤吉彦(現、元大阪市立科学館学芸員)
交通アクセス
- 京阪中之島線 渡辺橋駅 西へ約350m、中之島駅 東へ約450m
- 地下鉄四つ橋線 肥後橋駅 西へ約500m
- 阪神本線 福島駅 南へ約800m
- 大阪シティバス53号系統、75号系統 田蓑橋停留所 南へ150m、88号系統 土佐堀一丁目停留所 北へ400m
- 北港観光バス(中之島ループバス)市立科学館・国立国際美術館前停留所すぐ
- 阪神高速道路 中之島西出入口・土佐堀出口・福島出入口
周辺情報
- 筑前橋
- 国立国際美術館
- 大阪大学中之島センター
- 関電ビルディング
- ダイビル本館
- 中之島ダイビル
- 中之島三井ビルディング
- 大阪中之島合同庁舎
- ほたるまち
- リーガロイヤルホテル
- 大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
- 日本高校野球連盟
- 日本基督教団大阪教会
- 大阪YMCA
- 大日本除虫菊本社
出典・脚注
- ↑ “公表求めた大阪市にも、関電から寄付72億円”. 読売新聞. (2012年5月9日). オリジナルの2012年5月10日時点によるアーカイブ。
- ↑ 関西電力・沿革を参照せよ
- ↑ 大阪市立電気科学館・来歴を参照せよ