大森駅 (東京都)
大森駅(おおもりえき)は、東京都大田区大森北一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。駅番号はJK 18。
乗り入れている路線は、線路名称上は東海道本線である(詳細は路線記事および鉄道路線の名称参照)が、当駅には電車線を走る京浜東北線電車のみが停車し、旅客案内では「東海道(本)線」とは案内されていない。また、JRの特定都区市内制度における「東京都区内」に属する。
Contents
歴史
当駅は、新橋 - 横浜間開業の4年後に開業した非常に歴史の古い駅である。元々は線路の保守点検を行う工夫の詰所であったが、それが不要になり駅舎に転用された。京浜間の電車運行開始後は客車列車の通過が増え、昭和初期に停車がなくなって電車専用の駅となった。その後も列車線ホームは長い間残っていたが、駅の改築に伴って1984年(昭和59年)までに解体された。その名残りで、列車線上り線路と下り線路の間隔が少々広く、広告ボードが設置されている。
- 1876年(明治9年)6月12日 - 官設鉄道の駅が開業。旅客営業のみの旅客駅。
- 1877年(明治10年) - 上り列車で横浜から新橋へ移動中のエドワード・S・モースが当駅発車直後の左車窓に大森貝塚を発見。
- 1879年(明治12年)3月1日 - 大森-川崎間が複線化。
- 1880年(明治13年)11月14日 - 品川-大森間が複線化。
- 1898年(明治31年)4月1日 - 貨物の取り扱いを開始。
- 1901年(明治34年)2月1日 - 京浜電気鉄道(現在の京浜急行電鉄)大森停車場前 - 八幡駅(現在の大森海岸駅)間の大森支線が開通。
- 1913年(大正2年)2月 - 山王口改札(現在の西口)開設。
- 1914年(大正3年)12月20日 - 京浜線(京浜東北線の前身)運行開始。
- 1919年(大正8年) - 山王口改札(現在の西口)拡張。
- 1930年(昭和5年)3月15日 - 列車線は全旅客列車が通過となる。
- 1930年(昭和5年) - 大森駅 ~ 池上駅間に乗合バス開通。
- 1937年(昭和12年)3月8日 - 京浜電気鉄道大森支線が廃止。
- 1959年(昭和34年)12月 - 北口改札開設。
- 1974年(昭和49年)10月1日 - 貨物の取り扱いを廃止。
- 1977年(昭和52年)9月 - 大森貝塚発見発掘100周年を記念し、駅ホームに「日本考古学発祥の地」碑が建立される。
- 1982年(昭和57年)7月 - 駅舎改築工事着工。
- 1984年(昭和59年)
- 7月 - 現駅舎完成。
- 9月14日 - 駅ビル「大森プリモ」(現在の「アトレ大森」)開業。
- 1985年(昭和60年)4月 - 品川区と大田区の共同事業「大森駅歩道橋」(北口改札から東側〈南大井方面〉へ下りる自由通路)完成。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 荷物の取り扱いを廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR東日本の駅となる。
- 1989年(平成元年)3月10日 - 北口階段拡幅完成(ホームを南寄りに延伸するため、工事車両留置線〈荷物ホーム跡〉を撤去)。
- 1990年(平成2年)3月20日 - 旅行センターオープン。
- 1994年(平成6年)3月16日 - ホームから中央口改札への上りエスカレータ設置。
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)12月13日 - 中央口改札からホームを連絡する下りエスカレーター設置。
- 2003年(平成15年)2月7日 - ホームと中央改札口を連絡するエレベーター設置。
- 2005年(平成17年)11月15日 - 駅ビル「大森プリモ」のリニューアル完成。「アトレ大森」に改称。
- 2009年(平成21年)8月31日 - 大森駅歩道橋が右側通行から左側通行に変わり、駅構内と統一される。
- 2018年(平成30年)3月31日 - びゅうプラザが閉鎖。
駅構造
島式ホーム1面2線を有する地上駅で、橋上駅舎を有する。みどりの窓口、自動改札機、指定席券売機設置駅。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | 京浜東北線 | 南行 | 蒲田・川崎・横浜・大船方面 |
2 | 北行 | 品川・東京・上野・大宮方面 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
改札口(出口)
- 中央口改札
- ホーム中央付近から階段を上ると東口および西口に通ずる。現在の駅舎が完成する以前は東西自由通路がなく、駅本屋のある東側を東口、西側を山王口といい、別々に改札口が設けられていた。現在も西口を山王口と通称する場合もある。
- 北口改札
- ホーム東京方の階段を上る。西側は駅ビル「ララ」、東側は連絡通路である「大森駅歩道橋」を介して駅外にアクセスすることができる。開設当初は西側(山王方面)にしか出られなかったため山王北口と称しており、その後も通称する場合もある。また、東側の出口部分は品川区南大井となっている。
トイレは中央口改札内にあり、多機能トイレも設置されている。エスカレーターは中央改札口行きのみで、上りは横並びに2人、下りは横並びに1人のみと、異なる。メーカーは日立。
- JR omori station west entrance.JPG
西口(2008年9月5日)
- Omori Station North Exit.jpg
北口(2011年1月23日)
- Omori-Sta-Gate.JPG
改札口(2016年6月4日)
- Omori-Sta-Platform.JPG
ホーム(2016年6月4日)
利用状況
2017年(平成29年)度の1日平均乗車人員は96,181人である。JR東日本の駅では第45位。他線との接続がないJRの駅の中では三鷹駅に次いで第2位である。
近年の推移は下記の通り。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
---|---|---|
1989年(平成元年) | 85,084 | [* 2] |
1990年(平成 | 2年)87,279 | [* 3] |
1991年(平成 | 3年)91,345 | [* 4] |
1992年(平成 | 4年)93,068 | [* 5] |
1993年(平成 | 5年)94,159 | [* 6] |
1994年(平成 | 6年)93,159 | [* 7] |
1995年(平成 | 7年)92,153 | [* 8] |
1996年(平成 | 8年)91,893 | [* 9] |
1997年(平成 | 9年)92,416 | [* 10] |
1998年(平成10年) | 91,332 | [* 11] |
1999年(平成11年) | [JR 1]90,444 | [* 12] |
2000年(平成12年) | [JR 2]90,159 | [* 13] |
2001年(平成13年) | [JR 3]90,149 | [* 14] |
2002年(平成14年) | [JR 4]90,413 | [* 15] |
2003年(平成15年) | [JR 5]90,426 | [* 16] |
2004年(平成16年) | [JR 6]89,656 | [* 17] |
2005年(平成17年) | [JR 7]88,049 | [* 18] |
2006年(平成18年) | [JR 8]89,323 | [* 19] |
2007年(平成19年) | [JR 9]92,022 | [* 20] |
2008年(平成20年) | [JR 10]93,057 | [* 21] |
2009年(平成21年) | [JR 11]92,427 | [* 22] |
2010年(平成22年) | [JR 12]91,601 | [* 23] |
2011年(平成23年) | [JR 13]90,946 | [* 24] |
2012年(平成24年) | [JR 14]91,774 | [* 25] |
2013年(平成25年) | [JR 15]92,962 | [* 26] |
2014年(平成26年) | [JR 16]93,095 | [* 27] |
2015年(平成27年) | [JR 17]94,949 | [* 28] |
2016年(平成28年) | [JR 18]95,189 | [* 29] |
2017年(平成29年) | [JR 19]96,181 |
駅周辺
東海道線を挟んで東側は宿場町が発展した今日の街であるが、西側はどちらかというと古くからのお屋敷町といった感がある。
西側
地形の高低差が大きく、また駅前のロータリーなどはない。線路に平行する池上通り沿いに商店街が形成されている。
- 東急バス大森操車所
- 大森貝塚 - 日本考古学発祥の地。駅ホーム中央付近には「日本考古学発祥の地」碑(縄文土器形のブロンズ像)がある。
- 品川区立品川歴史館 - 品川区の郷土博物館。大森貝塚の資料などの展示もある。
- 馬込文士村
- 大田区立山王会館
- 馬込文士村資料展示室
- 大田文化の森 - 大田区の文化活動支援施設。旧・大田区役所跡地。
- 尾﨑士郎記念館
- 大田区立山王草堂記念館 - 徳富蘇峰の旧邸。
- 大森郵便局
- 大田山王郵便局
- 大森赤十字病院
- 日本芸術専門学校大森校
- RaRa - 大森駅初の駅ビル。1978年に旧駅ビルから全面新築した際、RaRaの名称で開業。
東側
アトレ大森前を中心に駅前ロータリーが整備されており、ロータリー南側は繁華街、北側はオフィス街が広がっている。
- 大森 東急REIホテル
- アトレ大森
- 東急ストア 大森店
- 大森ベルポート - いすゞ自動車事業所跡地に建てられたオフィスビル群。
- いすゞ病院
- Luz大森
- 大田区役所 入新井特別出張所
- 大田区立入新井図書館
- 大田区入新井集会室
- 大田区立男女平等推進センター エセナおおた
- 大田区子ども家庭支援センター キッズな大森
- ハローワーク大森
- 大森駅前郵便局
- 日立大森ビル - 日立ソリューションズ
- 日立大森第二別館(本社部門の一部)
- ディスコ本社
- セントラルスポーツ
- 入新井西児童交通公園 - 蒸気機関車のC57形66号機が保存されている公園。
- 西友大森店
- 大森駅東口自転車駐車場 - 1,000台以上が収容可能で24時間利用できる有料制自転車等駐車場。
- イトーヨーカドー大森店 - アサヒビール東京大森工場の跡地。
京浜急行電鉄本線の大森海岸駅とは東へ500m程離れている。かつては、当駅前に京急の前身である京浜電気鉄道が乗り入れていたこともあった。京浜電気鉄道大森支線を参照。
かつて存在した施設
- 西側
- 大森八景園 - 荏原郡・入新井村(現・大田区山王)[1]。鉄道唱歌に「梅に名をえし」と謳われる[2]。
- 東京・横浜独逸学園 - 横浜市に移転。
- 京成百貨店(オーモリ京成)(→イトーヨーカドー→オオゼキ)
- ナガサワ(ダイシン百貨店支店) - 閉店
- 東側
- 白木屋 大森店
- 大森白木映画劇場
- 東京第一ホテル大森
- 東京スター銀行 大森支店
- シオノギバイオメディカル 東京ラボラトリー
バス路線
当駅東口発着のバスは京浜急行バスが、西口と山王口発着は東急バスが担当している。このほか、東京都交通局の都営バスも1984年(昭和59年)2月15日まで杉並営業所(現・杉並支所)が山王口に乗り入れ、品川営業所も1970年(昭和45年)12月27日まで東口に、1977年(昭和52年)12月16日まで西口にそれぞれ乗り入れていた。
大森駅東口
京浜急行バス 担当は森11・21・23系統が羽田営業所、それ以外はすべて大森営業所である。
- 1番乗り場
- 2番乗り場
- 3番乗り場
- 森11 平和島駅・北糀谷経由 羽田空港国際線ターミナル行(朝4:30発のみ運行、運賃倍額)
- 森21 平和島駅・北糀谷経由 羽田空港行 / 平和島駅・六間堀経由 羽田車庫行(朝・夜1日5便運行)
- 森23 平和島駅・大鳥居経由 羽田車庫行(深夜2便のみ運行)
- 森27 八幡通り経由 大森東五丁目行
- 4番乗り場
- 森25 平和島駅経由 昭和島循環
- 森29 平和島ボートレース場行(無料シャトルバス、競艇開催日のみ運行)
- 森45 大森海岸駅・レジャーランド平和島経由 京浜島・昭和島循環(大森駅・朝のみ運行)
- 5番乗り場
- 森24 平和島駅経由 京浜島循環
- 森36 大森海岸駅・平和島駅経由 京浜島・昭和島循環
- 森46 大森海岸駅・レジャーランド平和島経由 京浜島循環(夕方のみ運行)
- 森31 平和島駅経由 流通センター循環
- 6番乗り場
- 7番乗り場
- 8番乗り場
- 森22 大森海岸駅経由 八潮パークタウン循環
- 森30 大森海岸駅・大井競馬場駅前・東京テレポート駅経由 船の科学館行
- 森40 平和島駅・レジャーランド平和島・東京テレポート駅経由 船の科学館行(大森駅 - レジャーランド平和島間は平和島駅のみ停車、朝1便運行)
- 9番乗り場
- 井19 レジャーランド平和島行(1日3便運行)
- 森28 大森海岸駅経由 平和島循環
- 森33 八幡通り経由 平和島循環(朝のみ運行)
- 森34 レジャーランド平和島経由 大田スタジアム行(日中13 - 16時は運行なし)
大森駅西口
- 1番乗り場
- 2番乗り場
- 3番乗り場
- 森06 池上駅前方面 上池上循環外回り
- 4番乗り場
- 5番乗り場
- 森08 馬込銀座循環
- 9番乗り場
- 森01・森02・森04・森05 大森操車所行
- 11番乗り場
- 12番乗り場
- 森07 馬込駅前・夫婦坂方面 上池上循環内回り
大森駅山王口
- 7番乗り場
- 8番乗り場
- 森07 馬込駅前・夫婦坂方面 上池上循環内回り
- 番号なし乗り場
- 森91 大森操車所行
隣の駅
脚注
出典
- ↑ “大森八景園 写真の中の明治・大正 - 国立国会図書館所蔵写真帳から -”. 国立国会図書館 (1979年). . 2012閲覧.
- ↑ 第一集4番に大森駅が歌われている。「梅に名を得し 大森を 過ぐれば早も 川崎の 大師河原はほど近し 急げや電気の道すぐに」
統計資料
- JR東日本の1999年度以降の乗車人員
- ↑ 各駅の乗車人員(1999年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2000年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2001年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2002年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2003年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2004年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2005年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2006年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2007年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2008年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2009年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2010年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2011年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2012年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2013年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2014年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2015年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2016年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2017年度) - JR東日本
- 東京都統計年鑑
- ↑ 東京都統計年鑑
- ↑ 東京都統計年鑑(平成元年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成2年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成3年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成4年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成5年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成6年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成7年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成8年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成9年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成10年) (PDF)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成11年) (PDF)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成12年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成13年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成14年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成15年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成16年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成17年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成18年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成19年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成20年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成21年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成22年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成23年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成24年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成25年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成26年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成27年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成28年)
関連項目
外部リンク
- ■ 京浜東北線・根岸線
- (大宮 - 東京間 : 東北本線、東京 - 横浜間 : 東海道本線、横浜 - 大船間 : 根岸線)
大宮 - さいたま新都心 - 与野 - 北浦和 - 浦和 - 南浦和 - 蕨 - 西川口 - 川口 - 赤羽 - 東十条 - 王子 - 上中里 - 田端 - 西日暮里 - 日暮里 - 鶯谷 - 上野 - 御徒町 - 秋葉原 - 神田 - 東京 - 有楽町 - 新橋 - 浜松町 - 田町 - 品川 - 大井町 - 大森 - 蒲田 - 川崎 - 鶴見 - 新子安 - (八王子方面<<)東神奈川 - 横浜 - 桜木町 - 関内 - 石川町 - 山手 - 根岸 - 磯子 - 新杉田 - 洋光台 - 港南台 - 本郷台 - 大船