大山崎町
大山崎町(おおやまざきちょう)は、京都府乙訓郡の町。大阪府三島郡島本町との府境に位置する。京都府下で最も面積の小さい町である。旧山城国乙訓郡。河の南という意味で「河陽(かや、かよう)」の別名がある。
Contents
概要
丘陵地が平野に近く迫り、そのふもとに桂川と宇治川、木津川の合流点が位置するため、山崎は古来から交通の要地であった。明智光秀を豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)が破った山崎の戦いは天王山山麓で行われた。この故事から雌雄を決することや勝負の分かれ目のことを「天王山を迎える」(または単に「天王山」)と呼ぶ成句が生まれた。
大阪府の島本町山崎から京都府の大山崎町にかけての山崎の地はまた名水で知られ、日本における製油発祥の地である離宮八幡宮には石清水(いわしみず)の名の元となった湧き水があった。また山崎駅前の妙喜庵には千利休の現存する二例の茶室作例の一つである茶室待庵(国宝)が現存する。
タケノコの産地として著名。京野菜の京山科なす、みず菜の産地でもある。
歴史
- 神亀2年(725年) - 行基、山崎に橋を架けて布教の拠点とする。
- 延暦3年(784年) - 長岡新京の建設に伴い、山崎に橋を架けられる。
- 弘仁2年(811年) - 嵯峨天皇が山崎河陽離宮に行幸する。
- 斉衡2年(855年) - 大火が発生し、300戸が延焼する[1]。
- 貞観3年(861年)- 山崎河陽離宮が山城国府と定められる。
- 正治2年(1200年) - 藤原定家が水無瀬離宮への道中の途中で山崎の油売り小屋に泊まる。
- 貞応元年(1222年) - 美濃国司が大山崎神人に不破関の無料通行を許す(大山崎油座)。
- 建治2年(1276年) この頃、京都の油販売を山崎神人が独占。
- 応長元年(1311年) - 伏見上皇、山崎神人のために淀などの関津料を免除する。
- 元弘2年/正慶3年(1333年) - 播磨の赤松則村(円心)が山崎に陣する。
- 元中9年/明徳3年(1392年) - 足利義満、大山崎に守護不入の権限を与える。
- 永禄11年(1568年) - 大山崎惣中、織田信長に矢銭を献ずる。
- 天正10年(1582年)- 羽柴秀吉と明智光秀が山崎に戦う。この後、秀吉は山崎を拠点とする。
- 江戸時代は八幡宮の神領として自治を許される。
- 1889年(明治22年) 大山崎村・円明寺村・下植野村の3村が合併し、大山崎村が誕生。
- 1967年(昭和42年) 町制を施行し、大山崎町となる。
- 2014年(平成26年)6月4日 大山崎町民でつくる「長岡京市・大山崎町の合併を推進する市民会議」は、署名簿(1,288人分)と合併協議会設置請求書を町に提出し、同町と長岡京市の法定合併協議会設置を町長に本請求した。
行政
町議会
概要
- 議員定数:12人
- 議長:小泉満
- 副議長:朝子直美
- 監査委員:高木功
構成
会派 | 議席数 |
---|---|
与党 | |
大山崎クラブ | 4 |
公明党 | 1 |
民主フォーラム | 1 |
清新 | 1 |
野党 | |
日本共産党議員団 | 3 |
のぞみ | 1 |
光会 | 1 |
(2016年11月1日現在)
地理
隣接している自治体・行政区
京都府
経済
歴史的には中世にエゴマの栽培とその種から取るえごま油の製造、販売で栄えた。20世紀後半の昭和戦後期から平成初期の時期までは米作およびタケノコの採取などの農業が有名であった。高度成長期以降、国道171号線沿いに工場や倉庫が増加した。特にダイハツ工業、日立グループの事業所やマクセルホールディングスの京都本社、ゲームソフト開発のトーセの登記上本店及び開発センターがある。なお、サントリー山崎蒸溜所は大阪府島本町に所在し、本町には所在しない。一方、同社京都ビール工場の一部が町域に所在する。
地域
- 字大山崎
- 字円明寺
- 字下植野
人口
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、0.45%減の15,123人であり、増減率は府下26市町村中8位、36行政区域中14位。
大山崎町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
交通
鉄道路線
町の中心となる駅:大山崎駅
バス
道路
- 高速道路
- 一般国道
- 都道府県道
教育
高等学校
- なし
中学校
小学校
幼稚園
専門学校
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 離宮八幡宮 (油座、名水の地)
- 妙喜庵
- 待庵(国宝、千利休作と信じうる唯一の現存茶室)
- アサヒビール大山崎山荘美術館
- 大山崎町歴史資料館
- 大念寺
- 宝積寺 (宝寺)
- 山崎聖天 (観音寺)
- 酒解神社
- 大山崎瓦窯跡 (国の史跡)
- 山崎城 (山城国)
- 聴竹居
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山崎聖天
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宝積寺三重塔
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大山崎山荘美術館
出身者
脚注
注釈
参照
- ↑ 『日本文徳天皇実録』巻七斉衡二年十月癸巳
外部リンク