大多喜町
大多喜町(おおたきまち)は、千葉県夷隅郡にある町。町内の大多喜城は徳川四天王の1人、本多忠勝がいたことでも知られる。
Contents
地理
地勢
千葉県の南部、房総半島南東部に位置する外房・南総の町。東西約12km、南北約19km、千葉県の町村で最も広大な面積を持つ。また森林が面積の約70%を占める。南西部は山がちで北東に向かうに従い標高は低くなっている。主な河川である夷隅川は北東に蛇行しながら流れ、養老川は西部を北に流れる。
気候
年間平均気温は15℃前後。冬期は最低気温が氷点下に達する日もあり周辺沿岸部が雨の時も町内は雪の場合が多い。年間平均雨量は約2100mm程度。
主な河川
主な山岳
ダム
歴史
合併前
大多喜地域は戦国時代から城下町として繁栄した。応仁の乱以後守護大名が台頭し、長南の武田氏、万木の土岐氏、小浜の槍田氏、安房の里見氏がこの地方で衝突していた。小田喜根古屋城は1544年(天文13年)武田氏から里見氏の武将正木時茂が取って代わり、里見氏の支配を受けた。1590年(天正18年)徳川四天王の1人本多忠勝が10万石を与えられ約11年間領知した。忠勝は里見氏に備えて城を整え、城下町の整備、六斎市の開市を企てた。本多氏以後たびたび城主が替わり、1703年(元禄16年)から松平氏が9代続いたが、大多喜地域の大部分が他藩領、旗本知行地として支配を受けた。明治維新により大多喜県、木更津県、千葉県と行政区画が変遷し1889年(明治22年)老川村、西畑村、総元村、上瀑村、旧・大多喜町が誕生した。しかし、大多喜地域は次第に衰退し財政力が豊かではなかった。そこで、町村規模の適正化、福祉の推進、地方自治の発展、行財政の強化のため旧5町村が町村合併促進法により合併し、現在の大多喜町が誕生した。
合併後
- 1930年(昭和5年)4月1日 - 国鉄木原線(現・いすみ鉄道いすみ線)が開業。
- 1954年(昭和29年)10月5日 - 旧・大多喜町、総元村、西畑村、上瀑村、老川村が合併し、現在の大多喜町が誕生。
- 1970年(昭和45年)7月1日 - 集中豪雨で大多喜116mmの雨を観測。当時の総理大臣佐藤栄作が来町。
- 1975年(昭和50年)
- 1978年(昭和53年)
- 1979年(昭和54年)
- 1995年(平成7年)10月1日 - 荒川区と友好交流協定
- 1997年(平成9年)10月1日 - おおたきショッピングプラザオリブ竣工式
- 2001年(平成13年)8月10日 - 商い資料館が開館
- 2004年(平成16年) - 房総中央鉄道館が開館
- 2006年(平成18年) - 千葉県立総南博物館が千葉県立中央博物館大多喜城分館と改称
行政区域変遷
- 変遷の年表
大多喜町町域の変遷(年表) | ||
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年 | 月日 | 現大多喜町町域に関連する行政区域変遷 |
1889年(明治22年) | 4月1日 | 町村制施行により、以下の町村がそれぞれ発足が発足。[1][2]
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1954年(昭和29年) | 10月5日 | 大多喜町・総元村・西畑村・上瀑村・老川村が合併し大多喜町が発足。 |
- 変遷表
大多喜町町域の変遷表 | |||||||
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1868年 以前 |
明治元年 - 明治22年 | 明治22年 4月1日 |
明治22年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 | |
明治5年 大多喜村 |
大多喜町 | 大多喜町 | 昭和29年10月5日 大多喜町 |
大多喜町 | 大多喜町 | ||
柳原町 | 明治5年 大多喜柳原町 | ||||||
新町 | 明治5年 大多喜新町 | ||||||
桜台町 | 明治5年 大多喜桜台町 | ||||||
久保町 | 明治5年 大多喜久保町 | ||||||
猿稲町 | 明治5年 大多喜猿稲町 | ||||||
田町 | 明治5年 大多喜田町 | ||||||
紺屋町 | 明治5年 大多喜紺屋町 | ||||||
西部田村 | |||||||
上原村 | |||||||
船子村 | |||||||
森宮村 | |||||||
泉水村 | |||||||
黒原村 | 総元村 | 総元村 | |||||
三又村 | |||||||
久我原村 | |||||||
石神村 | |||||||
大戸村 | |||||||
堀之内村 | |||||||
部田村 | |||||||
八声村 | |||||||
小谷松村 | 明治7年 小谷松村 | ||||||
桜谷村 | |||||||
伊保田村 | 西畑村 | 西畑村 | |||||
板屋村 | |||||||
市川村 | |||||||
中野村 | |||||||
堀切村 | |||||||
三条村 | |||||||
田代村 | |||||||
弓木村 | |||||||
平沢村 | |||||||
宇筒原村 | |||||||
押沼村 | |||||||
笛倉村 | |||||||
川安戸村 | 明治9年 川畑村 | ||||||
南畑村 | |||||||
馬場村 | |||||||
原内村 | |||||||
小内村 | |||||||
小苗村 | |||||||
湯倉村 | |||||||
紙敷村 | |||||||
松尾村 | |||||||
庄司村 | |||||||
弥喜用村 | |||||||
百鉾村 | |||||||
下大多喜村 | 上瀑村 | 上瀑村 | |||||
小土呂村 | |||||||
横山村 | |||||||
葛藤村 | 老川村 | 老川村 | |||||
小田代村 | |||||||
筒森村 | |||||||
大田代村 | |||||||
面白村 | |||||||
小沢又村 | |||||||
粟又村 |
人口
平成27年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、7.76%減の9,843人であり、増減率は県下54市町村中47位、60行政区域中53位。
大多喜町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
行政
町役場に務める30歳以下の男性職員は全員野球部に入るという伝統が続いている。
産業
南関東ガス田に位置することから1891年には、日本初のガス井が掘削されるなど古くから天然ガスの開発が行われてきた。現在では、町内において関東天然瓦斯開発、大多喜ガスなどが事業を実施中。
本社を置く企業
姉妹・友好交流都市
海外
- 1978年8月3日姉妹都市として提携。1609年(慶長14年)ドン・ロドリゴ総督 の一行がフィリピンからメキシコへの帰途に、大暴風の為、房総の御宿海岸に座礁難破した。地元の漁民達に助けられ、時の大多喜城主本多忠朝(本多忠勝の次男)がこれら一行を歓待し、幕府が帆船を用意してメキシコへ送還した事から日本とメキシコとの交流が始まった。現在も、大多喜城まつりにおけるメキシコ関係者の招待や各種行事への相互の参加が多くなってきている。
国内
地域
教育
大学
高等学校
中学校
- 大多喜中学校
小学校
- 西小学校 (西畑・老川地区)
- 大多喜小学校(大多喜・総元・上瀑地区)
公共施設
- 中央公民館
- 町立大多喜図書館天賞文庫
- 海洋センター
- 総合運動公園
- 老人福祉センター
- 特別養護老人ホーム
病院
交通
鉄道
中心となる駅:大多喜駅
バス路線
高速バス
- 大多喜〜羽田空港〜品川駅
- ◆時間帯により、羽田空港へ立ち寄らない便もある。
一般路線バス
道路
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡・観光スポット
- 大多喜城(千葉県立中央博物館大多喜城分館。千葉県指定史跡)
- 養老渓谷
- 麻綿原高原
- 良玄寺
- 妙法生寺 - アジサイ寺として親しまれている
- 東総元駅
- ハーブアイランド
- 房総中央鉄道館
- 大多喜町商い資料館
- 渡辺家住宅 - 国の重要文化財に指定されている商家
- 千葉県立大多喜県民の森
- 道の駅たけゆらの里おおたき
- 旅館寿恵比楼 - 1960年代に白土三平が定宿にし、白土に連れられ宿泊したつげ義春が『紅い花』、『沼』、『西部田村事件』など多くの傑作を生み出したきっかけとなった宿として知られる。現在は廃業しているが建物は残されている。
温泉
- 養老渓谷温泉
- 大多喜沢山温泉
- 西部田鉱泉
祭事・行事
- 大多喜城さくらまつり
- お城まつり
- 養老渓谷もみじまつり
その他
- 日本の音風景100選:麻綿原のヒメハルゼミ
出身有名人
- 岩瀬裕子(元宮城テレビ放送アナウンサー)
- 宇佐美豊(東京ユニバーサルフィル室内管弦楽団)
- 江沢金五郎(初代)(銀座・天賞堂の創業者)
- 尾本信平(三井金属(現在の三井金属鉱業)元社長・元会長・元名誉相談役)
- 春日千春(テレビプロデューサー)※出生地は長野県上伊那郡高遠町。小学1年生時より当町に在住していた。
- 渡邉包夫(鑑定士)
関連人物
- 白土三平 - 旅館寿恵比楼を定宿として大多喜に滞在し、多くの作品を描いた。
- つげ義春 - 大多喜への旅や自然の印象がもとになり、『紅い花』、『沼』、『西部田村事件』、『初茸がり』などの多くの作品が生まれた。
大多喜を舞台(モデル)とした作品
- アクションヒロイン チアフルーツ - 舞台である陽菜野(ひなの)市のモデル。作中にいすみ鉄道を想起させる駅や車両も登場する。姉妹都市であるクエルナバカはそのまま登場している。
関連項目
脚注
参考文献
『大多喜町行政のあゆみ』 発行日 : 2004年9月、発行 : 千葉県大多喜町、編集 : 大多喜町総務課、制作 : 株式会社ぎょうせい
外部リンク
学校
名所・観光