多気町
Contents
地理
- 多気町は三重県のほぼ中央に位置している内陸の町で、海に面していない。
- 町内を中央構造線が通っている。
- 山:山々に囲まれているが、それほど有名な山はない。
- 町内に「城山」が2つあり、長谷地区の城山は291m、矢田地区の城山は128.8m。
- 池:たくさんの池がある。中でも三重県最大の池である五桂池と栃ヶ池が知られている。
- その他の池:桧皮池(野中)、涵翠池(相可)、小寺池(丹生)、西杉田池(四疋田)、下池(三疋田)、上池(佐伯中)、東池(河田)、西池(東池上)、月本池(井内林)、油夫池(油夫)、宮谷池(荒蒔)
- 河川:宮川、櫛田川、佐奈川、外城田川、祓(はらい)川、濁川(宮川支流)
- 用水:立梅用水
隣接している自治体
人口
多気町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
歴史
- 『和名抄』に「多気郡多気郷」・「飯野郡兄国郷」の表記が見られ、古代から人々の居住する農村地帯であった。中世には北畠氏領、近世には和歌山藩田丸城代の領地であった。[1]
- そのほか、伊勢本街道、和歌山別街道、熊野街道が通過する交通の要地としても発展してきた。明治28年刊行の『大日本管轄分地図』の三重県総論には
- 『此地は和歌山街道と熊野街道との岐路に当れば郡中第一の賑かなる地にて郡役所警察署等あり。』
- と記されており、当地が郡の中心地であったことが分かる。また、旧勢和村域は丹生山神宮寺(丹生大師)の門前町としての機能もあった。
町名の由来
郡名の「多気」を採用したものである。「多気」の語源には以下のような説がある[2]。
- 竹が生育する地域であったことから、「竹郡」と命名され、後世に「多気」(たけ)の字が当てられ、更に読みが「たき」に変化した。
- 古語の「多木」(たき、食物の多くできる土地の意)に由来する。
- 動詞「たぎる」(勢いよく流れる、水が湧き出す)に由来する。
沿革
- 1955年(昭和30年)3月31日 - 相可町・佐奈村・津田村が合併して多気町が発足。
- 1959年(昭和34年)4月15日 - 西外城田村を編入。
- 2006年(平成18年)1月1日 - 勢和村と合併し、改めて多気町が発足。
行政
町長
- 町長選挙結果(2010年1月31日投開票、投票率73.61%)[3]
当落 | 候補者 | 得票数 |
当 | 久保行央 | 3,946票 |
木戸口かつゆき | 2,199票 | |
西川浩 | 1,271票 | |
田山耕三 | 1,198票 | |
坂井のぶひさ | 718票 |
議会
※なお、衆議院議員選挙の選挙区は「三重県第4区」[4]、三重県議会議員選挙の選挙区は「多気郡選挙区」(定数:2)[5]、となっている。
住所表記
- 合併により、正式な住所表記から「大字」が外された。
- (例)
- (旧)多気郡多気町大字相可1600番地→(新)多気郡多気町相可1600番地
- (旧)多気郡勢和村大字朝柄3127番地→(新)多気郡多気町朝柄3127番地
- 合併前から大字表記のなかった相可台地区は変更は無い。
パブリックコメント
パブリックコメント(意見公募手続):多気町の重要な施策を策定していく段階で、その素案を公表し、住民に素案に対する意見などを求め、提出された意見を考慮しながら新しい計画などを策定することを主な目的としている。当然ながら、多気町民であれば意見を述べることが出来る。
経済
シャープ三重工場が多気町の経済を牽引(けんいん)している[6]。
農業
カキとミカン
カキの栽培は標高200m前後の山々に囲まれた、花崗岩を含む土壌で外城田地域を中心に行われている[7]。1909年(明治42年)頃に富有柿が導入され、1935年(昭和10年)頃に増加、1940年(昭和15年)には桑畑からの転作が進んだ[7]。戦後炭疽病対策として次郎柿に品種の転換が進み、町内の農園で早生系の新品種「前川次郎」も発見された[7]。1956年(昭和31年)頃から個別選果・共同出荷が始まり、1964年(昭和39年)の大豊作を期に共同選果・共同出荷へ移行した[8]。1972年(昭和47年)には水田からの転作が14 - 15ha規模で行われ、従来からの約80haを合わせ、三重県の代表的なカキ産地となった[7]。
ミカン栽培は江戸時代からの伝統で、年平均気温15.5℃、年間降水量2,500mmの山腹の段々畑で逆転層を利用して行われてきた[9]。生産の中心は佐奈地域で、1970年代には380m2のミカン園が存在した[9]。この頃より観光用のミカン狩り園が出現している[9]。また多気町産ミカンの特色として、日持ちが良く、4月上旬まで貯蔵ができるという点が指摘できる[9]。
企業
- シャープ株式会社多気事業所(中小型向け液晶パネルでは国内最大)
- 株式会社ダイヘン三重事業所
- 万協製薬株式会社本社
- 相可フードネット本社(惣菜店「せんぱいの店」を経営)
- 林純薬工業 三重工場 三重営業所 テクノセンター
かつて水銀鉱山として丹生地区に丹生鉱山があった。
姉妹都市・提携都市
海外
姉妹都市
姉妹校
- 台北市金華中学校(台湾)
友好都市
- サン・セバッシャン市(スペイン)
日本国内
- その他
- 全国門前町サミット - 全国の神社仏閣を中心に発展してきた門前町を有する自治体・観光協会・商業関係者などが集まり地域活性、街作り推進のため開催する会議。
消防
常備消防
松阪市、明和町と松阪地区広域消防組合を組織し、消防事務を行っている。町内には、松阪南消防署(松阪市春日町)の分署が2つある。
- 松阪南消防署多気分署(相可)
- 松阪南消防署松阪勢和分署(片野)
消防団(非常備消防)
- 多気町消防団
警察
松阪市にある松阪警察署が管轄している。町内には6の警察官駐在所がある。
- 多気警察官駐在所(多気)
- 相可警察官駐在所(相可)
- 西外城田警察官駐在所(森荘)
- 佐奈警察官駐在所(仁田)
- 丹生警察官駐在所(丹生)
- 朝柄警察官駐在所(朝柄)
日本郵政グループ
(2015年2月現在)
- 多気郵便局(相可(おうか)) - 集配局。
- 丹生(にゅう)郵便局(丹生)
- 多気駅前郵便局(多気)
- 佐奈郵便局(仁田(にた))
- 五ケ谷郵便局(古江)
- 出江(いずえ)簡易郵便局(下出江)
- 簡易郵便局を除く各郵便局にゆうちょ銀行のATMが設置されており、多気・丹生の各郵便局ではホリデーサービスを実施。
多気町の郵便番号は、合併前からの多気町域(および松阪市の一部地域[10])が「519-21xx」(多気郵便局の集配担当)、旧勢和村域が「519-22xx」(多気郵便局の集配担当)となっている。
教育
学校教育
高校
中学校
以下の2校とも2014年3月に台湾の台北市立金華国民中学と友好姉妹校提携を結んでいる[11]。
小学校
- 多気町立相可小学校
- 多気町立佐奈小学校
- 多気町立津田小学校
- 多気町立外城田小学校
- 多気町立勢和小学校
社会教育
博物館(郷土資料館)
- 多気町立多気郷土資料館
- 多気町立勢和郷土資料館(多気町ふるさと交流館せいわ内)
図書館
文化会館
- 多気町民文化会館
ふるさと交流館
- 多気町立ふるさと交流館たき
- 多気町立ふるさと交流館せいわ
公民館
- 多気町立多気中央公民館
- 多気町立勢和公民館
- 波多瀬分館
- 益習分館
- 三養分館
- 出江分館
- 丹生分館
- 多気町立相可公民館
- 多気町立佐奈公民館
- 多気町立津田公民館
- 多気町立外城田公民館
交通
鉄道
バス
高速バス
一般路線バス
- 多気町町営バス - 2009年4月1日に、町民バス(多気地域)と巡回バス(勢和地域)が統合、路線再編が実施された。
- 幹線バス
- 波多瀬保育園-丹生-天啓の里-多気駅-下河田(毎日運行)
- 多気町予約運行小型バス(でん多)
- 西相鹿瀬線
- 西池上・下佐奈線
- 五桂・井戸谷線
- 出江線
- 朝柄・三養線
- 幹線バス
- 三重交通
道路
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡
- 丹生大師(丹生山神宮寺)
- 丹生神社・丹生中神社
- 近長谷寺
- 丹生鉱山跡
- 金剛座寺
- 式内 穴師神社(金剛座寺内)
- 御船神社・牟弥乃神社
- 佐那神社
- 普賢寺
- 天啓の里(天啓公園、のびのびパーク天啓)-黄檗宗の古刹、法泉寺の史跡。
- しあわせの宮
観光スポット
- 五桂池ふるさと村
- 元丈の館
- ゆとりの丘
- 波多瀬薬草公園
- 山の駅よって亭(コケコッコー共和国)
- 歴史の散歩道(天啓公園⇔金剛座寺⇔近長谷寺)
- 神坂展望施設(金剛座寺山頂)
- 多気まちかど博物館(松阪紀勢界隈まちかど博物館)
- 伊勢イモ歴史資料館
- 和歌山街道酒器の館 「北岡(きたおか)とっくり館」
- 和歌山街道・中山薬草薬樹公園 「元丈(げんじょう)の館」
- 五桂・こだわり蔵元 「鉾杉」 (ほこすぎ)
- 神坂・金剛座寺 「佐那文庫」 (さなぶんこ)
- 万協フィギュア博物館
祭事・催事
出身者
ケーブルテレビ
- 多気町内のケーブルテレビ事業は松阪ケーブルテレビ・ステーション(MCTV)が行っている。
- 「多気町行政チャンネル」は、多気町の公式サイトから一部視聴可能である。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 人文社観光と旅編集部『県別シリーズ25 郷土資料事典 三重県・観光と旅』(人文社、昭和43年7月10日、p.47-49)
- ↑ 『多気』日本辞典(2010年5月18日閲覧。)
- ↑ 多気町役場企画調整課『広報たき2010年3月号 Vol.51』
- ↑ 衆議院小選挙区図 (PDF) 三重県選挙管理委員会
- ↑ 県議会議員の選挙区と定数 三重県選挙管理委員会
- ↑ 鈴木智重・久野賢太郎・水野健太"シャープ亀山工場別会社化 「確定情報ない」地元困惑 中核事業の液晶生産 冷静な受け止めも"中日新聞2012年8月18日付朝刊、三重版18ページ
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 農耕と園芸編集部 編(1972):252-253ページ
- ↑ 農耕と園芸編集部 編(1972):253ページ
- ↑ 9.0 9.1 9.2 9.3 農耕と園芸編集部 編(1972):250ページ
- ↑ 阿波曽町(あわそちょう)、射和町(いざわちょう)、上蛸路町(かみたこじちょう)、下蛸路町、庄町、中万町(ちゅうまちょう)、八太町、御麻生薗町(みおぞのちょう)の各区域。
- ↑ 多気町役場企画調整課 編『広報たき 平成26年4月号』Vol.100、多気町役場企画調整課、2014年4月、22p.(3ページより)
- ↑ 大沢悠 (2015年8月16日). “多気の少女まんが館、19日に開館 16日内覧会”. おでかけニュース. 中日新聞. 2016年10月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
- ↑ 宮澤諒 (2015年8月17日). “三重県多気町に「少女まんが館TAKI 1735」 少女まんがを無料で公開”. ITmedia eBook USER. ITmedia. 2016年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
参考文献
- 農耕と園芸編集部 編『最新園芸特産地ガイド ②中部・近畿』誠文堂新光社、昭和47年7月20日、275p.
外部リンク