多摩動物公園
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多摩動物公園(たまどうぶつこうえん)は、東京都日野市に位置する動物園である。多摩動物園と呼ばれることも多く、恩賜上野動物園等と並び日本有数の動物園となっている。都市公園としての名称は、都立七生公園。園長は永井清。
Contents
概要
1958年5月5日に開園。当初は恩賜上野動物園の分園という形であった。恩賜上野動物園に比して広大な(約4倍)敷地を生かし、動物たちが自由に動く様を見せることを目指している。当時最新の無柵放養式展示を導入した動物園の1つである。かつては、東京都が直営で運営していたが、指定管理者制度により公益財団法人東京動物園協会へ引き継がれた。2018年3月時点での職員数は112人[1]。
丘陵地に作られたため起伏が多く、展示動物同士の間隔が比較的広いため園内ではシャトルバスが運行されている。
園内構成
生息地域ごとに生物を区分けする地理学展示を基調としている。
アジア園
- オランウータンのスカイウォーク
- 放飼場同士をタワーとワイヤーロープで結ぶ。全長150mと世界最大級。
- 2005年、エンリッチメント大賞 飼育施設部門大賞を受賞。
- 猛禽舎
- 半円形の巨大ケージの中をオジロワシやイヌワシが自由に飛び回る。
- アジアの山岳ゾーン
- ユキヒョウ、レッサーパンダ、ゴールデンターキンを展示。
- マレーバクの水辺
- 水中を泳ぐマレーバクをガラス越しに観察できる。
- モグラの家
- ガラスに入れた土や金網のトンネルでモグラの巣を再現。日本最小の哺乳類、トウキョウトガリネズミも展示。
- アジアの沼地
- コツメカワウソ、インドサイ、スイギュウ、水鳥の生息地を再現。
- アジアの平原
- オオカミ、モウコノウマを展示。
アフリカ園
- ライオンバス
- サファリ形式によってライオンを見ることが出来る、日本国内の動物園における初の施設として有名。1964年5月に開始。なお、バスの運行は京王電鉄バスが行っている。
- 2016年4月から休止(発着場の耐震化工事のため)[2][3]。
- サバンナ
- 広大な放飼場でアミメキリン、グレビーシマウマ、シロオリックス、ダチョウ、ペリカンを混合展示している。
- チンパンジーの森
- 高さ15mのタワーやUFOキャッチャー、自動販売機などチンパンジーの運動能力と知能を観ることが出来る。
オーストラリア園
- コアラ館
- コアラを中心にタスマニアデビル、フクロモモンガやハイイロリングテイルなどの有袋類を展示。
昆虫園
- 昆虫園本館
- トンボをイメージした建物に興味深い昆虫の生体・標本を展示している。2002年4月25日にリニューアルオープンした。
- 2005年、キノコを育てる「ハキリアリの飼育と展示」高碕賞を受賞。
- 昆虫生態園
- 温度を調節し、中に川や森などを再現してチョウやタガメ・カブトムシなどを季節に関係なく1年を通して放し飼いされている大温室(チョウの通年飼育は日本初)のほか国内外の昆虫を展示したスペースがある。
- チョウをイメージしており、1989年、日本建築学会賞を受賞。
主な飼育動物
- アオダイショウ
- アオバネワライカワセミ
- アオバト
- アカカンガルー
- アカネズミ
- アカハシハジロ
- アジアゾウ
- アズマモグラ
- アフリカゾウ
- アマサギ
- アミメキリン
- アムールトラ
- アンデスブロンズトキ
- イノシシ
- イワシャコ
- インカアジサシ
- インドガン
- インドクジャク
- インドサイ
- ウミネコ
- エミュー
- オオコノハズク
- オーストラリアガマグチヨタカ
- オオフラミンゴ
- オオワシ
- オカヨシガモ
- オグロヅル
- オシドリ
- オジロワシ
- カイツブリ
- カオグロトキ
- カモシカ
- カヤネズミ
- カラスバト
- カリガネ
- カワセミ
- カワネズミ
- キジ
- 木曽馬
- キングチーター
- キンクロハジロ
- グレビーシマウマ
- クロツラヘラサギ
- クロトキ
- ケナガワラルー
- コアラ
- コウノトリ
- コウベモグラ
- ゴールデンターキン
- コクガン
- コサギ
- コシベニペリカン
- コジュケイ
- コツメカワウソ
- コミミズク
- コンゴウインコ
- サーバル
- サカツラガン
- シジュウカラガン
- シフゾウ
- ジムグリ
- シャモア
- ショウジョウトキ
- シロオリックス
- シロテテナガザル
- シロトキ
- シロフクロウ
- スミスネズミ
- セキショクヤケイ
- セグロカモメ
- ソデグロヅル
- ソリハシセイタカシギ
- タイリクオオカミ
- タゲリ
- タスマニアデビル
- ダチョウ
- ダルマワシ
- タンチョウ
- チーター
- チョウゲンボウ
- チンパンジー
- ツキノワグマ
- ツクシガモ
- テンジクネズミ
- トウキョウトガリネズミ
- トキ(特別公開)
- トナカイ
- ナベコウ
- ニジキジ
- ニホンアナグマ
- ニホンイタチ
- ニホンイヌワシ
- ニホンザル
- ニホンノウサギ
- ハイイロガン
- ハクビシン
- ハクガン
- ハダダトキ
- パルマワラビー
- ヒシクイ
- ヒマラヤタール
- ヒメウズラ
- ヒメコンドル
- ヒメネズミ
- フサオネズミカンガルー
- フクロウ
- フクロギツネ
- フクロモモンガ
- ベニコンゴウインコ
- ホオアカトキ
- ホオジロガモ
- ホシハジロ
- ボルネオオランウータン
- マガン
- マレーバク
- ムギワラトキ
- ムフロン
- ムラサキサギ
- メンフクロウ
- モウコノウマ
- モモイロペリカン
- ヤギ
- ヤクシカ
- ヤマネ
- ユキヒョウ
- ユリカモメ
- ヨシガモ
- ライオン
- ルリコンゴウインコ
- レッサーパンダ
- ワシミミズク
- ワライカワセミ
など
歴史
- 1958年 - 開園。代表的な動物はチンパンジー、インドゾウ、インドサイなど。
- 1960年 - アミメキリン来園。アフリカ園建設開始。日本で初めてフタコブラクダの繁殖に成功
- 1962年 - 日本で初めてアイベックス、ホッグジカの繁殖に成功。
- 1964年 - ライオンバス運行開始。
- 1965年 - 日本で初めてヤクの繁殖に成功。
- 1966年 - 「バッタとチョウの温室(昆虫生態園の元祖)」完成。日本で初めてマレーグマの繁殖に成功。
- 1967年 - アフリカゾウ、チーター、シロオリックス来園。日本で初めてトナカイの繁殖に成功。
- 1968年 - 日本で初めてチャップマンシマウマ、シロオリックスの繁殖に成功。
- 1969年 - 昆虫園本館開館。日本で初めてヨザル、ハーテビーストなどの繁殖に成功。
- 1970年 - 日本で初めてマレーバク、パルマワラビー、ワシミミズクの繁殖に成功。
- 1965年 - 日本で初めてムフロン、スナジリスの繁殖に成功。
- 1973年 - 日本で初めてインドサイの繁殖に成功。
- 1976年 - 日本で初めてオジロワシの繁殖に成功。
- 1977年 - サバンナ放飼場完成。
- 1978年 - 日本で初めてシフゾウ、シロガシラトビ、ショウジョウトキなどの繁殖に成功。
- 1980年 - 日本で初めてタンチョウの人工授精に成功。
- 1982年 - 日本で初めてエゾユキウサギの繁殖に成功。
- 1984年 - オーストラリアタロンガ動物園からコアラ来園。コアラ館完成。
- 1985年 - 猛禽舎完成。日本で初めてハナナガネズミカンガルー、コミミバンディクートなどの繁殖に成功。
- 1987年 - 世界で初めてヤマネの繁殖に成功。
- 1988年 - 昆虫生態園完成。日本で初めてコウノトリの孵化に成功。
- 1990年 - チーター・サーバル舎完成。
- 1991年 - アジアの山岳ゾーン完成。日本で初めてチャムネエメラルドハチドリの繁殖に成功。
- 1993年 - ウォッチングセンター完成。
- 1996年 - アフリカゾウ舎改築。世界で初めてクロツラヘラサギの繁殖に成功。日本で初めてゴールデンターキン、ヒメコンドル、ソデグロヅルの繁殖に成功。
- 1997年 - 世界最高齢のスイギュウ「ミタケ」が36歳で死ぬ。
- 1998年 - アフリカゾウの繁殖に成功。
- 2000年 - チンパンジーの森、マレーバクの水辺完成。
- 2002年 - 昆虫館本館をリニューアル。国内最高齢のグレビーシマウマ「ハルコ」が35歳で死ぬ。
- 2005年 - オランウータン・スカイウォーク完成。
- 2007年 - 佐渡トキ保護センターからトキ来園。
- 2008年 - トキが佐渡以外の施設で初めて繁殖する。アジアの沼地ゾーン完成。
- 2011年 - 3月17日から3月31日の間、東北地方太平洋沖地震の影響などにより臨時休園。
- 2013年 - アジアの平原ゾーン完成。
- 2016年
- ライオンバス運行休止(発着場の耐震化)。
- 2016年ライオンが昨年出産していたことが報じられた。子供の名前はルークとレイアに決定した。
- 2017年9月27日 - 世界最高齢のボルネオオランウータン「ジプシー」が62歳で病死[4]
その他
- 今でこそ、ライオンバスと同じように放し飼いの猛獣を自動車に乗ったまま見学できる施設は日本各地にあるが、ライオンバスを始めた当時はまだ日本にこのような施設はなく、地域住民からの猛反発を受けて当初1963年5月に開始予定だったものが翌年の5月まで延期が発表された。更に1964年1月に「当年5月の開業は見送る」と発表され、結局運行開始は同年の夏だった。
- 公園一帯は、タヌキの生息地でもあり、飼育されているタヌキの他に野生のタヌキも園内で生息している[1]。そういった野生のタヌキが園内で捕獲されて飼育されるケースもある[1]。
利用案内
- 開園時間:9:30-17:00(入園は16:00まで) サマーナイトのイベントを実施している(年間スケジュールを参照)
- 休園日:毎週水曜日(水曜日が国民の祝日、振替休日、都民の日の場合はその翌日が休園日)および年末年始(12月29日~1月1日)
- 飲食物の持ち込み可。
- 貸ベビーカー:正門の外にある「京王レストハウス」が2013年11月30日で閉店になったため、12月1日をもって終了[5]、ウォッチングセンター前で行っている。
- 障害者用駐車場が正門前にあり、警備員に障害者手帳を提示すると利用できる[6]。
交通
- 京王動物園線または多摩都市モノレール線「多摩動物公園駅」下車すぐ。
- 中央自動車道「国立府中インターチェンジ」から自動車で約20分
関連項目
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 野生タヌキが住み着いた動物園! 多摩動物公園の驚くべき実態とは?。 withnews 2018年03月07日 同日閲覧
- ↑ しばしのお別れ……。多摩動物公園名物のライオンバス、2016年4月より運行休止 ねとらぼ 2015年7月30日
- ↑ ライオンバス運行休止とその後のライオン園 2016年4月29日 東京ズーネット
- ↑ “62歳、世界最高齢オランウータン死ぬ 多摩動物公園”. 産経新聞. (2017年9月28日12時47分) . 2017閲覧.
- ↑ 多摩動物公園京王レストハウス
- ↑ 交通アクセス 多摩動物公園公式サイト-東京ズーネット
外部リンク
典拠レコード: