多剤耐性
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多剤耐性(たざいたいせい、英: multiple drug resistance)は、ある微生物が作用機序の異なる2種類以上の薬剤に対する耐性を示すことをいう。多剤耐性の発生機序としてはかつては突然変異によってのみ起こると考えられていたが、現在では薬剤に対する耐性の遺伝子をもったプラスミドの伝達もその要因の一つであると考えられている。なお、作用機序が同一の薬剤による耐性は1種類の耐性とみなす。多剤耐性を起こした菌に対しては、従来使用されていた薬剤が治療効果を失うため、医学上問題となる。多剤耐性菌の蔓延の要因の一つとして抗生物質の不用意な使用が挙げられる。
関連項目
- 薬剤耐性
- 交差耐性
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
- バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)
- バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)
- 多剤耐性緑膿菌(MDRP)
- MRP1 - ガンの多剤耐性の原因のひとつとされる膜タンパク質。
- 多剤耐性結核菌(MDR-TB)/超多剤耐性結核菌(XDR-TB)
参考文献
- 鹿江雅光、新城敏晴、高橋英司、田淵清、原澤亮編 『最新家畜微生物学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460198
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104