埼玉スタジアム2002
埼玉スタジアム2◯◯2 Saitama Stadium 2002 "埼玉スタジアム" | |
---|---|
施設情報 | |
所在地 | 埼玉県さいたま市緑区美園二丁目1番地 |
位置 |
北緯35度54分11.19秒 東経139度43分3.37秒 |
起工 | 1998年5月9日[1] |
開場 | 2001年10月6日 |
所有者 | 埼玉県 |
運用者 | 公益財団法人埼玉県公園緑地協会 |
グラウンド | 天然芝 |
ピッチサイズ | 105 m x 68 m |
照明 | 平均2,000ルクス(ハイビジョン放送対応) |
大型映像装置 | オーロラビジョン2基 |
建設費 | 約356億円(設計価格 約404億円[2])(用地費等含む公園整備総額766億円[3]) |
設計者 | 埼玉県県土整備部スタジアム施設課(設計・監理)、梓設計[4](管理) |
建設者 | 鹿島建設(施工建築) |
使用チーム、大会 | |
浦和レッズ(2001年 - 現在) サッカー日本代表(2001年 - 現在) 全国高等学校サッカー選手権大会 高円宮杯U-18サッカーリーグ 高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会 Jリーグ Jリーグカップ 天皇杯全日本サッカー選手権大会 FUJI XEROX SUPER CUP AFCチャンピオンズリーグ スルガ銀行チャンピオンシップ さいたまシティカップ Jリーグワールドチャレンジ 2002 FIFAワールドカップ 2020年東京オリンピック キリンカップサッカー キリンチャレンジカップ | |
収容能力 | |
63,700人(車椅子席150席含む) | |
アクセス | |
埼玉高速鉄道線(埼玉スタジアム線) 浦和美園駅から徒歩15分 |
埼玉スタジアム2◯◯2(さいたまスタジアム にまるまるに[5])は、埼玉県さいたま市緑区の埼玉スタジアム2002公園内にあるサッカー専用の競技スタジアム。施設は埼玉県が所有し、埼玉県公園緑地協会が指定管理者として運営管理を行っている。
Contents
概要
2002 FIFAワールドカップを日本で開催する為に作られたサッカースタジアムの一つ。日本国内のサッカー専用競技場としては最大となる63,700人を収容できるスタジアムで、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)、サッカー日本代表の国際Aマッチなどでも使用されている。こけら落としは2001年10月13日のJ1リーグ戦・浦和レッズvs横浜F・マリノスで、この試合の観客60,553人は当時のJリーグ最多記録となった。
周辺は都市公園「埼玉スタジアム2002公園」として機能しており、サブグラウンド3面[注 1]、フットサルグラウンドといったサッカー関連施設のほか芝生広場もある。これらの施設を利用したスポーツクラブも開設され、レストハウス(レストラン)も含めて一般市民に開放されている。
正式な表記は「埼玉スタジアム2○○2」(2つある数字の「2」の間に記号の「丸」が2つ入る)であるが、埼玉スタジアム2002の公式サイトを含め、マスメディアではすべて数字で「2002」(にせんに)と表記されている。一般には単に埼玉スタジアム、または略されて埼スタと呼ばれたり、表記されることも多い。なお、Jリーグのホームページでは「埼玉」と表記されている。
2005年・2009年・2013年・2016年にはJリーグアウォーズで「ベストピッチ賞」を受賞した。
利用状況
浦和レッズ
開場から2002年まではワールドカップとの兼ね合いから年間5・6試合程度の開催にとどまっていたが、2003年にレッズのホームスタジアムとして登録されたことでJリーグヤマザキナビスコカップを含め主催試合数を徐々に増やしていく。2005年には本社機能の一部をスタジアム内に移転して試合数をさらに増加させ、2010年からはリーグ戦全試合を当地で開催し、駒場スタジアムでJリーグカップ1試合を開催。2011年および2012年はJリーグ公式戦・Jリーグカップともに全試合を当地で開催している。2012年度までは登記上「埼玉・駒場併用」という形をとっていたものの、2013年に限り、駒場の本拠指定を取消して、埼玉一本に絞ったが、2014年から2か所併用に登録を戻している。なおJリーグファンズガイドでは2011年度から駒場の本拠地記述を抹消している。
大宮アルディージャ
大宮アルディージャもホームゲームの一部を2001年から開催し、特に本拠地の大宮公園サッカー場をJ1基準に満たすためのスタジアム改修が着工された2005年には実質的な準メイン[注 2]となり、2006・2007年度はメインを駒場に移し観客動員が多く見込まれる試合のみを開催した。
しかし、3万人以上が集まる「さいたまダービー」(アルディージャ主催試合は上部スタンドを開放しないため3万人台でもほぼ満員状態となる)を除くと観客数は伸びず、規模は大きいが旧大宮市地域からの交通の便が悪いことから[注 3]、アルディージャは当地を利用した利点は少なかった。
2007年10月に、大宮公園サッカー場の改修工事が終了し供用が再開されたことから、2008年はアルディージャの主催試合は行われなかったが[注 4]、2009年はリーグ戦3試合、2010年は1試合を開催した。2011年以降のホームゲーム開催は無くなり、同年で撤退。
国際試合
2002 FIFAワールドカップでは日本代表のグループリーグ初戦(vsベルギー)や準決勝(ブラジルvsトルコ)など4試合が行われた。なお、当初目指していた決勝戦の誘致はアクセスや収容人数の観点から横浜国際総合競技場に譲ることとなった。
その後もFIFAワールドカップ予選や親善試合において日本代表のホームゲーム開催実績を多く持ち、首都圏では横浜国際総合競技場とともに日本代表の事実上のメインスタジアムとして用いられている。
- 2006 FIFAワールドカップ・アジア予選では日本代表のホームゲームとして1次予選の全3試合(オマーン戦・インド戦・シンガポール戦)と、最終予選の全3試合中2試合(北朝鮮戦・バーレーン戦)が開催された[注 5]。
- 2010 FIFAワールドカップ・アジア予選では日本代表のホームゲームが3次予選で全3試合中2試合(タイ戦・バーレーン戦)、最終予選で全4試合中2試合(ウズベキスタン戦・バーレーン戦)が開催された[注 6]。また、本大会では日本代表の4試合すべてでパブリックビューイングが開催された。
- 2014 FIFAワールドカップ・アジア予選では3次予選において日本代表のホームゲーム3試合のうち1試合(北朝鮮戦)が開催された[注 7][6]。最終予選については、ホームゲーム4試合(オマーン戦、ヨルダン戦、イラク戦、オーストラリア戦)がすべて埼玉で開催された[7][8]。2012年6月3日のオマーン戦ではスタジアム記録となる観客動員63,551人をマークし[9]、2013年6月4日のオーストラリア戦で初めてホームゲームでFIFAワールドカップ出場権を獲得した[10]。
- 2018 FIFAワールドカップ・アジア予選では2次予選において日本代表のホームゲーム全4試合(シンガポール戦、カンボジア戦、アフガニスタン戦、シリア戦)がすべて埼玉で開催され、[11][12] 最終予選のホームゲーム5試合(UAE戦、イラク戦、サウジアラビア戦、タイ戦、オーストラリア戦)もすべて埼玉で開催された。2017年8月31日、オーストラリアを2-0で破り、前回大会に続き埼玉スタジアムでFIFAワールドカップ出場を決めた。
- 2020年に開催されることが正式に決まった東京オリンピックのサッカー競技会場になっている。
その他のサッカー試合
- 天皇杯全日本サッカー選手権大会では年度によって準々決勝や準決勝などの1試合が開催され、埼玉県サッカー協会が主管し、レッズが勝ち上がった場合に登場する予定の試合が割り当てられている。2017年度の第97回大会[13] と2018年度の第98回大会[14] では決勝戦の会場として承認された。また、その県予選を兼ねる埼玉県サッカー選手権大会ではサブグラウンドを使用する。
- 例年(1994年、1997年を除く)、国立霞ヶ丘陸上競技場を会場としていたJリーグカップ[注 8]決勝戦が、同競技場の2020年東京五輪開催に伴う全面改修工事(2015年2月下旬着工)による閉場に伴い、2014年より当スタジアムが決勝戦会場として使用されている。
- 全国高等学校サッカー選手権大会ではメインスタジアムが第80回大会(2001年度)より使用開始され、以降会場の一つとして定着している。主に1・2回戦までの使用であることが多いが、第87回大会(2008年度)では準決勝でも使用された。第93回大会(2014年度)以降は、上記のJリーグカップと同理由により準決勝・決勝戦の会場になった[15]。また、埼玉県大会決勝の会場としても使用され、サブグラウンドでも試合が行われる。
- 同じ高校生年代の大会である高円宮杯U-18サッカーリーグ プリンスリーグでは関東地区の大会で3面のサブグラウンドが利用され、その上位チームが集まる高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会では2006年から決勝がメインスタジアムで開催されていた。高円宮杯全日本ユース選手権の後継大会である高円宮杯U-18サッカーリーグでも、東西プレミアリーグの優勝チームによる日本一決定戦(チャンピオンシップ)でメインスタジアムが用いられている。
- サブグラウンド(天然芝2面、人工芝1面)では日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)のASエルフェン埼玉の主催試合[注 9]や関東大学サッカーリーグの試合が行われる事もある。なお市民向けに一般開放されるのは天然芝保護の観点から、第4グラウンドとフットサルコート2面(いずれも人工芝。サッカー、フットサル、ラグビー、グラウンドゴルフなどの球技全般に利用可)[16]のみとなっている。
- 2004年の彩の国まごころ国体少年の部及び2008年の彩夏到来08埼玉総体では決勝戦がメインスタジアムで実施され、サブグラウンドでも試合が行われた[注 10]。2003年に国体リハーサルとして開催された全国社会人サッカー選手権大会では決勝戦の会場になった。
その他の利用
当スタジアムは陸上競技用のトラックがないので陸上競技の開催は不可能であり、サッカー以外の球技に利用できないというわけではないが、ゴールラインとスタンドの距離も近いためか、ラグビーやアメリカンフットボールの開催も行われていない(一般開放も前述のとおり、第4グラウンド・フットサルコート以外は行っていないが、施設見学は可能。2015年7月現在)。コンサートへの利用は構造的には可能だが、芝生保護などの理由でピッチ上でのステージ構築などを見合わせているため現在まで開催実績はない。
2003年8月には、阪神タイガースを応援するパブリックビューイングが、スタンドと大型画面を利用して実施されたが、企画者の予想に反してスタジアムは閑散とした上に、プロ野球地域保護権に基づいて埼玉県を保護地域(フランチャイズ)とする西武ライオンズからの抗議を受け、プロ野球のパブリックビューイングは、この時限りとなった。その後、ドイツで行われた2006 FIFAワールドカップで、サッカー日本代表の試合でパブリックビューイングが実施された。
一方、スタジアム公園ではフリーマーケットや展示会などサッカー以外のイベントも開催されており、そのうち結婚式(スタジアムウェディング)では式を挙げた2人が例外としてピッチの上を歩くことが可能である。また、テレビドラマやコマーシャルなどの撮影にも活用されている[注 11]。大規模災害時には防災基地としての活用が想定され、スタンドの下には非常用食糧が備蓄されている。また、太陽光発電装置や雨水利用装置も備えられ、通常はスタジアム管理に活用されている。
観客動員数
- データは「浦和レッズ・オフィシャルハンドブック(2008年版)[17]」による。
- 天皇杯、プレシーズンマッチ(さいたまシティカップなど)などを除く。
Jリーグ
年度 | 試合数 | 合計観客数 | 1試合平均 | 最多観客数 | 最低観客数 |
---|---|---|---|---|---|
2001 | 2 | 104,239 | 52,119 | 60,553 | 43,686 |
2002 | 5 | 201,649 | 40,329 | 57,902 | 32,983 |
2003 | 7 | 280,902 | 40,128 | 51,195 | 31,965 |
2004 | 9 | 431,777 | 47,975 | 58,334 | 32,296 |
2005 | 13 | 601,418 | 46,262 | 55,476 | 35,198 |
2006 | 15 | 741,168 | 49,411 | 62,241 | 34,417 |
2007 | 15 | 758,127 | 50,541 | 62,123 | 38,682 |
2008 | 16 | 793,128 | 49,571 | 57,050 | 35,080 |
2009 | 16 | 732,788 | 45,800 | 53,783 | 38,634 |
2010 | 17 | 678,994 | 39,941 | 55,410 | 21,625 |
2011 | 17 | 576,477 | 33,910 | 54,441 | 20,240 |
2012 | 17 | 622,772 | 36,634 | 51,879 | 25,743 |
2013 | 17 | 630,701 | 37,100 | 54,905 | 23,295 |
2014 | 17 | 636,529 | [注 12] 37,442 | 56,758 | [注 13] 0 |
2015 | 17 | 658,668 | 38,745 | 53,148 | 22,363 |
2016 | 17 | 627,898 | 36,935 | 56,841 | 22,766 |
Jリーグカップ
年度 | 試合数 | 合計観客数 | 1試合平均 | 最多観客数 | 最低観客数 |
---|---|---|---|---|---|
2004 | 1 | 28,977 | 28,977 | 28,977 | 28,977 |
2005 | 2 | 62,498 | 31,249 | 31,754 | 30,744 |
2006 | 1 | 43,129 | 43,129 | 43,129 | 43,129 |
2007 | 1 | 44,609 | 44,609 | 44,609 | 44,609 |
2008 | 2 | 68,809 | 34,405 | 35,417 | 33,392 |
2009 | 3 | 84,968 | 28,322 | 36,251 | 21,271 |
2010 | 2 | 56,876 | 28,438 | 34,040 | 22,836 |
2011 | 3 | 60,190 | 20,063 | 23,879 | 13,036 |
2012 | 3 | 53,631 | 17,877 | 23,076 | 14,022 |
2013 | 2 | 49,940 | 24,970 | 27,197 | 22,743 |
2014 | 4 | 88,473 | 22,118 | 33,837 | 16,294 |
2015 | 1 | 16,781 | 16,781 | 16,781 | 16,781 |
2016 | 2[注 14] | 46,129 | 23,065 | 26,876 | 19,253 |
Jリーグチャンピオンシップ
年度 | 試合数 | 合計観客数 | 1試合平均 | 最多観客数 | 最低観客数 |
---|---|---|---|---|---|
2004 | 1 | 59,715 | 59,715 | 59,715 | 59,715 |
2015 | 1 | 40,696 | 40,696 | 40,696 | 40,696 |
2016 | 1 | 59,837 | 59,837 | 59,837 | 59,837 |
AFCチャンピオンズリーグ
年度 | 試合数 | 合計観客数 | 1試合平均 | 最多観客数 | 最低観客数 |
---|---|---|---|---|---|
2007 | 6 | 248,712 | 41,452 | 59,034 | 28,828 |
2008 | 2 | 95,077 | 47,539 | 53,287 | 41,790 |
2013 | 3 | 64,938 | 21,646 | 23,246 | 19,687 |
2015 | 3 | 41,134 | 13,711 | 13,924 | 13,527 |
2016 | 4 | 103,373 | 25,843 | 32,409 | 19,500 |
合計
年度 | 試合数 | 合計観客数 | 1試合平均 | 最多観客数 | 最低観客数 |
---|---|---|---|---|---|
2001 | 2 | 104,239 | 52,119 | 60,553 | 43,686 |
2002 | 5 | 201,649 | 40,329 | 57,902 | 33,018 |
2003 | 7 | 280,902 | 40,128 | 51,195 | 31,965 |
2004 | 11 | 520,469 | 47,315 | 59,715 | 28,977 |
2005 | 15 | 663,916 | 44,261 | 55,476 | 30,744 |
2006 | 16 | 784,297 | 49,018 | 62,241 | 34,417 |
2007 | 22 | 1,051,448 | 47,793 | 62,123 | 28,828 |
2008 | 20 | 957,014 | 50,369 | 57,050 | 33,392 |
2009 | 19 | 817,756 | 43,040 | 53,783 | 21,271 |
2010 | 19 | 735,870 | 38,730 | 55,410 | 21,625 |
2011 | 20 | 636,667 | 31,833 | 54,441 | 13,036 |
2012 | 20 | 676,403 | 33,820 | 51,879 | 14,022 |
2013 | 22 | 745,579 | 33,890 | 54,905 | 19,687 |
2014 | 21 | 725,002 | [注 15] 34,523 | 56,758 | [注 16] 0 |
2015 | 22 | 757,279 | 34,422 | 53,148 | 13,527 |
2016 | 24 | 837,237 | 34,885 | 59,837 | 19,253 |
合計 | 265 | 10,495,727 | 39,607 | 62,241 | [注 17]0 |
備考
- レッズホームゲーム、日本代表戦の際は北側スタンド(シャトルバス発着所側)がホーム側のサポーター席となり、アルディージャホームゲームの場合は南側スタンド(浦和美園駅側)がホーム側サポーター席となる[注 18]。
- レッズホームゲームは開幕戦や最終戦、タイトルのかかった大一番、レッズホームのさいたまダービー、鹿島アントラーズや横浜F・マリノスといった人気チームとの対戦などの場合には、アッパースタンドを含めた全席が完売となることもある。自由席の割合は対戦チームによって異なり、関東の人気チームが相手の場合は若干ビジター席の割合が高い。
- アルディージャホームゲームでは、レッズとのさいたまダービーも含めて上層(アッパー)スタンドを原則として開放しない措置が取られていた。ただし、2009年5月24日のさいたまダービーはバック側のみアッパースタンドが開放され(メイン側アッパースタンドは今まで通り開放されなかった)、2009年10月17日の川崎フロンターレ戦もバックアッパーが開放された。
- アルディージャホームゲームでは南側スタンドがホーム側サポーター席となっていた。また、2016年のJリーグYBCルヴァンカップの決勝戦にアルディージャが進出した場合も、ホーム扱いではあるが南側スタンドを観戦エリアとすることがJリーグよりアナウンスされていた[18]。
- メイン・バックの下層(ロアー)スタンドは、サイドスタンドを介してつながっているためピッチは完全に座席で囲まれているが、レッズホームゲームではアウェー席と他の座席は無人の緩衝帯で分離され、この間にある座席は使用できないようになっている。チケットが完売しても収容人数より少なくなっているのはこのためである。
- この緩衝帯と観客分離は、サッカー日本代表の試合でも設けられ、緩衝帯の内側で数十人の対戦国サポーターが観戦する例もある。2002 FIFAワールドカップでは、これが更に徹底され、両国のサポーターは、スタジアムへのシャトルバス利用駅が重ならないように、観戦チケットで指定された[注 19]。一方、高校サッカー選手権などでは緩衝帯を設けず、スタンド下のコンコースを通ってのスタジアム一周が可能である。
- これまで、アウェイ席は南側ゴール裏の一角のみに設置されていたが、2015年からはメイン側アッパースタンドのアウェイ寄りにビジター指定席が設置されることになった。なお、ビジター指定席とその他のメインアッパー席間においては緩衝帯は設けられていない。
- レッズホームゲーム開催時は、試合終了後にスタジアム敷地内において「アフターゲームレッズバー」が試合終了後90分間オープンしている。ホテルからのケータリングもあり、帰宅客の集中を回避するための工夫がなされている。
- メインスタジアムでのサッカー試合開催日には、周辺道路は交通規制がかけられて通行が出来なくなり、さらに駐車場は、試合開催日には関係者以外は使用できないため、自動車での来場は回避するように呼びかけられている[注 20]。なお、サブグラウンドのみでの試合開催日、あるいは比較的観客の少ない高校サッカーや高円宮杯の試合などでは、駐車場の一般開放がなされる場合もある。
スタジアムに備えられた設備
オーロラビジョン
南北の両サイドスタンド最後部に設置された大型映像装置。スタジアム開場当初より使われてきた初代のビジョンは2012年シーズン終了後に撤去され、翌2013年シーズンの開幕からはフルハイビジョン化した2代目に移行している。初代の時計部分は映像表示部とは別の独立した機構のものだったが、2代目は全面が映像表示部となったため、時計もビジョン内映像として表示されている(レッズ戦のみ、リズム時計工業のロゴが時計上部に入る)。初代・2代目ともに三菱電機製。
オーロラリボン
メインスタンド及びバックスタンドのアッパー(上段)最前部に備え付けられた帯状の映像装置。2013年シーズン終了後に設置され、2014年シーズンの開幕とともに利用が開始された。通常時は、本設備設置前に並んでいたスポンサー看板と同じように、各スポンサーの表示が並んでいるが、選手紹介時などは両サイドスタンドのオーロラビジョンと連動してスタジアム内の演出に活用されている。三菱電機製。Jリーグ・レッズ主催試合では、2006年からこれにゴール裏の箇所(2列[注 21])にもリボンビジョンが設けられており、一体演出がなされている。
防災設備
スタジアムの屋根に降った雨水は貯水槽(3250立方メートル)に溜め、普段はピッチの散水、トイレの洗浄用として利用されているが、災害時には3000人が1か月間避難可能な浄水として利用できる。また、太陽光発電設備も整っており、事務室の日中の電気をまかなっている。大災害の発生など、万一の避難時のときにも6万人が13分間で避難できる計画が策定され、大地震である震度7クラスの揺れにも耐えられるようになっている。そのほか、2200平方メートル(一般住宅で約30件分)の備蓄倉庫や、浄水器を備えた防災支援機能が用意され、倉庫内には食料や毛布類、生活用品を備蓄している。
アクセス
鉄道
- 埼玉高速鉄道線(埼玉スタジアム線)・浦和美園駅から1.2 km、徒歩15分(スタジアム公式サイトによる案内)
- 試合開催日は埼玉高速鉄道線の列車が増発され(同線の増発臨時電車は市ケ谷駅や白金高輪駅など東京地下鉄線内の駅まで運転される)、東京メトロ南北線や東急目黒線を経由して日吉駅まで直通運転を行っている。なお、レッズホームゲームとサッカー日本代表の試合開始前は当駅からスタジアム行のシャトルバスが運行される(試合終了後のスタジアムから浦和美園駅行シャトルバスは原則として運行されない)。なお、試合前の観客輸送では通常の鳩ヶ谷駅行を浦和美園駅行として延長運転している。
- なお、スタジアム付近に浦和美園車両基地があり、浦和美園駅から線路が続いているが、2012年現在車両基地付近に駅は設置されていない(下記の通り、同駅からJR宇都宮線・蓮田駅までの延伸構想がある)。
バス
Jリーグやサッカー日本代表試合開催時などは各社により臨時のシャトルバスが運行され、バスターミナルはスタジアム北側に設置されている。バスの出発地は以下の通り。
- 国際興業バス[19] - 東北本線(宇都宮線)・高崎線・京浜東北線浦和駅(往路は東口出発、復路は西口到着で所要約40分)、武蔵野線東浦和駅(所要約20-25分)、浦和美園駅(往路のみで所要約5-8分)
- 国際興業バス「池袋発埼玉スタジアム行直行バス」(往路のみ) - 東京都豊島区のサンシャインシティ文化会館前発。首都高速道路・東北自動車道経由(平日のレッズホームゲームのみ運行で所要約40分)。
- 国際興業バス「東京駅鍛冶橋駐車場発埼玉スタジアム行直行バス」(往路のみ) - 東京都千代田区の鍛冶橋駐車場発。首都高速道路・東北自動車道経由(平日のレッズホームゲームのみ運行で所要約60分)。
- 東武バスグループ - 東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)北越谷駅(所要約20分)
この他、国際興業バスによる通常の路線バスが以下の通りに運行されている。
- 東武野田線(東武アーバンパークライン)岩槻駅から東川口駅北口行き(浦和美園駅東口経由)で約30分、「尾ヶ崎」バス停下車徒歩20分(スタジアム北方からの唯一の公共交通機関)。
- 2013年10月までは、埼玉スタジアム2002公園(バス停はスタジアム正面入口広場にあった)-浦和駅東口線が運行されていた。この路線は、Jリーグ・日本代表戦開催日は埼玉スタジアム2002公園〜浦和美園駅間が区間運休となった(2013年9月時点では、埼玉スタジアム周辺の街づくり事業の工事進捗に伴い、浦和美園駅~埼玉スタジアム2002公園間を運転休止としていた)。
- このほか、浦和美園駅からは浦和駅東口、大宮駅東口などへのバスがある。
道路
- 一般道路
- 駐車場
- スタジアム公園内には4か所合計1500台の駐車場がある。東駐車場には大型バス100台を停めることができ、アウェーチームサポーターツアーなどの団体観戦客輸送にも対応しているが、Jリーグや日本代表戦などの大規模な試合の際にはすべて関係者用となり、一般車両は利用できない。周辺道路もすべて駐車禁止・交通規制が敷かれ、民間駐車場への立入もできなくなるため、観客には公共交通機関の利用が呼びかけられている(サブグラウンドのみの使用時や高校サッカーなどでは開放例あり、上記参照)。
将来構想
- 埼玉高速鉄道浦和美園駅から北方のさいたま市岩槻区(岩槻駅)や蓮田市(宇都宮線蓮田駅)方面への延長計画があり、2000年の運輸政策審議会答申第18号でも「2015年までに整備すべき路線」とされた。2005年に「埼玉高速鉄道検討委員会」が埼玉県に出した「最終提言」では、岩槻までの延伸開業時に「埼玉スタジアム前駅」を設置し、試合開催時のみの臨時営業で観客輸送を行うことが盛り込まれたが、採算性や運賃などの問題で、2017年(平成29年)になっても事業着手には未だに至っていない。提言では、埼玉スタジアム2002のさらなる活用策も今後の課題に挙げている。
- 2016年度以降にBRT方式によって大宮駅又はさいたま新都心駅から浦和美園駅までを結ぶバス路線を整備する計画がある。2020年のオリンピック開催で当スタジアムとさいたまスーパーアリーナが使用されることから、開催までに間に合わせる方針である。2000年の運輸政策審議会答申では東西交通大宮ルートと称されていたもので、当初はライトレールによる整備を検討していた。浦和レッズの本拠地ということもあり、浦和駅とスタジアムを結ぶ交通システムを期待する声も高い。
エリア放送
埼玉県公園緑地協会は埼玉県初のエリア放送地上一般放送局の免許を2012年(平成24年)8月30日取得[21]、 「埼スタTV」という愛称でワンセグ放送を同年9月11日から実施していた [22]、 が、2017年(平成29年)9月30日に廃止した。
場内に地上一般放送局1局が設置 [23] されていた。
免許人 | 局名 | 呼出符号 | 物理チャンネル | 周波数 | 空中線電力 | ERP | 業務区域 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
公益財団法人 埼玉県公園緑地協会 |
埼玉スタジアムエリア放送 | JOXZ3AL-AREA | 37ch | 617.142857 MHz | 5 mW | 2 mW | 埼玉スタジアム2002周辺 |
現在、浦和レッズ主催試合の一部で実施される「埼スタCH(チャンネル)」は、浦和レッズが実施するUstream動画配信サービスであり、エリア放送ではない。
脚注
注釈
- ↑ そのうち第2グラウンドはスタンド付き、第4グラウンドはサッカーの公式戦が可能な人工芝。
- ↑ 準本拠ではあったが実際開催された試合数・7試合は大宮(5試合)よりも多かった。
- ↑ 当初は大宮駅からのバスを運行したが、所要時間がかかるため後に浦和駅からの運行に変更した。
- ↑ J1リーグ戦17試合、ナビスコ杯3試合のうち、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で開催されたリーグ戦・ナビスコ杯各1試合を除く、18試合がNACK5スタジアム(大宮公園)で開催。
- ↑ イラン戦のみ横浜で開催(試合会場は日本の本大会出場決定後に発表された)。
- ↑ 残りの3次予選1試合・最終予選2試合のホームゲームはすべて横浜で開催。
- ↑ 残りのホームゲーム2試合は長居陸上競技場(タジキスタン戦)、豊田スタジアム(ウズベキスタン戦)で開催された。
- ↑ カップタイトルはJリーグYBCルヴァンカップ(2015年までは『Jリーグヤマザキナビスコカップ』)
- ↑ 同じなでしこリーグの浦和レッドダイヤモンズ・レディースの主催試合は主に駒場スタジアムで開催される。
- ↑ 彩の国まごころ国体成年男子の部決勝戦は大宮公園サッカー場、女子の部決勝戦は越谷市立しらこばと運動公園競技場でそれぞれ実施された。
- ↑ 一例として、2008年に放送されたフジテレビのテレビドラマ、ロス:タイム:ライフの冒頭と最後に埼玉スタジアム2002が利用されている。
- ↑ 無観客試合1回を含めた平均観客数である。無観客試合を除くと39,783人。
- ↑ 無観客試合を除くと19,977人。
- ↑ 決勝戦を除く。
- ↑ 無観客試合1回を含めた平均観客数である。無観客試合を除くと36,250人。
- ↑ 無観客試合を除くと16,294人。
- ↑ 無観客試合を除くと13,036人。
- ↑ 多くのサッカースタジアムでは北側がホーム側のサポーター席となる。スタジアム建設時、浦和・大宮両市の地理状況を考慮し、レッズが南側、アルディージャが北側を利用する案も検討されたが、より多くの試合を開催するレッズが北側を利用することになった。これに合わせ、北側スタンドの各ゲートは赤、南側スタンドの各ゲートはオレンジと、両チームの色に合わせて塗り分けられている。なお、メインスタンドは青、バックスタンドは緑となっている。
- ↑ 浦和美園駅は両国のサポーターが利用可能。
- ↑ 車椅子利用者など障害者に対しては利用券が発行される。
- ↑ 2005年のシーズンはゴール裏のうちピッチに最も近い場所に回転広告のアドボード、スタンド最前列=ピッチの奥側は固定パネル型の看板が設置されていたが、すべてリボンビジョンに転換。
出典
- ↑ 埼玉新聞社 『埼玉スタジアム2002』 埼玉新聞社、2002年、57頁。
- ↑ 国内スタジアム建設費の比較(推計値) JSC
- ↑ 開場10周年を迎えた「埼玉スタジアム2002」の経済効果 ぶぎん地域経済研究所
- ↑ 膜構造によるサッカースタジアム 埼玉スタジアム2002 - 太陽工業
- ↑ “スタジアムの歴史”. 埼玉スタジアム2002. . 2016閲覧.
- ↑ “2014FIFAワールドカップブラジル アジア3次予選 組み合わせおよびテレビ放送決定のお知らせ”. 日本サッカー協会 (2011-031). . 20112-05閲覧.
- ↑ “2014FIFAワールドカップブラジル アジア最終予選 組み合わせ決定”. 日本サッカー協会 (2012年3月9日). . 2012閲覧.
- ↑ “2013 日本代表スケジュール”. 日本サッカー協会 (2012年12月19日). . 2013閲覧.
- ↑ “埼スタ代表戦最多の6万3551人/W杯予選”. nikkansports.com (2012年6月4日). . 2012閲覧.
- ↑ “SAMURAI BLUE(日本代表)が、2014FIFAワールドカップブラジル出場権を獲得!”. 日本サッカー協会 (2013年6月4日). . 2013閲覧.
- ↑ “2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選 兼 AFCアジアカップUAE2019予選 マッチスケジュール変更のお知らせ”. 日本サッカー協会 (2015年5月1日). . 2015閲覧.
- ↑ “2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選 兼 AFCアジアカップUAE2019 予選 ホームゲーム 対カンボジア戦(9/3)、対アフガニスタン戦(3/24)、対シリア戦(3/29)を埼玉スタジアム2002で開催”. 日本サッカー協会 (2015年6月10日). . 2015閲覧.
- ↑ 公益財団法人日本サッカー協会 2017年度 第2回理事会 協議事項 資料 (PDF)
- ↑ “天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 マッチスケジュールおよび決勝会場について” (プレスリリース), 日本サッカー協会, (2017年12月19日) . 2017閲覧.
- ↑ “第93回全国高等学校サッカー選手権大会(次回大会) 開会式・開幕戦/準決勝/決勝 試合会場決定のお知らせ” (プレスリリース), 日本サッカー協会, (2014年1月5日) . 2014閲覧.
- ↑ グラウンド予約システム
- ↑ 浦和レッズ・オフィシャル・ハンドブック.. 浦和レッドダイヤモンズ ; あすとろ出版 (発売), 2008.3. 263p ; ISBN 978-4-7555-0888-2
- ↑ 決勝の観戦エリアについて【ルヴァンカップ】 Jリーグ 2016年8月1日
- ↑ 路線バス 埼玉スタジアム2002 - 国際興業バス
- ↑ 埼スタまで埼玉高速鉄道延伸を サッカー県議連、知事に要望 - 埼玉新聞、2013年10月4日、2013年10月22日閲覧。
- ↑ 免許取得状況 エリア放送開発委員会(Internet Archiveのアーカイブ:2014年2月2日収集)
- ↑ スタジアムだけで見られるワンセグ放送「埼スタTV」が、9月11日の日本代表戦で初放送! ~観戦前にワンセグで防災情報と避難経路をチェックしよう!~ 埼玉スタジアム - トピックス 2012年8月29日(同上:2012年10月8日収集)
- ↑ エリア放送を行う地上一般放送局の免許状況(詳細)関東総合通信局(国立国会図書館のアーカイブ:2014年1月7日収集)
外部リンク
先代: 市立吹田サッカースタジアム (吹田市) |
天皇杯全日本サッカー選手権大会 決勝戦会場 第97回・第98回 |
次代: 未定 |