基礎控除

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基礎控除(きそこうじょ)は、全ての納税義務者が無条件で課税標準額から差し引くことのできる一定の金額である[1]

日本

所得税

所得税では、総合課税される総所得金額、山林所得金額、退職所得金額に38万円の基礎控除が適用される(所得税法第86条)。

この基礎控除が存在する理由は、個人の所得のうち、本人の最低限度の生活を維持するのに必要な部分は担税力を持たないと考えられることにある[2]。なお、本人が扶養家族の最低限度の生活を維持するのに必要な所得もやはり担税力を持たないと考えられるため、本人に扶養家族がある場合、本人の所得金額に配偶者控除(又は配偶者特別控除)、扶養控除が適用される。

基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除を一括して人的控除という[2]

障害者、寡婦・寡夫、勤労学生は、生活に追加的経費が必要であることから、これらの者の所得金額には、基礎控除に加えて、障害者控除寡婦控除(又は寡夫控除)、勤労学生控除を適用する。

道府県民税

道府県民税の所得割の税額を計算する際には、総所得金額、山林所得金額、退職所得金額から33万円の基礎控除額を差し引く(地方税法第34条第2項)。

市町村民税

市町村民税の所得割の税額を計算する際には、総所得金額、山林所得金額、退職所得金額から33万円の基礎控除額を差し引く(地方税法第34条第2項)。

相続税

相続税の課税価格からは、3千万円+600万円×法定相続人の数を遺産に係る基礎控除額として差し引く(相続税法第15条)。

贈与税

贈与税の課税価格からは、一定額を贈与税の基礎控除として差し引く。この一定額は、相続税法では60万円とされているが(相続税法第21条の5)、2001年(平成13年)1月1日以後の贈与については、特別措置により110万円である(租税特別措置法第70条の2の4)。

出典

  1. 岩﨑政明・平野喜明共編『九訂版税法用語辞典』(大蔵財務協会、2016年)の170頁を参照。
  2. 2.0 2.1 金子宏『租税法』(第22版、弘文堂、2017年)の199頁・200頁を参照。

関連項目

外部リンク