坂
坂(さか)は、傾斜のついた場所、あるいは道のこと。傾斜地を指す場合は「坂になる」などの使い方をする地域もある。単に「坂」として使われる際にはもっぱら「坂道」と同義に使われる。
Contents
概要
山岳地帯や、傾斜の多い土地に造られた市街地で、かつトンネルや大規模な造成工事が行われる前に開発された市街地には坂が多く存在する。また海岸に近くまで山が迫った土地にも坂が多い。坂が多いことで有名な市街地として、東京(山手線の内側は、武蔵野台地の端でギザギザになっている)、長崎、サンフランシスコ、リスボン、ナポリなどがあげられる。またこうした土地にはケーブルカーが導入されることも見られる。
坂道が多く存在することで「坂のまち」、「坂の町」、「坂の街」などと通称される都市がある。例:小樽市[1]、長崎市[2]、サンフランシスコ市[3]。
日本における坂
日本では川沿いの平坦な地形(平地または盆地)に都市が形成されることが多いが、天然の入り江沿いで発達することの多い港湾都市は一般に地形的に海岸ぎりぎりまで山地が迫っていることもあって、発達の過程で山地まで都市区域が広がることがあり、結果として港町に坂が多く見られる。具体的には、長崎、小樽、尾道、熱海などで坂が多数見られる。東京23区内では、港区は80以上の末尾に「坂」のつく通り名がある。また、神戸の旧市街地は南北に走る通りのほとんどが坂道であるため、坂道であっても地名、通り名に「坂」という名称を付けられることは少ない。多くの市町村では、条例で坂の傾斜の限界を定めているが、限界を超えた傾斜であっても滑り止め舗装を条件に認めている例が多い。
条例による勾配限界
以下に挙げられているのは滑り止め舗装が行われていない状態での上限値である。滑り止め舗装が行われている場合は、特に上限値を定めていない自治体と滑り止め舗装による上限値を別に定めている自治体が神奈川県足柄下郡箱根町(滑り止め無しの上限9%、滑り止め有りの上限10%)をはじめ少数存在するが、上限値を定めていない場合でも行政の判断による認可に委ねられている状態であり、急斜面に滑り止め舗装を行う場合でも認可されない可能性は留保されている。
地名としての「坂」
坂の存在する場所に多く地名として坂が名づけられることがある。
- 広島県安芸郡に存在する町。坂町を参照のこと。
- 愛知県豊田市椿立町にある字。かつての愛知県東加茂郡足助町大字椿立にある小字。
- 愛知県新城市中宇利に存在する字。
- 千葉県松戸市松戸にある小字。
- 青森県弘前市に存在する大字。かつての青森県中津軽郡相馬村大字坂。
- 青森県八戸市大字新井田に存在する小字。
- かつて愛知県東加茂郡旭町大字小瀧野にあった小字。
- かつて茨城県茨城郡中台村に存在した字。現在の茨城県小美玉市中台。
- かつての大阪の略称。1868年以前、大阪は「大坂」と表記され、「来坂」「帰坂」などの熟語の一部として用いられることがあった。「大坂」の名は室町時代末期から使用されたものであるが、この名が実在の坂を由来としているか否かは定かではない。
ギャラリー
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広島県尾道市・千光寺新道
- Hachimanzaka Hakodate Hokkaido pref Japan02n.jpg
北海道函館市元町の八幡坂
- Kitanozaka04s3200.jpg
兵庫県神戸市中央区・北野坂
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城郭の例(和歌山城裏坂)
- Sanko zaka 1.jpg
滑り止めのためのマーキングの例(東京都港区・三光坂)
- Slope to Substation.jpg
滑り止めのためのマーキングの例(長崎県長崎市・通称:変電所の坂)
- Road Akita.jpg
秋田県
- Chikumaviewline.jpg
長野県小諸市御牧ヶ原・千曲ビューライン
ニュージーランドにおける坂
ニュージーランド南部の都市ダニーデンにあるボールドウィン・ストリートは勾配35度でギネスブックに世界一急な坂として登録されており観光名所になっている[5]。
アメリカにおける坂
カリフォルニア州サンフランシスコのロンバード・ストリートは1ブロックの短い距離の中に8つのカーブを有し「世界一曲がりくねった坂道」として知られている[6]
脚注
- ↑ 例:広報おたる連載「おたる坂まち散歩」
- ↑ 例:坂の町の汚水ます設置基準-長崎市
- ↑ 例:NHK・世界ふれあい街歩き・サンフランシスコ
- ↑ すべり止め舗装 適用例 - 株式会社 北海道ロードサービス
- ↑ ボールドウィン・ストリート JTBガイド
- ↑ ロンバード・ストリート JTBガイド
関連項目
- 坂道発進 - 坂道発進補助装置
- 登坂車線
- 峠
- 斜路 (=スロープ)
- 階段
- 線形 (路線)
- 日本坂道学会
- タモリ - 坂道が好きなことでも有名。2000年には山野勝と「日本坂道学会」を結成して副会長を自称し、『TOKYO1週間』誌上で坂に関するエッセイを連載する。それをまとめた書籍が『タモリのTOKYO坂道美学入門』(ISBN 4063527239)として出版されている(2004年)。
- 傾斜地建築