国際通貨
国際通貨(こくさいつうか)とは、国際取引や為替取引に使用される通貨のこと。
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国際決済通貨
管理通貨制度下にありながら十分な信用があり、額面価額通りの価値を広く認められ国際市場で、他国の通貨と容易に交換が可能な通貨のことをハードカレンシー(国際決済通貨)と呼ぶ。金本位制の時代に、いつでもハード(硬い金属の意、つまり「金」)な正貨と交換可能な通貨というのが語源である。ハードカレンシー以外の通貨は「ソフトカレンシー」もしくは「ローカルカレンシー」と呼ばれる。
通貨が「ハードカレンシーであるための条件」として、以下の条件が挙げられる。
国際決済通貨の一覧
明確な基準は存在しないため、どこまでをハードカレンシーに分類するかは、論者によって一定ではない。特に米ドル・ユーロを指して「世界二大通貨」、日本円または英ポンドを加えた3通貨を「世界三大通貨」と呼ぶ場合もある。日本でも米ドル・ユーロ・英ポンドの通貨を併せて「G3通貨」と称する。
基軸通貨
国際為替市場で中心に扱われる通貨のことをキーカレンシー(基軸通貨、きじくつうか)と言う。
基軸通貨としての機能を果たすには以下の条件が必要とされている。
- 軍事的に指導的立場にあること(戦争によって国家が消滅したり壊滅的打撃を受けない)
- 発行国が多様な物産を産出していること(いつでも望む財と交換できること)
- 通貨価値が安定していること
- 高度に発達した為替市場と金融・資本市場を持つこと
- 対外取引が容易なこと
歴史的には、イギリス・ポンド(以下、英ポンド)やアメリカ・ドル(以下、米ドル)が基軸通貨と呼ばれてきた。
英ポンドは19世紀半ば以降、国際金融センターとしてのイギリスの強力な立場を背景に基軸通貨としての役割を担っていたが、第一次世界大戦で欧州各国は経済が疲弊し、逆にアメリカは戦争特需で経済が急成長したため、(正式ではないが)基軸通貨が機能面で英ポンドから米ドルへ移った。
ブレトン・ウッズ協定から第二次世界大戦後は、アメリカがIMF体制の下で各国中央銀行に対して米ドルの金兌換を約束したこと、およびアメリカ合衆国の経済力を背景に米ドルが名実共に基軸通貨となった。欧州単一通貨・ユーロが将来的に米ドルと並ぶ基軸通貨に成長するとの見方もあるが、2009年現在では対外取引の80%以上が米ドルで行われていることから、実質的な基軸通貨としての地位は揺らいでいない(ユーロは約10%)。
ただし、アメリカの景気対策による財政赤字の拡大に伴い、中華人民共和国は基軸通貨としてのドルの安全への懸念を指摘、代わってSDRの使用範囲を拡大し、基軸通貨として人民元の役割を担わせる提案を行なった[1][2]。
基軸通貨の発行国は、必然的に経常収支は赤字になる(国際的な流動性を供給するためには、発行国は経常収支が赤字となって各国に通貨を供給する必要がある)。基軸通貨である限り経常収支の赤字額は発行国の利益になる(各国が基軸通貨資産を外貨準備として持つことにより、発行国はその代金としての海外資産を手にすることができる)。新興国の経済発展により基軸通貨の需要が増えた場合は、供給量が一定であれば基軸通貨の価値は上昇する。