国道52号
国道52号(こくどう52ごう)は、静岡県静岡市清水区から山梨県甲府市へ至る一般国道である。ほぼ全線が富士川に沿う。この道路と並走する形で中部横断自動車道が整備中で、山梨県内では一部区間が供用中である。
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概要
静岡県の県庁所在地である静岡市の国道1号分岐(興津中町交差点)から北上して富士見峠を越え、山梨県西部を南北に流れる富士川に沿って山梨県北西部の韮崎市を経由して、同県庁所在地である甲府市と結ぶ延長約118 kmの一般国道の路線で、主な通過地は、山梨県南巨摩郡南部町、身延町、富士川町、南アルプス市、韮崎市、甲斐市である。静岡 - 富士川 - 韮崎間は、身延道や富士川街道の別名がある。富士川 - 甲斐間にかけて、中部横断自動車道の側道として整備された甲西道路は、国道52号のバイパス道路である。静岡市にある富士見峠付近で、新東名高速道路と新清水インターチェンジ (IC) で接続し、山梨県内を南北に縦貫する中部横断自動車道とも増穂・南アルプス・白根の各ICと接続する。
路線データ
- 起点:静岡県静岡市清水区(興津中町交点 = 国道1号交点)
- 終点:山梨県甲府市(甲府警察署前交点 = 国道411号終点)
- 主な経由地:山梨県南巨摩郡南部町、同郡身延町、同郡富士川町、韮崎市
- 総延長 : 118.2 km(山梨県 98.7 km、静岡県 3.3 km、静岡市 16.1 km)重用延長を含む。[1][注釈 1]
- 重用延長 : 7.5 km(山梨県 7.5 km、静岡県 - km、静岡市 - km)[1][注釈 1]
- 未供用延長 : なし[1][注釈 1]
- 実延長 : 110.7 km(山梨県 91.3 km、静岡県 3.3 km、静岡市 16.1 km)[1][注釈 1]
- 指定区間:全線
歴史
- 1953年5月18日 二級国道141号清水上田線(静岡県清水市 - 長野県上田市)として指定。
- 1963年4月1日 141号清水市 - 韮崎市が昇格し、終点を甲府市に変更して一級国道52号(静岡県清水市 - 山梨県甲府市)となる。141号は二級国道141号韮崎上田線に。
- 1965年4月1日 一般国道52号となる。
道路概況
静岡県内
起点である興津中町交差点から東海道新幹線のガード下までは平坦かつ直線的であるが、ガードを超えると興津川に沿う形で連続したカーブが続き、丘陵を登ったり下ったりする形となる。但沼、小河内を抜け、宍原地区の手前で新東名高速道路の新清水インターチェンジと接続する。宍原地区を過ぎると登り坂が続くが、静岡市から富士宮市に入ると一転して下り坂となり、また山梨県境にある甲駿橋北詰交差点までは急カーブが続く。
峡南地域
甲駿橋北詰交差点を過ぎると山梨県に入り、富士川を沿う形で峠と市街地が連続する。1970年頃からバイパス道路が整備されてきたが、身延町役場周辺(切石地区)など拡幅もままならない地域も未だに存在する。また峠区間は急坂と急カーブが連続しており、地盤が軟弱であることから集中豪雨時は通行止めになることが多い(後述)。
かつては身延町に入ってすぐのところに相又峡ドライブインがあり、旅館やボウリング場も営業されていた。
甲府盆地
鰍沢から甲西道路に入り、中部横断自動車道と並走する形で伸びている。甲西道路が開通する前は西郡路と呼ばれる古くからの道が富士川、南アルプスの各市街地を通過する形で伸びていたが、2016年4月に山梨県道42号となり国道ではなくなった。釜無川を渡り双田道で国道20号と合流し、東側の竜王立体まで重複区間となる。
竜王立体から再び国道20号と別れ、ここから住宅街に入る。この区間は山梨県立美術館があることから美術館通りと呼ばれている。南西銀座北交差点から片側2車線、荒川橋を超えると甲府市中心街となり、相生歩道橋交差点を左折すると終点となる。
バイパス
- 万沢バイパス
- 富河バイパス
- 南部バイパス
- 山梨県南巨摩郡南部町塩沢から同町中野に至るバイパス道路。
- 旧国道52号は南部地区の商店街を通過していたが、道幅が狭く拡幅が困難であることから西側の丘陵地帯を縦断するバイパス道路の建設に着手。1982年(昭和57年)に遅れていた塩沢トンネルを除く区間が先行開通し、1983年(昭和58年)に全線開通した。中野地区にて中部横断自動車道の南部インターチェンジと接続する予定である。
- 全長3.4km、全線2車線。
- 身延バイパス
- 山梨県南巨摩郡身延町小田船原から同町波木井に至るバイパス道路。
- 山梨県と静岡県を結ぶ主要道路であるほか、付近には日蓮宗の総本山である身延山久遠寺があるため、トラックやダンプカー、観光バスなどの大型自動車の往来が激しい地域である。一方で梅平地区の道幅が狭く、またこの地域は山梨県立身延高等学校や小中学校が点在していることなどから同地域を迂回するバイパス道路の建設が叫ばれていた。
- 1980年代より工事が開始されたが、1991年(平成3年)の台風第18号の影響で波木井橋が流失したことから当該区間となる梅平から波木井間が先行して工事が行われ、1993年(平成5年)に開通した。残る区間もトンネル掘削を行い、1998年(平成10年)に全面開通した。
- 全長3.6km、全線2車線。
- 西島バイパス
- 山梨県南巨摩郡身延町西嶋から山梨県南巨摩郡富士川町十谷に至るバイパス道路。身延町西島地区の交通量増加とそれに伴う騒音対策として1990年(平成2年)11月に開通した。
- 全長2.65km、全線2車線。
- 甲西道路
- 参照: 甲西道路
別名
- 駿州往還 - 起点から富士川町青柳まで。静岡側のからは起点から甲州往還とよばれるほか、富士川街道やみのぶみち、河内路などの呼称で呼ばれることもある。詳細は駿州往還を参照。
- 西郡路 - 富士川町青柳から韮崎市の船山橋北詰交差点まで。
- 甲州街道 - 国道20号との重複区間。
- 美術館通り - 竜王立体から相生歩道橋交差点まで。
- 平和通り - 相生歩道橋交差点から甲府警察署前交差点まで。(甲府警察署前交差点より北は山梨県道6号甲府韮崎線)
山梨県では、南部町(静岡県境)から韮崎市船山橋(国道20号交点)までの愛称を「富士川街道」とし、増穂町(現富士川町)青柳以南は「みのぶ道」を( )書きで入れることとしている[2]。
重複区間
道の駅
- とみざわ(山梨県南巨摩郡南部町)
- なんぶ(山梨県南巨摩郡南部町)
- みのぶ富士川観光センター(山梨県南巨摩郡身延町)‐厳密には国道52号沿いではないが、すぐ近くにある。
- 富士川(山梨県南巨摩郡富士川町)
- しらね(山梨県南アルプス市)
通行規制区間
山梨県内では異常気象時における道路等通行規制区間を2箇所有する[3]。
- 南巨摩郡身延町古屋敷の2.4km区間(連続雨量150mm)
- 南巨摩郡南部町万沢4.8km区間(連続雨量200mm)
地理
通過する自治体
接続道路
中部地方整備局管内
関東地方整備局管内
- 山梨県
主な峠
- 富士見峠(標高250m):静岡県静岡市清水区
- 大和峠(標高199m):山梨県南巨摩郡南部町
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
- 国土交通省中部地方整備局 静岡国道事務所
- 国土交通省関東地方整備局 甲府河川国道事務所
- 国道52号の紹介 - 静岡市建設局道路部