国道440号
国道440号(こくどう440ごう)は、愛媛県松山市から高知県高岡郡檮原町に至る一般国道である。
Contents
概要
四国山地の山岳道路であり、狭隘な区間が多かったが、最近は、改良工事が進められ2車線化されているものの、一部1車線の区間がある。国道33号との接続は落出バイパスとしてループ橋と2本のトンネルで結ばれ2003年に開通した。
愛媛県と高知県の県境となる地芳峠を通り四国カルストを縦断し四国山地が一望できるため、季節が良い頃には交通量が増加する。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1]に基づく起終点および経過地は次のとおり
- 起点:松山市(二番町4丁目7番2[2]=国道11号、国道33号、国道56号終点、国道317号、国道379号、国道494号起点)
- 終点:高知県高岡郡檮原町(=国道197号交点)
- 重要な経過地:愛媛県伊予郡砥部町、同県上浮穴郡久万町[注釈 1]、同郡柳谷村[注釈 1]
- 総延長 : 81.2 km(愛媛県 70.0 km、高知県 11.2 km)重用延長を含む。[3][注釈 2]
- 重用延長 : 44.8 km(愛媛県 44.8 km、高知県 - km)[3][注釈 2]
- 未供用延長 : なし[3][注釈 2]
- 実延長 : 36.3 km(愛媛県 25.2 km、高知県 11.2 km)[3][注釈 2]
- 指定区間:国道11号、国道33号と重複する区間[2]
歴史
年表
- 1956年:一般県道地芳峠落出線(管理番号:112番)として路線認定。
- 1956年当時、愛媛の県道には路線番号が振られておらず、管理番号がついていた。
- 1971年:主要地方道梼原落出線として指定。
- 1972年3月16日:高知県道・愛媛県道1号梼原落出線に指定される(1982年3月31日まで)
- 1972年3月16日に初めて愛媛県道に路線番号が採番され、記念すべき「1号」が採番された(その後、1982年10月15日から1993年3月31日までは久万池川線で使われたが、現在は欠番)。
工事年表
- 1988年:落出バイパス事業化。
- 1990年:地芳道路事業化。[4]
- 1993年:柳谷拡幅事業化[5]。
- 1997年:地芳道路永野川橋、永野跨道橋、供用開始。
- 2000年:柳谷拡幅一部供用開始。
- 2002年:梼原町拡幅事業化。
- 2003年3月12日:落出バイパス開通。
- 2005年11月6日:地芳道路横野トンネル、西谷橋、供用開始。
- 2007年8月6日:大成バイパス(0.9km)供用開始[6]。
- 2007年11月4日:梼原町井の谷〜下本村間(1.6km)供用開始。[4]
- 2008年7月29日:梼原町まちなか工区(0.78km)供用開始。[7]。
- 2009年3月31日:地芳道路の工事凍結。
- 2009年6月18日:国土交通省四国地方整備局の事業評価監視委員会にて地芳道路の事業継続が妥当との方向が決まる。[8]。
- 2010年11月13日:地芳道路全面開通[9]。
路線状況
バイパス・拡幅事業
- 落出バイパス
- 延長3.7 km
- 構造規格 第3種第4級
- 設計速度 50 km/h
- 車線数 2車線
- トンネル2本
- 本村トンネル(1,110 m)、落出トンネル(1,005 m)
- 橋3本
- 柳谷大橋(233 m)、矢淵大橋(252 m)、栃谷橋(80 m)
- 地芳道路
愛媛県久万高原町西谷と高知県檮原町下本村との区間において、愛媛・高知両県に代わり権限代行直轄事業として国土交通省松山河川国道事務所と中村河川国道事務所によって行われた[4]。この地芳道路の開通によって区間の距離は従来の23.1 kmから約3分の1の8.9 kmとなり、所要時間は従来の旧道より約34分の短縮が見込まれている。災害にも強く、それまでは冬季の凍結・積雪により年間50日以上も通行止めとなっていたが、道路標高が約400 m低い地芳道路はその心配は無く、大雨等異常気象による事前通行規制についても大幅に減少された。医療面での効果も期待されており、これまで久万高原町西谷地区では最寄の二次医療施設である久万高原町立病院までの所要時間は48分かかっていたが、地芳道路開通後に梼原町の梼原町立国保梼原病院を利用すれば、22分で行くことが可能としている[10]。
総事業費466億円規模で工事が進められてきたが、石灰岩の帯水層を貫くことから湧水がみられ、愛媛県側の掘削工事が工事が遅延し、事業費もかさんでいた。2008年に行った交通量予測で開通後の交通量は1日1,000台程度しか見込まれないことが判明し、道路建設の事業費と道路開通でもたらされる便益の比(費用対効果、コストパフォーマンス)が0.5に落ち込むことから、国土交通省は2009年3月31日、全国17の路線とともに凍結を決定した。
その後、地元を中心に事業再開を求める動きが展開されたことを受けて、工法の見直しによるコスト抑制にも限界があり費用対効果の改善は見込み薄であったものの、既に工事がかなり進捗していたことと、防災・医療等の効果が期待されることなどから、2009年6月の事業評価監視委員会にて継続が妥当との方向が示された。同年11月7日に地芳トンネルが開通。翌2010年11月13日に地芳道路全線が開通した。
- トンネル2本
-
- 地芳トンネル(2,990 m)、横野トンネル(215 m)
- 橋18本
- 古味橋(52.5 m)、古味第二橋(40.0 m)、古味高架橋(120.0 m)、西谷橋(135.0 m)、横野橋(113.5 m)、西谷高架橋(310.0 m)、サンコ谷川橋(68.0 m)、サンコ谷川第二橋(14.3 m)、鈴田川橋(17.0 m)、永野跨道橋(20.0 m)、永野川橋(59.0 m)、永野第二橋(324.5 m)、永野第三橋(59.0 m)、永野第四橋(51.5 m)、永野第五橋(58.0 m)、井の谷川橋(116.6 m)、井の谷川第二橋(105.5 m)、田野々橋(51.5 m)
- 柳谷拡幅
- 延長2.4 km
- 構造規格 第3種第4級
- 設計速度 50 km/h
- 車線数 2車線
- トンネル1本
- 大成トンネル(518 m)
- 橋2本
- 大成橋(192 m)、新赤子橋(115 m)
- 梼原町拡幅
- 延長0.8 km
- 構造規格 第3種第4級
- 設計速度 50 km/h
- 車線数 2車線
重複区間
- 国道11号:愛媛県松山市二番町(起点) - 愛媛県松山市小坂
- 国道33号:愛媛県松山市二番町(起点) - 愛媛県伊予郡砥部町大平(三坂道路終点) 及び 愛媛県上浮穴郡久万高原町東明神(三坂道路起点)- 愛媛県上浮穴郡久万高原町柳井川(柳谷大橋交差点)[11]
- 国道317号:愛媛県松山市二番町(起点) - 愛媛県松山市(勝山交差点)
- 国道379号:愛媛県松山市二番町(起点) - 愛媛県伊予郡砥部町千足
- 国道494号:愛媛県松山市二番町(起点) - 愛媛県松山市小坂
事前通行規制区間
全ての区間で降水量が250ミリ以上で通行止。
- 愛媛県伊予郡砥部町千足〜愛媛県松山市久谷町
- 愛媛県上浮穴郡久万高原町中黒岩〜愛媛県上浮穴郡久万高原町柳井川(ここまでが国道33号との重複区間)
- 愛媛県上浮穴郡久万高原町西谷中久保(愛媛県道36号野村柳谷線との分岐)〜愛媛県上浮穴郡久万高原町西谷地芳峠(県境)(注1)
- 高知県高岡郡梼原町地芳峠(県境)〜高知県高岡郡梼原町永野(注2)
- (注1)冬季閉鎖で通行止になる。
- (注2)積雪量25 cm以上より通行止。
地理
通過する自治体
交差する道路
脚注
注釈
出典
- ↑ “一般国道の路線を指定する政令”. 電子政府の総合窓口 イーガブ. 2012年10月14日閲覧。
- ↑ 2.0 2.1 “一般国道の指定区間を指定する政令”. 電子政府の総合窓口 イーガブ. 2012年10月14日閲覧。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 25. . 2017閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 “国道440号地芳道路が全線開通!”. 四国地方整備局中村河川国道事務所. . 2012閲覧.
- ↑ “平成14年度愛媛県公共事業再評価委員会(第2回)対象事業一覧表”. 愛媛県. . 2015閲覧.
- ↑ “一般国道440号 大成バイパス”. 愛媛県. . 2015閲覧.
- ↑ “まちなか工区が開通しました”. 高知県. . 2012閲覧.
- ↑ “高知南国道路・地芳道路の予算一時凍結解除へ第一歩!”. 高知県庁ホームページ 知事のページ. . 2012閲覧.
- ↑ “R440 地芳道路”. 四国地方整備局松山河川国道事務所. . 2012閲覧.
- ↑ “地芳道路により冬季交通障害が解消!”. 四国地方整備局松山河川国道事務所. . 2012閲覧.
- ↑ “国管理国道を愛媛県に移管~4月1日より道路の路線名が変わります~ (PDF)”. 国土交通省四国地方整備局松山河川国道事務所. . 2015閲覧.