国道399号
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国道399号(こくどう399ごう)は、福島県いわき市と山形県南陽市を結ぶ延長180.7 キロメートルの一般国道である。
Contents
概要
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。
- 起点 : いわき市(平中神谷 = 国道6号交点)
- 終点 : 南陽市(南陽市鳥上坂Y字交差点 = 国道13号交点)
- 重要な経過地 : 福島県田村郡都路村[注釈 2]・同県双葉郡浪江町・同県伊達郡月舘町[注釈 3]・同郡霊山町[注釈 3]・同郡伊達町[注釈 3]・福島市(飯坂町)・山形県東置賜郡高畠町
- 総延長 : 186.1 km(宮城県 5.4 km、山形県 19.0 km、福島県 161.8 km)重用延長を含む[2][注釈 4]
- 重用延長 : 24.0 km(宮城県 - km、山形県 5.2 km、福島県 18.8 km)[2][注釈 4]
- 未供用延長 : なし[2][注釈 4]
- 実延長 : 162.1 km(宮城県 5.4 km、山形県 13.8 km、福島県 142.9 km)[2][注釈 4]
- 指定区間 : なし[3][注釈 5]
歴史
- 1982年(昭和57年)4月1日 - 一般国道399号(いわき市 - 南陽市)として指定施行[4]。
- 2017年(平成29年) 4月1日 - 国道13号の南陽市鍋田 - 赤湯(鳥上坂Y字交差点)までの区間が国土交通省から山形県に移管され国道399号となる[5]。
- 2018年(平成30年)4月1日 - 国道6号のいわき市平十五町目 - 平中神谷(常磐バイパス出口)までの区間が国土交通省から福島県に移管され国道399号となる[6]。
原子力災害による通行規制
2011年3月11日に発生した、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)とそれに起因した福島第一原子力発電所事故により、当路線を通過する一部の地域(葛尾村、浪江町、飯舘村)は計画的避難区域に指定された。この時点では、通行が規制されていなかった。
翌年に入り、避難区域の再編が行われると同時に、帰還困難区域に指定された以下の区間が通行止めとなる。
- 2012年7月17日 - 飯舘村長泥地区から浪江町赤宇木までの約3 kmの区間
- 2013年4月1日 - 浪江町南津島(登館峠)から赤宇木までの区間(国道114号の重複区間を含む)
路線状況
いわき市から阿武隈高地の峰越えを繰り返し、阿武隈高地の東西へ延びる谷沿いに通る道路・集落を相互に連絡しながら長駆北上する。国道349号との重複区間を経て、伊達市からは福島市の北部を通り、飯坂温泉へと西進。摺上川から更にその上流の稲子沢沿いに遡り、途中では谷沿いに割り込んでいる宮城県七ヶ宿町を通る。再び福島市に戻ってから、鳩峰峠を越えて山形県高畠町に下り、高畠町市街地で国道113号に合流する。
道路全体の性格は福島市を境に二分されており、各区間についても長距離の短絡路としては機能していない。
- 始点からいわき市平下平窪付近までは、いわき市中心部ないし好間工業団地へのアクセス道路として機能しており、平日の朝晩は激しい渋滞が発生している。以北もいわき市小川町付近までは郊外の2車線道路としての規格が維持されているものの、福島県道41号との分岐以降から状況が一変する。
- 平大橋 - 十五町目交差点間は転回禁止規制が敷かれている。
- いわき市小川地区 - 川内村間約30kmは、部分改良・ルート変更で2車線規格となった部分もあるものの、基本的にはすれ違い困難な1車線の狭隘区間が連続し、「国道とは思われない」レベルの「酷道」と化す。大型車の通行は不能である。
- 川内村から、田村市都路地区で国道288号に合流するまでは2車線化が進展している。国道288号とは約5km重複して西進する。
- 国道288号と分かれてからは北上。阿武隈高地の600 m - 700 m程度の峠を7 - 8 kmの道程で越え、東西の谷沿いに通る国道・県道を南北方向で連絡するパターンを幾度も繰り返す。
- 伊達市月舘地域で国道349号に合流、以後は国道349号に重複して伊達市保原地域の市街地まで2車線で進む。
- 保原地域内では西方向への一方通行区間があり、国道349号ともども、南方へ向かう場合には市街地内で一度国道を外れたルートを通ることになる。
- 保原地域内で349号から分かれて西進、阿武隈川を伊達橋で渡河し、福島市に入ってからも市の北側を通過してゆく。この付近では福島市と伊達市を結ぶ郊外の主要道路として機能し、2車線が確保されている。
- その先で飯坂温泉街に入る。ここでは温泉街を貫流する摺上川右岸を通るが、温泉街の中では1車線 - 1.5車線の狭隘路が続き、大型車の通過は困難である。このため、温泉街南側を迂回する形での国道バイパス建設が行われているが、2007年時点ではバイパスの西半分のみ開通しており、飯坂温泉北方の穴原地区と、福島市内方向とを短絡するに留まっている。
- バイパス合流後は、上流の摺上川ダム建設に伴って整備の進展した区間で、川に沿って主要幹線道路レベルの高規格な2車線道路で登坂し、トンネルや橋梁が連続する(部分未改良区間あり)。しかしこれもダム湖(茂庭っ湖)上端付近までである。
- 以後は急に狭隘化し、摺上川源流の一つである稲子沢に沿って屈曲した狭隘路で登坂して行く。稲子沢は一度宮城県に入り込み、その後再び福島県へと入るため、宮城県七ヶ宿町の孤立集落・稲子地区を通る(稲子地区は狭隘な町道の稲子峠を越えて北方の国道113号と結ばれ、113号沿いに伸びる七ヶ宿町中心部と連絡している)。
- 福島・山形県境の鳩峰峠(785m)が399号の最高地点で、ここからの山形県側は、福島側とうって変わり、激しいつづら折れの連続で一気に標高を落として行く。集落の現れる高度まで降りてくると2車線となり、高畠町市街地に入って北方に折れ、ほどなく国道113号に合流して、南陽市に至る。
バイパス
- 中島バイパス
- 十文字バイパス(事業計画中)
- いわき市小川町上小川地内の山岳地帯の狭隘路を道路改良整備するため事業計画中のバイパス道路。総延長6.2kmのうち、峠越え区間は延長2.9kmのトンネルが計画されている[7]。
- 手古岡バイパス
- 川内村手古岡地区は、路線整備が整っていない国道399号の中でも特に幅員狭小、連続するヘアピンカーブと道路状況が劣悪であったため、1995年から整備が始まり、200 mの一部開通を経た後、2009年12月22日に手古岡トンネル(210 m)を含む全線が開通した。総延長1.4 km。総事業費17億円。
- 津島バイパス
- 葛尾村と浪江町の間にある登館峠は急カーブの続く狭小区間があり、大雨などの異常気象時には通行が規制される(連続雨量150 ミリメートル)区間となっていた。これを解消し地域の物流を確保するため1980年(昭和55年)から建設された。旧道は町村道に降格されている。
- 起点 - 双葉郡葛尾村大字落合
- 終点 - 双葉郡浪江町津島
- 全長 - 7.8 km
- 飯坂バイパス
- 茂庭バイパス
重複区間
- 福島県道248号小川赤井平線(十五町目交差点から1.7km重複)
- 福島県道41号小野四倉線
- 福島県道36号小野富岡線(川内村内で重複)
- 福島県道112号富岡大越線(同上、県道36号と同一区間で重複)
- 国道288号(田村市内で重複)
- 福島県道50号浪江三春線(葛尾村内で90mほど重複)
- 国道459号(浪江町内で重複)
- 国道114号(同上)
- 福島県道31号浪江国見線(浪江町から飯舘村にかけて17km重複)
- 福島県道12号原町川俣線(飯舘村内で重複)
- 福島県道315号臼石月舘線(伊達市内で重複)
- 国道349号(同上)
- 山形県道1号米沢高畠線(高畠町高畠で550m重複)
- 山形県道7号高畠川西線(高畠町高畠で400m重複)
- 国道113号(高畠町高畠から南陽市鍋田まで重複)(※高畠町深沼から南陽市鍋田の区間は赤湯バイパスで1.2km重複)
- 国道13号(赤湯バイパス)(高畠町深沼から南陽市鍋田まで重複)
- 山形県道102号南陽川西線(南陽市椚塚から終点まで5.1km重複)
道路施設
トンネル
橋梁
- 平大橋(いわき市平)
- 平跨線橋(いわき市平 JR常磐線・磐越東線)
- 荒神橋(いわき市小川町)
- 小川の郷跨線橋(いわき市小川町 JR磐越東線)
- 下田橋(いわき市小川町)
- 峰岸跨線橋(いわき市小川町 JR磐越東線)
- 新作沢号橋(いわき市小川町)
- 伊達橋(伊達市 阿武隈川)
- 軽井沢橋(福島市飯坂町茂庭 摺上川)
- 滑滝橋(福島市飯坂町茂庭 摺上川)
冬期閉鎖区間
11月下旬から翌年5月下旬まで。国道13号線、東北中央自動車道及び国道113号線が迂回路になる。
異常気象時通行規制区間
地理
通過する自治体
交差する道路
- 国道6号(福島県いわき市)
- 国道288号(福島県田村市)
- 国道459号(福島県双葉郡浪江町)
- 国道114号(福島県双葉郡浪江町)
- 国道349号(福島県伊達市)
- 国道115号(福島県伊達市)
- 国道349号(福島県伊達市)
- 国道4号(福島県伊達市)
- 国道113号(山形県東置賜郡高畠町)
- 米沢南陽道路(東北中央自動車道)南陽高畠IC(山形県東置賜郡高畠町)
- 国道13号(山形県南陽市)
- 国道113号(山形県南陽市)
脚注
注釈
出典
- ↑ “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2014閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 22. . 2017閲覧.
- ↑ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2014閲覧.
- ↑ 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年4月30日政令第153号)
- ↑ 国道13号南陽バイパスに並行する現道区間が国土交通省の管理から 山形県の管理になります - 山形河川国道事務所・山形県置賜総合支庁(平成29年3月29日)
- ↑ 国道6号常磐バイパスに並行する現道区間が、4月から福島県管理となり、新しい路線名になる予定です。 - 平成30年1月30日 磐城国道事務所、福島県土木部道路計画課、福島県いわき建設事務所、福島県 相双建設事務所
- ↑ “事業計画の概要 (PDF)”, 平成27年度管内概要 (福島県いわき建設事務所): p.15
- ↑ “異常気象時通行規制区間 (PDF)”, 平成27年度管内概要 (福島県いわき建設事務所): pp.32-33