国道382号
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国道382号(こくどう382ごう)は、長崎県対馬市(対馬)から壱岐島を通って佐賀県唐津市に至る一般国道である。
Contents
概要
対馬 - 壱岐と壱岐 - 呼子の2つの海上区間(後述)を持つ海上国道である。対馬、壱岐の両島では島内を縦貫する唯一の国道である。特に対馬中央部の浅茅湾沿岸部には迂回路が無い区間があり、島の南北を結ぶ重要な路線である。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。
- 起点: 長崎県上県郡上対馬町[注釈 2](対馬市上対馬町古里の古里バス停付近)
- 終点: 唐津市(= 国道202号交点)
- 重要な経過地: 長崎県下県郡巌原町[注釈 2]・同県壱岐郡勝本町[注釈 3]・同郡石田町[注釈 3]、佐賀県東松浦郡呼子町(現・唐津市)[注釈 4]
- 総延長 : 221.7 km(佐賀県 36.1 km、長崎県 185.7 km)重用延長、未供用延長を含む。[2][注釈 5]
- 重用延長 : 20.4 km(佐賀県 20.4 km、長崎県 - km)[2][注釈 5]
- 未供用延長 : 93.7 km(佐賀県 13.5 km、長崎県 80.2 km)[2][注釈 5]
- 実延長 : 107.6 km(佐賀県 2.1 km、長崎県 105.5 km)[2][注釈 5]
- 指定区間: なし[3][注釈 6]
路線状況
重複区間
- 国道204号(唐津市呼子町呼子・持山交差点 - 唐津市和多田西山・終点)
海上区間
九州・壱岐・対馬の島々をつなぐ対馬の厳原港 - 壱岐の勝本港と、壱岐の印通寺港 - 唐津市の呼子港の2区間が海上区間となる[4]。一般的な海上国道は、起点・終点の端点が他の一般国道の路線と交わるが、国道382号では、起点孤立の端点となっている数少ない路線のひとつである[注釈 7]。
- 対馬市厳原町東里 - 壱岐市勝本町勝本浦
- 壱岐市石田町印通寺浦 - 唐津市呼子町呼子
バイパス
- 大地(おおち)バイパス
- 対馬市上県町佐須奈 - 同市上県町佐護東里間の区間にあるバイパス。大地1号(417 m)、大地2号(207 m)、美止々(みとど、679 m)のトンネル3本が整備されている[5]。2017年12月9日に開通[6]。
- どう坂バイパス
- 対馬市上県町佐護 - 同市上県町瀬田の区間にあるバイパス。2003年に一部分2.6 kmが供用開始。2009年に御嶽やまねこトンネル(全長1,200 m 本路線で最も長いトンネル[7])を含む残りの2.1 kmが開通し全線開通した。
- 山田山バイパス
- 対馬市上県町鹿見と同市峰町三根の境にあるバイパス。町境にある山田山トンネル(全長696 m)は厳原トンネル開通まで本路線及び対馬島内で最も長いトンネルだった。山田山トンネルの北に新弓張トンネル(全長402 m)もある。
- 大久保バイパス
- 対馬市峰町三根にある全長1.9 kmのバイパス。山田山バイパスと直結する。当初計画は全長3.1 kmだったが平成16年度の事業再評価で西側1.2 kmが計画から削除された。東部に大久保トンネル(全長337 m)がある。2003年にトンネルを含む東部1.4 kmが部分供用。2007年に全線供用。
- 鶏知バイパス
- 対馬市美津島町鶏知の樽ヶ浜入り口交差点から鶏知交差点までのバイパス。旧道は市道および県道となっている。対馬交通バスの旅客案内にある「バイパス経由」はこのバイパスを指す。
- 根緒坂バイパス
- 対馬市美津島町根緒と同市厳原町小浦の境にあるバイパス。
- 小浦〜桟原バイパス
- 対馬市厳原町小浦から同市厳原町桟原に至るバイパス。2002年8月4日開通。南側にある厳原トンネル(全長1,102 m)は御嶽やまねこトンネル開通まで本路線及び対馬島内で最も長いトンネルだった[7]。このほか、厳原トンネルのすぐ北に小室トンネル(全長139 m)がある。
道路施設
- 万関橋(万関瀬戸、対馬市美津島町久須保)
交通量
平日24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)
- 対馬市上対馬町比田勝公民館前 : 4,652
- 対馬市厳原町宮谷地方局前 : 14,528
地理
通過する自治体
交差する道路
- 対馬市
- 壱岐市
- 唐津市
脚注
注釈
- ↑ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ↑ 2.0 2.1 2004年3月1日に厳原町・美津島町・豊玉町・峰町・上県町・上対馬町が合併して、対馬市発足。
- ↑ 3.0 3.1 2004年3月1日に郷ノ浦町・勝本町・芦辺町・石田町が合併して、壱岐市発足。
- ↑ 2005年1月1日に唐津市・東松浦郡浜玉町・厳木町・相知町・北波多村・肥前町・鎮西町・呼子町が合併して、新唐津市発足。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 2015年4月1日現在
- ↑ 重複区間を除く
- ↑ 国道382号のように端点が孤立する海上国道は、国道384号、国道390号、国道485号の計4路線だけである[4]。
- ↑ かつて、九州郵船が厳原港(対馬)、勝本港(壱岐)、博多港(福岡市)を結ぶ航路を就航していたが、乗客の減少と船舶の大型化に伴い、1974年(昭和49年)4月14日に廃止された。
- ↑ かつて、九州郵船が印通寺港と呼子港を結ぶ航路を就航していたが、2007年(平成19年)4月1日に佐賀県側の発着港が呼子港から唐津東港に変更となった。なお、呼子港を発着港としていた当時のフェリー(げんかい・あずさ)には船体外部に「国道フェリー」の文字が書いてあった。
出典
- ↑ “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2014閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 21. . 2017閲覧.
- ↑ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2014閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 松波成行 2008, p. 88.
- ↑ 大地バイパスの整備を進めています (PDF) - 広報つしま2017年5月号 対馬市ウェブサイト
- ↑ “一般国道382号(大地バイパス)の開通式について (PDF)”. 長崎県 (2017年11月9日). . 2017閲覧.
- ↑ 7.0 7.1 本路線での最長のトンネルは「御嶽やまねこトンネル」であるが、対馬島内で最長のトンネルは2016年(平成28年)2月に長崎県道44号桟原小茂田線上に開通した「佐須坂トンネル」(1,867m)である。
参考文献
- 松波成行「国道382号」、『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、 88頁、 ISBN 978-4-86320-025-8。