国道349号
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国道349号(こくどう349ごう)は、茨城県水戸市から宮城県柴田郡柴田町に至る一般国道である。阿武隈高地の西側を、山沿いに南北に縦走する。茨城県内は整備が進んでおり走りやすく、水戸 - 常陸太田区間は国道6号のバイパス的に機能している。福島県内には狭隘区間がかなり残存し、宮城県内は阿武隈川と並走する。
Contents
概要
茨城県水戸市を起点とし、茨城県の県北部地域の那珂市、常陸太田市を北へ縦断しながら、福島県の阿武隈高地山間部を通って田村市、伊達市を経て、宮城県角田市を経由して柴田郡柴田町を終点とする延長約267 kmの広域幹線道路である。これら地域の産業振興や交流・連携を支えるだけでなく、災害時の緊急輸送道路としての機能を有する重要な路線として位置付けられている[1]。
路線データ
- 総延長 : 266.8 km(宮城県 32.6 km、福島県 173.0 km、茨城県 61.2 km)重用延長を含む。[3][注釈 1]
- 重用延長 : 7.6 km(宮城県 6.3 km、福島県 1.2 km、茨城県 0.1 km)[3][注釈 1]
- 未供用延長 : なし[3][注釈 1]
- 実延長 : 259.2 km(宮城県 26.3 km、福島県 173.8 km、茨城県 61.1 km)[3][注釈 1]
- 指定区間:なし
歴史
年表
- 1975年(昭和50年)4月1日:1974年11月12日政令第364号に基づき、国道349号が一般国道の路線に追加指定。道路区域の指定および供用開始[2]。
- 1976年(昭和51年)3月31日:久慈郡里美村大字大中(3.965 km)の道路拡幅改良供用開始[4]。
- 1978年(昭和53年)4月1日:那珂郡那珂町大字菅谷地内(菅谷小東交差点 - 杉原交差点)の那珂バイパス(約1.6 km)が部分供用開始[5]。
- 1981年(昭和56年)3月31日:那珂郡那珂町大字中台(中台交差点) - 同町大字菅谷(菅谷小東交差点)の那珂バイパス(約3.7 km)を部分供用開始[6]。
- 1983年(昭和58年)
- 1984年(昭和59年)7月2日:那珂バイパスの那珂町大字中台地内(菅谷バイパス入口交差点 - 中台東交差点)が部分開通[11]。
- 1987年(昭和62年)10月1日:常陸太田市春友町 - 日立市東河内町の旧道(2.733 km)が指定解除され常陸太田市道へ降格[12]。
- 1990年(平成2年)
- 1991年(平成3年)
- 1993年(平成5年)7月12日:里美村大字小菅地内の旧道(計1.195 km)が指定解除により村道に降格する[17]。
- 1995年(平成7年)
- 1999年(平成11年)1月21日:水戸市金町(気象台交差点) - 同市根本町(万代橋)の新道が開通(以後旧道が市道に降格)[21]。
- 2000年(平成12年)4月1日:水戸市五軒町1丁目 - 日立市下深荻町の区間を、通行する車両の最大重量限度25トンの道路に指定[22]。
- 2002年(平成14年)3月26日:水戸市の梅香トンネルが開通[23]。
- 2003年(平成15年)1月30日:日立市東河内町 - 同市下深荻町の旧道区間(2.973 km)が指定解除により日立市道へ降格[24]。
- 2004年(平成16年)3月22日:水戸市青柳町 - 那珂郡那珂町大字中台、那珂町大字菅谷、水戸市青柳町の旧道の各区間を、通行する車両の高さの最高限度4.1mの道路に指定[25]。
- 2007年(平成19年)4月2日:日立市下深荻町 - 常陸太田市徳田町(県境)の区間を、通行する車両の最大重量限度25トンの道路に指定[26]。
- 2008年(平成20年)3月17日:水戸市金町1丁目 - 同市青柳町の旧道(1.36 km)が指定解除され水戸市道へ降格[27]。
- 2014年(平成26年)3月31日:那珂市横堀 - 同市額田南郷の那珂バイパス区間(約1.8 km)を4車線化供用開始 [28][29]。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)7月21日 : 道の駅ひたちおおたを開設。
- 2017年(平成29年)3月23日:那珂市菅谷(下菅谷駅前交差点 - 菅谷中宿交差点)の旧道(963 m)が国道指定解除され、那珂市道に降格[33]。
路線状況
茨城県常陸太田市内の国道349号旧道の久慈川に架かる幸久橋は、老朽化と2011年3月11日の東日本大震災影響による橋脚ひび割れなどにより、2013年(平成25年)10月17日より通行止めになり通行の安全確保が不能とされたことから使用中止となった[34]。また、茨城県那珂市北部から常陸太田市を通る那珂バイパスと太田南バイパスでは、一部暫定2車線での供用となっており、この区間の交通渋滞緩和を目的に現在4車線化整備が進められている[1]。
別名
- 349(さんよんきゅー)
- 太田街道
- 棚倉街道
- 磐城街道
バイパス
- 那珂バイパス(那珂市)
- 太田南バイパス(常陸太田市)
- 鮫川バイパス(鮫川村)
- 船引バイパス(田村市)
- 月舘バイパス(川俣町)
- 御代田バイパス(伊達市)
- 月舘地域の中心部の幅員狭小区間の解消のため、市街地の西側を御代田トンネル(L=450m)で抜けるルートで2000年(平成12年)度から事業化された。
- 起点…伊達市月舘町下手渡
- 終点…伊達市月舘町御代田
- 全長…4.0km
- 全幅…6.5m(12.0m)
- 月舘地域の中心部の幅員狭小区間の解消のため、市街地の西側を御代田トンネル(L=450m)で抜けるルートで2000年(平成12年)度から事業化された。
- 掛田バイパス(伊達市)
- 伊達市霊山地域の中心部の幅員狭小区間、細かな右左折を解消するため建設された。これにより国道115号との重複も解消された。
- 起点…伊達市霊山町下小国字行人田
- 終点…伊達市霊山町掛田字荒井
- 全長…2.5km
- 伊達市霊山地域の中心部の幅員狭小区間、細かな右左折を解消するため建設された。これにより国道115号との重複も解消された。
- 梁川バイパス(伊達市)
重複区間
- 国道118号(水戸市起点-水戸市・気象台下交差点、矢祭町・小田川交差点-矢祭町東舘)
- 国道400号(水戸市起点-水戸市・気象台下交差点)
- 国道289号(鮫川村-大犬平交差点-青生野交差点)
- 国道288号(田村市・南町交差点-北町交差点)
- 国道459号(二本松市・古谷交差点-大久保交差点)
- 国道399号(伊達市・月舘交差点-伊達市・七丁目交差点)
- 国道113号(丸森町・丸森橋北阿元交差点-角田市・錦町交差点)
道路施設
橋梁
- 万代橋(よろずよばし:那珂川、水戸市)
- 幸久大橋(さきくおおはし:久慈川、那珂市 - 常陸太田市)
- 久慈川を渡河する茨城県が管理する道路橋としては2番目に長い橋長1,166m、9径間PC造桁+6径間鋼桁+9径間PC造桁の構造で構成される橋梁で、1998年(平成10年)3月に暫定2車線にて供用された。2015年(平成27年)9月より、下流側に並行する2車線の橋梁を建設する工事に着手しており、完成すれば4車線化になる計画となっている[35]。
- 玉簾大橋(たまだれおおはし:里川、日立市)
- 梁川橋(阿武隈川、伊達市)
トンネル
- 茨城県
- 梅香トンネル(水戸市)
- 中里トンネル(日立市)
- 福島県
- 新宿トンネル(東白川郡鮫川村)
- 中野トンネル(東白川郡鮫川村)
- 風越トンネル(田村市 - 田村郡小野町)
- 口太山トンネル(伊達郡川俣町 - 二本松市)
- 鳴石トンネル(伊達郡川俣町)
- 宮城県
- 川張2号トンネル(伊具郡丸森町)
- 川張1号トンネル(伊具郡丸森町)
- 片倉トンネル(伊具郡丸森町)
- 山田トンネル(伊具郡丸森町)
道の駅
地理
通過する自治体
- 茨城県
- 福島県
- 宮城県
交差する道路
- 茨城県
- 福島県
- 宮城県
- 国道113号(丸森町・丸森橋北阿元交差点)
- 国道113号(角田市・錦町交差点)
- 国道4号(柴田町・白幡交差点)
主な峠
- 風越峠(福島県小野町 - 福島県田村市)
- 明神峠(茨城県常陸太田市 - 福島県矢祭町)
観光
福島県と宮城県の県境付近(福島県伊達市梁川町五十沢から宮城県伊具郡丸森町)は、美しい景観を楽しめる阿武隈峡谷がある。国道の対岸には阿武隈川の川下り遊覧船の乗り場もある。
脚注
注釈
出典
- ↑ 1.0 1.1 常陸太田工事事務所 (2016年4月6日). “一般国道349号(那珂常陸太田拡幅)”. 茨城県ホームページ. 茨城県. . 2016閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 “道路の区域決定・道路の供用開始(昭和50年4月1日 茨城県告示第346・348号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 号外 (9): pp. 1,2, (1975年4月1日)
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 19. . 2017閲覧.
- ↑ “道路の区域変更(昭和51年3月31日 茨城県告示第361号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 号外 (4): pp. 4,11–12, (1976年3月31日)
- ↑ “道路の供用開始(昭和53年3月16日 茨城県告示第336号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第6613号: p. 10, (1978年3月16日)
- ↑ “道路の供用開始(昭和56年3月31日 茨城県告示第471号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 号外第72号: p. 3, (1981年3月31日)
- ↑ “道路の供用開始(昭和58年3月31日 茨城県告示第549号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第7129号: p. 6, (1993年3月31日)
- ↑ “道路の区域変更(昭和58年8月18日 茨城県告示第1171号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第7169号: p. 3, (1983年8月18日)
- ↑ “道路の区域変更(昭和58年9月1日 茨城県告示第1235号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第7173号: p. 3, (1983年9月1日)
- ↑ “道路の供用開始(昭和58年11月18日 茨城県告示第1543号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 号外第287号: p. 1, (1983年11月18日)
- ↑ “道路の供用開始(昭和59年6月25日 茨城県告示第889号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第7256号: p. 5, (1995年6月25日)
- ↑ “道路の区域変更(昭和62年10月1日 茨城県告示1329号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第7591号: p. 5, (1987年10月1日)
- ↑ “道路の供用の開始(平成2年3月22日 茨城県告示第367号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 号外第40号: p. 7, (1990年3月24日)
- ↑ 14.0 14.1 “道路の供用の開始(平成2年3月29日 茨城県告示第430号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 号外第50号: p. 6, (1990年3月29日)
- ↑ 15.0 15.1 15.2 15.3 15.4 “道路の区域の変更(平成3年3月28日 茨城県告示第408号-2) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第228号: p. 10, (1991年3月28日)
- ↑ “道路の区域の変更(平成3年9月26日 茨城県告示第1067号)・道路の供用の開始(同日 茨城県告示第1069号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第280号: pp. 13–14, (1991年9月26日)
- ↑ “道路の区域の変更(平成5年7月12日 茨城県告示第870号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第463号: pp. 7–8, (1993年7月12日)
- ↑ “道路の区域の変更(平成7年5月29日 茨城県告示第656号)・道路の供用の開始(同日 茨城県告示第657号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第653号: p. 7, (1995年5月29日)
- ↑ “道路の供用の開始(平成7年9月4日 茨城県告示第1020号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第681号: p. 6, (1995年9月4日)
- ↑ “道路の区域の変更(平成7年9月21日 茨城県告示第1079号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第686号: p. 19, (1995年9月21日)
- ↑ “道路の供用の開始(平成10年12月21日茨城県告示第1384号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第1020号: pp. 44–45, (1998年12月21日)
- ↑ “車両制限令の規定に基づく道路の指定(平成12年3月2日 茨城県告示第237号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第1139号: pp. 6–7, (2000年3月2日)
- ↑ “道路の供用の開始(平成14年3月25日 茨城県告示第327号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第1349号: p. 42, (2002年3月25日)
- ↑ “道路の区域の変更(平成15年1月30日 茨城県告示第138号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第1436号: p.5, (2003年1月30日)
- ↑ “車両制限令の規定の基づく道路の指定(平成16年3月15日 茨城県告示第371号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第1551号: pp. 9–14, (2004年3月15日)
- ↑ “車両制限令の規定に基づく道路の指定(平成19年4月2日 茨城県告示第445号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第1863号: pp. 7–8, (2007年4月2日)
- ↑ “道路の区域の変更(平成20年3月17日 茨城県告示第336号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第1960号: pp. 3–4, (2008年3月17日)
- ↑ “道路の供用の開始(平成26年3月31日 茨城県告示第339号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第2576号: p. 85, (2008年3月17日)
- ↑ “国道349号那珂市額田南郷地内の一部区間4車線化について”. 土木部常陸大宮土木事務所. 茨城県 (2014年3月31日). . 2015閲覧.
- ↑ “道路の供用の開始(平成27年4月6日 茨城県告示第461号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第2680号: p. 7, (2015年4月6日)
- ↑ “御代田バイパス開通 復興再生道路の349号国道”. 福島民報. (2015年7月11日) . 2015閲覧.
- ↑ “国道349号「御代田バイパス」の開通式を開催します。 (PDF)” (プレスリリース), 福島県土木部, (2015年6月25日)
- ↑ “道路の区域の変更(平成29年3月23日 茨城県告示第324号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第2880号: pp. 23–24, (2017年3月23日)
- ↑ “幸久橋の調査結果について(お知らせ) (PDF)”. 土木部常陸大宮土木事務所. 茨城県 (2014年6月4日). . 2015閲覧.
- ↑ 常陸太田工事事務所. “国道349号 那珂常陸太田拡幅事業 工事進捗状況 (平成28年3月現在) (PDF)”. 茨城県ホームページ. 茨城県. . 2016閲覧.