国道229号
国道229号(こくどう229ごう)は、北海道小樽市から同道余市郡余市町を経由して同道檜山郡江差町に至る一般国道である。
Contents
概要
日本海沿岸を通過するルートをとるが、数々のトンネルを通過する。通行に危険な箇所は現在もルート変更をはじめとする線形改良が続けられている。なかでも積丹半島の海岸線を周遊する道路には、町村ごとに「セタカムイライン」「カブトライン」「追分ソーランライン」といった異なる愛称がつけられており、日本海と奇岩が続く絶景のドライブルートとして知られる[1]。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。
- 起点 : 小樽市小樽市稲穂2丁目88番[3]=国道5号上、北海道道697号天神南小樽停車場線交点)
- 終点 : 北海道檜山郡江差町(檜山郡江差町字柳崎町142番[3]=国道227号交点)
- 重要な経過地 : 北海道余市郡余市町、同道積丹郡積丹町、同道岩内郡岩内町、同道寿都郡寿都町、同道瀬棚郡北檜山町[注釈 2]、同道爾志郡熊石町[注釈 3]
- 総延長 : 306.3 km(重用延長を含む)[4][注釈 4]
- 重用延長 : 19.6 km[4][注釈 4]
- 未供用延長 : なし[4][注釈 4]
- 実延長 : 286.7 km[4][注釈 4]
- 指定区間 : 全線[5]
歴史
終点は指定当初から江差町であるが、政令による終点表記は、1953年の二級国道指定時は江差郡江差町[6]、1965年の改正時は「桧山郡江差町」と表記されていた[7]。1993年の改正で現在の表記となった。
年表
- 1953年(昭和28年)5月18日
- 1962年(昭和37年)10月17日
- 1965年(昭和40年)4月1日
- 道路法改正により一級・二級区分が廃止されて一般国道229号(小樽市 - 北海道桧山郡江差町)として指定施行[7]。
- 1982年(昭和57年)4月1日
- 1996年(平成8年)2月10日
- 1996年(平成8年)11月
- 積丹半島西部の未開通区間(積丹町沼前~神恵内村川白)が開通し、全線開通。
- 1997年(平成9年)8月25日
- 2004年(平成16年)9月8日
路線状況
通称
余市 - 岩内間の積丹半島の海岸線に沿って周遊する約92 kmの道路区間は、半島東側がセタカムイライン、同西側をカブトラインと呼ばれ、北海道の積丹半島を代表する観光ルートで知られる[1][13]。
- 日本海追分ソーランライン
- セタカムイライン
- 雷電国道
- 檜山国道
- にしん街道(提唱中/日本海側の沿岸町[14])
重複区間
- 小樽市稲穂2丁目(稲穂2-18起点)- 余市郡余市町黒川町(余市駅前交点):国道5号
- 岩内郡岩内町大浜(壁坂交点)- 二海郡八雲町熊石鮎川町:国道276号
- 二海郡八雲町熊石鮎川町 - 檜山郡江差町柳崎町(終点):国道276号・国道277号
道路施設
山が海へと落ちる積丹半島の海岸縁を周回する国道であることから、トンネルが日本一多い国道として知られ、その数は76本掘られている[15]。トンネルにまつわる事故も多く起こっており、1996年(平成8年)に豊浜トンネル岩盤崩落事故、1997年(平成9年)にも第2白糸トンネル崩落事故が発生し、尊い人命が失われている[15]。
トンネル
道の駅
- スペース・アップルよいち(余市町)
- オスコイ!かもえない(神恵内村)
- いわない(岩内町。直接国道には接続していないが近傍。北海道道270号岩内港線沿い)
- シェルプラザ・港(蘭越町)
- 道の駅みなとま〜れ寿都(寿都町。直接国道には接続していないが近傍。北海道道9号寿都黒松内線沿い)
- よってけ!島牧(島牧村)
- てっくいランド大成(せたな町)
- ルート229元和台(乙部町)
地理
積丹半島を周遊するカブトライン・セタカムイラインは、海岸をなぞる様に道路が延びトンネルも多いが、道路から眺める「積丹ブルー」とよばれる青い海と奇岩がそそり立つ海岸美が続く観光ルートにもなっており、特に西側のカブト岬一帯の奇岩と断崖絶壁が続く美しい海岸美は「後志十景」のひとつに選ばれている[1][13][16]。
通過する自治体
交差する道路
後志総合振興局
- 小樽市
- 国道5号・北海道道697号天神南小樽停車場線:稲穂2丁目(稲穂2-18、起点)
- (国道5号との重複区間は省略)
- 余市郡余市町
- 国道5号・北海道道228号豊丘余市停車場線:黒川町(余市駅前交点)
- 北海道道228号豊丘余市停車場線:朝日町、沢町2丁目
- 北海道道378号余市港線:沢町2丁目
- 古平郡古平町
- 北海道道998号古平神恵内線:浜町(浜町十字街交点)
- 積丹郡積丹町
- 北海道道568号船澗美国港線:美国町
- 北海道道913号野塚婦美線:婦美町、野塚町
- 古字郡神恵内村
- 北海道道998号古平神恵内線:神恵内村
- 古字郡泊村
- 北海道道342号茅沼鉱山泊線:茅沼村
- 岩内郡共和町
- 北海道道569号蕨台古平線:宮丘
- 北海道道269号蕨岱国富停車場線:梨野舞納
- 岩内郡岩内町
- 国道276号・北海道道270号岩内港線:大浜(壁坂交点)
- 北海道道66号岩内洞爺線:高台(万代1交点)
- 北海道道270号岩内港線:清住(清住4交点)
- 磯谷郡蘭越町
- 寿都郡黒松内町
- 北海道道9号寿都黒松内線 : 北作開
- 寿都郡寿都町
- 北海道道9号寿都黒松内線:樽岸町
- 北海道道272号寿都停車場線:渡島町、新栄町、矢追町
- 島牧郡島牧村
- 北海道道523号美川黒松内線:美川
- 北海道道836号島牧美利河線:豊平
檜山振興局
- 久遠郡せたな町
- 北海道道447号西大里瀬棚停車場線:瀬棚区本町
- 北海道道783号東大里瀬棚停車場線:瀬棚区共和
- 北海道道740号北檜山大成線:北檜山区豊岡
- 北海道道345号矢淵東瀬棚停車場線:北檜山区北檜山
- 国道230号:北檜山区北檜山
- 北海道道232号今金北桧山線:北檜山区愛知
- 北海道道42号八雲北檜山線:北檜山区二俣
- 北海道道740号北檜山大成線:大成区宮野
渡島総合振興局
- 二海郡八雲町
- 国道277号:熊石鮎川町
檜山振興局
- 爾志郡乙部町
- 北海道道1061号旭岱鳥山線:鳥山
- 北海道道460号乙部厚沢部線・北海道道461号乙部港線:緑町(緑町交点)
- 檜山郡江差町
- 北海道道935号小黒部鰔川線:水堀町(水堀交点)
- 国道227号・北海道道634号城丘江差線:柳崎町(終点)
脚注
注釈
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 佐々木・石野・伊藤 2015, p. 37.
- ↑ “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2013閲覧.
- ↑ 3.0 3.1 道路豆知識 国土交通省北海道開発局小樽開発建設部のページより。2017年8月27日閲覧。
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 12. . 2017閲覧.
- ↑ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2013閲覧.
- ↑ 6.0 6.1 ウィキソースには、二級国道の路線を指定する政令(昭和28年5月18日政令第96号)の原文があります。
- ↑ 7.0 7.1 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)
- ↑ “一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年4月30日政令第153号)”. 法庫. . 2013閲覧.
- ↑ “写真特集:主なトンネル事故”. 毎日新聞社 (2012年12月2日). 2012年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2013閲覧.
- ↑ 川村信人. “豊浜トンネル崩壊事故と積丹半島の岩盤 道路の安全と地質学”. 北海道大学. . 2013閲覧.
- ↑ “自然災害による「道の駅」の被災状況一覧表(平成17年6月1日現在)”. 国土交通省中国地方整備局. . 2013閲覧.
- ↑ “道の駅 オスコイ!かもえない”. 北海道じゃらん. リクルート. . 2013閲覧.
- ↑ 13.0 13.1 須藤英一 2013, pp. 32-33.
- ↑ にしんルネサンス - 「にしん街道」標柱の設置より。2018年6月10日閲覧。
- ↑ 15.0 15.1 佐藤健太郎 2014, p. 146.
- ↑ テンプレート:Cite sign
参考文献
- 『絶景ドライブ100選[新装版]』 松井謙介編、学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015-09-30。ISBN 978-4-05-610907-8。
- 佐藤健太郎 『ふしぎな国道』 講談社〈講談社現代新書〉、2014-10-20。ISBN 978-4-06-288282-8。
- 須藤英一 『新・日本百名道』 大泉書店、2013年。ISBN 978-4-278-04113-2。
関連項目
外部リンク
- 北海道開発局
- 小樽開発建設部
- 函館開発建設部
- 八雲道路事務所(八雲道路事務所所在地) : 島牧村持田茂津多トンネル島牧村側坑口 - せたな町・八雲町界を管理。
- 江差道路事務所(江差道路事務所所在地) : せたな町・八雲町界 - 江差町終点を管理。