国道19号

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国道19号(こくどう19ごう)は、愛知県名古屋市から長野県長野市へ至る一般国道である。この内、岐阜県恵那市から長野県塩尻市にかけて、旧中山道に相当する。高速道路では愛知県 - 岐阜県中津川市にかけて中央自動車道と、長野県内では塩尻市 - 安曇野市長野自動車道と、鉄道では名古屋市 - 長野県塩尻市にかけて中央本線と、塩尻市 - 安曇野市で篠ノ井線と並走する。

概要

路線データ

歴史

国道19号に相当する街道は、塩尻市 - 恵那市は中山道、恵那市 - 名古屋市は下街道ということになるが、1952年昭和27年)以前に国道だったのは中山道の区間のみである。北国西街道そのものは現在の国道403号に相当する街道であるが、この街道を踏襲した府県道長野飯田線が、その後、現在の犀川沿いに路線が変更され、国道19号へと受け継がれている。

1885年明治18年)の内務省告示第6号「國道表」では、中山道が国道7号「東京より神戸港に達する別路線」(現17号、18号、142号、20号、19号、21号、8号、1号経由)に指定された。このうち、現国道19号に相当するのは塩尻 - 土岐間である。また、名古屋側の一部が国道10号「東京より名古屋鎮台に達する路線」(現1号経由、名古屋市熱田区で分岐して名古屋まで)となっていた。

1920年大正9年)施行の旧道路法に基づく路線認定では、旧7号がほぼそのまま国道14号「東京市より京都府庁所在地に達する路線」となった。1934年(昭和9年)、甲府までだった国道8号が延長されて「東京市より京都府庁所在地に達する路線(甲)」となり、国道14号だった下諏訪 - 京都は国道8号の方が上位路線となった。この間塩尻市から長野市間は府県道長野福島線(長野市から東筑摩郡広丘村は府県道長野飯田線と重複、東筑摩郡宗賀村から西筑摩郡福島町までは国道14号と重複)に指定されており、その後1923年(大正11年)に長野飯田線の路線の変更にともない長野福島線も現在のルートに変更された。

1952年(昭和27年)12月4日、新道路法に基づく路線指定で、名古屋 - 土岐、塩尻 - 長野を含めて一級国道19号(愛知県名古屋市 - 長野県長野市)として指定された。1965年(昭和40年)4月1日、道路法改正によって一級・二級の別がなくなり一般国道19号となった。

路線状況

ファイル:R19 and R22 Starting-Point.jpg
起点の熱田神宮南交差点
ファイル:Route 19 Nishi-owaribe, Nagano.jpg
(非バイパス)終点の西尾張部交差点
ファイル:Nagano-minami By-Pass, Otsuka-minami, Nagano, Japan.jpg
長野南バイパス経由終点の大塚南交差点付近
愛知県区間
起点の熱田神宮南交差点には「長野まで270km、岐阜まで37km」を示す標識がある(画像参照)。春日井市まで、大型車の交通量が多い交通需要に応えるために[2]コンクリート舗装となっている区間が多々ある。長野方面では、向かって右側に熱田神宮をのぞみながら堀川の左岸・熱田台地を北上する。この区間は伏見通と呼ばれ、丸の内の日銀前交差点までは片側5車線が確保されている。伏見通では19号の距離標「多治見 ○○km, 春日井 ××km」と共に、22号の距離標「岐阜 ○○km, 一宮 ××km」が併置されている。なお名古屋市内の19号上りでは一貫して「豊橋 ○○km, 四日市 ××km」と案内されている。また、起点から金山の新尾頭交差点まで地下を名城線が走っている。金山総合駅から西に100mほどの金山新橋で、南から東海道本線名鉄名古屋本線中央本線をまたぐ。山王通と交差する古渡町交差点で名古屋高速都心環状線をアンダーパスする。大須通と交差する西大須交差点から日銀前交差点にかけて、地下を鶴舞線が走る。若宮大通と交差する若宮南 - 北交差点間で名古屋高速東山線をアンダーパスする。日銀前交差点を右折し国道22号を分けて、国道153号起点の小川交差点までの区間は桜通と呼ばれ、地下を走る桜通線と共に名古屋の都心部を東西に走る。なお、片側4車線は確保されている。久屋大通との交差点で久屋大通の地下を通る名城線、名鉄瀬戸線と交差する。国道41号の起点である高岳交差点で名古屋高速都心環状線をアンダーパスし、350mほど東に進むと小川交差点である。小川交差点で東に桜通、南に国道153号を分ける。小川交差点から北では、進路を北東に変え、国道155号と交わる春日井インター東交差点過ぎまで、信号が多いものの、片側3車線以上の道路である。大曽根で名鉄瀬戸線のガードを潜り、天神橋で矢田川を超え、勝川橋で庄内川を超えると春日井市に入り、勝川で城北線環状2号線名二環勝川IC国道302号)をアンダーパスする。春日井高校前・瑞穂通1丁目交差点付近の地下を木曽川犬山取水場 - 鍋屋上野浄水場を結ぶ名古屋水道の導水管が交差している[3]。国道155号を超え、内津川の流域に入ると沿道の建物が減り、多治見市街までは円滑に流れる。この区間で19号は内津川をはさんで高蔵寺ニュータウンのすぐ西を通っている。なお、中央本線は高蔵寺ニュータウンの東を通っており、内津峠を通らず、庄内川・土岐川の渓谷を通り多治見に至る。神屋町で「愛知用水幹線水路」を超える(愛知用水は、前後でサイホンとなっており、直接用水と交差はしていない。)[4]。県境の内津峠は標高250mに満たないが、北山トンネルの西にスノーシェッドが2つ設置されている。
岐阜県東濃区間
春日井インター東交差点過ぎから瑞浪バイパス東端・鶴城交差点まで片側2車線。丘陵地ではあるが、愛知県境の内津トンネルを除き、トンネルはない。武並までは土岐川と並行している。
太多線をオーバーパスするあたりから東が多治見の市街地であり、音羽町(国道248号交点)、上野町の各交差点を原因として慢性的に渋滞が発生している[5]。虎渓大橋で土岐川を超え、神明峠を超え、土岐大橋で再び土岐川を超えると土岐市街に入り、土岐川の右岸を走る。土岐バイパスは土岐プレミアム・アウトレットへの道(県道382号)と立体交差しており、アウトレット絡みの渋滞はない。大富交差点で岐阜方面からの国道21号と合流する。土岐 - 瑞浪間で北から中央道、19号、中央本線の3路線が100mの範囲に収まるほど近接する。瑞浪バイパスは旧道より車線は多いものの、南に大回りする形で市街地を迂回している。瑞浪 - 恵那間の1車線区間のほとんどは中央道のすぐ隣を並行している。庄内川流域と木曽川流域の分水嶺である槙ヶ根を超え、恵那市街までくると御嶽山中央アルプスが眺望できる。恵那市以東の東濃区間は美濃三河高原の影響下にあり、いくつもの川の流域をまたぐ(土岐川 - 阿木川 - 岡瀬川 - 坂本川 - 千旦林川 - 中津川・四ツ目川 - 子野川 - 落合川)ためアップダウンが激しく、分水嶺付近は沿道の店も少ない。中津川IC過ぎで、下呂方面への国道257号を分ける。中津川バイパスは中津川駅から伸びるレジストロ通り(県道71号)とは立体交差している。恵那山嶺から流れ出る落合川を超えて中津川バイパス2車線区間が終わると高出交差点の先塩尻北IC付近まで片側1車線になる。落合から先は木曽路であり、木曽川と並行している。2004年までの長野県境(中津川市の落合 - 山口間)を超えるとキロポストの表示が「名古屋(熱田神宮)から○○km」から単に「名古屋から××km」に変わる。賤母大橋で木曽川を超えると長野県に入る。
長野県木曽区間
中津川市から塩尻市の間は制限速度が50km/hであるが、平均速度が55km/hを超えることもある[6]ため俗に「木曽高速」と呼ばれる[7]中央道利用時との所要時間が30 - 40分程度しか変わらないこと[7]恵那山トンネルが割増料金(ただし、2011年(平成23年)8月1日から、2013年度(平成25年度)末までの予定で、一般区間と同等の料金に値下げされている[8])で危険物積載車両通行禁止でもあること、中津川ICから19号長野方面へ直接出られること、適当な休憩場所として、道の駅が7つ整備されていることなどが理由である。特に夜間に多いトラック[9]による騒音や振動だけでなく、前車へのあおりや追突、対向車との正面衝突、違法競走型暴走族などの危険な運転(特に登坂車線区間)があり、その結果、高い死亡率・長時間の通行止めが起きている[7]。対策として、関係機関によって結成された「木曽かめクラブ」の運動、信号待ち等で停止する場合に後続車両の追突防止のためにハザードランプを点滅させることの徹底、また、中央自動車道の利用促進がある。また、ほぼ全区間で一定以上の雨量で通行止めとなるため、沿線住民は常に陸の孤島となる危険と隣り合わせである。南木曽町・吾妻橋交差点で妻籠宿飯田方面への国道256号を分け、木曽町・木祖村の境である山吹トンネルの南・神谷入口交差点で伊那方面への国道361号を分ける。鳥居峠を貫く新鳥居トンネルが国道19号で最も標高の高い場所(約995m)であり、太平洋側(木曽川流域)・日本海側(信濃川流域)の分水嶺である。なお鳥居峠は平安時代までは美濃信濃の国境だった。塩尻市に入った後、洗馬までは奈良井川と並行している。松本盆地に入ると葡萄農園が目立つようになる。篠ノ井線をオーバーパスすると沿道の店が増えてくる。高出交差点で名古屋市東区の小川交差点で分かれた国道153号、日本橋からのびる国道20号にぶつかる。
木曽地域では、災害防止・沿線環境の改善のため、桟(かけはし)改良(2014年3月29日開通[10])および桜沢改良(2007年度より)によるバイパス整備に着手している。
木曽区間におけるトンネル内AMラジオ再送信はNHK長野第1(木曽福島局及び大桑局)と一部でCBCラジオ1053kHzとNHK第2のみで、中継局のないSBCは再送信されていない。
長野県塩尻以北
長野県区間は塩尻北IC付近、長野南バイパス、長野市中心街を除くと片側1車線である。高出交差点以北は松本まで概ね田川と、田川と奈良井川が合流した後、安曇野市境付近までは奈良井川と、奈良井川と梓川が合流した後、長野市街までは犀川と、それぞれ並行している。高出交差点から松本市内にかけては慢性的な渋滞が起きている。迂回路として長野道の利用、または松塩広域農道から県道48号の利用がある。松本市・渚3丁目交差点の南200mほど (松本警察署付近)でアルピコ交通上高地線のガードを潜る。渚1丁目交差点で上高地方面への国道158号と、松本市街地への国道143号を分け、平瀬口交差点で安曇野市穂高・大町白馬糸魚川方面への国道147号を分ける。宮渕交差点から安曇野市明科にかけての区間は東は山地、西は平地となっている。明科の木戸交差点を曲がり、篠ノ井線・長野道に並行する国道403号を分けると、長野盆地まで続く犀川の渓谷へと入り車と人家が少なくなる。長野市笹平で白馬方面からのオリンピック道路(県道31号)と合流する。小松原トンネル西交差点でバイパスと長野市中心街への分岐になる。「非バイパス」は、犀川をわたり、犀川左岸を通る。安茂里から長野駅付近まで信越本線北陸新幹線と並行している。長野駅から南西に500mほどの中御所交差点から県庁前交差点にかけての南北に伸びる区間は県庁通りと呼ばれ、片側2車線である。県庁前交差点から終点・西尾張部交差点にかけての東西に伸びる区間は昭和通りと呼ばれ、片側2車線である。善光寺表参道である中央通りと交差する新田町交差点はスクランブル化されている。市役所前駅交差点で地下を走る長野電鉄長野線と交差する。市役所前 - 消防局前交差点間でしなの鉄道北しなの線・北陸新幹線をアンダーパスする。終点の西尾張部交差点で国道18号にぶつかる。長野南バイパスは、小松原トンネルを超えた後、犀川の右岸を東西に走る。川中島で西から信越本線・北陸新幹線をアンダーパスする。稲里西交差点以東は片側2車線である。終点の大塚南交差点で国道18号にぶつかる。

バイパス

別名

街道

都市部

  • 伏見通(愛知県名古屋市熱田区、中区)
  • 桜通(愛知県名古屋市中区、東区)
  • 葵町線(愛知県名古屋市東区、北区)
  • 県庁通り(長野県長野市)
  • 昭和通り(長野県長野市)

重複区間

  • 国道22号:愛知県名古屋市熱田区(熱田神宮南交差点) - 愛知県名古屋市中区(日銀前交差点)
  • 国道21号:岐阜県土岐市(大富交差点) - 岐阜県瑞浪市(山野内交差点)
  • 国道257号:岐阜県恵那市(正家交差点) - 岐阜県中津川市千旦林
  • 国道256号:岐阜県中津川市(弥栄橋交差点) - 長野県木曽郡南木曽町(吾妻橋交差点)
  • 国道361号:長野県木曽郡木曽町福島(木曽大橋交差点) - 長野県木曽郡木曽町日義小沢原(神谷入口交差点)
  • 国道403号:長野県松本市(渚1丁目交差点) - 長野県安曇野市(木戸交差点)

道路施設

道の駅

車線数

ただし交差点直前等は除く。

  • 名古屋市内 4 - 10車線
  • 春日井バイパス 4 - 6車線
  • 内津バイパス 4車線
  • 多治見バイパス 4車線
  • 土岐バイパス 4車線
  • 瑞浪バイパス 4車線
  • 恵那バイパス 2/4車線
  • 恵中拡幅区間 2/4車線
    • 2012年度完成予定で4車線化事業中[11]
  • 中津川バイパス 4車線
  • 松本バイパス 2車線
  • 長野南バイパス 2/4車線

事前通行規制区間

  • 岐阜県中津川市山口 - 長野県木曽郡南木曽町読書間 連続雨量150mm以上の場合通行止
  • 長野県木曽郡木祖村藪原地内 連続雨量170mm以上の場合通行止[12]

交通規制を参照

地理

通過する自治体

接続道路

ファイル:春日井インターチェンジ.jpg
1982年度(昭和57年)に撮影された国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。写真下から右へと斜めに伸びる道路が国道19号。写真下から左上へと斜めに伸びているのは東名高速道路

一般国道・高速道路

中部地方整備局管内

関東地方整備局管内

県道、政令市道

主な峠

  • 内津峠(標高230m):愛知県春日井市 - 岐阜県多治見市
  • 鳥居峠(標高1,000 m):長野県木曽郡木祖村 - 長野県塩尻市

脚注

注釈

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 2014年4月1日現在

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2015. 国土交通省道路局. p. 3. . 2016閲覧.
  2. ディガー No5
  3. 水の旅 〜配水系統図〜
  4. 17.上流管理所管理範囲図(大神トンネル〜神廻トンネル)
  5. IV 交通実態調査
  6. 幹線道路における速度抑制効果の理論的解析
  7. 7.0 7.1 7.2 7.3 “木曽発/山間を走る国道19号/トラック急増 事故続発”. 朝日新聞(朝刊) (朝日新聞社): p. 33. (2003年6月19日) 
  8. 高速道路の割高区間等の料金割引について 国土交通省、2011年7月15日(2011年9月23日閲覧)。
  9. 1999年の交通量は1日16,900台で、夜間の交通量の75%が大型車であった[7]
  10. 桟改良が3月29日(土)に全線開通!国土交通省 中部地方整備局 飯田国道事務所 2014年2月5日(2014年2月13日閲覧)
  11. 平成23年度事業概要(砂防・道路) (PDF)”. 国土交通省 中部地方整備局 多治見砂防国道事務所. . 2011閲覧.
  12. 長野県の道路2013 P25.交通不能区間等

関連項目

外部リンク

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