こくしたいけい
日本史研究に関する基本的な文献を集め,校訂して出版した叢書。 60巻 65冊。明治の代表的啓蒙史家田口卯吉編纂。
1929年,田口の弟子である黒板勝美が中心となり,さらに貴重な文献を追加し,全面的に新訂増補を施して出版,64年完成した。神代から江戸時代末期に及ぶ正史や,個人の編纂した歴史書,制度法令集,文学,伝記集,系譜などの基本的なものを集めている。ただ傾向として,近世研究のためには『徳川実紀』ほか数部があるにすぎないため,古代,中世史研究向きであるといえよう。第2次世界大戦で失われた写本を利用しており,文献研究のうえからも貴重である。