周期点

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数学反復函数および力学系の研究において、ある函数周期点(しゅうきてん、: periodic point)とは、ある特定の回数の函数の反復、あるいはある特定の時間の経過ののちにシステムがそこに戻る点のことを言う。

反復函数

ある集合 X自己準同型 f として

[math]f: X \to X[/math]

が与えられたとき、X 内のある点 x が周期点であるとは、

[math]\ f_n(x) = x[/math]

となる n が存在することを言う。ここで [math]f_n[/math]fn 回目の反復を表す。この式を満たす最小の n は、点 x の素周期(prime period)あるいは最小周期(least period)と呼ばれる。X 内のすべての点が同一の周期 n を持つ周期点であるなら、f は周期 n周期的と呼ばれる。

異なる nm

[math]f_n(x) = f_m(x)[/math]

を満たすものが存在するとき、x前周期点(preperiodic point)と呼ばれる。すべての周期点は前周期的である。

f はある微分可能多様体微分同相写像であり、したがって導函数 [math]f_n^\prime[/math] が定義されるものとする。このときある周期点は

[math]|f_n^\prime|\ne 1 [/math]

を満たすなら双曲的(hyperbolic)と呼ばれ、

[math]|f_n^\prime|\lt 1 [/math]

を満たすなら吸引的(attractive)、

[math]|f_n^\prime|\gt 1[/math]

を満たすなら反発的(repelling)と呼ばれる。周期点あるいは不動点の安定多様体次元がゼロであるなら、その点は湧点(source)と呼ばれる。不安定多様体の次元がゼロであるなら、その点は沈点(sink)と呼ばれる。いずれの多様体の次元もゼロでないなら、その点は鞍点(saddle)と呼ばれる。

  • 周期 1 の周期点は、不動点と呼ばれる。

力学系

相空間 X と発展函数

[math]\Phi: \mathbb{R} \times X \to X[/math]

を備える実の大域力学系 (R, X, Φ) が与えられたとき、X 内のある点 x はある t > 0 に対して

[math]\Phi(t, x) = x\,[/math]

を満たすなら、周期 t で周期的と呼ばれる。このような t の内、最小の正の数を点 x の素周期と呼ぶ。

性質

  • 周期 p の周期点 x が与えられたとき、R 内のすべての t に対して [math]\Phi(t,x) = \Phi(t+p,x)\,[/math] が成り立つ。
  • ある周期点 x が与えられたとき、x を通る軌道上のすべての点は同一周期で周期的である。

ロジスティック写像

[math]x_{t+1}=rx_t(1-x_t), \qquad 0 \leq x_t \leq 1, \qquad 0 \leq r \leq 4[/math]

は、様々なパラメータ r の値に対して周期性を示す。r が 0 と 1 の間の値であるなら、唯一つの周期点は 0 で、その周期は 1 である(列 0, 0, 0, ..., 0 はすべての軌道を吸引する)。r が 1 と 3 の間の値であるなら、点 0 は依然として周期的であるが吸引的ではなく、点 (r-1)/r が新たな周期点となり、その周期は 1 である。3 より大きいが 1 + √6 より小さい r に対しては、非吸引的な周期 1 の点 0 および (r-1)/r と、それらの周期点の間の周期 2 の非吸引的なサイクルの他に、吸引的な列を構成する周期 2 の点のペアが存在する。パラメータ r の値が 4 に向かって上昇するにつれて、任意の正の整数を周期とする周期点の群が生じる;ある値の r に対しては、それらの再帰列の一つは吸引的であるが、その他のすべては非吸引的となる(ほとんど全ての軌道はカオス的になる)。

関連項目

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