呉語

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シナ・チベット語族 > シナ語派 > 中国語 > 呉語


呉語(ごご、Goetian)または呉越語(ごえつご)は、シナ・チベット語族シナ語派言語の一つである。1991年の調査によると、呉語の話者は8700万人。

上海市浙江省の大部分、江蘇省南部、安徽省南部および江西省福建省の一部で話される。呉語の主要なグループには太湖グループ(上海語蘇州語など)、甌江グループ(温州語など)などがある。上海語と蘇州語が代表的な北部呉語とみなされる。

特徴

  • 声母
    • 清濁の対立 - 他の多くの地域で失われた中古中国語音韻体系における全濁音が保存されており、有声音声母 b-, d-, dz-, g-, v-, z-, ɦ- などが存在する(つまり、無声無気~無声有気~有声という3系統の音が対立する)。
    • 歯擦音 - 多くの地域で歯茎音[s, z, ʦ, dz, ʦʰ]しか存在しない。
  • 韻母
    • 鼻韻尾 - [n][ŋ]の区別があるが、[m]はなく[n]に合流している。[ŋ][n]に合流する傾向にある。
    • 入声 - [-ʔ]として保存されている。
  • 声調 - 一般的には六つないし七つ。ただし、上海の若年層では急減して五つとなっており、慈渓周辺ではさらに少なく、四つに減った。
    • 連続変調 - 多音節語では連続変調が発生する。特に北部呉語区の上海杭州寧波などの地域では声調よりも語頭子音の清濁と音節末の入声成分が重要視されるため、声調が音節の高低(ピッチ)という形でしか現れなく、いわゆる日本語のような「アクセント特性」が現れつつある[1]

脚注

外部リンク