原子力資料情報室
略称 | CNIC |
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国籍 | 日本 |
格付 | 特定非営利活動法人 |
設立日 | 1999年9月 |
代表者 | 山口幸夫(代表理事)、西尾漠(代表理事)、伴英幸(代表理事) |
事務所 |
日本 東京都新宿区住吉町8番5号 曙橋コーポ2階B |
外部リンク | http://www.cnic.jp/ |
特定非営利活動法人原子力資料情報室(げんしりょくしりょうじょうほうしつ、CNIC ― Citizens' Nuclear Information Center)は、政府や企業から独立した立場から、原子力政策の調査・研究・提言の必要性を痛感していた核化学者・高木仁三郎らにより、原子力に依存しない社会、「脱原発」を目指して作られた、日本の民間シンクタンク。
Contents
概要
1975年9月、物理学者・核化学者の高木仁三郎(理学博士(東京大学) )が中心となり設立。 1999年9月、特定非営利活動法人化された。
原子力業界の利害から独立した立場から、調査・研究・提言などを行っており、公開研究会や国際会議、シンポジウム等を開催している。
その対象は、国内のみならず、海外の各原発、各国の原子力政策にも及び、公式Webサイトは、日本語のほか英語版が用意されている。
2012年現在、山口幸夫(法政大学教授)、西尾漠、伴英幸(元事務局長)の3人が共同で代表を務めている。 1996年から、『原子力市民年鑑』を七つ森書館から刊行している(1998年までは『脱原発年鑑』)。
海外のメディアから、分析や見解を求められることがあり、CNNでは、東電の隠蔽的体質を指摘する記事の中で「"Japan's largest anti-nuclear organization":日本で最大の反核団体」と紹介している。[1]
また、イギリスのインディペンデント紙では、「"an independent watchdog":独立系の監視団体」と紹介されている。また記事では、「長年にわたり、日本列島の海岸沿いに立地する原子力発電所の脆弱性を警告してきた」との原子力資料情報室の談話が掲載された。[2]
地震による原子力災害への警鐘
設立者の高木は1995年、『日本物理学会誌』に『核施設と非常事態 ―地震対策の検証を中心に―』を寄稿し、地震・津波による「原子力災害」の発生を「想定」していた。[3]
この中で、浜岡原子力発電所の危険性のほか、「老朽化」により、耐震性が設計時よりも劣化している為、地震が来れば冷却材喪失事故など重大事故に発展するとして、福島第一原子力発電所を含め、全国数ヶ所の原発を指摘し、警鐘を鳴らしていた。
- 『考えられる事態とは、(中略) 地震とともに津波に襲われたとき 』
- 『(地震により)外部からの電力や水の供給が絶たれた場合には、大事故に発展 』
- 『給水配管の破断と緊急炉心冷却系の破壊、非常用ディーゼル発電機の起動失敗といった故障が重なれば、メルトダウンから大量の放射能放出に至るだろう。』
- 『原発サイトには使用済み核燃料も貯蔵され、(中略) 集中立地が目立つ(福島浜通り、福井県若狭、新潟県柏崎、青森県六ヶ所村など)が、どう対処したらよいのか、想像を絶する (中略) これから徹底的に議論し、非常時対策を考えて行くべき。』
- 『行政側(注:通産省)にも事業者側にも原発の安全性を見直して、この大災害(注:阪神大震災)をよい教訓にするという姿勢が少しも見られなかった。』
- 『そのような事態を想定して原発の安全や防災対策を論じることは、「想定不適当」とか「ためにする議論」として避けられてきた。 しかし(中略)考えうるあらゆる想定をして対策を考えていくことが、むしろ冷静で現実的な態度と思われる。』
- 『核施設と非常事態 ―― 地震対策の検証を中心に―― 』 「日本物理学会誌」 Vol.50 No.10, 1995
関連項目
脚注
- ↑ Nuclear crisis highlights operator's checkered past CNN 2011年3月23日
- ↑ Murky past of Japan's troubled nuclear industry revealed The Independent 2011年3月25日
- ↑ 『核施設と非常事態 ―― 地震対策の検証を中心に―― 』 「日本物理学会誌」Vol.50 No.10,1995
外部リンク
- 原子力資料情報室
- CNIC News NPO 原子力資料情報室 - Ustream
- CNIC 映像アーカイブ
- 原子力資料情報室 - 公式YouTubeチャンネル