南福岡駅
南福岡駅(みなみふくおかえき)は、福岡県福岡市博多区寿町二丁目にある、九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線の駅である。
鹿児島本線の多数の列車の運転士が当駅で乗務交代する。待避駅でもあり、待避線側(下り:2番線、上り:4番線または5番線)で特急の通過待ちをする列車も多く、また隣接して南福岡車両区があるため、待避線を使用して分割・併結を行う列車も存在する。また、車両故障が発生した場合、当駅で列車を交換する場合もある。
なお上りの待避線は、南福岡駅下り方の春日駅の上り方すぐの所から、南福岡駅上り方の西鉄天神大牟田線がオーバークロスする手前の所まで設置され運用されている。
Contents
歴史
- 1890年(明治23年)1月20日 - 雑餉隈駅(ざっしょのくまえき)として九州鉄道(初代)が開設。当初は大野城市にある本来の雑餉隈町に設置される予定であったが、地元住民が反対運動を起こしたため、現在の場所に路線を変更して設置された。
- 1907年(明治40年)7月1日 - 九州鉄道(初代)が国有化され、国有鉄道の駅になる。
- 1922年(大正10年)6月 - 2代目駅本屋完工。
- 1960年(昭和35年)10月14日 - 南福岡電車区開設。
- 1966年(昭和41年)11月1日 - 南福岡駅に駅名改称[1]。
- 1987年(昭和62年)
- 1994年(平成6年) - 放火により駅本屋が焼失。
- 1999年(平成11年)7月 - 駅ビル完成と同時にJR九州では初となる自動改札機を設置。
- 2006年(平成18年) - 改札内エレベーター設置によりバリアフリー化(改札外は駅ビル完成と同時に設置)。
- 2009年(平成21年)3月1日 - ICカード「SUGOCA」の利用を開始[3]。
- JRKyushu MinamiFukuoka Station old.jpg
旧駅本屋(1992年7月)
- Minamifukuoka Station History.JPG
南福岡駅の歴史年表(2008年10月)
駅構造
3面5線の地上駅構造で、東側の駅ビルから島式ホーム2面4線と単式ホーム1面1線を有する。
以前の木造駅舎が1994年(平成6年)の放火で焼失して仮駅舎となったが、1999年(平成11年)に駅ビル式の駅舎に改築された。駅ビルは鉄骨鉄筋コンクリート9階建、1~2Fは店舗、3~9Fが賃貸マンションの構造で、改札口は2Fにある。隣にはJR九州管内最大の南福岡車両区が所在し、5番乗り場奥に多数の電車が停まっているのが見える。このため、春日市側に出入口はなく、陸上自衛隊福岡駐屯地方面へは、迂回して両端の踏み切りを渡る必要がある。かつて旧駅屋にトランドールが併設されていたが、駅舎建替え時に閉店、かつての店舗があった所にはミスタードーナツが所在する。改装後のトランドール自体は、駅ビル1階のフレスタ南福岡内で営業している。駅1Fに「えきマチ1丁目南福岡(旧:フレスタ南福岡)」があり、マックスバリュエクスプレスやトランドール、如水庵が入居している。
直営駅で、みどりの窓口が設置されている。また、同じ場所に旅行センターJR九州旅行が配置されている。
自動放送が導入されており、かつては国鉄の九州管内で使用されていた所謂カラカラベルが使用されていた。
JRの特定都区市内制度における「福岡市内」の駅であり、鹿児島本線では最も南になる。
のりば
のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1・2 | ■鹿児島本線 | 下り | 二日市・鳥栖方面 |
3・4・5 | 上り | 博多・小倉方面 |
利用状況
2017年度の1日平均乗車人員は10,145人であり、JR九州の駅としては第14位である[4]。
近年の1日平均乗車人員の推移は下表のとおりである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1987年(昭和62年) | 8,143 |
[6]1988年(昭和63年) | 8,746 |
1989年(平成元年) | 6,310 |
1990年(平成 | 2年)6,245 |
1991年(平成 | 3年)6,656 |
1992年(平成 | 4年)6,936 |
1993年(平成 | 5年)7,088 |
1994年(平成 | 6年)7,202 |
1995年(平成 | 7年)7,299 |
1996年(平成 | 8年)7,364 |
1997年(平成 | 9年)7,476 |
1998年(平成10年) | 7,660 |
1999年(平成11年) | 7,604 |
2000年(平成12年) | 7,939 |
2001年(平成13年) | 8,218 |
2002年(平成14年) | 8,265 |
2003年(平成15年) | 8,138 |
2004年(平成16年) | 8,083 |
2005年(平成17年) | 8,059 |
2006年(平成18年) | 8,133 |
2007年(平成19年) | 8,198 |
2008年(平成20年) | 8,341 |
2009年(平成21年) | 8,319 |
2010年(平成22年) | 8,407 |
2011年(平成23年) | 8,838 |
2012年(平成24年) | 9,009 |
2013年(平成25年) | 9,260 |
2014年(平成26年) | 9,347 |
2015年(平成27年) | 9,567 |
2016年(平成28年) | 9,819 |
2017年(平成29年) | 10,145 |
駅周辺
駅周辺、また近隣の商店街周辺は風俗店が大変密集する地域で、俗に「雑餉隈ヘルス街」と呼ばれていた。しかし地元住民の要望による警察の一斉摘発で、風俗街としての面影はなくなった。
- JR九州南福岡車両区
- 博多南郵便局
- 福岡市立那珂南小学校
- 雑餉隈駅 - 西鉄天神大牟田線
- NTT福岡南ビル - かつては窓口があったが、現在は電話回線基地となっている。
- 陸上自衛隊福岡駐屯地(第4師団司令部)
- 春日市立日の出小学校 - 春日市域
- 奴国の丘歴史公園 - 春日市域
- 福岡徳洲会病院
- 西日本鉄道雑餉隈自動車営業所
- JR九州南福岡元町立体駐車場
- 精華女子短期大学
- 福岡市埋蔵文化財センター
バス路線
駅前の乗り場から出発する。(路線は2016年6月18日現在)
- ■ 11 中・乙金・宇美方面(西日本鉄道)
- □ 43 中・金隈・福岡空港方面(西日本鉄道)
- ■□ 45 昇町・(福岡女学院)・井尻駅・博多駅方面(西日本鉄道)
- □ 45-1 昇町・福岡女学院・福岡徳洲会病院前・井尻駅前方面(西日本鉄道)(平日・土曜のみ)
- ■ 46 井尻六ツ角・井尻駅入口・竹下・博多駅・キャナルイーストビル前・天神方面(西日本鉄道)(平日のみ)
- ■ 46-1 井尻六ツ角・宮竹小学校西・竹下・博多駅・キャナルイーストビル前・天神方面(西日本鉄道)(平日のみ)
- ■ 43/45/45-1/46 雑餉隈営業所行き(西日本鉄道)
- ただし、43番・45番・45-1番・46番の雑餉隈営業所行きがLED方向幕搭載車で運行される便については、行先番号を表示せずに運行する。
上記の他、筑紫通り上の「南本町」停留所から、下記のバスが利用できる。(路線は2013年3月16日現在)
- ■■■ 44 雑餉隈営業所・諸岡・山王一丁目・博多駅・天神・ヤフオクドーム前・福岡タワー方面(西日本鉄道)
- ヤフオクドーム・福岡タワー方面は運行時間に注意
駅名の由来
南福岡駅は元々雑餉隈の近辺に設けられる予定だった駅であることから「雑餉隈駅」(ざっしょのくまえき)として開業し、営業していた。南福岡電車区開設により「雑餉隈」行きの列車が設定されるようになったが、難読駅名である事と知名度が低いため改称された[1]。この際、南福岡電車区が隣接していることから南福岡駅に改称されたと言われる。
なお、西日本鉄道にも雑餉隈駅があるが、こちらは普通列車のみが停車する駅であり、そのまま現在に至っている。
付記
列車の待避や乗務員交代などを行うため停車時間が長くとられている。さらに南福岡車両区へ出入りする車両が徐行で移動するため、駅の博多寄りにある「相生踏切」はいわゆる「開かずの踏切」となっている[7]。
「相生踏切」は福岡県道49号大野城二丈線が通っており、特に朝夕の通勤ラッシュ時間帯は踏切待ちの渋滞が発生している。以前から渋滞解消策として、線路下をくぐるトンネル方式の立体交差が有力視されているものの、踏切東側の住民の一部がこの立体交差工事に難色を示していると言われており、工事開始のめどがたっていない。住民の要望により歩道橋が完成し歩行者に対する踏切待ちは軽減されたように見えるものの、歩道橋にはエレベーターが設置されておらず、自転車、乳母車、カートを引く者、交通弱者等は結局踏切を使わなければならず、軽減されていない。
博多方面から入区する回送列車は、上り待避線ホームへ到着ののち、運転方向を変えて博多方に設置されている引き上げ線へ進み、再び運転方向を変えて南福岡車両区の留置線へ入る。このように最低3回「相生踏切」を通過しなければならず、車両区内での車両入換や、出入庫時は同踏切上で踏切を塞いで停車する場合も多く、改善が要求されている。踏切通過回数を減らす改善策として、側線北端の上り線へ入るポイントを利用し下り線から上り線を経て側線に入る、渡り線(両渡り付交差(ダブル・スリップ・スイッチ、DSS)方式の設置が検討されているが、現段階では未定となっている。
南福岡駅が登場する作品
隣の駅
脚注
- ↑ 1.0 1.1 『鉄道ダイヤ情報』第346号、交通新聞社、2013年2月、 14頁。
- ↑ 日本経済新聞1987年2月3日西部朝刊 社会面 17ページ
- ↑ 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2009年3月3日)
- ↑ “駅別乗車人員上位300駅(2017年度) (PDF)”. 九州旅客鉄道. . 2017閲覧.
- ↑ ふくおかデータウェブ 九州旅客鉄道駅別乗車人員 - 福岡県
- ↑ 1989年3月11日、春日駅が開業。
- ↑ “踏切安全通行カルテ 「相生踏切」 (PDF)”. 国土交通省九州地方整備局. . 2017閲覧.
関連項目
外部リンク
- 南福岡駅(駅情報) - 九州旅客鉄道
- ■ 鹿児島本線(門司港 - 大牟田)
- 門司港 - (*
(貨)門司埠頭<<)*(貨)葛葉- 小森江 - (下関方面<<)門司 - (貨)北九州貨物ターミナル - (貨)東小倉 - 小倉 - (紫川信号場) - 西小倉(>>大分方面) - (貨)浜小倉 - 九州工大前 - 戸畑 - 枝光 - スペースワールド - 八幡 - *(貨)西八幡- 黒崎 - (東折尾信号場) - 陣原 - 折尾 - 水巻 - 遠賀川 - 海老津 - 教育大前 - 赤間 - 東郷 - 東福間 - 福間 - 千鳥 - 古賀 - ししぶ - 新宮中央 - 福工大前 - 九産大前 - 香椎 - 千早 - (千早操車場) - 箱崎 - 吉塚 - 博多 - 竹下 - 笹原 - 南福岡 - 春日 - 大野城 - 水城 - (太宰府信号場) - 都府楼南 - 二日市 - 天拝山 - 原田 - けやき台 - 基山 - 弥生が丘 - 田代・(貨)鳥栖貨物ターミナル - 鳥栖(>>佐賀方面) - 肥前旭 - 久留米 - 荒木 - 西牟田 - 羽犬塚 - 筑後船小屋 - 瀬高 - 南瀬高 - 渡瀬 - 吉野 - 銀水 - 大牟田(>>熊本方面)
貨物支線(廃線) : 門司港 - (貨)外浜
博多臨港線(貨物線) : 香椎 - (千早操車場) - (貨)福岡貨物ターミナル
*打消線は廃駅