十勝川

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十勝川(とかちがわ)は、北海道東部の十勝総合振興局管内を流れ太平洋に注ぐ一級河川。十勝川水系の本流である。名称は浦幌十勝川河口にあった十勝太(とかちぶと)集落に由来する。

地理

北海道上川郡新得町の北西に位置する十勝岳近くに源を発し南東に流れる。多くの支流を集め、中川郡豊頃町で太平洋に注ぐ。

流域面積十勝総合振興局管内の約9割にあたる9,010km2を占め、全国6位、北海道2位の広さを持つ。上流より十勝ダム岩松ダム屈足ダムの3つのダムがある。

十勝平野石狩平野に比べると台地状の地形が多く、河川の周辺の低地は石狩川ほど広くはない。そのため周辺には石狩川に見られるような三日月湖がなく、治水・河川改修工事が盛んに行われるようになってからも石狩川のように極端に川の長さが短くなるような流路変更はない。

源流部は原生自然環境保全地域に指定されている。

十勝沖地震などの大規模地震が多いため、津波が発生した場合は長距離にわたって遡上することもある。

地名由来

アイヌ語でトカプウシイ(乳房・ある・処)。河川が東西二口に分れ、が出る如く流れが途絶えることがなかったため。

生物

昔は魚種も豊富で、サケの大群での遡上が見られたほか、2m以上のイトウが釣れたという記録がある。十勝川温泉より少し下流に千代田堰堤があり、現在でも川幅いっぱいに作られた大きな堰堤で秋にはサケの捕獲が行われ、地元の名物となっている。しかし近年の複数のダムの完成や水質の汚染などで魚の種類・量ともかなり減っている。

上流域はエゾシカが多く生息している。近年は畑の作物への食害に悩まされるなど増加の傾向にあるが、その生息数は気象の変動に左右され、1879年(明治12年)の大豪雪では餌が摂れずに餓死したエゾシカの死体が大量に川に流れ込み、春になると下流では悪臭がたちこめ川水が飲めなくなったという記録が残されている。

中流域の十勝川温泉付近に架かる十勝中央大橋周辺は、冬になるとハクチョウが飛来する[1]。地元テレビの中継があるなど注目されている。

流域の自治体

北海道
上川郡新得町清水町河西郡芽室町帯広市河東郡音更町中川郡幕別町池田町豊頃町十勝郡浦幌町

主要ダム

一次
支川名
(本川)
二次
支川名
三次
支川名
四次
支川名
ダム名 堤高
(m)
総貯水
容量
(千m3)
型式 事業者 備考
十勝川 トムラウシ川 富村ダム 37.0 2,900 重力式 北海道電力 大雪山国立公園
十勝川 上岩松取水堰 14.3 728 北海道電力 大雪山国立公園内
十勝川 十勝ダム 84.3 112,000 ロックフィル 北海道開発局 大雪山国立公園内
十勝川 岩松ダム 37.2 9,026 重力式 北海道電力
十勝川 屈足ダム 27.5 3,130 ロックフィル 電源開発
十勝川 佐幌川 佐幌ダム 46.6 10,400 重力式 北海道
十勝川 音更川 幌加川 幌加ダム 32.0 493 ロックフィル 電源開発 大雪山国立公園内
十勝川 音更川 糠平ダム 76.0 193,900 重力式 電源開発 大雪山国立公園内
十勝川 音更川 元小屋ダム 32.0 2,610 重力式 電源開発 大雪山国立公園内
十勝川 利別川 美里別川 ヌカナン川 糠南ダム 18.6 665 重力式・ロックフィル複合 電源開発
十勝川 利別川 美里別川 活込ダム 34.0 17,410 重力式 電源開発
十勝川 利別川 仙美里ダム 11.7 17,410 重力式 電源開発
十勝川 美生川 美生ダム 47.2 9,400 重力式・ロックフィル複合 北海道開発局
十勝川 札内川 札内川ダム 114.0 54,000 重力式 北海道開発局 日高山脈襟裳国定公園
十勝川 札内川 ヌプカクシュナイ川 西札内ダム 21.0 946 重力式 北海道

主な橋梁

脚注

  1. 白鳥飛来地”. 音更町十勝川温泉観光協会. . 2015閲覧.

関連項目

外部リンク