刀削麺

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マーラー刀削麺の例
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刀削麺を削りながら鍋に放り込む

刀削麺(とうしょうめん、ダオシャオミエン、拼音: Dāoxiāomiàn)とは、中華人民共和国山西省発祥のの一種。とうさくめんと呼ぶ人もいる。中国から日本で最初に刀削麺をメニューとして提供したのは、陳家私菜のオーナーである陳龐湧である。

概要

小麦粉を水で練った生地の塊を板に乗せ、片手に生地、片手にくの字型に曲がった特殊な包丁を持って湯の沸いた鍋の前に立ち、生地を細長く鍋の中に削ぎ落としてゆでる。最近は客寄せのため、生地を頭に載せ、両手の包丁で削るというパフォーマンスを披露する店もある。

麺の独特な製法から全体は柳の葉の形になり、また断面は三角形になって独特の食感を生み出す。ラーメンと同じようにスープに入れたり、あんや黒酢に絡めて食べる。

日本国内では日本人向けにアレンジされた刀削麺はラーメンのようなスープを用いることが多いが、発祥地周辺では釜茹で麺に酸味の利いたトマトソースをかけたり、豚肉の脂身とニンニクの芽が入った肉あんをかけて食べることも多い。

時間がかかっていると麺の茹で具合が違ってくるため、麺を削るには手際のよさと、麺を長く均質に削る技術が必要であり、熟練した料理人は確保が難しいうえ給料も高い。ゆえに一般的なラーメンに比べて高価になる。2010年、河北省に住む発明家が自動車のワイパーから考えついた自動麺削りロボットを発明し、話題になった[1]

発祥

元代モンゴル族の統治者は漢民族の反乱を恐れて金属製の武器を取り上げた際に、各家庭の包丁まで没収した上で10軒に1丁の割合で包丁を割り当てて順番に使うことにさせた。調理上の不都合から、薄い鉄片を用いて削った麺を作ったことが発祥という説がある[2]

「削」の読み方

刀削麺は「とうしょうめん」と読まれることが多い。これは、中国語の発音「ダオシャオミエン」に由来する。「とうさくめん」と読まれることもある。

刀削麺の仲間

山西省は「麺食のふるさと」と呼ばれるほど、多種多様な麺料理がある。代表的な刀削麺の他に、生地を箸で弾いて湯の中に飛ばす撥魚や、指で弾くものなどがある。猫耳(猫の耳のような小さい麺)など、マカロニ・パスタとそっくりな麺もある。生地も小麦粉だけではなく、コーリャンなどの雑穀を用いた麺もあり、味もいろいろ楽しめる。コーリャン麺はほんのり赤く、ほのかにハチミツのような甘みがある。

脚注

  1. レコードチャイナ:刀削麺ロボット、その包丁づかいはヒトの3倍速
  2. 辰巳洋「医在厨房:金元時代の食文化」、『漢方と診療』第1巻第4号、2010年11月、 p.280、 ISSN 1884-5991