出生率
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出生率(しゅっしょうりつ)とは、人口学において、一定人口に対するその年の出生数の割合をいう。通常、人口1000人あたりにおける出生数を指す。これは普通出生率または粗出生率(crude birth rate、CBR)と呼ばれる。これに対し合計特殊出生率(total fertility rate、TFR)という概念もあり、単に「出生率」(Birth Rate)といった場合、日本では一般的には合計特殊出生率を指すことが多いが、世界では基本的に普通出生率を指す。
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普通出生率とその他の出生率
普通出生率(CBR)は以下のように表される。
[math]CBR = \frac{n}{p}{1000} [/math]
n はその年の出生数で、p はその年の(年央の)総人口である。この数字は普通死亡率(crude death rate)と組み合わされ、自然人口増加率が導き出される(「自然」とは、移民や引越などの社会的な人口移動を含まないということである)。
これに対し、一般的に使用される合計特殊出生率は、一人の女性が一生のうちで産む子供の平均人数を指す。普通出生率とはちがい、合計特殊出生率は人口の内の性別構成や年齢構成などの偏りに影響されない(普通出生率のもととなる総人口には、男性や老齢女性・年少女性も含まれてしまう)ため、「ある時点での出生率」を求めるには優れた指標である。
その他の出生率には以下のようなものもある。
- 総出生率(General fertility rate 、GFR )
- 年間出生数を、15歳から45歳の(つまり出産年齢の)女性の総人口で割った数。
- 15歳から45歳の女性1,000人あたりの出生数。
- 標準化出生率(Standardised birth rate 、SBR )
- 性別・年齢別人口構成を、仮定の標準人口と比較したもの。
出生率に関係する要素
- 出産奨励政策、または出産抑制政策
- 中絶率
- 現在の性別・年齢別人口構造
- 社会的・宗教的通念(特に避妊に対する考え方)
- 女性の識字率(社会における女性の立場の強弱に関係する)
- 経済的豊かさ(理屈では家計が豊かだと子供をたくさん持つ余裕は増えるはずだが、実際には経済発展は出生率低下につながる傾向がある)
- 貧困さ(子供は金を稼ぐ経済資源と見られることになる)
- 新生児死亡率(Infant Mortality Rate、新生児死亡率が高いと家族はより多くの子供を生もうとする)
- 都市化
- 平均結婚年齢
- 年金制度
- 戦争・紛争の存在
- 社会保障 - 充実するほど出生率が高まり、婚外子が増える国の例がある[1]。
脚注
- ↑ “婚外子が増えれば日本の少子化問題は解決する?”. Newsweek Japan (2017年7月13日). . 2018閲覧.