八幡市

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ファイル:Yawata city Kyoto Prefecture center area Aerial photograph.1987.jpg
八幡市中心部周辺の空中写真。中央に男山。市域北西に木津川宇治川桂川の3河川合流点がある。1987年撮影の8枚を合成作成。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。

八幡市(やわたし)は、京都府の南部に位置する人口約7万人のである。市名は市内に鎮座する日本三大八幡宮の一社、石清水八幡宮に由来する。

概要

皇室武家から庶民まで幅広い信仰を集めていた石清水八幡宮鳥居前町として発達した[1]

木津川宇治川桂川の3つの河川が合流する付近に立地しており、川を挟んだ向こう岸にある山崎との間に架けた山崎橋が何度も流されたことから、渡し船で往来する時代が長く続いた[1]。 そうした水害の生じやすい低湿地が広がっていたことから、旧市街地は自然堤防と呼ばれる周辺よりやや高くなった場所に立地していた[1]

京都盆地の南山に位置する。鳩が峰、男山山系の竹林は美しく、平安時代の作品『竹取物語』のモデルは八幡市もしくは京都府長岡京市のどちらかであると言われている。

また、発明家トーマス・エジソンが世界で初めて白熱電球を発明した際、電球のフィラメントに八幡市の竹を使用したことでも有名。市内にはエジソン記念碑とエジソン通りが存在し、同氏のアメリカ合衆国の故郷とは姉妹都市である。

1970年代以降、京阪電気鉄道(京阪)樟葉駅(大阪府枚方市)に近い男山・橋本地区で、京阪や日本住宅公団(現・都市再生機構)などがくずはローズタウン男山団地などの大規模な住宅を造成したことから、大阪市方面のベッドタウンとして人口が短期間で約2倍に増加した。この人口増により1977年昭和52年)11月1日に市制を施行したが、その後は1990年代をピークとして人口がやや減少している。

現在は枚方市、京都市、大阪市など市外への通勤・通学者が多く、都市雇用圏としては大阪都市圏に含まれる[2]。美濃山・欽明台地区においてニュータウン、京阪東ローズタウンの宅地開発が進み、国道1号第2京阪道路京滋バイパス新名神高速道路が通る府内屈指の交通の要所であることから商業地が増加している。

八幡市には幾つかの飛地があり、それらは京都市伏見区久世郡久御山町との境や京田辺市大阪府枚方市との境に置かれている。北東(伏見区・久御山町側)の飛び地は、1868年(慶応4年)に木津川の流路付け替え工事が行われた際、代替地として旧河道が提供されたことに起因する[3]

市名の読みは「やわた」である。日本全国に「八幡」が付く市は4市あるが、本市と同じ読み方をする事例は他に愛媛県八幡浜市がある。

地理

ファイル:Yodogawa river park (Sewaritei district) Kyoto,JAPAN.jpg
木津川(左)と宇治川を二分する「背割堤」

木津川を挟んで久世郡久御山町、洞ヶ峠を越えて大阪府枚方市に接しており、市の中央を国道1号が南北に貫いている。国道1号と直交するような形で府道や市道が整備されており、京田辺市とつながっている。

市の西側には淀川が流れ、対岸に京都府乙訓郡大山崎町、大阪府三島郡島本町、大阪府高槻市を眺望できる。市の北端のかわきた自然運動公園内に、木津川宇治川桂川の三川合流地点があり、近くを通る国道478号大山崎町とつながっている。

鉄道駅は3駅ある(京阪本線八幡市駅橋本駅および、鋼索線男山山上駅)。このうち、八幡市駅には急行・準急・普通が、橋本駅には準急・普通がそれぞれ停車する。鋼索線は主に、市内随一の名所である石清水八幡宮への参詣客が利用する。

路線バス網は、京阪バスが京阪本線の樟葉駅と八幡市駅を軸に多数の系統を設けている。

男山を取り巻くように住宅地や田園が広がり、特に男山西側の地域は「男山団地」と呼ばれる人口集積地である。また、京阪東ローズタウンが美濃山・欽明台地区で開発されている。しかし、こともあり、1980年代より約20年間にわたり7万5千人台でほぼ横這いとなっていた人口は減少傾向にある。

隣接する自治体・行政区

京都府

大阪府

歴史

沿革

人口

2010年(平成22年)国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、0.01%減の74,246人であり、増減率は府下26市町村中6位、36行政区域中10位。

人口密度は高く、府下では向日市長岡京市に次ぎ26市町村中3位。

八幡市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

行政

歴代市長

氏名 就任 退任
初代 山中末治 1977年 1980年
2代 西村正男 1980年 1993年
3代 菱田嘉明 1993年 2000年
4代 牟礼勝弥 2000年 2008年
5代 明田功 2008年 2012年
6代 堀口文昭 2012年 現職

経済

産業

産業の規模は人口に比して小さい。

農業

米や野菜などの生産が中心であるが、などの生産も盛んである[1]

ただし、大阪市や京都市に近いことから宅地開発が進んで農地が減少することも多い[1]

工業

工業は主として国道1号線沿いに立地している。金属加工などが代表的である。また立地を活かし、倉庫・物流拠点としての利用もある。

商業

歴史的に、八幡宮の門前町のほか街道および河川交通の要衝として栄えたことから老舗の和菓子屋が多く、「やわた走井餅」「志ばん宗ういろ」「源氏巻」などの名物がある[5][6][7]

ホームセンタームサシイズミヤコーナンコストコしまむらヤマダ電機ケーズデンキなど、チェーン展開を行う大・中規模店舗の出店が目立つ。このうち、ヤマダ電機は、同社の全国進出の足がかりとして関西第1号店(テックランド京都八幡店)を、コストコ(コストコ京都八幡倉庫店)は関西での2店舗目をそれぞれ当市内に開店している。

市内に立地する競艇場外発売場ボートピア京都やわた」は2007年(平成19年)に開業したもので、京都府内では初の競艇場外発売場となった。設置者は、市域への進出理由として近隣の人口規模や道路交通の利便性を挙げている。[8]

八幡市に本社を置く主な企業

八幡市に工場・事業所を置く主な企業

  • 恩地食品京都工場 - 隣の枚方市に本社を置く製麺業。

郵便

集配を行う郵便局は、市内に山城八幡郵便局が所在しているほか、一部地域を久御山郵便局が担当している。

市内の郵便番号(上5桁)は以下のとおり。

  • 山城八幡郵便局(614-00・-08・-09・-80・-81・-82・-83・-84)
  • 久御山郵便局(613-09)

姉妹都市・提携都市

海外

友好都市

地域

教育

小学校

2005年(平成17年)に校区の見直しおよび、学校を統廃合することが決定した。

かつて設置されていた小学校

中学校

高等学校

支援学校

大学

市内に本拠を持つ大学(短期大学を含む)はないが、摂南大学枚方キャンパス(大阪府枚方市)の敷地の一部が当市に跨がる。

その他の学校

交通

ファイル:Platform of Keihan Cable Line.JPG
八幡市駅(鋼索線ホーム)

鉄道

京阪電気鉄道京阪電気鉄道(京阪)
京阪本線 : - 八幡市駅橋本駅
鋼索線(男山ケーブル):八幡市駅 - 男山山上駅

路線バス

市域内はほとんどの路線を京阪バスが運行している。基本的に京田辺営業所と、本市に所在する男山営業所が担当している。

他にも京都京阪バスの本社と八幡営業所があるが、市内の路線は南東部の一部およびコミュニティバスの1路線「コミュニティバスやわた」のみである。

地域によっては、路線が市内に所在する駅へ向かわず、枚方市の樟葉駅、京田辺市の松井山手駅京田辺駅新田辺駅へしか向かわない。

道路

高速道路
上記のほか、市境から1km程度の場所に名神高速道路 大山崎インターチェンジがある。
一般国道
主要地方道
その他の府道

名所・旧跡

ファイル:Sewaritei-sakura.jpg
淀川河川公園背割堤の桜並木

「善法律寺」や「法園寺」など神職が創建した寺院が多い地区である[1]

神社仏閣
その他
  • 松花堂 - 松花堂弁当の名の由来はここから広まった。松花堂庭園は国指定史跡名勝。美術館併設。
  • 上津屋橋 - 木津川に架けられている日本最長級の木造橋梁。その構造から「流れ橋」と通称される。木造であり独特の風情があることから、時代劇など映画やテレビドラマなどの撮影にも使用される。

平成14年に流れ橋交流プラザ四季彩館が完成。食事処や宿泊施設などの複合施設。

  • 淀川河川公園 (背割堤地区) - 同公園の「景観保全地区」のひとつ。木津川と宇治川を分ける背割堤に1.4kmにわたり約250本の桜の大木が植えられている。見頃となる4月上旬には「背割堤さくらまつり」が開催される。

平成29年春に展望台総合施設さくらであい館が完成。

  • 伊佐家住宅(大歌堂、上の蔵、表門) - 国の登録有形文化財[10]
  • 洞ヶ峠 - 天正10年(1582年)、本能寺の変の直後に主君織田信長を討った明智光秀の軍と信長の重臣羽柴秀吉の軍が山城国山崎において激突した(山崎の戦い)。この時、明智・羽柴の双方から加勢を依頼された大和の大名筒井順慶は、一度は明智側に従って山崎の南方にある洞ヶ峠まで兵を進めながらも、最終的にはどちらに付くか日和見をしたとの伝説があったため、日和見する事を洞ヶ峠あるいは洞ヶ峠を決め込むと表現する事がある。
作品
  • 徒然草 - 日本三大随筆のひとつ。八幡市が舞台となっている。仁和寺の法師が石清水にお参りに来たが、手前(麓)にある高良神社と極楽寺をお参りして帰ってしまった事で知られる。

出身有名人・ゆかりの人物

出身者

政治家
芸能
スポーツ
その他

ゆかりの人物

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 山口恵一郎 『日本地名辞典 市町村編』 東京堂出版、1980年10月。ISBN 978-4490101355
  2. 2015年の国勢調査によれば、就業者のうち13%が枚方市、12%が京都市、11%が大阪市へ通勤し、学生児童のうち13%が京都市へ通学している。
  3. 宮地良典・楠 利夫・武蔵野實ほか (2005). 京都西南部地域の地質. 独立行政法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター. p. 79. https://www.gsj.jp/data/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_11039_2005_D.pdf . 2017-1-20閲覧.. 
  4. 図典 日本の市町村章 p151
  5. 歴史と由来 - やわた走井餅(2011年4月21日閲覧)
  6. 志ばん宗ういろ(じばんそうういろ) - 八幡市観光協会(2011年4月21日閲覧)
  7. 八幡銘菓 源氏巻 - 御菓子司亀屋芳邦(2011年4月21日閲覧)
  8. 京滋初の競艇場外発売場「ボートピア京都やわた」が4月12日オープン!(予定)(トピックスニュース) - BOAT RACE official web (2007年3月16日付、2011年4月21日閲覧)
  9. はちまんさんとエジソン - 石清水八幡宮(2013年10月17日閲覧)
  10. 中村家住宅/京都府(検索結果一覧) - 国指定文化財等データベース(文化庁、2013年10月17日検索)

外部リンク