全日本大学駅伝対校選手権大会

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全日本大学駅伝対校選手権大会
開始年 1970
主催 日本学生陸上競技連合
朝日新聞社
テレビ朝日
メ〜テレ
参加チーム数 27
加盟国 日本の旗 日本
前回優勝 神奈川大学(3回目)
最多優勝 駒澤大学(12回)
サイト 全日本大学駅伝
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秩父宮賜杯 全日本大学駅伝対校選手権大会[1](ちちぶのみやしはい ぜんにほんだいがくえきでんたいこうせんしゅけんたいかい)とは、1970年より毎年に開催される、日本国内の男子大学生チームを対象とした競技大会。日本の大学駅伝チームの日本一を決める大会で各地区の予選会もあり、各大学種目のインカレに相当する大会である。

日本の男子の大学駅伝としては、1月2・3日開催の箱根駅伝(初開催1920年)と、体育の日開催の出雲駅伝(初開催1989年)と共に、男子の三大大学駅伝の一つとされている。各地方の学生陸上競技連盟に加盟する大学で、出場要件を満たせば参加できる。

沿革と特徴の概略

愛知県名古屋市熱田区熱田神宮西門前から、三重県伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前までの間の8区間106.8kmで争われる。実施区間から、大会自体を指して「伊勢路」と呼称するメディアも少なくない。1988年11月6日の第20回記念大会以降、毎年11月第1日曜日に行われ、2018年で50回目を数え、優勝校には、秩父宮賜杯が贈られる。国際千葉駅伝の日本学生選抜への代表選考会も兼ねて開かれていた時期もあった。

1970年ごろ、箱根駅伝へ出場できない大学、特に東海学生陸上競技連盟の梅村清明が中心となり、全国大会を開催しようという気運が盛り上がっていた。たまたま1970年は朝日新聞名古屋本社第二次世界大戦後の新聞復刊20周年という節目で、その記念行事を仕切っていた波藤雅明が学生時代に東海学生陸上競技連盟に所属しており、この動きを察知して東海学連と朝日新聞社を結びつけたことにより、この大会が東海地区で実施されることとなった。

沿革

  • 1970年:3月に第1回大会を全20校で実施。なお、コース設定は1937年から1948年まで開催されていた東海学生駅伝競走大会(参宮駅伝)で使用されていたものをなぞっている。
  • 1971年:開催時期を1月中旬実施に変更。
  • 1979年:前半後半の2部制を一本化する。
  • 1988年:開催時期を11月第1日曜日実施に変更。出場校を23校に増枠。
  • 1990年:代表枠の変動制を導入を発表。次年度枠から適用(詳細は#代表枠数の変遷を参照)。IVY選抜のオープン参加招待で全24チームに(1997年まで)。
  • 1999年:出場校を25校に増枠。
  • 2001年:前年度成績上位6チームにシード出場権を与えることを開始。
  • 2006年:東海学連選抜がオープン参加し全26チームに。
  • 2011年東日本大震災の被災地支援の一環として東北学連選抜がオープン参加し今大会のみ全27チームに。
  • 2014年:この年の出雲駅伝が台風の影響に伴い中止となったため、例年出雲駅伝の上位3校に与えられる次大会のシード権が今大会の上位3校に与えられる措置を取った[2]
  • 2015年:学生の長距離部門における選手の育成・強化として全日本大学選抜がオープン参加し全27チームに。
  • 2018年:シード出場枠が8チームに拡大。全日本大学選抜を日本学連選抜に名称を変更。

コースの特徴

コースは全8区間・106.8km(詳細は後述のコースの特徴を参照)。第1回大会から第9回大会までは近畿日本鉄道の踏切によって分断される区間を挟んで前半と後半に分かれていた。総合成績は前半と後半を通算したものであった。1979年にこの踏切が連続立体交差化によって解消され、初めて一本のレースとして実施された。

主催・協賛

出場資格

各地区学連が地区定数に応じたチーム数を、日本学生陸上競技連合に推薦する形で行なう。その推薦校の決定には、実質的には各地区での選考会又は代表決定予選を行なった結果で行なわれるが、その選考方法は各学連に一任されており、学連によってその方法は様々(駅伝・長距離ロードレースなど)であり、年次によっても変遷を重ねてきている。関東学連では同年の箱根駅伝で3位以内に入った全日本でシード権の無い大学を推薦で出場させている(2009年箱根3位の日本体育大学を除く)。

さらにそれらの各地区学連代表に加えて、前回大会の上位入賞6位までをシード校とし、その中で参加を希望するチームにも参加資格を与えている(シード制)。シード制は2000年の大会結果から適用が開始され、2001年の大会出場資格から導入された。2018年大会からは上位入賞8位までに拡大する。

なお、創設当時は関東学連が反対した経緯(詳しくは箱根駅伝の「箱根駅伝が抱える問題」を参照。)もあって、関東地区の出場枠が制限されていた。早稲田大学など箱根駅伝では名門と称されるような大学は、この駅伝大会では比較的出場歴が浅い(後述の歴代出場校順位成績を参照)ことはこのことが影響しているとも言われている。

代表枠数の変遷

太字の数字は基本定数。
  • 前年度成績による代表枠変動制
  • 45回大会以降[3]
    • 全国8地区に基本枠を1枠ずつ配分する
    • 前年度6位以内の大学にシード権を与える。
    • 前年度7 - 17位の大学の所属地区に成績枠計11枠を配分する。
    • 同一地区から出場できる大学の数はシード校を含め最大15校とする[4]
  • 44回大会まで
    • 複数枠地区代表の中での最下位校が出た地区は、次の大会での出場枠を基本定数から1枠減らす制度。削減された枠は他の地区(基本的は前年に枠を削減された地区)に割り当てられる。
この制度により枠を削減された地区はで、増加した地区はで表す。
総数









西



OP
1 1970 20 - 1 1 6 1 3 4 1 3 -
  • 20代表制で第1回大会を実施。
20 1988 23 - 1 1 9 1 3 4 1 3 -
  • 関東枠を3校増やし23代表制に。
22 1990 24 - 1 1 9 1 3 4 1 3 1
  • 代表枠に前年度成績による変動制を導入(次大会より)。
  • アイビーリーグ選抜の招待(オープン参加)を開始。24チーム制に。
23 1991 24 - 1 1 9 1 3 4 2 2 1
  • 前年結果により九州が3校→2校、中四国が1校→2校へ(前年1枠地区の最上位)。
24 1992 24 - 1 1 9 1 3 3 2 3 1
  • 前年結果により関西が4校→3校、九州が2校→3校へ復帰。
25 1993 24 - 1 1 9 1 2 4 2 3 1
  • 前年結果により東海が3校→2校、関西が3校→4校へ復帰。
26 1994 24 - 1 1 9 1 3 4 2 2 1
  • 前年結果により九州が3校→2校、東海が2校→3校へ復帰。
27 1995 24 - 1 1 9 1 3 4 2 2 1
  • 前年結果により代表枠数は据え置き。
28 1996 24 - 1 1 9 1 3 3 2 3 1
  • 前年結果により関西が4校→3校、九州が2校→3校へ復帰。
29 1997 24 - 1 1 9 1 2 4 2 3 1
  • 前年結果により東海が3校→2校、関西が3校→4校へ復帰。
30 1998 23 - 1 1 9 1 3 3 2 3 -
  • 前年結果により関西が4校→3校、東海が2校→3校へ復帰。
  • アイビーリーグ選抜招待を廃止。23チーム制に。
- - 26 - 1 1 11 1 3 4 2 3 -
  • 基本定数を変更。関東枠を2校増やし25代表制に。
31 1999 25 - 1 1 11 1 2 4 2 3 -
  • 前年結果により東海が3校→2校。
32 2000 25 - 1 1 11 1 3 3 2 3 -
  • 前年結果により関西が4校→3校、東海が2校→3校へ復帰。
  • 前年度大会の上位6校をシード校として出場権を与える制度を次大会から導入。
- - 26 6 1 1 6 1 3 3 2 3 -
  • 基本定数を変更。
33 2001 25 6 1 1 6 1 3 3 2 2 -
  • 前年結果により九州が3校→2校。
34 2002 25 6 1 1 6 1 3 2 2 3 -
  • 前年結果により関西が3校→2校、九州が2校→3校へ復帰。
35 2003 25 6 1 1 6 1 2 3 2 3 -
  • 前年結果により東海が3校→2校、関西が2校→3校へ復帰。
- - 25 6 1 1 6 1 2 3 2 3 -
  • 基本定数を変更。
36 2004 25 6 1 2 5 1 2 3 2 3 -
  • 前年結果により関東を6校→5校、東北が1校→2校へ(前年1枠地区の最上位)。
37 2005 25 6 1 2 7 1 1 4 2 1 -
  • 基本定数を変更(この年は定数削減ルールの適用はなし)。
38 2006 26 6 1 1 7 1 1 4 2 2 1
  • 東海学連選抜がオープン参加で出場。全26チーム制に。
  • 前年結果により東北が2校→1校、九州が1校→2校へ(前年1枠地区の最上位)。
39 2007 26 6 1 1 6 1 2 3 2 3 1
  • 基本定数を変更(この年は定数削減ルールの適用はなし)。
  • 今後は3年おきに定数見直しを行う方針となった[5]
40 2008 26 6 1 1 6 2 2 3 1 3 1
  • 前年結果により中四国が2→1校、北信越が1→2校へ(基本定数1枠地区の前年最上位)。
41 2009 26 6 1 2 6 1 2 3 1 3 1
  • 前年結果により北信越が2→1校、東北が1→2校へ(前年1枠地区の最上位)。
42 2010 26 6 1 2 6 1 2 3 1 3 1
  • 第42〜44回の基本定数を見直し[6](この年は定数削減ルールの適用はなし)。
43 2011 27 6 2 1 6 1 2 3 1 3 2
  • 前年結果により東北が2→1校、北海道が1→2校へ(前年1枠地区の最上位)。
  • 今大会のみ東北学連選抜がオープン参加で出場。全27チームに。
44 2012 26 6 1 1 6 2 2 3 1 3 1
  • 前年結果により北海道が2→1校、北信越が1→2校へ(前年1枠地区の最上位[7])。
45 2013 26 6 1 1 7
(6)
1 2
(1)
4
(3)
1 2
(1)
1
  • 出場枠決定方法の見直し[3]
    • 全国8地区に基本枠を1枠ずつ配分
    • 前年度6位以内の大学にシード権
    • 前年度7 - 17位の大学の所属地区に成績枠11枠(カッコ内数字が成績枠)を配分。
46 2014 26 6 1 1 8
(7)
1 1 5
(4)
1 1 1
  • 前年結果により出場枠は関東が7→8校、関西が4→5校に増、東海が2→1校、九州が2→1校に減。
  • 上位3校には本大会に加え、2015年の第27回出雲駅伝のシード権も与えられる。
47 2015 27 6 1 1 9
(8)
1 1 4
(3)
1 1 2
  • 前年結果により出場枠は関東が8→9校に増、関西が5→4校に減。
  • 全日本大学選抜がオープン参加で出場。全27チームに。
48 2016 27 6 1 1 9
(8)
1 1 4
(3)
1 1 2
  • 関西学院大学の出場辞退により、関西大学が出場。
49 2017 27 6 1 1 9
(8)
1 2
(1)
3
(2)
1 1 2
  • 前年結果により出場枠は東海が1→2校に増、関西が4→3校に減。
  • 関東の枠数はシードを含め上限15校の規定に該当するため変動なし。
50 2018 27 6 1 1 9
(8)
1 2
(1)
3
(2)
1 1 2
  • 前年結果により出場枠の変動なし。
総数









西



OP
  • OPはオープン参加を表す。

地区予選会

第49回大会の地区ごとに行われる選考は、それぞれ以下の形式で行われる。

地区(出場枠数) 選考会大会名 種目 選考方法
北海道地区(1) 北海道大学駅伝対校選手権大会 駅伝
(8区間101.06km)
優勝大学校のみ
東北地区(1) 全日本大学駅伝対校選手権大会東北地区代表選考会 15km×4+10km×4 8名の合計タイム 優勝大学校のみ
関東地区(9) 全日本大学駅伝対校選手権大会・関東学生陸上競技連盟推薦校選考会 10000m 8名の合計タイムの上位9校
北信越地区(1) 全日本大学駅伝対校選手権大会北信越地区予選会 10000m 8名の合計タイム 優勝大学校のみ
東海地区(2) 全日本大学駅伝対校選手権大会東海地区選考会 10000m 8名の合計タイムの上位2校
関西地区(3) 全日本大学駅伝対校選手権大会・関西学連出場大学選考競技会 10000m 8名の合計タイムの上位3校
中国四国地区(1) 全日本大学駅伝対校選手権大会中国四国地区選考会 10km 8名の合計タイム 優勝大学校のみ
九州地区(1) 全日本大学駅伝対校選手権大会九州地区選考会 10000m 8名の合計タイム 優勝大学校のみ

歴代出場校および出場回数

※第49回まで。括弧内は出場回数。初出場が古い順に表記(左から右へ)。

  • 北海道地区
  • 東北地区
  • 関東地区
  • 北信越地区
  • 東海地区
  • 関西地区
  • 中国四国地区
  • 九州地区

歴代出場校順位成績

第1回〜第10回

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第11回〜第20回

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第21回〜第30回

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第31回〜第40回

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第41回〜第49回

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凡例

  • 初出場校についてはリンク付で示してある。
  • 優勝校の括弧内は優勝回数を表す。
  • 第22回大会以降の付きの校名は次大会での地区代表枠の削減対象校を表す。また、付きの校名は次大会での地区代表枠の増加対象校を表す。
  • 第22回大会及び第37回大会以降の付きの校名は定数1枠地区の代表校を表す。
  • 第32回大会以降のボールド体 の校名は次大会でのシード出場権獲得校を表す。
  • 第33回大会以降の付きの校名は当該大会でのシード出場校を表す。
  • 第44回大会以降の7位〜17位の地区名は次大会での成績枠(11校)の配分地区を表す。
    • 第48回大会及び第49回大会で関東地区が、上位6校の「シード校」と7位〜17位の「成績枠」のうち9校、合わせて15校を占めているが、「各地区基本枠1校」を含めた上限15校の規定により、18位の大学の所属地区に次大会の「成績枠」が割り振られる。
  • 第22回大会から第29回大会まで出場したアイビーリーグ選抜、第38回大会から出場している東海学連選抜、第43回大会に出場した東北学連選抜、第47回大会から出場している全日本大学選抜はオープン参加(OP)のため順位なし。括弧内はゴールした順番を表す。
  • 区間記録等については 全日本大学駅伝対校選手権大会の記録一覧 を参照。

現状と課題

この駅伝は冒頭の説明にもあるとおり、大学駅伝日本一を争う最上位の競技会であるが、関東地方の大学では箱根駅伝の前哨戦として扱われる事が多く、2010年の早稲田大学や2011年の駒澤大学のように以前は行われていた胴上げをせずに箱根駅伝での優勝が全てであるという態度をあからさまに出す事例が増えている。以下にそうした状況が発生している理由をまとめている。

実力差

1988年の第20回大会で開催時期が箱根駅伝後の1月中旬から11月に変更され、同時に関東地区の出場枠が増枠されて以降はそれまで上位の常連だった地方大学が下位に低迷するようになった。箱根駅伝への出場を目標としている高校生ランナーも多く、関東学連所属大学へ有力なランナーが集中、関東地区と他地区の間での実力格差が顕著になっており、ここ10年ほどは箱根駅伝の影響もあってか、関東地区の大学が上位を占めている。しかも関東の大学によっては箱根駅伝前の実力確認を行うために必ずしもベストメンバーで臨んでいるわけではないケースもある。逆に他地区の大学は中盤以降は差をつけられる事が多い。そうした結果、以下のような事象が発生している。

  • 2000年のシード権制度の設定以降、関東以外の大学がシード権(6位以内)を取ったことは一度もない。開催時期の変更以降地方勢で唯一上位常連だった京都産業大学は同年以降二桁順位に低迷、2012年には出場権を逃している。2008年には第一工業大学が地方学連勢初のシード権獲得を狙ったものの、惜しくも7位に終わり、獲得はならなかった。
  • 2007年の39回大会(地方学連最上位校は第一工業大学)と2010年の42回大会(地方学連最上位校は京都産業大学)、2012年の第44回大会(地方学連最上位校は立命館大学)において、関東学連所属12校が1位から12位までに入った。特に2010年に関しては、4区途中(本競走の放映権を持つテレビ朝日が定点観測を行った8キロ地点よりも前)で京都産業大学が13位に転落して以降、他地区出場校は一度も12位以内に入ることができなかった。
    • 2011年の第43回大会では関東以外の大学で最後まで襷渡しができた大学は京都産業大学だけでそれ以外の地方学連出場校は繰り上げスタートになるという事態が起きた。さらに2012年では第2中継所以降地方学連出場校は一度も12位以内に入ることができなかった上、13位立命館大学、14位関西学院大学以外は繰り上げスタートとなった。
    • 2013年では関東勢の出場校が13校に増えたが、ゴール直前で京都産業大学が14位に転落し、2年連続で関東の出場校全チームが他地区全チームに勝利した。
    • 2015年に関東勢の出場枠(シード校含む)が上限の15校となったが、2016年・2017年には、2年連続で関東勢15校全てが15位以内となり、関東勢完全制圧(関東勢全チームがその他全チームに勝利)が2年連続の結果となった。
  • 例年、前半から続々と繰り上げスタートが実施され、最後の方は繰り上げスタートばかりになる。

コース

この駅伝は参宮駅伝の時代から続く伝統のあるコースで実施されている。しかし、全体的にフラットで短いコースであるため、上位校間の差がつきにくく、レースとしての面白みに欠けるという意見が多い。

対策

これまで採られた対策としては、以下のようなものがある。

  • 成績による地区出場枠数の増減
  • シード制を導入

今後

以上のような対策が功を奏するどころか逆効果になっている面もあるため、専門誌やスポーツマスコミ、関係者筋、ファンからは次のような提言がなされている。

  • 各地域からの代表制は出雲駅伝にその役割を任せ、全国統一の基準で予選会を開催して地域枠に関係なく上位成績チームのみを出場させるようにする。
  • シード権を除いた部分の各地区定数を実力に応じてもっとシビアに反映させる。つまり実質的な関東からの出場校増を行い実力がない地区を減枠する。
    • 最下位を除く繰り上げスタート発生の出場チームを出した地区は次大会の出場枠は一律で1とし、過去5年連続で繰り上げ発生の出場チームが出た地区同士は代表枠を統合する、などの案がある
  • 熱田神宮→伊勢神宮ではなくより起伏があるコースに変更する
    • これには複数の案が出ており、京都三条大橋(京都市役所)→伊勢神宮の伊勢別街道140kmなどが挙げられている
  • 開催時期を大会開始時のように3月開催へ戻す
  • 前半の区間を短くして、繰り上げスタート(白タスキ)をなるべく少なくする。2018年の第50回記念大会からは最終8区以外の距離が変更される[8][9]

本番までの流れと区間エントリーの方法

予選会・選考会

例年、シード校および推薦校を除く出場校については、各地区で予選会・選考会が実施されている。

第50回の各地区の予選会・選考会は以下の日程でそれぞれ実施される。

  • 6月10日:東海地区 - 全日本大学駅伝東海地区選考会
  • 6月10日:関西地区 - 全日本大学駅伝・関西学連出場大学選考競技会
  • 6月10日:九州地区 - 全日本大学駅伝九州地区選考会 
  • 6月30日:関東地区 - 全日本大学駅伝・関東学生陸上競技連盟推薦校選考会
  • 7月21日:北信越地区 - 全日本大学駅伝北信越地区選考会
  • 8月18日:北海道地区 - 北海道大学駅伝対校選手権大会兼全日本大学駅伝北海道地区予選会
  • 9月23日:中四国地区 - 全日本大学駅伝・中国四国地区最終選考会
  • 9月24日:東北地区 - 全日本大学駅伝東北地区選考会

チームエントリー・メンバーエントリー

チームエントリー
例年、10月中旬に各チームはチームエントリーを行い出場予定選手(最大13人)を登録する。
メンバーエントリー
競技前日に各区間を走行するメンバーエントリー(正選手8人、補員3人)を行い、区間オーダーが決定される。ただし体調不良などの理由により、正選手から補欠登録選手に当日変更される場合がある。

コースの特徴

(スタート)熱田神宮西門前→(ゴール)伊勢神宮内宮宇治橋前 全8区間・106.8km 

  • 前半は橋などによる小刻みなアップダウンが多く、後半はほぼフラットなコース。長・短距離を絡めた区間設定のため、他の大会と比べると選手層の豊富さが求められる。
  • 交通量が多い国道23号線の交通事情の関係により、各中継所での繰り上げスタートは、先頭が通過してから第1 - 4中継所で10分、第5 - 7中継所で15分である。かつてはこのルールは厳格には適用されておらず、走者が中継所の直前に迫っている場合は規定の時間が経過しても繰り上げスタートを行わず、タスキリレーを待つ場合があった。
  • 2018年の第50回記念大会からは8区以外の区間距離を変更。1区が14.6kmから9.5kmに短縮される一方、7区が11.9kmから17.6kmに延長される[9]。これに伴う記録の取り扱いについては8区以外は区間距離が変更になるため、第50回記念大会のものを新規の記録として扱われ、コース変更のない8区は変更前と同様の取り扱いとなる。大会記録についてはルート自体に変更はないものの、区間距離が変更になるため第50回記念大会のものを新規とし、第49回以前のものは参考記録として扱うこととなった。

1区(14.6km)

熱田神宮西門前(名古屋市熱田区国道19号線本線上)→ (東海通)→ (国道154号)→(築地口IC) →(国道23号線)→(庄内新川橋)→弥富中継所(弥富市筏川橋西詰)

  • 熱田神宮前を8:05に一斉スタートした後、名古屋市内のビル群から抜け、名四国道をひたすら西へと向かう。筏川橋を渡れば、すぐに弥富中継所が見えてくる。全8区間の中で愛知県内のみ走る区間である。
  • 朝早くスタートする為に寒さとの勝負でもある第1区。此処で躓いてしまうと後々、大きく響く区間。
  • 区間を通して名古屋港付近に架かる橋を多数通過するため、小刻みなアップダウンが多いのが特徴。これを如何に利用し、スタートダッシュをかけられるかが勝負の分かれ目。
  • この区間に外国人選手を配置し、先行逃げ切りを狙うチームも多い。特に関東以外の大学にとっては、テレビに出る事による宣伝効果も見越した作戦である。
  • 区間賞に狙うには前半から積極的に飛ばして10km地点の上り坂でスパートを駆ける事がポイントだと言う。
  • 2018年の第50回記念大会からは5.1kmと大幅に短縮されて9.5kmに変更されて10km未満のスピード区間に変更される。
区間歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 41分56秒 永田宏一郎 鹿屋体育大学 4年 第32回(2000年)・区間賞
1 41分56秒 ギタウ・ダニエル 日本大学 2年 第39回(2007年)・区間賞
3 42分38秒 ステファン・マニャング・マヤカ 山梨学院大学 3年 第26回(1994年)・区間賞
3 42分38秒 中村匠吾 駒澤大学 3年 第45回(2013年)・区間賞
5 42分42秒 アブドゥラ・バイ 第一工業大学 2年 第33回(2001年)・区間賞
5 42分42秒 設楽啓太 東洋大学 1年 第42回(2010年)・区間賞
7 42分46秒 ティメット・ シルベスター・キメリ 第一工業大学 1年 第37回(2005年)・区間賞
8 42分47秒 キラグ・ジュグナ 第一工業大学 2年 第41回(2009年)・区間賞
9 42分48秒 大西智也 東洋大学 4年 第40回(2008年)・区間賞
10 42分53秒 小林雅幸 早稲田大学 3年 第27回(1995年)・区間賞
区間日本人歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 41分56秒 永田宏一郎 鹿屋体育大学 4年 第32回(2000年)・区間賞
2 42分38秒 中村匠吾 駒澤大学 3年 第45回(2013年)・区間賞
3 42分42秒 設楽啓太 東洋大学 1年 第42回(2010年)・区間賞
4 42分48秒 大西智也 東洋大学 4年 第40回(2008年)・区間賞
5 42分53秒 小林雅幸 早稲田大学 3年 第27回(1995年)・区間賞
6 42分54秒 早川翼 東海大学 2年 第42回(2010年)・区間2位
7 42分58秒 村山謙太 駒澤大学 4年 第46回(2014年)・区間賞
7 42分58秒 村山紘太 城西大学 4年 第46回(2014年)・区間2位
9 42分59秒 市田孝 大東文化大学 4年 第46回(2014年)・区間3位
10 43分02秒 渡辺康幸 早稲田大学 2年 第25回(1993年)・区間賞

2区(13.2km)

弥富中継所→(木曽川大橋)→(長島温泉)→(揖斐長良大橋)→(伊勢湾岸道みえ川越IC)→川越中継所(三重県三重郡川越町高松)

  • 前半に木曽川大橋と揖斐長良大橋の2つの大きな橋を渡る。海からの海風さえ激しく吹かなければ、走りやすい区間である。渡る前後にアップダウンが待ち構えている。
  • 13.2kmと距離はやや短めながら、エース級選手の投入が多く見られる区間でもある。これは、近年顕著な駅伝のスピード化によって、2区の重要性が高まってきたため。1区でつまずいたチームはここでペースを取り戻すことが必要。
  • 2018年の第50回記念大会からは2.1km短縮されて11.1kmに変更される。
区間歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 37分16秒 エノック・オムワンバ 山梨学院大学 1年 第44回(2012年)・区間賞
2 37分25秒 大迫傑 早稲田大学 3年 第44回(2012年)・区間2位
3 37分34秒 服部弾馬 東洋大学 3年 第47回(2015年)・区間賞
4 37分38秒 鎧坂哲哉 明治大学 3年 第42回(2010年)・区間賞
5 37分40秒 設楽啓太 東洋大学 3年 第44回(2012年)・区間3位
6 37分42秒 竹澤健介 早稲田大学 3年 第39回(2007年)・区間賞
7 37分43秒 出岐雄大 青山学院大学 3年 第43回(2011年)・区間賞
8 37分44秒 柏原竜二 東洋大学 1年 第40回(2008年)・区間賞
8 37分44秒 木原真佐人 中央学院大学 4年 第40回(2008年)・区間賞
37分45秒 竹澤健介 早稲田大学 4年 第40回(2008年)・区間3位
10 37分45秒 オンディバ・コスマス 山梨学院大学 3年 第42回(2010年)・区間2位
区間日本人歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 37分25秒 大迫傑 早稲田大学 3年 第44回(2012年)・区間2位
2 37分34秒 服部弾馬 東洋大学 3年 第47回(2015年)・区間賞
3 37分38秒 鎧坂哲哉 明治大学 3年 第42回(2010年)・区間賞
4 37分40秒 設楽啓太 東洋大学 3年 第44回(2012年)・区間3位
5 37分42秒 竹澤健介 早稲田大学 3年 第39回(2007年)・区間賞
6 37分43秒 出岐雄大 青山学院大学 3年 第43回(2011年)・区間賞
7 37分44秒 柏原竜二 東洋大学 1年 第40回(2008年)・区間賞
7 37分44秒 木原真佐人 中央学院大学 4年 第40回(2008年)・区間賞
37分45秒 竹澤健介 早稲田大学 4年 第40回(2008年)・区間3位
9 37分48秒 松岡佑起 順天堂大学 4年 第39回(2007年)・区間2位
10 37分50秒 宇賀地強 駒澤大学 4年 第41回(2009年)・区間賞

3区(9.5km)

川越中継所→(四日市ドーム)→(四日市競輪場前)→(四日市工業地帯)→四日市中継所(四日市市六呂見町)

  • スピード区間とも言われる3区は最も距離が短い9.5km。小刻みなアップダウンが続く中、いかに2区までの勢いを保ってこの3区そして次の4区につなげられるかが勝負の鍵。
  • 2018年の第50回記念大会からは2.4km延長されて11.9Kmに変更される。
区間歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 26分55秒 油布郁人 駒澤大学 3年 第44回(2012年)・区間賞
2 26分58秒 口町亮 東洋大学 3年 第47回(2015年)・区間賞
3 26分59秒 田村和希 青山学院大学 2年 第47回(2015年)・区間2位
4 27分02秒 館澤亨次 東海大学 2年 第49回(2017年)・区間賞
27分02秒 油布郁人 駒澤大学 1年 第42回(2010年)・区間賞
5 27分05秒 ステファン・マニャング・マヤカ 山梨学院大学 2年 第25回(1993年)・区間賞
6 27分06秒 湊谷春紀 東海大学 1年 第47回(2015年)・区間3位
7 27分07秒 上野裕一郎 中央大学 3年 第38回(2006年)・区間賞
27分07秒 油布郁人 駒澤大学 4年 第45回(2013年)・区間賞
27分13秒 油布郁人 駒澤大学 2年 第43回(2011年)・区間賞
8 27分15秒 本田勝也 東洋大学 4年 第42回(2010年)・区間2位
27分15秒 館澤亨次 東海大学 1年 第48回(2016年)・区間賞
9 27分18秒 佐藤敏也 法政大学 2年 第49回(2017年)・区間2位
10 27分19秒 大須田優二 中央大学 4年 第44回(2012年)・区間2位
10 27分19秒 延藤潤 東洋大学 3年 第44回(2012年)・区間2位

4区(14.0km)

四日市中継所→(鈴鹿大橋)→(林崎町)→(近鉄鈴鹿線高架)→鈴鹿中継所(鈴鹿市寺家町)

  • 大会通じて3番目に長い4区も、実力あるランナーが集う「準エース」区間。一部のチームはここにエースを配置し、ごぼう抜きを狙ってくる。上位陣はここで流れを固めて、この先5・6・7区のつなぎ区間につなげたい。
  • このあたりまで来ると、周りには豊かな田園地帯が広がってくる。選手達は鈴鹿山麓から吹く風を背に受けながら、4本の大きな橋に挑んでゆく。
  • 熱田神宮からの総距離数の42.195kmポイントはこの4区の4.895km地点となる。(2018年からは10.695Km地点となる。)
  • 中継所から北西に約3km行った所にF1日本グランプリや8時間耐久レース等で有名な鈴鹿サーキットが有る。
  • 2018年の第50回記念大会からは2.2km短縮されて11.8Kmに変更される。
区間歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 39分24秒 村山謙太 駒澤大学 3年 第45回(2013年)・区間賞
2 39分32秒 メクボ・ジョブ・モグス 山梨学院大学 4年 第40回(2008年)・区間賞
3 39分41秒 ギタウ・ダニエル 日本大学 3年 第40回(2008年)・区間2位
4 39分49秒 コーメン・エドウィン・キプコエイチ 第一工業大学 1年 第37回(2005年)・区間賞
5 40分04秒 上野裕一郎 中央大学 4年 第39回(2007年)・区間賞
6 40分09秒 菅真大 城西大学 4年 第49回(2017年)・区間賞
7 40分11秒 山本修二 東洋大学 3年 第49回(2017年)・区間2位
8 40分16秒 森田歩希 青山学院大学 3年 第49回(2017年)・区間3位
9 40分23秒 佐々木寛文 早稲田大学 2年 第42回(2010年)・区間賞
10 40分23秒 服部翔大 日本体育大学 3年 第44回(2012年)・区間賞
区間日本人歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 39分24秒 村山謙太 駒澤大学 3年 第45回(2013年)・区間賞
2 40分04秒 上野裕一郎 中央大学 4年 第39回(2007年)・区間賞
3 40分09秒 菅真大 城西大学 4年 第49回(2017年)・区間賞
4 40分11秒 山本修二 東洋大学 3年 第49回(2017年)・区間2位
5 40分16秒 森田歩希 青山学院大学 3年 第49回(2017年)・区間3位
6 40分23秒 佐々木寛文 早稲田大学 2年 第42回(2010年)・区間賞
7 40分23秒 服部翔大 日本体育大学 3年 第44回(2012年)・区間賞
8 40分24秒 原田正彦 早稲田大学 4年 第33回(2001年)・区間賞
9 40分32秒 田中宏樹 駒澤大学 4年 第36回(2004年)・区間賞
40分32秒 服部翔大 日本体育大学 4年 第45回(2013年)・区間2位
10 40分33秒 久保田和真 青山学院大学 4年 第47回(2015年)・区間賞

5区(11.6km)

鈴鹿中継所→(近鉄名古屋線沿い)→(三重大学前)→津中継所(津市上浜町)

  • ここからの3区間はアンカーまでのつなぎ区間であるが、選手層の厚さによって大きな差となるため、上位陣が混戦となるととたんに重要度を増してくる部分でもある。
  • 大会全体を通しての中間点(53.4km)はこの区間にある。全体はいたってフラットな区間である。
  • 2018年の第50回記念大会からは0.8km延長されて12.4Kmに変更される。
区間歴代10傑(第24回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 33分22秒 横手健 明治大学 3年 第46回(2014年)・区間賞
2 33分46秒 下田裕太 青山学院大学 2年 第47回(2015年)・区間賞
3 33分47秒 志方文典 早稲田大学 1年 第42回(2010年)・区間賞
4 33分48秒 有村優樹 明治大学 2年 第44回(2012年)・区間賞
5 33分52秒 越川堅太 神奈川大学 2年 第49回(2017年)・区間賞
6 33分54秒 高橋尚弥 東洋大学 4年 第47回(2015年)・区間2位
7 33分56秒 設楽悠太 東洋大学 1年 第42回(2010年)・区間2位
8 34分09秒 工藤有生 駒澤大学 1年 第46回(2014年)・区間2位
9 34分13秒 湊谷春紀 東海大学 3年 第49回(2017年)・区間2位
10 34分14秒 山中秀仁 日本体育大学 1年 第44回(2012年)・区間2位

6区(12.3km)

津中継所→(三重県庁前)→(津競艇場前)→曽原中継所(松阪市曽原町)

  • 津市街地を抜け、レースは終盤。優勝争いやシード権争い、はたまた出場枠が複数設定されている地区にとっては出場枠争いも激しさを増してくる頃。
  • 選手が通過するのは正午前。三重県随一の繁華街を通るとあって沿道の観衆も増えるが、選手たちにとっては急激に上昇する気温との戦いになりやすい。
  • 曽原中継所での襷リレー付近において、2006年まではテレビ中継ではANNニュースが挿入されていた(後述)。
  • 曽原中継所はかつては「三雲中継所」だったが、2005年1月1日に三雲町が松阪市と合併したため第37回から改名された。
  • 2018年の第50回記念大会からは0.5km延長されて12.8Kmに変更される。
区間歴代10傑(第24回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 35分30秒 前田悠貴 早稲田大学 4年 第44回(2012年)・区間賞
2 35分33秒 市川孝徳 東洋大学 4年 第44回(2012年)・区間2位
3 35分39秒 馬場翔大 駒澤大学 4年 第47回(2015年)・区間賞
3 35分39秒 森田歩希 青山学院大学 2年 第48回(2016年)・区間賞
5 35分47秒 松村拓希 駒澤大学 3年 第33回(2001年)・区間賞
6 35分48秒 久我和弥 駒澤大学 4年 第44回(2012年)・区間3位
7 35分54秒 國行麗生 東海大学 3年 第48回(2016年)・区間2位
8 35分55秒 中川拓郎 順天堂大学 3年 第33回(2001年)・区間2位
9 35分56秒 川崎友輝 青山学院大学 4年 第46回(2014年)・区間賞
10 35分57秒 堀合大輔 駒澤大学 3年 第49回(2017年)・区間賞

7区(11.9km)

曽原中継所→(三渡橋)→(松阪駅前)→(近鉄山田線陸橋)→松阪中継所(松阪市豊原町)

  • アンカー対決へ向けての大事なつなぎ区間。近鉄陸橋付近以外はほとんど平坦。
  • 駅伝のスピードアップ化が進むにつれ、今大会における7区の重要度が増している。特にアンカーに有力な選手を配置していてライバルを追う展開を強いられている大学は、ここでできるだけ差を詰めて襷を渡したい。
  • 特に最後まで母校のタスキをつなげようとするものの、最後で繰り上げスタートに泣く大学も出てくる。そのため、2008年大会では本来トップチームが通過して15分後に繰上げスタートのはずが、15分後にたどり着いたチームが数チームいた為、そのチームが襷渡しした後に数秒遅れで繰上げスタートとなった。
  • 2018年の第50回記念大会からは5.7kmと大幅に延長されて大会で2番目の長さの17.6kmに変更される。そのため、8区と並ぶハイライト区間となる。
区間歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 34分08秒 阿部弘輝 明治大学 2年 第49回(2017年)・区間賞
2 34分26秒 野口英盛 順天堂大学 4年 第33回(2001年)・区間賞
3 34分30秒 三上嵩斗 東海大学 3年 第49回(2017年)・区間2位
4 34分42秒 高見澤勝 山梨学院大学 2年 第33回(2001年)・区間2位
5 34分43秒 小野田勇次 青山学院大学 3年 第49回(2017年)・区間3位
6 34分46秒 黒川翔矢 駒澤大学 4年 第46回(2014年)・区間賞
6 34分46秒 大川一成 神奈川大学 4年 第49回(2017年)・区間4位
8 34分49秒 中村大聖 駒澤大学 2年 第49回(2017年)・区間5位
9 34分53秒 池田圭介 中央大学 3年 第33回(2001年)・区間3位
10 34分54秒 小町昌矢 日本体育大学 3年 第48回(2016年)・区間賞

8区(19.7km)

松阪中継所→(櫛田町)→(参宮線陸橋)→(度会橋)→伊勢神宮内宮宇治橋前(伊勢市宇治今在家町)

  • 全区間の約5分の1を当区間で占める為、各校共にエースが揃う大会最後の区間にして最大のハイライト区間。
  • トップ独走なら20km弱丸々ウイニングロードになるが、接戦になるとここでの大逆転劇の可能性も十分ありうる。事実、過去には早大渡辺康幸が、中大松田和宏から1分31秒遅れてスタートしながら、大逆転劇を演じたことがある。優勝争いだけではなくシード権争いも逆転劇が起きるケースもある。第39回大会では、山学大メクボ・ジョブ・モグスが6位(シード権ライン)の日大の松藤大輔と4分10秒もの大差をつけられてスタートしたのも関わらず、立大大東大拓大城西大順大中央学大の順に抜かしていき、ゴール直前でついに松藤をとらえ、6位でゴールを果たした事もある。また、42回大会では6位までそれぞれ1分36秒、2分14秒差でスタートした、東海大村澤明伸日大のガンドゥ・ベンジャミンが5位、4位に浮上し、シード権を獲得するなど、圧倒的なエースの活躍によって大会の結果が大いに左右される区間である。
  • アンカー勝負の鍵を握るのが伊勢神宮手前のだらだらとした上り坂。ここまでのフラット部分でどれだけ体力を温存できるかがポイント。
  • 2018年の第50回記念大会ではこの8区のみ19.7kmのままで、短縮も延長も無しとなる。
区間歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 55分32秒 メクボ・ジョブ・モグス 山梨学院大学 3年 第39回(2007年)・区間賞
56分31秒 メクボ・ジョブ・モグス 山梨学院大学 2年 第38回(2006年)・区間賞
2 56分42秒 ガンドゥ・ベンジャミン 日本大学 2年 第42回(2010年)・区間賞
3 56分43秒 ドミニク・ニャイロ 山梨学院大学 2年 第48回(2016年)・区間賞
56分52秒 ガンドゥ・ベンジャミン 日本大学 4年 第44回(2012年)・区間賞
4 56分54秒 ギタウ・ダニエル 日本大学 4年 第41回(2009年)・区間賞
56分55秒 ドミニク・ニャイロ 山梨学院大学 1年 第47回(2015年)・区間賞
5 56分59秒 渡辺康幸 早稲田大学 4年 第27回(1995年)・区間賞
57分06秒 ドミニク・ニャイロ 山梨学院大学 3年 第49回(2017年)・区間賞
57分10秒 メクボ・ジョブ・モグス 山梨学院大学 1年 第37回(2005年)・区間賞
6 57分14秒 ダニエル・ムイバ・キトニ― 日本大学 2年 第45回(2013年)・区間賞
57分19秒 渡辺康幸 早稲田大学 3年 第26回(1994年)・区間賞
7 57分24秒 鈴木健吾 神奈川大学 4年 第49回(2017年)・区間2位
8 57分27秒 中村祐二 山梨学院大学 2年 第26回(1994年)・区間2位
9 57分32秒 ステファン・マニャング・マヤカ 山梨学院大学 4年 第27回(1995年)・区間2位
10 57分32秒 窪田忍 駒澤大学 3年 第44回(2012年)・区間2位
区間日本人歴代10傑(第22回大会以降)
タイム 氏名 所属 学年 年次・順位
1 56分59秒 渡辺康幸 早稲田大学 4年 第27回(1995年)・区間賞
57分19秒 渡辺康幸 早稲田大学 3年 第26回(1994年)・区間賞
2 57分24秒 鈴木健吾 神奈川大学 4年 第49回(2017年)・区間2位
3 57分27秒 中村祐二 山梨学院大学 2年 第26回(1994年)・区間2位
4 57分32秒 窪田忍 駒澤大学 3年 第44回(2012年)・区間2位
5 57分46秒 小林雅幸 早稲田大学 4年 第28回(1996年)・区間賞
6 57分47秒 村澤明伸 東海大学 2年 第42回(2010年)・区間2位
7 57分48秒 柏原竜二 東洋大学 4年 第43回(2011年)・区間賞
8 57分48秒 一色恭志 青山学院大学 4年 第48回(2016年)・区間2位
9 58分03秒 岩水嘉孝 順天堂大学 4年 第33回(2001年)・区間2位
10 58分03秒 大塚祥平 駒澤大学 4年 第48回(2016年)・区間3位

表彰

優勝校には前述どおり秩父宮賜杯、朝日新聞社優勝旗、日本学生陸上競技連合会長杯(以上持ち回り賞品)が、区間賞・優勝監督・MVPにはトロフィーが授与される。また上位3校には三重県知事賞と協賛社賞が贈呈される。(2014年(第46回)大会より大会MVPが制定された。)

選手 所属 備考
46 2014 横手健 明治大学 5区区間新記録
47 2015 口町亮 東洋大学 3区区間賞
48 2016 森田歩希 青山学院大学 6区区間賞
49 2017 阿部弘輝 明治大学 7区区間新記録

メディア報道について

テレビ中継

テレビ放送は、テレビ朝日メ〜テレの共同制作で、テレビ朝日系列フルネット局に放送される[10][11]1988年(第20回大会)より生中継開始[12]。スタジオはメ〜テレが提供している。中継車には、1号車とバイク(2006年導入)にテレビ朝日、2号車・3号車[13]にメ〜テレのアナウンサーが配置される。各中継所および各区間のチェックポイントには、両局のほかに朝日放送テレビ九州朝日放送のアナウンサーが配置されている。CS放送テレ朝チャンネルでも録画放送されている。テレビ朝日でも箱根駅伝・出雲駅伝と異なり、全国から出場でき、かつ原則として予選会を通して出場校が決まることを理由に「真の大学日本一決定戦」と標榜している。

ラジオ中継

ラジオ放送は関東地方で文化放送、開催地の東海地方ではZIP-FMが実況生中継を行っている。

文化放送では『JAバンクスポーツスペシャル全日本大学駅伝対校選手権大会』として実況中継が行われている。2012年現在、文化放送は『箱根駅伝』『出雲駅伝』も中継しており3大駅伝のすべてをラジオ中継している。

ZIP-FMでは『RUN WITH THE WIND JAバンク SPORTS SPECIAL THE ○○th ALL JAPAN INTER-UNIVERSITY EKIDEN CHAMPIONSHIP』のタイトルで中継。独自にBGMを挿入し、その上に文化放送の実況音声を利用して放送している(BGMを挿入しない場合もある)。

この放送のある時は、文化放送は通常の日曜日のレギュラー番組を休止[14]・時間短縮、ZIP-FMでは通常6:00 - 9:00に放送しているワイド番組は6:00 - 8:00の2時間に短縮、13:00 - 17:00に放送しているZIP HOT 100は14:00 - 17:00に短縮、また8:00 - 13:00の間に放送している通称"サーフボードプログラム"と呼ばれる各ミニ番組は休止にせず、放送時間を若干ずらしてこの中継の特別番組内で放送している(この為、ZIP-FMでは途中数回、各30分 - 40分近く中継を中断する。また文化放送も、ZIP-FM向けの飛び降りコメントを途中数回入れている。なお、2009年の中断回数は1回だけに減った)。実況終了後には、ZIP-FMのナビゲーターと中継に出ていた文化放送のアナウンサーが、電話にて大会を振り返るトークが行われる。

なお、文化放送では2010年まではインターネットラジオのBBQRでも同時生配信を実施していた。2015年現在はストリーミング配信とUstream配信による同時生配信を実施している。radikoプレミアムでは2015年から配信されている。

脚注

  1. 2010年より日本陸連主催の都道府県対抗駅伝に男子は天皇盃、女子は皇后盃が授与されることになったことに伴い、宮内庁の指示により「杯」から「盃」へと表記の統一が検討された(社団法人日本学生陸上競技連合 第80回理事会議事録(会報第125号掲載) (PDF) が、同年の第42回大会以降も「秩父宮賜」への変更はなされず「秩父宮賜」のまま現在に至っている。)
  2. “台風中止の出雲駅伝、来季シードは全日本大学駅伝上位3校”. スポーツニッポン. (2014年10月31日). http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2014/10/31/kiji/K20141031009202830.html 
  3. 3.0 3.1 「出場枠の決定方法」駒大・東洋大・日体大が軸 全日本大学駅伝展望 - 朝日新聞デジタル 2013年11月1日12時16分
  4. ”現行のルールでは各地区から最大15校” - 「狭くなった門」広小路えきでん雑話(更新日 2014年06月25日 10時55分)
  5. 学連公式HP問い合わせ窓口のメール質疑応答による。
  6. 平成22年度(2010年度)〜平成24年度(2012年度)全日本大学駅伝対校選手権大会及び全日本大学女子駅伝対校選手権大会の出場基本枠について (PDF)
  7. 第43回大会では北信越、中四国代表校が共に1枠地区最上位校として同着であったため抽選により決定。
  8. 開催要項”. 全日本大学駅伝対校選手権大会. 朝日新聞社. . 2017閲覧.
  9. 9.0 9.1 繰り上げスタート減少など狙い7区間で距離を変更 全日本大学駅伝”. サンケイスポーツ (2018年1月11日). . 2018閲覧.
  10. CM・提供クレジット・テロップ送出はテレビ朝日。
  11. アナログ放送では2010年の大会が最後の放送となった(参考:2011年問題 (日本のテレビジョン放送)
  12. 第20回全日本大学駅伝対校選手権大会を完全生中継放送 メ〜テレ50年史 2012年2月4日閲覧(インターネットアーカイブによるキャッシュ)。1982年(第13回大会)から1988年(第19回大会)までは、名古屋テレビをキーステーションとしたテレビ朝日系列フルネット局にて、日曜夕方の単発特別番組枠「サンデープレゼント」枠での録画放送。
  13. 中継所の担当が終わったあと、後半の中継に参加。なお2006年に4号車の導入が図られたが、2009年は3号車まで(前半は2号車まで)。
  14. 2017年4月から11:00 - 13:00枠で放送の『A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!』は、文化放送のアニラジ専門ネットラジオ超!A&G+でも同時生配信されているが、この配信も地上波での放送同様に休止となる。

外部リンク

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