光学軸

提供: miniwiki
移動先:案内検索

光学軸(こうがくじく、: optic axis (of a crystal))は、光学異方性である複屈折結晶において、を入射しても光が分かれない方向のことである。光軸(こうじく)[1]とも呼ばれる。

簡単に説明すると、右の写真において、方解石を通すと文字が二重に見えてしまうが、二重に見えなくなる方向があり、それを光学軸と呼ぶ。

光学系における光軸: optical axis)と混同しないよう注意する必要がある[2]

定義

光学軸は、光学異方性の複屈折結晶において、屈折率が一定になり、偏光していない光を入射しても複屈折が発生せず、通常光線異常光線が一致する(もしくは、ずれが最小となる)方向のことである。

光学軸は結晶の構造から決定される。光学軸は一軸性結晶(単軸結晶)では1方向であり、二軸性結晶(双軸結晶)では2方向となる。

光学軸がある結晶(鉱物)

脚注

  1. 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年。ISBN 4-8181-8401-2。
  2. 光技術用語辞典:光学軸

参考文献

  • 都城秋穂久城育夫 「第I編 結晶の光学的性質、第II編 偏光顕微鏡」『岩石学I - 偏光顕微鏡と造岩鉱物』 共立出版〈共立全書〉、1972年、1-97。ISBN 4-320-00189-3。
  • 原田準平 「第4章 鉱物の物理的性質 §10 光学的性質」『鉱物概論 第2版』 岩波書店〈岩波全書〉、1973年、156-172。ISBN 4-00-021191-9。
  • 黒田吉益諏訪兼位 「第3章 偏光顕微鏡のための基礎的光学」『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』 共立出版、1983年、25-64。ISBN 4-320-04578-5。

関連項目

外部リンク


テンプレート:Earth-sci-stub