先進国
先進国(せんしんこく、英: Developed country)とは、高度な工業化を達成し、技術水準ならびに生活水準の高い、経済発展が大きく進んだ国家のこと。後進国(現在では開発途上国、発展途上国の呼称が一般的)に対して、こう呼ばれることがある。
概説
工業や科学技術で先行しており、生活・健康・教育・インフラ整備などの水準が高く、政治的に自由で安定している国を指す。大国(超大国を含む)と同義の扱われ方をすることもあるが、先進国の基準は国家の規模よりも経済力(国民一人当たりの規模)に重点を置いている。そのため、中国やロシアといった政治大国・軍事大国であっても、国民一人当たりの経済力が小さいため、先進国には含まれない場合もある。一方、経済的には裕福であっても、国家の規模が極めて小さなミニ国家(モナコやリヒテンシュタインなど)、工業化や自由化が進んでいない国家(中東諸国など)も、先進国として扱われない場合が多い。対義語は開発途上国や後発開発途上国(後進国の呼称は、侮蔑的とされるようになったため、使われなくなっている)。先進国とされる国家のうち、アメリカ合衆国、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダの7か国については、特にG7(先進7か国)と呼ばれる。G7のほかには、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランド、アイルランド、スペイン、ポルトガル、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾、イスラエルなどが主要な先進国として挙げられる。
歴史的に列強と呼ばれた大国を中心にしてヨーロッパや北アメリカ、東アジアの国々に多く、全体的にみると北半球の国に多い。そのため、主にアフリカや南アメリカなどの南半球に多く分布する発展途上国との摩擦は南北問題と表現される。