先延ばし

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先延ばし(さきのばし、: procrastination)とは、するべき行動を遅らせることで事態が悪くなると予想される場合ですら、合理的理由無く意図して遅らせる態度、振る舞いのことである。英訳のProcrastinationからPCN症候群と呼ばれる場合もある[1]

この振る舞いは社会全体のどこにでも存在するもので、誰にでも問題の解決をある程度引き延ばすことはある。しかし慢性的にそうした行動を取ることにより顕著な遅延を示す人間がおり、心理学の解析対象となっている。先延ばしする人は、するべき行動に背を向け別のより愉快な活動を好むことが多い。

典型的な遅延は、期待される行動に苦痛あるいは不快、すなわちストレスが伴う場合引き起こされる。これは重労働や厳しい練習で経験されるような肉体的なストレスのこともあるし、フラストレーションや不安等の心理的ストレスのこともある。

取り組むべき課題自体やその課題の遂行を必要とする状況が、危険な苦痛な圧倒的な困難な不快な退屈なもの、すなわち不愉快であると感じられるとき、ストレスが大きいといえる。ひとたび習慣化すると、先延ばしはいつでも起こりうる。

さらに先延ばしはうつ病ADHD(注意欠陥多動性障害)のような精神疾患発達障害の症状や原因の一つでもある。受動的攻撃行動の一つとして、先延ばしが行われることがある。

Contents

先延ばしの特徴

先延ばしの特徴的な行動は、行うべきことを行わずに他の何かをすることであり、そこには行動の不足および行動の遅延という2つの面をみることができる。不足する行動とは宿題などの処理すべき課題か活動である。遅延には「順番を飛ばす」「最後に回す」「逃避する」の3つの方法がある。

  1. 順番を飛ばす: ひとつの課題が行われないとき、延期されているのはプログラムであるとみなせることがある。例えば歯を磨くことを飛ばす場合、その人は「虫歯にならないように歯を清潔に保つ」プログラム全体を延期している。それは「歯を清潔に保つのは明日からにしよう」と言っているのと同じ事である。
  2. 最後に回す: 容易な課題は、最初に行われる傾向がある。行うべき大きな仕事があり、その仕事を終えるために順番に遂行する長いリストがあるとき、人は最も単純な課題から始めがちである。そしてリスト上の単純なアイテムをすべて終わらせてしまうと、その仕事がほぼ終わった『ように感じられる』ので、その人は偽りの安心感に浸ることになる。容易な雑用はすべて終わるが、最後に回された最も困難な課題を終えるための十分な時間が残されていない場合、このアプローチは問題になる。
  3. 逃避する: 先延ばしをする人は、長期的な利得よりも目先の満足を選び、その人が先延ばしにした課題を行うことで受け取るであろう特典を犠牲にして、何か好きなことを代わりに行う。これは、その人が行うべき(ストレスの多い)課題またはその人が処理すべき状況から、その人の注意を奪う。これは依存症のパターンに至ることがある。それは、その人が逃避すればするほど、行うはずのことを行わないことに関してより多くの罪悪感を持ち、その罪悪感によりさらに多くのストレスを感じて、それを考えないようにするために別の活動を継続するというものである。

このように、先延ばしは必ずしも単に何かをしていないことではなく、先延ばしする人にそれを行わせないようにしている何かである。 こう考えると、先延ばしとは、行動が終わっているかいないかではなく、それ自体の振る舞いである。 特徴ある振る舞いとして、先延ばしはいくつかの観点からとらえることができる。

誤判断としての先延ばし

先延ばしの本質には誤った意思決定がある。 そうした判断には、やるべき何かをしないという判断と、別のことをやろうという判断がある。 それらは誤った判断であって本人もそれに気づいているが、結局それに従ってしまう。 もし人がその結果に考えが至らず間違った判断をしたのであれば、考え無しに行動している事と同義である。

誤判断と怠惰

休息とリラックスすることは健康の維持のために重要である。また、解決すべき問題点をより明らかにするように、または違う観点から見えるように、時々仕事から離れて自分自身を眺めるためにも重要である。 しかしその状態があまりに長く続くならば、それは怠惰(たいだ)と呼ばれる。 健康を維持するのに必要を超えた休息が、自分の責任や人生の夢を妨害してしまうならば、それもまた誤判断の一つである。

多くの場合、先延ばしをする人はアクティブで生産的であろうと願っているが、最後までやりぬくための能力が不足していると考えられる。そのため怠惰については、先延ばしをする本人の責任か否かというような議論もある。

誤判断とレジャー

レジャーとレクリエーションは休息とリラックスにほぼついて回るもので、肉体や精神の回復に役立つと考えられるが、それが問題解決の妨げになるようでは得策とは言えない。 遊びは学習に役立ち、新しい経験を得る事によって健康な身体と精神を作る重要な作業でもあるが、必要以上の遊びは逃避となり、それが問題の解決に対して妨げになってしまう可能性もある。 先延ばしをする人は、問題の解決ではなく自分がしたいことを選んでしまう事で災難を招く結果に陥ってしまう事がある。 まず問題の解決(仕事をする、宿題を片付ける等)を図り、それから遊ぶようにするのが得策と考えられる。 だからといって、レジャーを完全に犠牲にする必要はない(楽しみのための休息をスケジュールに組み込むことについては後述)。

注意散漫としての先延ばし

何か不愉快なことがあるときに、それを避けてしまうことはとても易しい。 こうして先延ばしをする者は、非難されるほか無い状態になってしまう事がある。 その人が注意散漫であればあるほど、より先延ばし主義に陥りやすい。

もし自分が注意散漫になるのを放置し、その注意散漫が正当でないならば(すなわち、本来しようとしたことよりも重要性が少ないことに注意が向いているならば)、彼は本来しようと思ったこと以外のことを選んでしまっているので、暗黙のうちに先延ばしをする決断をしているといえる。

選択した事柄に対する思考が少なければ少ないほど、それらを把握するのはより難しくなる。 注意を逸らす要因(人、おもちゃ、その他)がその人の今の環境中に多ければ多いほど、それらを選んでしまう可能性は高くなる。

恐怖症としての先延ばし

何かに対する合理性を欠いた嫌悪感が恐怖症である。 恐怖症だけが先延ばし主義の原因ではないが、恐怖症は先延ばしの要因になりうる。 したがって、恐怖症であると気づかない場合がある。 何かに対して強力で合理性を欠いた恐怖感があるならば、通常それは恐怖症の兆候である。

悪習としての先延ばし

意思決定とは、例え意識的に何かを決めたと思うこと無しに行動を取ったとしても、あらゆる行動に対して暗黙のうちに行われるものである。そして課題を避けようとする決断が、それが誤判断であるにもかかわらず繰り返しかつ自動的に行われるならば、その誤判断は習慣化していると考えられる。

習慣とは自ずから繰り返されるものであるから、一回の意思決定で習慣を塗り替えるのは不可能である。 習慣を変えるには新しい習慣を身に付けなければならない。 簡単な意思決定は、習慣の力で容易に曲げられてしまうから、古い習慣と競合できるようになるまでは、習慣として実行しなければならないかもしれない。 どんなことでも「旧習は死なず」などと言っていてはならない。

複合様式としての先延ばし

不運にも、先延ばしは単なる習慣ではなく、感情、思想そして行動を含む「繰り返す行い」の複合様式である。それらから抜け出すには、新しい習慣によってそれぞれを置き換え、妨げ、または効力を弱めなければならない。新旧の習慣がかならずしも一対一で対応するとは限らず、一つの習慣が複数の習慣と置き換わることもある。

病気としての先延ばし

先延ばし癖は、うつ病やADHDのような根本的な症状の結果である場合がある。またこの二つは併発する。

先延ばしの原因

先延ばしは不健全な世界観に基づいている。 例えば、負の波及効果を軽視し、「目先の息抜きや喜びは長期的な報酬を得るための犠牲に勝る」と考えているなど。 先延ばし者は、ある種の注意散漫あるいは行動の不適切さのために、適切なアプローチを取ることに失敗している。 先延ばしを生み出す、さまざまな注意散漫と能力不足には以下のようなものがあるが、これに限定されない。

  • 依存症
  • 同調圧力
  • 不安と恐怖
  • 傲慢さ、驕り
  • 反感
  • 悪習
  • 落胆
  • 無秩序
  • 注意散漫
  • 家庭の問題
  • 失敗への恐怖感
  • 圧倒される感じ
  • フラストレーション
  • 不適当なゴール設定、自覚していない動機
  • 時間管理技能の不足
  • 優柔不断
  • 自覚の不足
  • 道徳心の不足
  • 低い向上心
  • フラストレーションへの耐性が低い
  • 自尊心が低い
  • ストレスへの耐性が低い
  • 目標が競合している
  • 自己管理技能が乏しい
  • 学習能力が乏しい
  • 問題点を認識していない
  • 威張った態度
  • 反抗心
  • うらみ
  • 自己中心主義
  • 不確実性
  • 自己欺瞞

先延ばしを克服する

先延ばし(何かをやらないこと)に対する解決策は、その正反対であると思うかもしれない。 回避しているそれを実行することそのものが治療法であると。

確かにそれはそうなのだが、全てを解決するわけではない。 先延ばしが何かをしないことの原因である以上は、先延ばしを生み出している心理的障壁や技術的問題が取り除かれない限りは、先延ばしにしていることを実施することは、心理的に不可能なのだ。 また、上で説明したとおり、先延ばしは強力な心理的な力になっている。 したがって、先延ばしから脱出するためには、これらの心理的障壁を乗り越え、回避し、掻き分けて克服しなければならない。 これは先延ばしの本質次第であるが。

本質的に、先延ばしは能力不足の形を取る。 これを治療するには、能力不足を消すことである。 能力不足は能力の不足であるから、これを消すには能力で置き換えてやればよろしい。

人的能力とは、5つの要素から成る: 心の強さ、正しく方向付けられた思考、時間管理技術、習慣に対するコントロール、問題解決能力である。 したがって、先延ばしを克服する戦略とは、これら5つの技術を向上させることが基本となる。 感情のコントロールを向上すること、基礎をなしている態度を正しく直すこと、注意を集中させること、合理的に思考すること、自己管理の手順(プランニング、スケジューリング)を学ぶこと、習慣を変える方法を学ぶこと、および課題達成技能と問題解決技能を得ることがこれに含まれる。

感情のコントロールの改善

先延ばしが感情の問題である範囲については、感情をコントロールする方法を身につけることが、問題をコントロールする方法を手に入れることである。 感情は知覚によって誘起され、逆に知覚は、態度、ストレスへの耐性、ムード(これらは感情そのものであるが)に依存している。 したがって、これらの要素を再構築または改善することによって、日々訪れる問題や好機を処理するための感情の強さを増やすことが出来る。 これをするためには、心理的方法と生理学的方法がある。

態度の調整

人の態度は個人の感情の基盤である。 もし世界が自分を受け入れないとか、人生で既に負けてしまっていると信じているならば、その人は自分自身を惨めだと思いながら不機嫌な顔で歩き回るか、さもなくば「とにかくやって見るなんて、そんなことどうでもいいじゃないか」と言いながら自分以外の誰もにいらだつのだろう。 しかし逆に、感謝したいことがたくさん有って、世界はすばらしい場所でチャンスに溢れていると信じているならば、自分自身と他人に良い感情を抱いているので、熱心に働き誰もを笑顔で迎える可能性は高くなる。

態度は、ある人がこれまでの人生で積み上げた個人の信条の静的なセットではない。 態度はアプローチである。 誰でもものの明るい側面を見ようと決めることが出来るし、見ないと決めることも出来る。 前者は希望、熱中、喜びを生み出す一方で、後者は恐怖感、嫌悪感、苦痛を招く。 世界をどう見るかの選択は、各個人に任されている。 以下は、ポジティブな態度が構成する知覚についてである。

  • ポジティブな精神的態度は、進行している活動を鼓舞する。特にそこに強い労働倫理が含まれているときにそうなる。高揚された個人哲学はこのような態度の基盤を与えるかもしれない。特にそれが美徳の重要性を強調している場合にそうなる。これは通常は人生で何が重要か、どんなアプローチを取るべきかを決めるために人生の意味を熟考することを伴う。人生にポジティブな見通しがあるならば、人生にポジティブな感情が生まれ、行動を鼓舞する。
  • 夢を描くこととは望む未来を大胆に思い描くことである。それが強ければ強いほど、その結果はより詳細になり、夢が行動のためのロードマップとしてより魅力的に変わっていく。夢を現実にすることは、すなわち成功がなんであるかであり、常に心に留め置かれる適切に描かれた夢は、最も強力な動機を与える者である。これこそ空想家が空想家と呼ばれる所以である。人生の夢を生きることは、その夢を常に考えることであり、万事をその夢の観点から考えることである。
  • 自己の価値を認識すること。他人の意見ではなく、自分自身で自己の価値を認識することが、より安定した感情の基盤を作る。心理学者は、無条件の自己愛、個人の潜在能力、および自己の価値を評価するために取られた最善のアプローチの中で得た自己価値とは別のものだとしている。無条件の自己愛は生まれつき固有のものである。個人はその行いによらず自分自身に最高の関心を持っているのだが、これは個人を成長させる心を育てるのに最良の環境を生み出すと信じられている(「私は偉大だ。なぜなら私が存在しているから」)。個人の潜在能力が指標であるときには、問題になるのは個人の技能と特色である。それらは、課題をやり遂げるための準備における、個人の資質(向上心や意志の強さも含まれる)の価値に注目する(「私には大きなことをやる能力がある。ゆえに私は価値がある」)。獲得した自己価値モデルにおいては、自己価値は報酬構造の中で用いられる。自分自身を偉大なものと感じたいのなら偉大な行為をしなければならない(「私は偉大なことをした。ゆえに私には価値がある」)。しかしこれら3つの自己像を作るアプローチはどれも、他者の批評の前に打ちひしがれるよりもずっと良いのである。
  • ポジティブな内なる声を持ち続けること。これは自己批判、行動や戦略に向けられた批評をし続けることを差し控え、自己拒絶を高揚する自己激励に置き換えることである。童話「The Little Engine that Could」(やればできる小さな機関車?)が、このアプローチの最良の例である。誰もに山を登る線路をお前が上るのは無理だと言われているのに、たとえ圧倒されるような困難な局面でも、自分自身に対する信念によってやりとげるまで、小さな機関車は自分に「やればできる、やればできる」と言い聞かせた。そして山の反対側斜面を下りながら、「やれると分かっていた、やれると分かっていた」と勝利の叫びを上げるのだった。これこそ行動するときの態度というものである。
  • 敗北から立ち直ること。馬から落ちても鞍に戻るがごとく、敗北から立ち直ることは、諦めて二度と試みないよりも良い。意気消沈、落胆は、大失敗(株で大損したとか、離婚、破産または起業に失敗したとか)の後に、もう一度成功を求めて別のプロジェクトを持ち出す代わりに、人を依存症へと隠遁する場所である(ドラッグ、インターネットに取り付かれる、物をコレクションする、またはセックスに溺れるなど)。失敗の後に立ち上がり再び立ち向かう弾力性があると、より成功にたどり着きやすいし、性格の特徴として、先延ばし主義とは完全に反対である。成功した起業家は、ビッグになるまでに平均して6回失敗しているそうだ。「途中で投げ出さない者だけが勝者になれる」という言葉を覚えておくと再起がずっと楽になるだろう。途中の失敗は一時的なものに過ぎず、達成への学習プロセスの一部であるということを思い出させるフレーズである。
  • よい側面を見ること。物事の明るい側面を見るということは、問題点・力不足そして弱さを嘆くのではなく、チャンス・技能そして強さを知り把握することである。グラスがもう半分空と言うのではなくグラスにまだ半分入っていると受け止めることは、より人を鼓舞する考え方である。永遠に続くものを願い、失ったものに不平を言うのは易しい。しかし、「靴が無くて本当に悲しかった、足の無い人を見るまでは」という言葉を忘れないでほしい。普段与えられているものに感謝することは、自分自身を悲しいと感じるよりもより良い出発点を生み出し、加えて、どんなリソースが自分にあるかについての認識を増やす。
  • 強みを集める。既に習得したこと全ての一覧を作ってみよう。どのようにしてそれらのことのエキスパートになったか自分に問いかけよう。そうして、あなたの「出来ない事」と「出来る事」の間の違いについて考えてみよう。それらにはどのような感情や状況が伴っているだろうか。今手にしている技能を習得したとくに使ったアプローチが、今必要な新しい技能を手に入れるために使えるだろう。
  • 自信をつける。自信をつける唯一の方法は成功することである。しかし問題は、しばしば他人と比べたときにしか成功できないという点である。すなわち、他人以上の成績を挙げなければならない。この問題は、とても長い間ものごとを先延ばしにしたので、いまや歩き方を覚え始めたのにそれを先延ばしにしたためにさらにずっと小さい子供と比べたときにしか勝つことができない子供のようになってしまっているということだ。だから、他人と比べるのは止めよう。自分自身の目標を設けるのだ。同じような状況に陥ったほかの人と知り合いになろう。そうすれば、成功した人と自分を比べてもうまくやっていけないことを、彼らから学ぶことができるだろう。
  • 前向きであることは、古い感情や習慣を捨てるのに役立つ。あなたの部屋にある古いものを捨てよう。それらは古い人格を思い出させるものだからだ。もし悲しい、不幸な時代を強烈に思い出させるものを持っているならば、それは処分してしまおう。

先延ばしを打破するもう一つの方法は、健康なライフスタイルを取り入れることだ。 不健康なライフスタイルは人をストレスに敏感にし、そのために悩まされる感じを抱きやすく、先延ばしになる。運動をするなど、ライフスタイルにいくつかの修正を加えることにより、耐えられるストレスの量を大幅に増やすことが出来る。

ストレスへの耐性を高める

他人よりもストレスに敏感な人がいる。言い換えると、ストレスに敏感な人よりもより多くのストレスに耐えられる人がいる。耐性が高ければ高いほど、より多くのストレスにも平気である。耐性限界を超えないストレスは「大したことではない」ので、容易にしのぐことができる。 多くの人が気づいていないが、この耐性レベルは変えられる。強化することができるのだ。

  • 強健な心臓血管の鍛錬は、ストレスへの耐性を高め、免疫システムを強化し、脳への酸素供給を増やし、(知的活動、集中力、記憶力など)精神のはたらき全般を改善する。このような鍛錬には、ウォーキング、速歩、ランニング、水泳、自転車の運転、ハイキング、そしてエアロビクスなどがある。
  • 栄養を摂る。栄養補助を含め、バランスの取れた栄養を摂ることにより、精神のはたらきを改善し、免疫システムを強化し、ストレスを処理するのに必要な神経伝達物質の前駆物質を脳に供給する。甘いものや砂糖の入った飲み物を減らすなどして栄養の偏りを避けることは、過剰運動、困難への没入、肥満を減らす(肥満は免疫システム、全体的な体のはたらきを妨げる、鍛錬しない傾向を作る)。
  • リラックス法。段階的リラックス法、トランス誘導、瞑想法などはストレス、緊張、不安を減らす効果がある。ストレスのかかる状況で心の平静を保ち不安を取り除く技能を、self-composureという。動作をするのに必要なエネルギーと筋肉だけを使うなど、ストレスのかかる状況で緊張しない技能は、relaxed poiseという。これら二つを合わせてgrace under pressureという。

気分のコントロールを強化する

感情、気分は行いの動力源である。しかし、気分は自分自身の責任であり、ある感じ方をするかしないかを選ぶことの問題である。 かんしゃくを起こして投げ出してしまいたい気分になることもできるし、なにか役に立つことをしたい気分になることもできるのだ。

  • 自分の気分に気づくことは、自分の感じ方に注意を払わないよりも良い。気分を変える第一段階は、自分の気分に気づくことである。ここに用心すべき悪い気分のABCを挙げる:怒っている、退屈した、いらいらした、怖がった、不満な、機嫌が悪い、傷ついた、気短な、自己弁護する、不愉快な、怠惰な、意地悪な、詮索好きな、陳腐な、先送りしたい、辞めたい、強奪された、自己中心的な、疲弊した、慣れた、悩んでいる、疲れきった、怒鳴りつけたい、何もかも失った気分。いずれかに当てはまるならば、自分で自分の気分に気づけたということであり、感情のアプローチを変えることができるだろう。
  • ポジティブ・フィルター
  • 表現を変える(表情を変えるなど)ことにより気分を変えることが出来る。人は機嫌が良いときに笑うのだが、逆に、精神状態を引き上げるのにとても役立つことは、一般的に笑いが気分をよくするということである。そして笑いは伝染する。他の人があなたから笑いをもらい、逆にあなたが彼らから笑い病を移されることもある。これは相乗作用である。そして気分が良いときには、ずっと物事を始めたい気分になりやすいのだ。
  • 好みを変えるとは、物事を感じるやり方を変えることである。例えば、嫌いなものを好きになる方法を学ぶなどである。それはそれをどう考えるかを変えることで達成できる。行いの恩恵と良い特性を受け止めれば、実際にそれを好きになることもできる。ゲームに変えてしまうなど、何かを楽しくやる方法を見つければ、さらに愉快にすることができるだろう。
  • 自分に気合を入れるとは、自分で自分に激励することである。あなたが、大きい試合の前に動機づける演説をするあなた自身のコーチとなるのだ。

思考を改善する

(例えばとても重要なプロジェクトを最後の瞬間まで引き伸ばしたり、勉強しなければならないときに遊んでいたり)何か本当に愚かなことをしてしまった後で「俺は何を考えていたんだ?!」と思ったことがあるならば、それはたぶん何も考えていなかったのだ。 さもなくば、十分に考えていなかったために判断があまりよろしくなかったのだろう。 これらの問題は、集中力の欠如に根底がある。 注意散漫、注意を逸らす原因の解決法には、集中力を増すことと、集中する方法の改善がある。これにも、心理学的アプローチと生理学的アプローチがある。

注意力を増やす

  • 注意力持続時間を増やすことは栄養補助食品を摂るのと同じくらい易しい。以下に示すのは集中力を増す(ひいては論理的思考能力と記憶力のようなほかの能力を強化する)栄養分である。これらは栄養補助食品店、ドラッグストア、オンラインショップ、およびしばしば食品店で買える:
    • DMAE(ジメチルアミノエタノール)。もともとはディーナーと呼ばれる処方箋が必要な薬品で、過剰行動の子供を集中させるために使われた。DMAEは現在オーバーザカウンター薬として入手できる。
    • コリン。脳の主要な神経伝達物質のひとつであるアセチルコリンの前駈体。論理的思考や記憶を含む思考プロセスに必要な物質である。
    • パントテン酸。脳がアセチルコリンを生産するときの補因子として使われ、このプロセスに不可欠な物質である。炭水化物をATP(アデノシン三リン酸)の化学エネルギーに変換する有酸素代謝の重要な一段階である、クレブス酸サイクルの重要な構成要素でもある。こうして脳細胞に必要なエネルギーを増やすことができ、精神的なスタミナを増強することができるのだ。
  • 集中と再集中
  • マインドの存在
  • 注意を逸らす原因を取り除く。注意散漫はしばしば先延ばしの原因になる。なにか別のことをする選択肢を見せたり、逸脱を起こすきっかけになったりするからだ。これらが起こる可能性を予防し、注意散漫が起こる機会を最小限にするためには:
    • 逸脱を起こさせるものを取り除く。もしそれがテレビやビデオゲームであれば、電源を切り、耳栓や防音保護具を装着することができる。でなければ、それが聞こえない場所へ移動する。そうすべきでないときに自分自身でテレビをつけたりビデオゲームを見たり遊んだりしてしまうのであれば、恐らく最も有効なアプローチはテレビやビデオゲームのコンソール(ゲームカートリッジを含む)を、人にあげたり捨てたりして処分することだ。病み付きになっているのがコンピュータビデオゲームであるならば、コンピュータからそのゲームをアンロードする。それでも辞められないなら、ゲームディスクを叩き割ることだ!しばしば注意散漫を起こさせる原因を取り除くことは選択肢にならない。他の人が関係しているからだ……。
    • 注意散漫の原因を取り除くことができない場合、または注意散漫が家族や同居人のような人によって引き起こされている場合、プロジェクトを続けられる静かな場所を見つけることだ。もし家の中にはないならば、どこか家の外を考えよう。車の中、図書館など。一部の人にとっては、逃げ出すためのオフィスやアパートを借りることや、一人暮らしを始めることも選択肢になる。
    • 注意を逸らす考えを捨てる。注意を逸らす考えやエネルギーを消費する考えが心にまとわりついているために、作業を始められないことがある。例えば、友人との衝突や、時間の使い方についてのベターな考えなど。こうしたこと全てをリストにしよう。書き留めてしまえばもはや以前のアイデアを忘れることがなく、後でそれに集中することができる。決してこれらの考えを先に処理してはならない。それらが先延ばしの原因になっているからだ!もし作業を妨げている考えがあまりに強すぎて自分では取り除いたり後回しにできないのなら、心理学者や精神科医の助力を求めるのが良いだろう。

合理的に考える

  • 全体を考える。これは所期の一連の行動全体にわたり、なぜそれぞれのステップが必要なのかを考え、それを完了させた結果どんな恩恵が得られるかを予想し、推論することである。また、その課題が終わらないと起こる悪影響についてリスト化することも、この訓練の一部である。バーチャルな飴と鞭。ゴールは不安要因を解決し、自分自身に何をする必要があるかを語りかけ、(タイムリミットを設けるなどして)途中で立ち止まらないように自分の世話をすることである。
  • 何をするかを意識的に決定するとは、自分の自動運転を止め、理性の存在下で能動的に知性を使うことである。すなわち、なにを、なぜ行うかを意識すること、その間も自分のアプローチを適用し改良するチャンスに注意することである。流れるままに動くのではなく、今なにをしているかを能動的に考えることである。

問題解決の技能を向上させる

自己管理技能を獲得する

プロジェクトを先延ばしにする傾向は、大まかにいってプロジェクトの難しさに比例する。そして難しさはプロジェクトを扱う技能に関連しているから、自己管理技能と組織化技能を向上させることが、プロジェクトの相対的な難しさを減らすことになり、よって気後れして先延ばしする可能性を減らすことになる。率直に言えば、単純な仕事は怖くない。プロジェクトを扱う技能が増すほどに、仕事は簡単になっていくのだ。

自己管理システムは作業に集中する助けとなる簡単な手順を提供し、プロジェクトとあなたの状況を掌握する助けになるだろう。誰もわざわざ失敗するために計画する人はいないが、多くの人が計画を立てる段階で失敗している。自己管理システムは計画が明確な焦点から外れないように保つのを助ける。以下に、自己管理システムの典型的な要素を挙げる:

  • ゴールビジョン
  • 企画
    • ゴール設定 - ゴールステートメントを書き留める。できるだけ詳しく書こう。
    • 選考基準を決める - あなたの計画を成功とするためにどんな仕様が備わっていなければならないか?が計画の選考基準である。
    • 戦略を立てる - ゴールへ到達するための方法をできるだけたくさん考えよう。必要に応じてそれらを調査しよう。これらの中からアクションプランを選ぶことになる。
    • アクションのコースを選ぶ - あなたの選択基準に合わせてアクションプランを選ぼう。
    • 選んだアクションプランをもっと細かく展開する - プランをタスクのレベルまで細かくしよう。
    • プランをアクションに織り込む(以下の節を見よ)

スケジューリング

タスクを一般的なやることリストに織り込む

一般的なやることリストは、スケジュール化する準備が出来るまでタスクを置いておく場所である。 典型的には、タスクを考えるたびに、忘れることがなく後で容易に見ることができる中央リストに書き留めることができるように、手軽に記録できるようなメモパッド(またはいつも開いておける電子ファイル)である。 タスクは一般的なやることリストから定期的により詳細な日々のタスクリストに織り込む。(以下の節を見よ)

タスクに優先順位をつける

それぞれのタスクは相対的な重要性をもっている(草刈りは試験勉強よりも重要性が低い)。 タスクには所要時間がある(草刈りは試験勉強よりも所要時間が少ない)。 ほとんどのタスクは時間に敏感である(草刈りはする時間を変えても良いが、試験勉強は所定の時刻までに終わらなければならない)。 優先順位をつけるとは、しばしば互いに相反するこれらを調整し、どのタスクを最初にやらなければならないかを決める技能である。

複数のタスクを同時に行っていて、あるタスクを終わらせることが別のタスクを始めるための前提条件になっているような状況では、最優先のタスクから成るクリティカルパスができる。

日々のタスクリストを作る

一日の終わりの寝る前か、一日の始まりの起きた直後に、その日一日のやることリストを作る。 その日に必要なこと、やっておくべきことの全てを一覧にする。 そのタスクを優先度の順番に並べるか、左の欄に優先度を数字で記入する。 一日を通して、リストに載ったそれぞれのタスクを、一度にひとつずつ、優先順位の順番で、処理することに集中する。 リストのタスクの一つを終えたら、チェック印をつけるか、×印で消す。

伝統的な手法では、通常はメモパッドかクリップボードを使い、紙と鉛筆で書く。 リストをルーズリーフバインダーに綴じて記録を残せるように、穴の開いたルーズリーフ紙も使われる。 しかし、現在ではそれと同じことができるいろいろなソフトウェアが利用可能である。 普及している多くのメールソフトにもタスクリストのアプリケーションが入っている。 PDAも同様である。

日誌をつける

何をしたかの記録をつけることは、自分の成果を評価することや自分の能力や行いの中の弱点(先延ばしにしているなど)を見つけ出す助けになる。 日々のタスクリストに完了した記録をつけているならば、それらが日誌として役立つ。 要するに、処理した問題、リストに載っていないタスクや主な活動の記録を残すことだ。

習慣を変える

ある意味、先延ばしは物事を始められない習慣である。 それはアクションではなく、むしろアクションの欠如である。 そして習慣ではなく、むしろ物事を始めるという習慣の欠如である。 もし物事を始める習慣が身に付いたら、始められないということはもはや問題にはならない。 逃避ではなく正しいタスクについて適用する限り、始めるということは、先延ばしにすることの逆である。

同時に、先延ばしによる進行中の問題は、悪い習慣の複合である。 幸運にも、古い悪習は新しい良い習慣で置き換えることができる。 自己鍛錬を通じて新しい良い慣習を身に付けることは、物事をから逃避し先送りにする悪習を消し去る鍵である。

21日の法則

「21日の法則」に関するワークブックが市販されている。 一般的に、新しい習慣を21日間守れたら、その新しい日課を忘れてしまう確率は大きく下がる。 これはデトックスや薬物依存を治療する離脱法にも通ずる。

変えるべき習慣を特定する

替わりとなる習慣を学ぶ

  • 学習のための時間をスケジュールする
  • 新しい習慣を学ぶ - 頭の中でその課題をすることをあらかじめ思い描く、それから課題を実際に始めることを下稽古する。

依存を止める

問題解決の技能

ここまでの戦略は先延ばしを消し去ることを狙ったものである。 しかし、陥落しない防御はない。 物事を先延ばしにするきっかけ、誘惑、傾向は、いつでも、どこでも現れるかもしれないからだ。 だから、問題を真っ向から処理するための、最前線を乗り切る問題解決の手法が必要になる。

気分からさっさと抜け出す

先延ばしは、考えが狭くなっていることに他ならない。 自分のはまり込んだ小さな箱しか見えず、どうやって抜け出すかしか考えられない。 しかし、本当は既に自由なのである。 人生の夢のために動くのも自由、計画するのも自由、達成するのも自由だ。 先延ばしを克服するちょっとした技とは、人生の水平線(すなわち夢)に視線を向け、そこに向かって進み、またその旅路を楽しむことだ。 常にそれに焦点を合わせていれば、先延ばしは朝霧のように消えて失せるだろう。

視野を保つ

いつかはやるとか、いつかはそうなる、というのではなく、今なにをしたいかの観点から夢を考えることは、 行動を呼び起こす呼び声である。 変化とはアクティブな過程である。 あなたはまさにこの瞬間にも何らかの旅路にあるのだが、問題は、正しい旅路であるのかどうか?である。 もしどこにも向かっていないとか、あるいは間違った方に向いている(物事を先送りするために失敗に向かっている)のであれば、ただ進路を正しく直し、生きたいような人生を生きればよい。 そしてもし、それが犠牲を払わなければならないということであれば、まさにそうするがよい! 何に向かって動いているのかを常に心にとどめつつ、既に習得した全ての手段を使い、必要とされる時間と労力を投下するのだ。 そして常に水平線に視線を向ける、すなわちあなたの夢とそれを実現する方法に焦点を合わせ、そして実際には一度にひとつの課題だけを実行すること。

プレッシャーを受けても冷静に

常にタスクリストを意識する

一度に一つのタスクに集中する

  • 最優先のタスクを見つけること。そしてそのタスクに集中し、それ以外の全てを一旦忘れること。最初のタスクを終えたときにのみ、リストの次の項目に進むこと。
  • 時間を限定して実行すること。ただ何かをするのではなく、ある決まった時間枠の中で実行すること。例えば、15分間皿を洗い、30分間手紙を書くように。タイマーを使って時間を管理するのがよい(最近の携帯電話には大抵タイマー機能がついている)。どれだけの時間従事すればよいかがわかっていれば、恐ろしいタスクもずっと楽になる。

不確実性を取り除く

しばしは人は、どこから始めたらいいか分からないという理由でタスクをためらったり回避したりする。 どうやってタスクを完了すればよいかが明瞭でないと、そのタスクはそのままの形では実行できない。 この場合の要点はタスクの選定である。 タスクの前提条件、すなわちあるタスクを始められる前に完了していなければならないような他のタスクへ切り替えることである。

もし何をしたらいいか、どのように実行したらいいかが分からない場合、デフォルトのタスクはそれを明らかにすることである。 もし問題を解くのに十分な知識が無いならば、必要な情報を探しだして学ぶことがデフォルトのタスクになる。

分割して処置する

  • プロジェクトを小さく分ける。プロジェクトを要素や小要素へ分割することにより、行うべき個別のアクションがわかるくらいの詳細レベルにすることができる。ひとたび個別のタスクに対するアクションが始まったら、あとはフローが始まるので、そのプロジェクトは自らの命を持ったように動きだし、本当に楽しくなるだろう。仕事が楽しければ時間はあっと言う間に過ぎ去る。
  • ひと口サイズの小片をかじる。座って本を一冊書くのではなく、1ページだけ書くようにする。1ページを書くのはたやすい。そのページを書き終えたら次のページを書き始めればよい。一般的に、30分から60分で完了できるように作業全体を計画するよう心がけるのがよい。

課題に慣れる

20時間かかる課題があるとして、しかもあまり好きでないとする。 これを大きな一つの塊と考えるならば、このつらい仕事は重くのしかかる。 そのようにアプローチするのではなく、5分間だけそれに従事してみるようにする。 すると、プレッシャーは無くなるだろう。 5分間ならばたやすい。 その5分間の間に、逃避は無意味だったこと、そして思っていたほどその活動がひどくはないことが実感できるだろう。 短時間でもひとたび課題と作業を始めたなら、最初にあったストレスは消えてしまい、課題を続けられそうな気分になるだろう。

利益が減少する点で止める

  • 完璧主義を止めることで多くの時間を節約できる。完璧な仕事をするのではなく、十分な仕事をするように心がける。完璧主義者はそうでない先延ばし者よりも物事を先延ばしにする傾向は少ないが、課題の最後のひと筆に必要以上の時間をかけてしまう傾向が強い。完璧主義を避け、「良い」または少なくとも「十分な」作業を努めることにより、目標のハードルを下げることができる。ハードルが低ければ低いほど成功するチャンスは大きくなる。そして成功を経験することこそ、より良い自己評価を生み出す唯一の方法なのである。

フィードバックと記録

  • 終わった課題に印を付けること。課題リストの左の余白に、既に終わった課題にチェック印を付ける。これが進行状況を示す指標になる。

休憩を計画する

ほとんどの人は通常の状況下では、作業1時間につき10分の休憩を取ったときに、最高の状態で作業ができる。

自分に報酬を与える

自分を動機付けるもう一つのやりかたは、自分に報酬を与えることである(心理学で言うreinforcementの手法)。 このアプローチでは、ほんのわずかな成果でも、完了すればそれにふさわしい報酬に値する(完了する前ではない)。 これには複数のアプローチがある:

  • 報酬体系を適用する。所定の時間を課題をこなすことに対して報酬を決める。例えばなにか嫌いなことを5時間やったら高級な食事をとる、20時間やったら映画に行ってもいいなど。
  • 報酬を与える人を任命することは報酬を先取りする誘惑を取り除くのに役立つ。もちろん、その人はわいろが効かない、努力を評価できる公平な人でなければならない。

報酬とそれ以外の受け取るべきこと(例えば食堂で食事をするとかテレビニュースを見るとか)の間には明確な区別をしなければならない。適切な報酬とは、何か楽しいことで、毎日することはできないようなものである。この境界線があいまいだと、報酬はもはや報酬ではなくなり、どちらにせよ「報酬」を受け取ることができるために結局先延ばしすることになりがちだ。

報酬システムをインチキ無しに厳密に運用するならば、先延ばしを克服する可能性は高い。 これは、仕事をすることに次第に慣れ、だんだんとより小さい報酬しか必要としなくなるためである。

相互支援を求める

  • グループで作業をする。あなたの仲間に、何をして何をしなかったかを告げるようにする。まずあなたが世話をする友人を見つけ、それから彼らの期待を満たすように行動すること。これは、仲間と一緒に働いている場合に最もよく作用する。すなわち、グループ内で怠惰でいると仲間を失う結果になるからだ。チームワークを理解し、全員がそれぞれの持ち分を完成させなければならないことを理解すること。また、チームで作業するのはエキサイティングでもある。いつでも他の人の頭から出てくるアイデアがあるのだから、それを使うことにより、自分自身のエネルギーを費やすことなく、自分の作業のスコープを延ばすことが出来うるのだ。
  • 先延ばし者匿名互助組織を結成する。自分以外にも「怠惰」な人がいることを聞いたことがあるに違いない。そこで、その人に接触を試みてみよう。先延ばしで苦しむということは、その人が他人から尊敬されないことを意味するから、その問題のことを他人には言いたいとは思っていないだろう。だからまずあなたから問題を抱えていると切り出してみよう。それがあなたの心の中を友人や家族に理解してもらうことにつながる。あなたの問題を人に告げることは、あなたの同胞の期待を高める。そして最後に、他人の期待を満たすことはとても価値の高い行いである。

関連項目

脚注

  1. 齋藤勇(2006年)」の3頁参照。

参考文献

  • 齋藤勇 『2008年版 PCN症候群を[先延ばし癖]を治せば、就職はうまくいく!』 学習研究社、2006年10月第一冊発行。