佐藤勉
佐藤 勉(さとう つとむ、1952年6月20日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(8期)、衆議院国家基本政策委員長。
総務大臣(第11代)・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)、国家公安委員会委員長(第79代)・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災)、総務副大臣(第1次安倍改造内閣・福田康夫内閣)、自由民主党国会対策委員長(第55代)、衆議院総務委員長、衆議院議院運営委員長、栃木県議会議員(3期)等を歴任。栃木県議会議員の佐藤良は長男。
来歴
栃木県下都賀郡壬生町生まれ。栃木県立壬生高等学校を経て、日本大学工学部土木工学科卒業。1975年に日大を卒業し、間組に入社する[1]。
栃木県議会議員を経て、1996年に第41回衆議院議員総選挙に自由民主党公認で栃木4区から出馬。新進党の山岡賢次らを破り、初当選。以後、栃木4区で連続4選。
党内派閥は宮澤派に所属するが、2000年の加藤の乱で加藤紘一と行動を共にして後は、小派閥に転落した旧加藤 - 小里 - 谷垣派に身を置き、谷垣派の解散に伴い古賀派に所属した[1]。
2006年、衆議院総務委員長に就任。2007年、安倍改造内閣で総務副大臣に就任し、福田康夫内閣でも再任された[1]。
2008年、麻生内閣で国家公安委員会委員長、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災)に任命され、初入閣。翌2009年6月、日本郵政のかんぽの宿売却問題をめぐり鳩山邦夫総務大臣が辞任したため、総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)を兼務する。7月の閣僚の補充人事により国家公安委員会委員長および内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災)に林幹雄が就任したため佐藤は退任し、9月まで総務大臣を務めた[1]。
同年8月の第45回衆議院議員総選挙では、栃木4区で民主党の山岡賢次に敗北。重複立候補していた比例北関東ブロックで復活し、5選。なお小選挙区比例代表並立制導入以来、過去4回の選挙では栃木4区で佐藤が山岡を破り、第42回衆議院議員総選挙以降の3回は山岡が比例復活する構図が続いていたが[2]、この選挙では佐藤が初めて選挙区で落選した。
2012年10月、所属していた古賀派を退会し、自由民主党総裁を退任後間もない谷垣禎一を中心に逢沢一郎、中谷元らが旗揚げした勉強会「有隣会」に参加。同年12月の第46回衆議院議員総選挙では、栃木4区で日本未来の党に移籍した山岡らを破り、6選。
2013年10月11日、体調不良のため辞任した鴨下一郎の後任として自由民主党国会対策委員長に就任した[3]。
2014年12月の第47回衆議院議員総選挙では、栃木4区で7選。
2017年5月12日、麻生派、山東派との合流へ向け有隣会を離脱。そして有隣会離脱者を中心とする「天元会」を設立し会長に就任[5]。その後7月3日、合流により新派閥志公会が発足。佐藤は会長代理に就任[6][7]。10月22日の第48回衆議院議員総選挙では、栃木4区で8選。
主張
- 日本のTPP参加に反対[8]。
- 日本の核武装について、将来にわたって検討すべきでないとしている[8]。
- 2002年に例外的に夫婦の別姓を実現させる会に参加している。一方、2014年のアンケートでは、選択的夫婦別姓制度導入に反対[9]、としている。
不祥事
- 日本歯科医師連盟から迂回献金
2004年の東京地検特捜部が摘発した日歯連闇献金事件の捜査過程において、2001年11月に日本歯科医師連盟から自民党を経由して、当時、厚生労働大臣政務官を務めていた佐藤に500万円が迂回献金として政治資金収支報告書に記載されずに渡っていた可能性が指摘された。民主党が佐藤を政治資金規正法違反容疑で告発し、特捜部は佐藤を収賄容疑で立件することも検討した[10]が、2004年12月、嫌疑不十分で不起訴処分とした[10][11]。その後、東京第1検察審査会による「不起訴不当」議決を受けて捜査を行ったが、2005年12月に再度不起訴処分とした[10]。
佐藤は2008年の国家公安委員会委員長就任時、献金は既に返金していると述べた[10][12]。
- 事前選挙運動疑惑
2008年9月25日に汚染米の不正転売事件について「私も今、選挙運動ということで農家などを訪れる」と述べたが、この発言が公職選挙法で禁止されている「事前運動」に当たるとして問題視された。実際に佐藤陣営では、過去2回の衆院選で、買収や供応などを行っており、公職選挙法違反で摘発された過去があった[13]。
- 談合6社から約1100万円献金
2009年6月25日の参議院総務委員会にて日本共産党の山下芳生より、自身が支部長を勤める自民党栃木県第4選挙区支部が、宇都宮市発注の公共工事や国土交通省発注の橋梁工事で談合したとして排除勧告を受けたり、指名停止を受けたりした企業6社から献金を受けていたと批判された[14]。
人物
- 2014年の第186回国会において、大臣、副大臣、政務官、補佐官、議長、副議長、委員長のいずれの要職にもついていなかったのみならず、質問、議員立法、質問主意書提出のいずれもなかったことが指摘された[15][16]。
所属団体・議員連盟
- 自民党たばこ議員連盟[17]
- 神道政治連盟国会議員懇談会[18]
- みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会[18]
- 日韓議員連盟
- 日本の前途と歴史教育を考える議員の会
- 例外的に夫婦の別姓を実現させる会
- TPP交渉における国益を守り抜く会
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 公式ホームページ プロフィール
- ↑ 1996年当時、山岡が所属していた新進党では原則、重複立候補が認められなかった。
- ↑ “佐藤勉氏が自民国対委員長に”. 下野新聞. (2013年10月12日). オリジナルの2013年12月19日時点によるアーカイブ。 . 2013閲覧.
- ↑ 衆院議運委員長に佐藤前国対委員長 日本経済新聞 2016年9月26日
- ↑ 佐藤勉氏ら新グループ設立 麻生、山東派と合流へ 日本経済新聞 (2017年5月12日) 2017年5月20日閲覧
- ↑ “自民派閥3派の合流決定 会長は麻生氏、党内第2勢力に”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社) . 2017閲覧.
- ↑ “新・麻生派、59人で発足 自民党第2派閥に”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社) . 2017閲覧.
- ↑ 8.0 8.1 “2012衆院選 北関東ブロック 自由民主党 佐藤勉”. 毎日jp (毎日新聞社) . 2013閲覧.
- ↑ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査、2014年。
- ↑ 10.0 10.1 10.2 10.3 “迂回献金疑惑の佐藤氏起用 国家公安委員会のトップに”. 共同通信社. 47NEWS. (2008年9月24日). オリジナルの2014年6月6日時点によるアーカイブ。 . 2014閲覧.
- ↑ 2008/09/24時事通信
- ↑ “国家公安委員長の一問一答 「献金、返金している」”. 共同通信社. 47NEWS. (2008年9月24日). オリジナルの2014年6月6日時点によるアーカイブ。 . 2014閲覧.
- ↑ 2008/09/25時事通信
- ↑ 談合6社から約1100万円献金
- ↑ 「国会議員三ツ星データブック」、186国会版 国会議員三ツ星データブック、特定非営利法人「万年野党」著。ISBN-13: 978-4905239239
- ↑ 国会質問も議員立法も質問主意書もない『オールゼロ議員』、64人全氏名を公開 BLOGOS 2014年10月15日
- ↑ “自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. . 2018年4月11日閲覧.
- ↑ 18.0 18.1 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
外部リンク
公職 | ||
---|---|---|
先代: 鳩山邦夫 |
総務大臣 第11代:2009年 |
次代: 原口一博 |
先代: 鳩山邦夫 |
内閣府特命担当大臣(地方分権改革) 第5代:2009年 |
次代: 一時廃止 → 新藤義孝 |
先代: 林幹雄 |
国家公安委員会委員長 第79代:2008年 - 2009年 |
次代: 林幹雄 |
先代: 林幹雄 |
内閣府特命担当大臣(防災) 第13代:2008年 - 2009年 |
次代: 林幹雄 |
先代: 林幹雄 |
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 第12代:2008年 - 2009年 |
次代: 林幹雄 |
先代: 大野松茂・田村憲久 |
総務副大臣 魚住裕一郎→谷口隆義と共同 2007年 - 2008年 |
次代: 石崎岳・倉田雅年 |
議会 | ||
先代: 棚橋泰文 |
衆議院国家基本政策委員長 2017年 - |
次代: 現職 |
先代: 河村建夫 |
衆議院議院運営委員長 第79代:2016年 - 2017年 |
次代: 古屋圭司 |
先代: 中谷元 |
衆議院総務委員長 2006年 - 2007年 |
次代: 渡辺博道 |
党職 | ||
先代: 鴨下一郎 |
自由民主党国会対策委員長 第55代:2013年 - 2016年 |
次代: 竹下亘 |