佐用町
佐用町(さようちょう)は、兵庫県の南西部に位置する町。西播磨県民局管轄区域。2005年(平成17年)10月1日、佐用郡の佐用町・上月町・南光町・三日月町が合併し、新たに佐用町(三代目)として発足した。本項では町制前の名称である佐用村(さよむら)についても述べる。
人口は県内41自治体中第36位、面積は県内第10位。
町づくりの合言葉は「ひと まち 自然がきらめく共生の郷 佐用」(佐用町総合計画より)。
地理
出雲街道と因幡街道の交わる位置にあり、千種川水系の佐用川(さよがわ)沿いの盆地に町が形成されているが、町域内の8割は山林が占めている。晩秋から冬にかけての早朝には、しばしば「佐用の朝霧」と呼ばれる霧が立ち込める。
- 河川:千種川
佐用の気候資料 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
降水量 mm (inches) | 45.9(1.807) | 65.8(2.591) | 99.8(3.929) | 109.8(4.323) | 153.1(6.028) | 177.5(6.988) | 212.7(8.374) | 124.1(4.886) | 168.6(6.638) | 93.7(3.689) | 58.4(2.299) | 49.8(1.961) | 1,373.1(54.059) |
平均降水日数 (≥ 1.0 mm) | 7.7 | 9.3 | 11.3 | 9.7 | 10.7 | 12.0 | 11.7 | 9.1 | 9.9 | 7.7 | 6.6 | 7.6 | 114.1 |
出典: 気象庁 |
隣接している自治体
歴史
古代の播磨国佐用郡の地。郡中心部の佐用町本位田甲には延喜式内社・佐用都比売賣(さよつひめ)神社が鎮座する。佐用都比売賣は『播磨国風土記』に登場する神で、別名・玉津日女命(たまつひめのみこと)と言う。玉津が兄である伊和大神(いわのおおかみ)と国の占有を巡って争った際に、鹿の腹を裂いてその血に種を撒き一夜で稲の苗を育て、その一夜苗を五月に植えたところ兄神が「五月夜に植えたな」と言ってその地から去ったことから、苗を植えた地域を「五月夜郡(さつきよのこおり)」と名付け、玉津日女も佐用都比売賣と名を変え農業の神として敬われるようになった[1][2]。『播磨国風土記』には佐用とは五月夜(さよ)の意であると説く。古書においては「さよ」は賛用、狭依、賛容などとも表記された[1]。
なお、佐用は元来「さよ」と読んでいたが、1955年(昭和30年)の合併時に「さよう」に読みを変更している。
- 1349年(南朝:正平4年、北朝:貞和5年) - 赤松氏一族の別所敦範が利神山に利神城を築く。
- 1600年(慶長5年) - 姫路藩主池田輝政の甥の由之により利神城に三層の天守閣と、平福の町並みの原型となる城下町の建設が開始される。
- 1609年(慶長14年) - 3万2千石に増加され、由之は備前国下津井城に転出する。
- 1615年(元和元年) - 輝政の6男池田輝興が兄で岡山藩主の忠継が死去したため、その遺領より佐用郡など2万5千石を分与されて、平福藩が立藩する。
- 1631年(寛永8年) - 赤穂藩主だった兄の政綱が継嗣無くして死去たために赤穂藩を嗣ぐこととなり、平福藩は廃藩となる。平福には旗本松平康朗が5千石で入り、明治までこの地を治める。
- その後山崎藩領、天領等を経る。
- 1697年(元禄10年) - 三日月藩(別名:乃井野藩)が立藩。1万5千石の城下町として森家9代174年の治世を行う。
- 1871年8月29日(明治4年7月14日) - 三日月藩を廃止して、三日月県が成立する。
- 1871年(明治4年)11月2日 - 姫路県に統合される。11月9日 - 飾磨県に改称する。
- 1876年(明治9年) - 第2次府県統合により兵庫県の所属となる。
- 1964年(昭和39年)4月1日 - 初代の町章を制定する[3]。
- 1966年(昭和41年)4月1日 - 船越山が県観光百選に選ばれる。
- 1971年(昭和46年)5月20日 - 兵庫県立昆虫館設立。
- 1975年(昭和50年)9月3日 - 上三河農村舞台が国の重要有形民俗文化財に指定される。
- 1980年(昭和55年)10月5日 - 南光町長選挙・山田兼三初当選。
- 1981年(昭和56年)
- 4月16日 - 救護施設「南光園」完成。
- 5月20日 - 初の高齢者教室開設。
- 5月25日 - 南光町国際障害者年推進本部発足。
- 7月28日 - 第1回障害者福祉の集いを開催。
- 1982年(昭和57年)1月15日 - 列車内成人式を行う。
- 1983年(昭和58年)
- 5月14日 - 文化センター完成。
- 6月1日 - 歯科保健センター開設。
- 12月2日 - 第1回健康まつり開催。
- 12月9日 - 「南光町福祉の日」制定、第1回福祉の日の集い開催。
- 1984年(昭和59年)
- 1985年(昭和60年)
- 1986年(昭和61年)
- 6月17日 - 防災行政無線局開局、放送を開始。
- 6月24日 - 第1回健康大学講座を開催。
- 8月22日 - 戦争と平和展を開催。
- 10月3日 - 歴史まつりを開催。
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(平成1年)11月1日 - 老人保健施設ハイムゾンネ開設。
- 1990年(平成2年)
- 7月22日 - 「ひまわりの里・みかわ」開園。
- 9月30日 - スポーツ公園若鮎ランド完成。
- 10月6日 - 「みなくるカーニバル」開催。
- この年 - 兵庫県立西はりま天文台公園開園、および兵庫県立西はりま天文台開所。
- 1991年(平成3年)
- 2月17日 - 若あゆロードレース大会開催。
- 3月31日 - 南光町オリジナル童話「二つのつえ」発行。
- 10月27日 - 季節外れのひまわり祭り開催。
- 12月12日 - 瑠璃寺にジャンボ絵馬設置。
- 1992年(平成4年)
- 1993年(平成5年)
- 3月7日 - 第1回千種川を活かした町づくりシンポジウム開催。
- 3月18日 - スウェーデンの工芸展を開催。
- 1994年(平成6年)
- 1995年(平成7年)
- 2月5日 - 瑠璃寺で第1回絵馬コンクールの表彰式が行われる。
- 5月15日 - ひまわり館が完成。
- 5月18日 - 「千種川ざっくばらんシンポジウム」を開催。
- 8月15日~8月20日 - 「平和のための戦争展」を開催。
- 10月22日 - 町の鳥に「カワセミ」を制定。
- 10月22日 - 農村舞台で全国子ども歌舞伎フェスティバルinなんこうを開催。
- 1996年(平成8年)9月 - 南光町長選挙で山田兼三が無投票で5選する。
- 1997年(平成9年)
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)
- 4月8日 - 保健福祉の総合センターセンターひまわりが完成。
- 7月20日〜7月30日 - ひまわり祭りに15万人が訪れる。
- 2000年(平成12年)
- 5月15日 - 若あゆランドにスコアボードが完成。
- 7月7日 - JR播磨徳久駅にひまわりの郷ふれあいセンターが完成。
- 7月15日〜30日 - ひまわり祭りに17万人が訪れる。
- 9月5日 - 南光町長選挙で山田兼三が無投票で6選。
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)
- 1月18日 - 三河地区の介護支援センター三河ふれあいセンターが完成。
- 4月1日 - 高齢者・障害者の送迎サービス(ひまわりサービス、タクシーと路線バスの乗車助成制度)がスタート。
- 6月25日 - インド・カルカッタからストリートチルドレンが佐用町立中安小学校を訪問し、インド民俗舞踊を披露。
- 7月20日〜28日 - ひまわり祭りに15万人が訪れる。
- 2003年(平成15年)
- 1月29日 - 南光町民1229名から佐用郡合併協議会設置請求が提出される。
- 4月6日 - 知的障害者通所授産施設の社会福祉法人はなさきむらが開設。
- 6月6日 - 佐用郡合併協議会を設置。
- 7月19日〜8月3日 - ひまわり祭りに15万人が訪れる。
- 9月21日 - 西播磨地区身体障害者スポーツ大会がひまわりドームで開催される。
- 11月1日 - 「南光町史」第3巻「近世編」を発行。
- 11月15日 - 全国歯科保健大会で南光町が歯科保健活動で厚生労働大臣表彰を受賞。
- 12月14日 - 三日月町で佐用郡の合併の是非を問う住民投票を実施し、僅差で「合併しない」が多数を占める。
- 2004年(平成16年)
- 1月31日 - 佐用郡合併協議会を解散。
- 2月3日 - ひまわり油などを使ったふるさと産品料理コンテストを実施。
- 3月6日 - 南光町文化センターで「みんなの姫新線を守ろう」JR姫新線利用促進フォーラムを開催。
- 7月1日 - 佐用町、上月町、南光町の3町による合併協議会が発足。
- 7月17日〜8月1日 - ひまわり祭りに15万人が訪れる。
- 8月13日 - 中三河でカッパ祭りを開催。
- 9月12日 - 南光町長選挙で山田兼三が7選。
- 9月23日 - 三日月町で2回目の住民投票を実施する。佐用郡との合併が多数を占める。
- 10月12日 - 佐用郡4町の合併協議会が再発足する。
- 11月11日 - 西はりま天文台で直径2メートルの望遠鏡の開所式を実施。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)3月31日 - 2代目の町章を制定する[4]。
- 2009年(平成21年)8月9日 - 台風9号の影響により佐用川(さよがわ)が氾濫し、山崩れなどの被害を受け、20人の死者を出した[5][6]。
- Flag of Former Sayo Hyogo.JPG
初代の佐用町旗
- Former Sayo Hyogo chapter.JPG
初代の佐用町章
- Flag of Sayo Hyogo.JPG
2代目の佐用町旗
- Sayo Hyogo chapter.JPG
2代目の佐用町章
行政区域の変遷
さよちょう 佐用町(初代) | |
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廃止日 | 1955年3月1日 |
廃止理由 |
新設合併 佐用町(初代)、平福町、長谷村、江川村、石井村→佐用町(2代目) |
現在の自治体 | 佐用町(3代目) |
廃止時点のデータ | |
地方 | 近畿地方 |
都道府県 | 兵庫県 |
郡 | 佐用郡 |
総人口 |
4,949人 (国勢調査、1950年) |
隣接自治体 | 佐用郡久崎町、長谷村、江川村、幕山村、西庄村、徳久村、中安村 |
さようちょう 佐用町(2代目) | |
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廃止日 | 2005年10月1日 |
廃止理由 |
新設合併 佐用町(2代目)、上月町、南光町、三日月町→佐用町(3代目) |
現在の自治体 | 佐用町(3代目) |
廃止時点のデータ | |
地方 | 近畿地方 |
都道府県 | 兵庫県 |
郡 | 佐用郡 |
団体コード | 28501-3 |
面積 | 115.78km2 |
総人口 |
8,274人 (推計人口、2005年9月1日) |
隣接自治体 |
兵庫県 宍粟市、佐用郡上月町、南光町 岡山県 美作市 |
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、佐用村・山脇村・真盛村・山田村・長尾村・本位田村・円応寺村の区域をもって佐用村(さよむら)が発足。
- 1928年(昭和3年)10月1日 - 佐用村が町制施行して佐用町(さよちょう、初代)となる。
- 1955年(昭和30年)3月1日 - 佐用町が平福町・長谷村・江川村・石井村と合併して佐用町(さようちょう、二代目)が発足。
- 2005年(平成17年)10月1日 - 佐用町が三日月町・上月町・南光町と合併して佐用町(三代目)が発足。
行政
歴代首長
3代目佐用町(2005年(平成17年) - )
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 |
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初代 | 庵逧(あんざこ)典章 | 2005年(平成17年)11月13日 | 現職 |
問題
- 小中学校統廃合問題
- 給食センター統廃合問題
- 平成21年台風第9号災害時に町の避難勧告が遅れ、本郷で多数の死者を出したこと。
- 仁方圃場整備問題
- さよさよサービスが隔日運行のため通院が不便
- 支所への権限低下による住民サービスの低下
経済
産業
- 第1次産業 549人(12.6%)
- 第2次産業 1,239人(28.4%)
- 第3次産業 2,577人(59.0%)
立地企業
金融
地域
人口
2010年(平成22年)国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、8.28%減の19,273人であり、増減率は県下41市町中40位、49行政区域中48位。
佐用町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
2014年(平成26年)5月8日に「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」が発表した2040年人口推計結果で、20歳から39歳までの若年女性の減少率が2010年(平成22年)比で68.2%となり、「消滅可能性都市」の1つとされた[7]。
人口推移
緑色で示したものが、旧佐用町及び佐用町の人口
また、青色を加えたものが現在の町域の人口
括弧内の数字は合併前の佐用町の人口
(なお、人口は国勢調査による各年10月1日時点のものである)
<参考 - #行政区域の変遷(市制町村制施行以後)>
教育
2015年4月現在[8]
- 小学校
- 中学校
- 高等学校
※ 播磨高原東小、中学校は播磨科学公園都市のたつの市域に所在
- 廃校となった学校
郵便局
無集配郵便局
- 西徳久簡易郵便局
- 東三日月簡易郵便局
- 中安簡易郵便局
交通
鉄道路線
一般路線バス
高速バス
- 佐用バスストップ(佐用IC)
- 葛根バスストップ
- 南光バスストップ
- 中国上月
- 中国ハイウェイバス(西日本ジェイアールバス・神姫バス)
- 大阪・新大阪 - 津山(急行便)
- 西日本ジェイアールバス
- 新神戸・三宮・神戸三田プレミアムアウトレット - 津山
- 中国ハイウェイバス(西日本ジェイアールバス・神姫バス)
- 佐用平福バスストップ
道路
- 高速道路
- 国道
- 県道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
宿場・集落
社寺
- 天一神社(延喜式内社、弥生時代創立と伝わる)
- 南光坊瑠璃寺 - 728年(神亀5年)行基による開創と伝える古寺、高野山真言宗別格本山、播磨西国三十三箇所第11番および新西国三十三箇所第33番札所、大護摩会式は2月第一日曜日
- 済露山高蔵寺 - 播磨西国三十三箇所10番札所
- 木造北条時頼坐像(最明寺蔵、国の重要文化財)
- 福仙寺
- 慶雲寺
- 最明寺
- 常福院
城跡・陣屋
博物館・資料館
ホール
- スターシャワーの森音楽堂「スピカホール」(H3)
その他の施設
公園など
- 兵庫県立西はりま天文台公園
- 三方里山公園
- 南光自然観察村
- 船越山モンキーパーク
- 若あゆランド
- 天然温泉佐用の湯
- 西新宿おじいちゃんとおばあちゃんの花しょうぶ園
- 笹ケ丘公園・笹ケ丘荘(町営宿泊施設)
- ビッグスライダー
- 南光ヒマワリ畑
- しゃくなげの里
- 味わいの里三日月
- けんこうの里三日月
- ふれあいの里上月[10]
自然
塚・墓所
祭事・催し
出身有名人
その他
郵便番号
- 佐用郵便局 - 679-53xx、679-52xx、679-55xx、679-56xx
- 三日月郵便局 - 679-51xx
脚注
注釈・出典
- ↑ 1.0 1.1 佐用姫『日本伝説叢書. 播磨の巻』藤沢衛彦 編 (日本伝説叢書刊行会, 1918)
- ↑ 佐用都比売命 さよつひめのみこと
- ↑ 第9回 佐用町・上月町・南光町・三日月町合併 慣行の取り扱い
- ↑ 図典 日本の市町村章 p160
- ↑ 8月9日からの大雨による被害について(第1報)
- ↑ 平成21年台風9号災害について(第5報)
- ↑ 久保聡、神足俊輔、丸井康充(2014年5月9日). “人口推計:県内2040年、21市区町「消滅可能性」 若年女性、新温泉で7割減”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 教育さよう 第20号 平成26年5月発行
- ↑ 広報さよう 平成27年2月号 Vol113
- ↑ 有限会社ふれあいの里上月HP
関連項目
外部リンク