佃 (東京都中央区)
佃 | |
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— 町丁 — | |
座標: 東経139度47分10.89秒北緯35.6658389度 東経139.7863583度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 東京都 |
特別区 | 中央区 |
地域 | 月島地域 |
人口 (2017年(平成29年)12月1日現在)[1] | |
- 計 | 14,696人 |
等時帯 | 日本標準時 (UTC+9) |
郵便番号 | 104-0051[2] |
市外局番 | 03[3] |
ナンバープレート | 品川 |
佃(つくだ)は、東京都中央区の町名である。現行行政地名は佃一丁目から佃三丁目。郵便番号は104-0051[2]。
Contents
概要
隅田川下流において、隅田川と隅田川派川の分岐点を北端とし、両河川により境界を画されつつ南方向に広がる区域に位置する[4]。1990年代から、東京都心に至近の高級タワーマンション街の先駆けとして名高い場所であった。
地理
河川・橋・堀
歴史
概要
現在の佃は「石川島」「佃島」と呼ばれた二つの島(江戸時代後期に一体となった)を起源としている。
明治時代に南に拡張され、1896年(明治29年)までに、旧来の島部(佃島(現在の佃1丁目および佃2丁目北部))と、明治期における埋立部(新佃島西町(現在の佃2丁目南部)および新佃島東町(現在の佃3丁目))をあわせた、現在に至る町域が確立した[5]。その後住居表示実施により行政上の住所が「佃」に統一され、今日に至っている。
江戸期
中世において隅田川の河口部に位置していた島(文亀[1501-04]古図にも見られ、森島、鎧島などと呼称されていた)を、1626年、旗本石川八左衛門重次が徳川家光から拝領し、その屋敷を構えたことから、その島が「石川島」と呼称されるようになった[6]。
一方、徳川家康と同時期に江戸に移住した摂津国の漁夫たちが、1645年、石川島近くの砂州に築島して定住することとなり、この島を故郷である佃村にちなんで「佃島」と命名した(古地図には「田」の字の島が描かれ、現在の地図においても同様の形状が佃一丁目の一部に確認できる)。
江戸(現在の東京)の佃島の漁民の故郷は大阪の佃村(現在の大阪府大阪市西淀川区佃)である。本能寺の変が起きた時、徳川家康はわずかな手勢とともに大坂、堺にいた。家康は決死の覚悟で本拠地の岡崎城へと戻ろうとしたが、神崎川まで来たところで川を渡る舟が無く進めなくなった。そこに救世主のごとく現れたのが近くの佃村の庄屋・森孫右衛門と彼が率いる漁民たちで、彼らが家康らに漁船を提供した。その結果、家康らは生きて岡崎に戻ることができた。後に家康が江戸に入った時、命を救ってくれた摂津・佃村の漁民たちを江戸に呼び寄せ、特別の漁業権を与えたのである。[7]
現在の佃1丁目・佃2丁目北部は、上記の石川島と佃島の場所に該当する。
明治期以降
水戸藩により創設された石川島造船所(現在のIHI(旧・石川島播磨重工業)の前身)が1876年(明治9年)に民間に払い下げられ、それが1979年(昭和54年)に操業停止するまで、旧来の佃島の部分を除き現在の佃の多くの部分はその敷地であった。
1986年(昭和61年)から、都心回帰の促進を図る目的で、8棟の超高層マンションを中心とする住宅群「大川端リバーシティ21」の整備が開始された。
個々の高さやデザインを少しずつ変えながらも全体として統一された外観を有し、明石町にある聖路加ガーデンと共に隅田川沿いのスカイラインを形成することになったリバーシティ21への評価は高く、開発主体である三井不動産の広告に度々使用される[8]など、都心部における居住エリア整備の成功事例と認識されている[9]。
世帯数と人口
2017年(平成29年)12月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]。
丁目 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
佃一丁目 | 1,328世帯 | 2,722人 |
佃二丁目 | 5,174世帯 | 10,394人 |
佃三丁目 | 935世帯 | 1,580人 |
計 | 7,437世帯 | 14,696人 |
小・中学校の学区
区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[10]。
丁目 | 番地 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|---|
佃一丁目 | 全域 | 中央区立佃島小学校 | 中央区立佃中学校 |
佃二丁目 | 全域 | ||
佃三丁目 | 全域 | 中央区立月島第一小学校 |
施設
教育
公園
企業
施設
観光
名所・史跡
文化財
東京都指定文化財
佃島盆踊り(念仏踊り)
東京都指定無形民俗文化財(民俗芸能)。1976年(昭和51年)1月16日指定[11]。指定名は、「佃島の盆踊」。文化財の所有者は佃島盆踊保存会とされていて、この会が踊りの継承・伝承の役割を担っている。曜日の並びに関係なく、毎年7月13日・7月14日・7月15日に実施される。場所は、佃1丁目の、佃小橋付近。音頭を取る人が太鼓に合わせて櫓の上で歌い、踊る人はその櫓を輪になって囲んで踊る。江戸幕府は、厳しい治安維持政策のために、江戸の中心部ではこの佃島の盆踊り(念仏踊り)を唯一の例外として、他で行われていた踊りを禁じた。その為、佃島の盆踊り(念仏踊り)が、東京中心部において、江戸時代から現在まで踊り継がれる唯一の盆踊り(念仏踊り)である。無縁仏や、水難による仏の供養が目的であるため、踊る人は、まず最初に、会場に設けられた仏壇で手を合わせる。
中央区指定文化財
以下には、佃には関係しているが、所在地が佃ではない文化財が含まれる[12]。
- 5.佃島沽券絵図 控
中央区民文化財
以下には、佃には関係しているが、所在地が佃ではない文化財が含まれる[12]。
- 1.住吉神社水盤舎
- 4.陶製 住吉神社扁額
- 8.佃島渡船場跡
- 12.白魚献上箱
- 13.住吉神社大祭の獅子頭宮出し
- 14.龍虎の獅子頭
- 15.黒駒の獅子頭
- 25.板絵着色蘭陵王図額
- 26.佃浪除稲荷神社の力石
- 33.木板金地着色蘆鷺図額
- 52.佃島渡船関係文書
- 54.住吉神社文書
- 66.紺糸威丸胴具足 附 具足櫃
- 69.住吉神社神輿
- 75.海水館跡
- 79.佃島沽券絵図 控
交通
鉄道
バス
- 都営バス東16系統(東京駅八重洲口-東京ビッグサイト・深川車庫) リバーシティ21/佃二丁目/月島駅前
- 都営バス深夜14系統(東京駅八重洲口-深川車庫) リバーシティ21/佃二丁目/月島駅前
- 都営バス門33系統(亀戸駅-豊海水産埠頭) 月島駅前
- 江戸バス南循環(中央区役所を起終点に環状運転) シニアセンター→佃二丁目
道路
- 東京都道463号上野月島線(清澄通り)
- 東京都道463号上野月島線支線(八重洲通り)
- 東京都道473号新富晴海線(佃大橋通り)
関連する人物
舞台・背景とした作品
以下に示す以外にも、細かい部分などで佃島がロケ地等として登場する作品やテレビ番組、テレビCMなどが数多く存在する。
ドラマ
- 『パパと呼ばないで』 - 主演は石立鉄男。日本テレビ水曜8時枠連続ドラマ。主人公の安武右京が佃に下宿している設定。
- 『てんつくてん』 - 主演は初代三波伸介。日本テレビ日曜8時連続ドラマ。主人公の佃昆が佃で天保時代創業の老舗の佃煮屋「天佃天」(てんつくてん)を営んでいる設定。
- 『御宿かわせみ』「第2シリーズ第5話・秋色佃島」 - 主演は真野響子。NHK水曜時代劇。第5話は、主人公の庄司るいが佃の漁師小屋で監禁される設定。後述の同名の小説が原作。
- 『わが町』 - 主演は渡辺謙。日本テレビ火曜サスペンス劇場。主人公の森田吾郎が「警視庁西月島警察署」の刑事課に勤務する巡査部長の刑事である設定。
- 『下町物語』 - 主演は勝新太郎。讀賣テレビ木曜ゴールデンドラマ。主人公の元太郎が佃に居住している設定。
- 『GOOD LUCK!!』 - 主演は当時SMAPの木村拓哉。TBS日曜劇場。主人公の新海元が佃に居住している設定。
- 『車椅子の弁護士・水島威』 - 主演は宇津井健。テレビ朝日土曜ワイド劇場。主人公の水島威が佃に居住している設定。
- 『4TEEN』 - 主演は角田紳太朗。WOWOWドラマW。後述の同名の小説が原作。主人公のテツローが佃の隣の月島の中学校「月島中学校」の生徒である設定であり、佃も舞台。
- 『御宿かわせみ』「第三章第4話・秋色佃島」 - 主演は高島礼子。NHK金曜時代劇。第4話は、主人公の庄司るいが佃の漁師小屋で監禁される設定。後述の同名の小説が原作。
- 『瞳』 - 主演は榮倉奈々。NHK連続テレビ小説第78作。主人公の一本木瞳が佃の隣の月島に居住している設定であり、佃も舞台。
- 『私立探偵・下澤唯』「悲しみの殺人迷路」 - 主演は高島礼子。フジテレビ金曜プレステージ。主人公の下澤唯が私立探偵であり、宇梶剛士演じる夫で調査員の下澤貴弘が失踪直前に佃での事件の調査に関与していたことがわかり、捜査を始める設定。
- 『遺留捜査』(「第2シリーズ」~2015年スペシャル) - 主演は上川隆也。テレビ朝日木曜ドラマ・日曜エンターテインメント・ドラマスペシャル。主人公の糸村聡が佃の隣の月島の警察署「警視庁月島中央警察署」に刑事課主任として勤務する警部補の刑事である設定であり、佃も舞台。
- 『お天気お姉さん』 - 主演は武井咲。テレビ朝日金曜ナイトドラマ。主人公の安倍晴子が佃に下宿している設定。
- 『東京センチメンタル』「第7話・佃島の恋」 - 主演は吉田鋼太郎。テレビ東京ドラマ24。第7話は、主人公の久留里卓三が佃の路地を散歩しながら名所案内をする設定。
- 『しんがん~警視庁お宝捜査』 - 主演は片岡鶴太郎。テレビ朝日日曜ワイド。主人公の宝井心眼が「警視庁佃島警察署」に勤務する刑事である設定。
漫画
- 『佃島パイレーツ』 - 村枝賢一作。主人公の諸橋広斗が、海賊団「佃屋」が佃島で営む屋形船「佃屋丸」を壊し、その代わりに働くこととなった放浪人である設定。
- 『3月のライオン』 - 羽海野チカ作。主人公の桐山零が居住する町の景観のモデル。後述のアニメ『3月のライオン』及び映画『3月のライオン』は、この漫画『3月のライオン』が原作。
アニメ
映画
- 『3月のライオン』(「前編」と「後編」の2部作) - 主演は神木隆之介、監督は大友啓史。前述の漫画『3月のライオン』の実写映画化作品。
- 結果として佃は舞台にはならなかったが、伊原剛志が主演した『ガメラ 大怪獣空中決戦』は、脚本の初稿の段階では、佃が舞台になる可能性があった[17]。
小説
- 『佃のわたし』 - 長谷川時雨作。
- 『鈍感な青年』 - 丸谷才一作。
- 『佃島ふたり書房』 - 出久根達郎作。佃島を舞台に明治・大正・昭和の激動期を描くフィクション。
- 『波のり舟の 佃島渡波風秘帖』 - 出久根達郎作。
- 『御宿かわせみ』「幽霊殺し・秋色佃島」 - 平岩弓枝作。前述のとおり、2度に渡りテレビドラマ化されている。
- 『4TEEN』 - 石田衣良作。第129回直木三十五賞(いわゆる直木賞)受賞作品。続編として、後述の小説『6TEEN』がある。
- 『6TEEN』 - 石田衣良作。前述の小説『4TEEN』の続編。『4TEEN』の2年後を描く。
- 『臨時廻り同心日下伊兵衛』「佃の渡し」 - 押川國秋作。
- 『耳袋秘帖』「佃島渡し船殺人事件」 - 風野真知雄作。
- 『佃島用心棒日誌』シリーズ - 早見俊作。第6回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞受賞作品。
- 『恋するハンバーグ 佃 はじめ食堂』 - 山口恵以子作。
随筆
- 『佃島月島游記 都会の島の物語』 - 岸川真作
浮世絵
楽曲
芝居
落語
- 『佃祭』 - 「情けは人の為ならず」という諺をテーマとした、住吉神社の夏の例祭で賑わう佃島と佃の渡しが舞台の江戸の古典落語の演目。現在落語家によって行われる演出は、5代目古今亭志ん生が演じた滑稽噺重視の演出と、3代目三遊亭金馬が演じた人情噺重視の演出の2通り。その他の主な演者は5代目三遊亭圓楽、5代目春風亭柳朝、瀧川鯉昇など。
- 『佃島』 - 品川から台場へ夜釣りに出た江戸っ子の一行が、嵐に遭い、漂流の末、佃島に流れ着くという設定の江戸の古典落語の演目。主な演者は2代目橘家蔵之助など。
季語
画像一覧
- OkawabataRiverCity21 from EitaiBridge.jpg
21世紀初頭の様子(永代橋より)。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 “町丁目別世帯数男女別人口”. 中央区 (2017年12月5日). . 2017閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 “郵便番号”. 日本郵便. . 2017閲覧.
- ↑ “市外局番の一覧”. 総務省. . 2017閲覧.
- ↑ 隅田川はどんな川? ,2015-05-10閲覧
- ↑ 佃地区 町名の由来 - 中央区ホームページ,2015-05-10閲覧
- ↑ 『新訂 江戸名所図会〈1〉』ちくま学芸文庫 p.204
- ↑ カネハツ「佃煮の由来」
- ↑ 「三井に住んでいます」キャンペーン,2015-05-10閲覧
- ↑ 再開発エリアに関するアンケート調査結果,2015-05-10閲覧
- ↑ “区立学校一覧”. 中央区 (2017年8月17日). . 2017閲覧.
- ↑ 佃島の盆踊 - 東京都文化財情報データベース
- ↑ 12.0 12.1 中央区文化財 - 中央区
- ↑ [1],2015-05-10閲覧
- ↑ [2],2015-05-10閲覧
- ↑ [3],2015-05-10閲覧
- ↑ [4],2017-10-25閲覧
- ↑ 「シン・ゴジラ」でゴジラが迂回した理由…樋口監督も登壇「大都市に迫る 空想脅威展」展示&トークショーレポ - 月刊ニュータイプ(2016年10月31日付)
関連項目
- 月島警察署 - 佃周辺の管轄にあたる。(所在地:晴海)
- 臨港消防署 - 佃周辺の管轄にあたる。(所在地:晴海)
- 築地本願寺
- 佃煮 - 佃発祥の東京名物
- 佃住吉講
- 隅田川の渡し(佃の渡し)
- 加役方人足寄場
- 佃 (曖昧さ回避)
外部リンク
- 中央区ホームページ
- 佃地区 町名の由来 - 中央区ホームページ
- 佃[月島・晴海エリア] - 中央区観光協会
- 佃島と月島