人工言語
人工言語(じんこうげんご、英語: constructed language 又は conlang、artificial language)とは、個人や団体などによって語彙や文法が人為的に作られた言語の総称である。
概説
民族や国家などにより「自然」に運用されてきたいわゆる自然言語の対義語である。
広辞苑第五版では、
としている(が、後述のように、フィクション作品内の言語として作られた言語など、このような2つの分類には当てはまらない人工言語もある)。例示はないが架空言語、空想言語の多くは形式言語ではなく 1 の側である。形式言語であるものもある。
英語のConstructed Languageは、主に 1 を指す。
以下でも述べるが、コミュニティによっては 1 の言語は自然言語に分類されることもある。
この記事では架空言語や空想言語を含む 1 の人工言語を扱う。2 については、形式言語およびコンピュータ言語を参照。
概要
人工言語は、異なる言語を話す人たちの間でコミュニケーションするための国際補助語として作られているものが有名である。そのほか、架空や空想の世界に登場させる(架空言語・空想言語)、秘密を守るため日記や手記で使う、言語の研究・趣味、等の目的のために作られている。言語が自然言語か人工言語かと言った分類は、言語の発展過程の差異に着目して行われる。人工言語の発展過程は計画的であるが、言語は自然言語,人工言語に関わらず、人工により作られる物である点に注意すべきである。
計画言語 (planned language) という用語も特に国際補助語を指すときに使われるが、これは人工言語という無機質なものをイメージさせる用語に対抗して使われる。エスペラントを話す人たちが、「エスペラントを人工言語と呼ぶのは、自動車を人工馬と呼ぶのに等しい」と例えたこともある。なお、自然言語処理という研究分野があるが、それでいう「自然言語」とは「形式言語ではないもの」であり、その区分ではエスペラントも自然言語である。
人工言語はしばしば、アプリオリな言語かアポステリオリな言語に分類される。アプリオリな言語は既存の言語(ほとんどの場合、自然言語)に基づかない語彙を持つ言語であり、それに対してアポステリオリな言語はその語彙が1つあるいは複数の既存言語から採られている言語である。しかしながら、どのようであれば既存言語に基づいていないと言えるのかという明確な判断基準が存在しているわけではなく、その境界線がはっきりしているとは言えない。
アポステリオリな言語はさらに、schematic 言語、すなわち計画的に簡単にされ、あるいはたくさんの自然言語をもとにして作られた言語と、naturalistic 言語、すなわち学習時間短縮のために特定の自然言語を元にして作られた言語に分けられる。
人工言語の例
詳細は「人工言語一覧」を参照
補助言語
19世紀に発表された言語
1950年までに発表された言語
1950年以降に発表された言語
- グロービッシュ
- 国際手話(ジェスチューノ)
- 地球同語
- ボアーボム(Babm)
- スペシャル・イングリッシュ
- ユーロパント
- リングア・フランカ・ノバ
- ログラン
- ロジバン
言語研究を目的とした人工言語
創作・架空言語
- アルダの言語 - J・R・R・トールキン
- クリンゴン語 - 『スタートレック』
- コバイア語 - マグマ
- ナヴィ語 - 『アバター』
- ニュースピーク - 『1984年』
- アディエマス語
- ヒュムノス語 - 『アルトネリコ』
- アルカ
- リパライン語
コンピュータ言語
コンピュータ言語およびプログラミング言語の一覧を参照。