京成千原線
停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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千原線(ちはらせん)は、千葉県千葉市中央区の千葉中央駅と市原市のちはら台駅を結ぶ京成電鉄の鉄道路線である。ちはら台駅以外は千葉市内にある。駅ナンバリングで使われる路線記号はKS。
Contents
路線データ
- 路線距離:10.9km
- 軌間:1435mm
- 駅数:6駅(起終点駅含む)- うち列車交換可能駅は4駅
- 複線区間:なし(全線単線) - ただし、複線化のための用地はすでに準備されている。
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:C-ATS
概要
千葉線の千葉中央駅からニュータウンであるおゆみ野・ちはら台方面へ向かうベッドタウン路線。千葉市中心部・幕張新都心・東京都心方面の通勤輸送が中心で、千葉線と直通運転をしている。
路線概況
千葉中央駅からしばらくの間は東日本旅客鉄道(JR東日本)の外房線と並行して走る。JR本千葉駅を過ぎたあたりで同線と別れ、その後左に大きく曲がりながら同線を乗り越えて進路を東へ向ける。京葉道路をくぐる手前で右に曲がって進路を再び南東へ向け、大森台駅を過ぎた後にさらに右に曲がり進路を南に向ける。外房線をくぐって学園前駅を過ぎると左に曲がって進路を東に向け、おゆみ野駅を出ると右に曲がって南に向かいちはら台駅に到達する。千葉市南東部の丘陵地帯を走り、大森台駅付近から学園前駅付近までと、ちはら台駅は掘割、その他は高架が中心となる。
運行形態
すべての列車が普通(各駅停車)で線内運転はなく、千葉線京成津田沼駅 - ちはら台駅間の直通運転を行っている。一部本線に直通する京成上野駅発着の普通列車も設定されている。
おおむね1時間あたり3本(20分間隔)程度の運行で平日朝は4本運転される時間帯がある。日中は20分間隔の等間隔運転で千葉線(10分間隔)の2本に1本が本路線に乗り入れる形である。なお、日中千葉線で運用される新京成電鉄の車両は乗り入れないが、新京成車両にも「ちはら台」の行先表示が備えられている。
駅ホーム有効長は8両編成に対応しているが、千葉線の駅が一部を除き6両編成のみの対応であるため、8両編成の列車は設定されていない。
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- Keisei chiba line 3300.jpg
「(千葉)ちはら台」行き方向幕を掲出して走行する3300形電車
歴史
開設経緯
元々、市原市を主に通る小湊鉄道が1950年代後半に免許申請した路線である。国鉄(現・JR東日本)内房線五井駅経由で千葉市中心部・東京都心へ通勤・通学していた客を、海士有木駅から分岐する新線で直接本千葉駅まで輸送する目的で考えられていた。当時、小湊鉄道線沿線では、光風台などニュータウンの造成が進んでおり、その輸送人員の増大と、沿線開発による運賃収入を当て込んでいた。
1957年に免許は下りたものの、小湊鉄道に新線を建設するだけの資金が無く、長らく放置されていた。1970年代に入り、住宅・都市整備公団による千葉市南東部・市原市北部にまたがるニュータウンが計画されると、当路線の免許区間の沿線になるため、ニュータウンへのアクセス路線として建設する案が浮上した。これに伴い、免許は京成電鉄や千葉県・千葉市・市原市などが出資する第三セクター会社・千葉急行電鉄に譲渡され、標準軌(1435mm)・1500V直流電化と、京成線の線路規格に揃えられ、起点も京成千葉駅(現在の千葉中央駅)に変更し京成千葉線に乗り入れる計画に変更された。
当初は、学園前駅付近からまっすぐに辰巳台・国分寺台を経由して海士有木に至る計画であったが、この変更に伴い、ルートを1.5kmほど東側にずらし、現おゆみ野・ちはら台のニュータウン区域を通るように変更された。ニュータウンの中央ではなく、南西の端をかすめるように通っているのはこのためである。
移管経緯
1992年(平成4年)に千葉急行電鉄千葉急行線として大森台まで開業し、1995年(平成7年)にちはら台まで延伸開業し、引き続き既存区間の複線化(1999年度目標)と辰巳台(ちはら台駅の南西)までの延伸が検討されていた[1]。しかし、バブル崩壊に伴うおゆみ野・ちはら台の開発の遅れによって、沿線人口は伸び悩んでいた。そして、土地取得費用が跳ね返った高額な運賃体系がネックとなって乗客が需要予測と比べて少なかったことや減価償却費や金利の負担により、千葉急行電鉄は債務超過に陥り破綻した。
これにより、1998年(平成10年)に筆頭株主であった京成電鉄が経営を引き継いだ。その後も千葉中央駅を除く各駅の駅名標や各種案内サインの多くは千葉急行電鉄の様式を継承しているが、近年は京成の標準様式に更新されたものもみられる。なお、移管と同時に未開業区間であるちはら台 - 海士有木間の免許も京成電鉄が譲り受けたが、延伸と既存区間の複線化については事実上凍結され、千原線の一日の利用者数が4万人に達した時に検討するとしている[2]。
年表
- 1957年(昭和32年)12月27日 - 小湊鉄道が本千葉駅 - 海士有木駅間の地方鉄道業免許を取得。
- 1975年(昭和50年)12月20日 - 地方鉄道業免許が小湊鉄道から千葉急行電鉄に譲渡。
- 1977年(昭和52年)3月30日 - 路線の一部変更(学園前駅以南の経路変更)が認可。
- 1992年(平成4年)4月1日 - 千葉急行電鉄千葉急行線 千葉中央駅 - 大森台駅間 (4.2km) 開業。
- 1995年(平成7年)4月1日 - 大森台駅 - ちはら台駅間 (6.7km) 延伸開業。
- 1998年(平成10年)10月1日 - 京成電鉄が譲受。同社の千原線となる。
- 2016年(平成28年)12月10日 - 列車保安装置を開業以来使用されていた1号線型ATSからC-ATSへ更新[3]。
- 2019年(平成31年)10月14日 - ちはら台 - 海士有木間事業免許の着工期限[4]。
合算運賃・高運賃問題
千葉急行電鉄時代の運賃体系を継承し、他の京成線とは別運賃扱いで、キロ数計算が千葉中央駅で打ち切られ、千原線と他線の運賃を合算する形式になっている。同時に線内運賃も千葉線・本線やJR東日本の幹線に比べ高水準である[5]。
千原線を経由すると高負担になることから、沿線住民でも利用を敬遠することがある。おゆみ野駅から千葉中央駅への運賃が320円(ICカード利用で319円)なのに対し、JR外房線の鎌取駅から千葉駅への運賃は200円(ICカード利用で195円)と安価なため、千原線沿線に住みながらJR線を利用する住民も存在する[6]。
住民からの値下げ要望があり、2011年の日本共産党緑区委員会らによる千葉県知事との交渉では、沿線開発が進み当初の3 - 4倍に利用者が増えている事実を示し、京成電鉄に対し運賃引き下げの指導を行うよう要請した。この要請に対して千葉県交通計画課は、「運賃値下げは利便性向上の一つであるとして、住民の値下げ要望を京成電鉄に伝え、値下げ効果のシミュレーション実施などの提案を検討する」と回答している[6][7]。
駅一覧
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 接続路線 | 線路 | 所在地 | |
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直通運転区間 | 京成千葉線京成津田沼駅まで(日中) 京成千葉線経由京成本線京成上野駅まで(日中以外) | ||||||
KS60 | 千葉中央駅 | - | 0.0 | 京成電鉄: 千葉線(直通運転:上記参照) | ∨ | 千葉市 | 中央区 |
KS61 | 千葉寺駅 | 2.5 | 2.5 | | | |||
KS62 | 大森台駅 | 1.7 | 4.2 | ◇ | |||
KS63 | 学園前駅 | 3.1 | 7.3 | ◇ | 緑区 | ||
KS64 | おゆみ野駅 | 1.5 | 8.8 | | | |||
KS65 | ちはら台駅 | 2.1 | 10.9 | ∧ | 市原市 |
その他
脚注
- ↑ 『ちばの鉄道一世紀』 白土貞夫、崙書房出版、1996年 ISBN 4-8455-1027-8
- ↑ 京成千原線と小湊鉄道海士有木迄の延伸について-市原市
- ↑ “京成全線でデジタルATS「C-ATS」の整備が完了します” (PDF) (プレスリリース), 京成電鉄株式会社, (2016年12月2日) . 2016閲覧.
- ↑ 『平成22年度鉄道要覧』
- ↑ 2014年4月現在の営業キロ10キロの大人普通旅客運賃(切符購入の場合)は京成本線・千葉線190円、JR東日本幹線200円、千原線320円となっている(各社公式サイトより)
- ↑ 6.0 6.1 しんぶん赤旗2011年5月24日付け首都圏版
- ↑ 京成千原線の運賃値下げの要望(千葉市議会議員ふくなが洋)