井原鉄道井原線
井原線(いばらせん)は、岡山県総社市の総社駅から同市の清音駅を経て広島県福山市神辺町の神辺駅に至る井原鉄道の鉄道路線である[1]。
このうち総社駅 - 清音駅間は、西日本旅客鉄道(JR西日本)伯備線との共用区間で、両線に属する重複区間ともなっている[1]。
路線データ
- 区間(営業キロ):総社 - 神辺間 (41.7km)[1]
- 軌間:1,067mm
- 駅数:15駅(起終点駅・総社駅含む)[1]
- 複線区間:総社 - 清音間
- 電化区間:総社 - 清音間電化(直流1,500V)、清音 - 神辺間非電化
- 閉塞方式:総社 - 清音間 自動閉塞式、清音 - 神辺間 自動閉塞式(特殊)
- 最高速度:95km/h
- 保安装置:ATS-SW
- 列車無線:空間波無線方式(JR Cタイプ)
運転
1時間あたり1 - 2本程度が運行されている。原則として総社駅・清音駅 - 神辺駅間での運転であるが、車両基地のある早雲の里荏原駅や井原駅を始発・終着とする区間列車も設定されている。神辺側では一部の列車がJR福塩線に乗り入れ、福山駅まで直通運転される。全列車が各駅に停車する普通列車で、通過駅を伴う列車は設定されていない。
車両
- IRT355形 - タイプによって、0番台(基本番台)、100番台、200番台に分けられる。
歴史
1913年(大正2年)11月17日に井笠鉄道が笠岡 - 北川 - 井原間の本線を開業以来、北川 - 矢掛間の矢掛線、井原 - 神辺間の神辺線の各軽便鉄道路線を運営していた。一方の日本国有鉄道(国鉄)は倉敷 - 清音 - 矢掛間のバス路線を運行し、また吉備線の延伸路線として総社 - 井原 - 神辺間を結ぶ井原線を計画していた。
1966年(昭和41年)5月14日に国鉄井原線の起工式がおこなわれ国鉄新線として工事着手。起工に合わせるように1967年(昭和42年)に井笠鉄道の神辺線・矢掛線が、1971年(昭和46年)に本線が廃止となった。井笠鉄道の線路跡は日本鉄道建設公団に買収され活用されることになった。
1980年(昭和55年)国鉄再建法施行により国鉄井原線は建設中止となった[1]。
国鉄井原線の建設中止の後、1986年(昭和61年)に「井原鉄道」が岡山・広島県と周辺自治体が中心になり設立され、すでに完成していた高架線や路盤を利用し1987年(昭和62年)から工事が再開された[1]。再開にあたり、総社 - 清音 - 吉備真備間は、総社市西部の交通網が脆弱なこと、真備町西部は清音駅利用エリアであること、真備町と地域的な繋がりが深いが直通交通機関が無いこと、また大規模な団地・企業団地が造成されることなどを理由に総社市西部を大回りで通す案も検討されたが採用されなかった。
1998年(平成10年)6月30日にレール締結式がおこなわれた[1]。
1999年(平成11年)1月11日に井原線総社 - 清音 - 神辺間が開業。最初の営業列車の出発式は11時11分11秒と、年(和暦)、月、日、時、分、秒にすべて“1”が揃った時におこなわれた[1]。
倉敷 - 清音 - 矢掛間のバス路線は西日本旅客鉄道(JR西日本)を経て中国ジェイアールバスへ承継され、井原鉄道井原線の開業に伴い、開業翌日の1月12日に井笠鉄道バスへ移管されたが、同社廃業により2012年10月31日をもって廃止された。
年表
- 1999年(平成11年)1月11日 - 総社 - 神辺間が開業[1]。
- 2003年(平成15年)10月1日 - 総社駅乗り入れ列車を削減。
- 2010年(平成22年)
- 2012年(平成24年)4月1日 - 井原鉄道の神辺駅を無人化。
- 2014年(平成26年)8月1日 - 井原鉄道の神辺駅を再有人化[3][4]。
- 2017年(平成29年)5月21日 - 井原線開業後の利用者数がのべ2000万人に達し、井原駅で記念式典を開催[5]。
- 2018年(平成30年)
駅一覧・接続路線
- 線路 … ∥:複線区間、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能)、∨:ここより下は単線
- 総社駅 - 清音駅間は西日本旅客鉄道(JR西日本)伯備線との共用区間。
- 駅名欄の背景色が■である駅(総社駅 - 備中呉妹駅)は、平成30年7月豪雨の影響による不通区間の駅および営業休止中の駅を示している(2018年7月14日現在。ただし総社駅 - 清音駅間のJR伯備線の列車は運行中)。
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 | 線路 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
総社駅 | - | 0.0 | 西日本旅客鉄道:V 伯備線・U 吉備線(桃太郎線) | ∥ | 岡山県 | 総社市 |
清音駅 | 3.4 | 3.4 | 西日本旅客鉄道:V 伯備線 | ∨ | ||
川辺宿駅 | 2.6 | 6.0 | | | 倉敷市 | ||
吉備真備駅 | 2.2 | 8.2 | ◇ | |||
備中呉妹駅 | 2.9 | 11.1 | | | |||
三谷駅 | 4.0 | 15.1 | ◇ | 小田郡矢掛町 | ||
矢掛駅 | 3.1 | 18.2 | ◇ | |||
小田駅 | 5.2 | 23.4 | | | |||
早雲の里荏原駅 | 3.4 | 26.8 | ◇ | 井原市 | ||
井原駅 | 3.7 | 30.5 | ◇ | |||
いずえ駅 | 1.8 | 32.3 | | | |||
子守唄の里高屋駅 | 1.8 | 34.1 | | | |||
御領駅 | 3.5 | 37.6 | ◇ | 広島県 | 福山市 | |
湯野駅 | 1.9 | 39.5 | | | |||
神辺駅 | 2.2 | 41.7 | 西日本旅客鉄道:Z 福塩線 | |[注 1] |
脚注
注釈
- ↑ 井原鉄道の行き止まりホームは単式だが、JR福塩線のホームに乗り入れる場合は列車交換可能。
出典
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「RJ390
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 深坂勝彦 (2010年3月4日). “井原鉄道がダイヤ改定”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 34
- ↑ “8月から神辺駅を再び有人化 井原鉄道、利用者増に対応”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2014年7月24日) . 2014閲覧.
- ↑ 草町義和 (2014年7月27日). “井原鉄道の神辺駅、8月から再び有人化”. Response. (イード) . 2014閲覧.
- ↑ “開業18年で乗客2000万人…井原鉄道、記念式典を実施”. Response. (2017年5月22日). . 2017閲覧.
- ↑ 平成30年台風第7号及び前線等による被害状況等について(第7報) (PDF) - 国土交通省 災害情報、2018年7月7日 5:00現在
- ↑ 運転の一部再開について - 井原鉄道公式サイト、2018年7月9日
- ↑ 鉄道の運転再開及び代行バス等の運行開始の見通しについて(7月17日17時時点) (PDF) - 国土交通省 2018年7月18日閲覧