五台山 (中国)
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英名 | Mount Wutai | ||
仏名 | Mont Wutai | ||
面積 | 18,415ha(緩衝地域42,312ha) | ||
登録区分 | 文化遺産 | ||
登録基準 | (2),(3),(4),(6) | ||
登録年 | 2009年 | ||
公式サイト | 世界遺産センター(英語) | ||
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五台山(ごだいさん)は、中国山西省東北部の五台県にある古くからの霊山である。標高3,058m。仏教では、文殊菩薩の聖地として、古くから信仰を集めている。旧字表記では五臺山。別名は清涼山。2009年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。
概要
山名の由来は、この山が五つの主要な峰によって構成されていることによる。
- 東台 望海峰
- 西台 掛月峰
- 南台 錦繍峰
- 北台 叶斗峰(最高峰。海抜3058m)
- 中台 翠岩峰
山内には、北魏の時期に大浮図寺と呼ばれる寺が建立され、それ以後、多数の山岳寺院が建立された。
その最も繁栄した時期には、300以上の寺が林立していたといわれる。観音菩薩の霊場である普陀山と、普賢菩薩の霊場である峨眉山、地蔵菩薩の霊場である九華山と並んで、中国仏教の聖地とされる(中国三大霊山、中国四大仏教名山)。現在でも、台内に39ヶ寺(南山寺、顕通寺、塔院寺、碧山寺、普化寺、観音洞、龍泉寺、金閣寺など)、台外に8ヶ寺(延慶寺、南禅寺、秘密寺、尊勝寺など)で、合計47ヵ寺の寺院が存在する。
日本の平安時代から鎌倉時代の入唐僧や入宋僧の多くも、天台山と共に率先してこの山を訪れた。また、チベット仏教の教徒の尊崇も集めており、菩薩頂と呼ばれる寺院のある五台山は、中国内地では、漢伝仏教とチベット仏教との唯一の共通の聖地となっている。
世界遺産
2009年の第33回世界遺産委員会で世界遺産リストへの登録が認められた。複合遺産としての推薦だったが、文化的景観としては認められたものの、自然遺産としての価値は認められず、文化遺産としての登録となった。登録物件には唐代の建立である佛光寺が含まれる。
登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
- (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
- (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
関連項目
参考文献
- 藤善真澄著『参天台五臺山記の研究』(関西大学東西学術研究所、2006年)ISBN 4873544319
- エドウィン・O・ライシャワー著『円仁唐代中国への旅:『入唐求法巡礼行記』の研究』(講談社、1999年) ISBN 406159379X
- 鎌田茂雄著『中国四大霊山の旅:光の中の菩薩たち』(佼成出版社、1987年) ISBN 4333013151
外部リンク
テンプレート:中華人民共和国国家級風景名勝区
座標: 東経113度33分48秒北緯39.03056度 東経113.56333度