二宮町
二宮町(にのみやまち)は、神奈川県の南部に位置する町である。中郡に属している。
Contents
地理
南は相模湾に面し、海岸線と平行するように西湘バイパス・国道1号(東海道)・東海道本線が東西に横断する。北部は大磯丘陵(大磯地塊)とよばれるなだらかな丘陵地が東西に伸びており、この間を小田原厚木道路が通っている。町の中央部を葛川が、西部を中村川(河口付近では押切川)が流れている。
町の名前は、町内にある川勾神社が「相模国二之宮」であることに由来する。行政区域では湘南に属しているが、市町村合併、ごみ処理広域化などで合意に至らないことも多い。住民の中の若年層の伸び悩みで、活性化が期待されている。
1964年開通の太平洋横断海底ケーブルの、グアム - 日本線の終端陸揚地として、二宮中継所が置かれた。この海底ケーブル(電話換算で128回線分)の運用開始により、日米間の即時通話が可能になった。現在は光ファイバーケーブルに更新している。旧来のケーブルは1990年に運用を終了したが、現在は東京大学地震研究所に譲渡され、地震予知やプレートテクトニクスなどの研究に用いられている。相模トラフ沿いで発生すると考えられている巨大地震に対し対策が検討されている。2015年3月「津波浸水想定検討部会」は将来的な津波浸水予測を発表し、二宮町で17.1mの津波が襲う可能性を指摘し、ハザードマップの見直しが図られている[1]。
郵便番号は以下の通りとなっている。二宮郵便局:259-01xx、255-00xx、255-85xx、255-86xx、255-87xx。
人口
二宮町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
歴史
- 1889年(明治22年)4月 一色村・川匂村・中里村・二宮村・山西村が合併して吾妻村となる。
- 1935年(昭和10年)11月 町制を施行し二宮町となる。(11月3日は町制記念日となっている)
- 2002年(平成14年)1月 「湘南市研究会」に参加(翌2003年5月26日解散)[2]
行政
- 町長:村田邦子(2014年11月30日就任、1期目)
歴代首長
代 | 氏名 | 在任期間 |
---|---|---|
初代 | 杉崎源蔵 | 1935年 - 1939年 |
2 | 小林善太郎 | 1939年 - 1941年 |
3 | 川上一郎 | 1941年 - 1945年 |
4 | 古澤鎮男 | 1945年 - 1947年 |
5 | 柳川菊太郎 | 1947年 - 1951年 |
6 | 池田計次郎 | 1951年 - 1952年 |
7 | 市川佐太郎 | 1952年 - 1955年 |
8-9 | 西山喜八郎 | 1955年 - 1962年 |
10-11 | 古澤新 | 1962年 - 1970年 |
12-16 | 柳川賢二 | 1970年 - 1990年 |
17-18 | 西山喜徳郎 | 1990年 - 1998年 |
19-20 | 古澤吉郎 | 1998年 - 2006年 |
21-22 | 坂本孝也 | 2006年 - 2014年 |
23 | 村田邦子 | 2014年 - |
議会
町議会
所属政党 | 議席数 | 議員名 |
---|---|---|
無所属 | 11 | 根岸ゆき子、前田憲一郎、桑原英俊、杉崎俊雄、善波宣雄、露木佳代、 野地洋正、小笠原陶子、栁川駅司、二見泰弘、添田孝司 |
公明党 | 1 | 二宮節子 |
日本共産党 | 1 | 渡辺訓任 |
神奈川ネットワーク運動 | 1 | 一石洋子 |
神奈川県議会
- 選挙区:中郡選挙区(大磯町・二宮町で構成される)
- 定数:1名
- 任期:2015年(平成27年)4月30日~2019年(平成31年)4月29日
氏名 | 会派名 | 当選回数 |
---|---|---|
池田東一郎 | 県政会神奈川県議会議員団 | 1 |
財政
平成18年度
- 財政力指数 0.85 神奈川県市町村平均 1.05
- 経常収支比率 90.1%
- 人口一人当たり人件費物件費等決算額 11万0592円
- 人口一人当たり地方債現在高 19万9427円 普通会計分のみ 神奈川県市町村平均 47万6542円
- 実質公債費比率 7.0% 神奈川県市町村平均 19.5% きわめて健全な数字である。
- 人口1000人当たり職員数 6.61人 神奈川県市町村平均 6.59人
- 内訳 一般職員158人(うち技能労務職11人) 教育公務員 2人 消防職員 41人 合計201人
- 町職員一人当たり平均給料月額 28万9400円 すべての職員手当を含まない数字
- 職員一人当たり人件費概算値(年額)834万9154円
- ラスパイレス指数 91.8 神奈川県市町村平均 93.9
- 普通会計歳出に占める人件費比率 24.0%
地方債等の残高
- 1普通会計分の地方債 60億6100万円
- 2特別会計分の地方債 68億3100万円 おもに下水道事業特別会計分 68億1000万円
- 3関係する一部事務組合分の債務 0円
- 4第三セクター等の債務保証等に係る債務 0円
- 二宮土地開発公社、(財)かながわ海岸美化財団
地方債の合計 128億9200万円(普通会計分+特別会計分)
- 二宮町民一人あたりの地方債残高 42万4218円
経済
産業
明治6年、二見庄兵衛が韓国産のラッカセイ種子を入手し、試作した。明治15年、この匍匐性落花生から立落花生を選別した。
- 漁業
教育
学校教育
町立のすべての小中学校において学校給食が実施されている。
小学校
中学校
- 二宮町立二宮中学校
- 二宮町立二宮西中学校
- 星槎学園中等部
高等学校
- 神奈川県立二宮高等学校
- 星槎学園高等部湘南校
社会教育
ホール・集会場
- ラディアン(生涯学習センター)
- ふるさとの家
図書館
博物館
- 徳富蘇峰記念館
美術館
- 町立ふたみ記念館
公民館
- 二宮町公民館
体育施設
交通
鉄道路線
隣接自治体への連絡
近隣自治体への連絡
バス路線
- 神奈川中央交通西(神奈川中央交通)
- 二宮駅(北口・南口) - 団地中央のバス停を中心にバス網が構成されている。
- 二宮町コミュニティバス
- 平日の昼間に町内を巡回するコースで運行されている。神奈川中央交通西が運行。
県庁への連絡
JR東日本東海道本線で横浜駅乗換え、みなとみらい線で日本大通り駅下車。
広範囲な連絡
- 鉄路
- 道路
- 町南部に国道1号が通っている。
- 隣接する中井町に東名高速道路秦野中井インターチェンジがある。
道路
有料道路
- 但し、二宮IC・大磯IC間は、料金所を通らないため、料金は不要となる。
- 但し、大磯西ICから下り方面に行く場合は、西湘二宮ICと橘ICへの出口が無く、橘料金所を過ぎないとバイパスから出られないため有料となるが、橘料金所を過ぎてからバイパスに入れる橘ICからの上り方面は、各ICから出ることができる。つまり、橘ICから大磯(東・港・西)ICの上り区間は無料となる。
一般国道
都道府県道
- 主要地方道
- 一般県道
- 神奈川県道703号二宮停車場線
- 神奈川県道709号中井羽根尾線(小田原市との境界線上に終点の交差点が位置するのみ)
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 吾妻神社
- 川勾神社
- 吾妻山公園 - 古墳時代後期から奈良時代に造られた横穴墓群。鉄砲田、大日ヶ窪、鶴巻田、八重久保、谷戸入、倉上、古屋敷古墳群が現存する。大日ヶ窪古墳群は、緑が丘地区が造成されたときに、保存状態が良いものを残し、潰された。現在は、古墳公園として、その跡地を残している。
- 神奈川園芸試験場跡 - 湘南レッドなどが開発された。現在その土地は生涯学習センター、果樹公園となっている。
- 徳富蘇峰記念館 - 蘇峰の秘書塩崎彦市が、昭和44年に自宅敷地内に建設したもの。蘇峰宛の書簡約4万6千通、『近世日本国民史』『蘇峰自伝』など蘇峰の著作を中心とした図書約1万点などを所蔵している。
- せせらぎ公園 - 「かながわ花の名所100選」に選出されている。
出身者・在住者
- 出身者
- 米田純 - 楽天イーグルス取締役球団代表。
- 鈴木真理 - 自転車競技選手。アテネオリンピック代表。
- 諸星裕 - 桜美林大学副学長。
- 谷八郎 - 中央競馬調教師。
- 二見利節 - 画家。
- 柴野拓美 - 小隅黎・SF作家・翻訳家。
- 在住者
二宮町を舞台にした作品
海岸の小さな町の駅に下りて、彼は、しばらくものめずらしげにあたりを眺めていた。駅前の風景はすっかり変っていた。突然、彼は化石のように足をとめた。青々とした葉を波うたせたひろい芋畑の向うに、一列になって、喪服を着た人びとの小さな葬列が動いている。… — 山川方夫『夏の葬列』1955年の冒頭部分[5]
秋の朝だ。私はいま二宮の町を歩いている。私は、まず郵便物を局に持って行き、それから妻の好きな無花果をいくつか八百屋で買い、ついでに薬屋で、ほとんど中毒しかけているアンプル入りの風邪薬を買い、その帰りに、じつはこれはまだ妻の許可を得てはいないが、本屋で『鉄腕アトム』の最新号を買ってくるつもりでいる。… — 『最初の秋』冒頭部分[6]
脚注
外部リンク