中野市
善光寺平の北東部に位置する北信州の中心都市。
Contents
地理
市の中心部は高社山として知られる高井富士と、蛇行する千曲川の中間に位置している。高度の高い山ノ内町から市内中心部にかけては扇状地と呼ばれるなだらかな下り坂になっており、この傾斜を利用して果樹園などが造られている。扇状地の下端には「延徳田んぼ」として知られる水田地帯が広がっている。この地帯はかつて千曲川の度重なる氾濫によって水がたまり、「エンドウ湖」とよばれる湖を形成していたと伝えられている。16世紀ごろから中野堰と呼ばれる用水路が次第に整備され、エンドウ湖のあった一帯が水田に整備されていった。山ノ内町から扇状地に沿って、千曲川の支流である夜間瀬川が流れている。
市内中心部では、以前、街路の中央に生活用水の流れる川があった。これは中山晋平作曲の中野小唄にも「町の真ん中に川がある」と唄われている。一部の街路(桜木町通りなど)が区画整理以前から通常よりも広くなっているのはこのためである。
また、市の北側にある深沢地域には「十三崖」と呼ばれる、太平洋戦争中に建設された地下壕が残っている。これは松代大本営計画の一環として作られたものであり、弾薬庫として使われる予定であった。現在、この地下壕跡は野生のチョウゲンボウが集団繁殖する場所として知られている。
隣接している自治体
経済
他の多くの地方都市同様、市街地中心部の空洞化は深刻で、長野オリンピック開催に伴い拡幅された、市北部を横断する国道292号沿線に大型店などが集中し、商圏が同道沿線にシフトしつつある。かつて、街の中心部を流れていた川の復活案など、市街地活性化事業に注目が集まる。
産業
農業が主産業で、えのき茸、ほんしめじ、ぶどう、りんご、アスパラガスなどは全国有数の生産量を誇る。夜間瀬川の扇状地として水はけの良い土地であり、果樹栽培に適している。南部は、長野盆地の北端にあたり、田園風景が広がり、「延徳田んぼ」と呼ばれる。
歴史
市内柳沢遺跡から従来の定説を覆す青銅器の発見で市域の古代の様子が注目されている。 治承・寿永の乱(源平合戦)の時代から戦国時代までは高梨氏の支配地だった。川中島の戦いで上杉氏に臣従し上杉氏の会津移封に伴い、中野の地を去った。そのため多くの資料が当地には残っていない。その後、江戸時代は徳川幕府直轄地(天領)であった。
- 1868年(慶応4年)8月[1] - 中野陣屋が廃止、跡地を伊那県中野分局とする。
- 1870年(明治3年)9月17日 (旧暦) - 中野県成立。分局は県庁に昇格。高井郡、水内郡、埴科郡、更級郡、小県郡、佐久郡の旧幕地を管轄。中野村が中野町となる。
- 1870年(明治3年)12月 - 中野騒動(一揆)で庁舎焼失。官側2名犠牲、6百余軒焼失。主張は年貢削減、特権豪商告発、新税廃止。数千名参加、逮捕者6百余名、死罪28名。現在の長野県庁が長野村に移るきっかけとなった。
- 1871年(明治4年)6月22日 (旧暦) - 中野県が県庁を移転して長野県となる。
- 2007年(平成19年)7月16日 - 柏崎沖を震源とする新潟県中越沖地震が発生し、中野市豊津で震度5強を記録した。
沿革
- 1954年(昭和29年)7月1日 - 下高井郡中野町・日野村・延徳村・平野村・長丘村・平岡村・高丘村・科野村・倭村が合併して発足。
- 2005年(平成17年)4月1日 - 下水内郡豊田村と合併し、改めて中野市が発足。
人口
中野市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
行政
歴代市長
代 | 氏名 | 就任日 | 退任日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
初代 | 青木一 | 2005年4月24日 | 2008年10月9日 | 旧中野市長、在任中に逝去 |
2代 | 小田切治世 | 2008年11月23日 | 2012年11月22日 | |
3代 | 池田茂 | 2012年11月23日 | 現職 |
議会
- 市議会
- 定数:20人
- 任期:2018年5月1日 - 2022年4月30日
- 議長:深尾智計
- 副議長:武田俊道
姉妹都市
- 茨城県北茨城市 - 1980年5月29日姉妹都市提携。野口雨情と中山晋平の音楽の縁。
- 大分県竹田市 - 1967年1月18日姉妹都市提携。瀧廉太郎と中山晋平の音楽の縁。
- 宮城県仙台市 - 1967年1月18日姉妹都市提携。土井晩翠と中山晋平の音楽の縁。
教育
高等学校
中野立志館高等学校は、高校再編により、中野高等学校と中野実業高等学校を合併して2007年4月に創立。2009年4月以降、中野市内の高校は2校となる。
中学校
- 中野市立南宮中学校(なんぐう)
- 中野市立中野平中学校(なかのだいら)
- 中野市立高社中学校(こうしゃ)
- 中野市立豊田中学校(とよた)
小学校
- 中野市立中野小学校(なかの)
- 中野市立日野小学校(ひの)
- 中野市立延徳小学校(えんとく)
- 中野市立平野小学校(ひらの)
- 中野市立高丘小学校(たかおか)
- 中野市立長丘小学校(ながおか)
- 中野市立平岡小学校(ひらおか)
- 中野市立科野小学校(しなの)
- 中野市立倭小学校(やまと)
- 中野市立豊井小学校(とよい)
- 中野市立永田小学校(ながた)
公民館
- 中央公民館
- 北部公民館
- 西部公民館
図書館
- 中野市立図書館
- 中野市立図書館北部分館
- 中野市立図書館西部分館
- 中野市立図書館豊田分館
博物館
交通
鉄道路線
- 中心となる駅:信州中野駅
バス
道路
- 主要地方道
-
- 長野県道29号中野豊野線(志賀中野有料道路、志賀フルーツライン)
- 長野県道54号須坂中野線
- 長野県道96号飯山妙高高原線
- その他
-
- 須高広域農道(北信濃くだもの街道)
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
毎年3月下旬に開かれる祭り「中野ひな市」が有名で、この祭りに合わせて開催される土人形の展示即売には、全国から愛好家が集まる。そのほか、「祇園祭」「中野ションションまつり」「えびす購」など。近年では、毎年5月下旬に市内の一本木公園で開かれる「中野ばらまつり」も有名。
- 中山晋平記念館
- 晋平の里間山温泉公園「ぽんぽこの湯」
- 一本木公園(バラ公園)
- 日本土人形資料館
- 北信濃ふるさとの森文化公園
- 北信州牧の入スノーパーク
- 高野辰之記念館
- 斑尾高原
- 斑尾高原豊田スキー場(休止)
- 千田遺跡
- 高梨氏館跡:国の史跡。
- 柳沢遺跡
スポーツチーム
- 中野エスペランサ(サッカークラブ)
出身有名人
- 青木一 - 中野市市長
- 荒井寿光 - 官僚、元通商産業審議官
- 江草天仁 - 漫画家・イラストレーター
- 酒井宏樹 - サッカー選手
- 菊池契月 - 日本画家
- 柴本愛沙 - 気象予報士
- 高野辰之 - 作詞家
- 高山洋吉 - 翻訳家
- 滝沢沙織 - 女優
- 武田うめ - 映画編集技師
- 武田良介 - 日本共産党参議院議員
- 篠原孝 - 国民民主党衆議院議員
- 常盤秀次 - アナウンサー
- 頓所好勝 - 飛行家
- 永田鉄男 - 映画監督
- 中山晋平 - 作曲家
- 久石譲 - 作曲家
- 小林美香 (フルート奏者) - フルート奏者
- 西堀健実 - 女子ビーチバレー選手(中野市栄誉章 第1号表彰)
- 西堀育実 - 女子バレーボール選手(中野市栄誉章 第1号表彰)
- 西丸優子 - 女優
- 春風こうた - 漫才師
- 山岸一雄 - ラーメン店「東池袋・大勝軒」(閉店)の創業者
- 山崎一穎 - 国文学者
- 柳沢哲 - 陸上競技選手、指導者
- 湯本武比古 - 教育学者
- 渡辺澄夫 - 工学者
脚注
- ↑ 9月8日に改元
外部リンク