中点連結定理
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中点連結定理(ちゅうてんれんけつていり、英: midpoint theorem, midpoint connector theorem)とは、平面幾何の定理の一つ。
定理
三角形の 2 辺のそれぞれの中点を結んだ線分は、 残りの 1 辺と平行であり、線分の長さはその辺の半分となる。
証明
以下において、∠ は角度を表し、∥ は 2 つの線分が平行であることを表す。
三角形 ABC について、辺 AB の中点を M, 辺 AC の中点を N とする。三角形 ABC の頂点 A と 2 つの中点 M, N がなす三角形 AMN は、元の三角形 ABC の相似であることを示し、中点連結定理が成り立つことを証明する。
- 三角形 ABC と AMN が互いに相似であることは、∠A を共有し (∠CAB = ∠NAM)、対応する辺の比 AB:AC と AM:AN が互いに等しいことから示される。
- 点 M および N はそれぞれ辺 AB と AC の中点であるから、2 つの三角形の辺の比について特に、AB:AM = AC:AN = 2:1 という関係が成り立つ。従って、相似な図形の性質から残る辺の比についても BC:MN = 2:1 という関係が成り立ち、中点連結 MN の長さは辺 BC の長さの半分であることが示される。
- 辺 MN および BC と線分 AB によって作られる 2 つの角、∠AMN と ∠ABC について、三角形 AMN と ABC が互いに相似であることから、∠AMN = ∠ABC が成り立つ。これらの角は同位角であるから、同位角をなす 2 つ辺 MN, BC は互いに平行であることが示せた。
次に平行四辺形の性質を利用した方法を示す。 まず、線分 MN の M 側の延長線上に、 MN = ND となるような点 D をとる。
- MN = ND, AN = NC であることより、四角形 AMCD の対角線は各々の中点 N で交わるので、平行四辺形である。
- 四角形 AMCD は平行四辺形だから、AM = CD かつ AB ∥ CD である。AB ∥ CD と AM = MB よりMB ∥ CD, MB = CD が成り立ち、2辺が等しく平行なので、四角形MBCDは平行四辺形をなす。
- 従って他方の辺の組についても互いに平行であり MD ∥ BC より MN ∥ BC が成り立つ。
- また MD = BC および ND = MN, MD = MN + ND より 2MN =BC が成り立つから、辺 BC と MN について中点連結定理が示された。
逆
定理の逆は、そのまま結論と前提を入れ替えれば「三角形の 2 辺の上に端点を持つ線分が、残りの 1 辺と平行かつ長さがその辺の半分となるとき、線分の端点は各辺の中点になる。」で真である。
しかし、次のような定理も中点連結定理の逆と呼ばれる事がある。
三角形 ABC において、辺 AB の中点 M から引いた底辺 BC の平行線と、残りの辺 AC との交点 N は、辺AC を二等分する。