中川酒造
提供: miniwiki
中川酒造株式会社(なかがわ しゅぞう)は、鳥取県鳥取市立川町に本社を置く日本酒の蔵元。
概要
創業は江戸時代後期の文政11年(1828年)[1]で、鳥取県東部地区の現存する造り酒屋としては最も古い。
一度はほぼ絶滅した鳥取県産の酒米「強力」復刻に昭和末年から取り組んで[2]酒造りに使うようになり、平成2年(1990年)から「いなば鶴 強力」の販売を開始した。酒瓶のラベルには、銘柄名「いなば鶴」より、酒米の名前である「強力」の方を大書している[3]。
なお同名・同業の蔵元が新潟県、奈良県にもするが、いずれも無関係である。
沿革
- 1828年(文政11年) - 創業、屋号「正田屋」で酒を販売。[4]
- 1914年(大正3年) - 商標を「福寿海」と定める。
- 1935年(昭和10年)5月 - 中川酒造合名会社に組織変更。[5]
- 1989年(平成元年) - 「いなば鶴」を販売開始。
- 1990年(平成2年) - 復刻した幻の酒米強力を使用した「いなば鶴・強力」を販売開始。
- 2008年(平成20年)5月1日 - 中川酒造合名会社を中川酒造株式会社に事業譲渡、ジャパン・フード&リカー・アライアンス(JFLA)傘下の株式会社伝統蔵(現・盛田株式会社)の子会社となる。[6]
銘柄
- 日本酒
- 福寿海
- いなば鶴
- 菓子類
- 強力煎餅、強力飴、強力酒粕入り羊羹
舞台になった作品
鳥取市を舞台とした漫画『父の暦』(谷口ジロー作、単行本は小学館刊)。主人公の実母の実家で、伯父が経営する造り酒屋「大石酒蔵」は中川酒造をモデルにしている[7]。
また、谷口は期間限定酒「いなば鶴 放哉」のラベルに描かれている俳人・尾崎放哉の肖像画も担当している。放哉の生誕地や、暮らしていた家も当酒蔵から近い。
参考文献
- 『とっとり酒蔵散歩』(米子今井書店)
- 『山陰企業年鑑2015年版』(山陰政経研究所)