上郡駅
上郡駅(かみごおりえき)は、兵庫県赤穂郡上郡町大持にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・智頭急行の駅である[1]。
Contents
概要
JR西日本の山陽本線と、智頭急行の智頭線が接続する駅であり、後者は当駅が起点である[1]。当駅を経由して鳥取方面へ向かう特急列車は当駅から智頭線に入るため、当駅で乗務員交代が行われる。
山陽本線では兵庫県で最西端にあり、岡山県との県境にほど近い位置にある[1]。京都・大阪方面からの新快速・快速列車の運行は当駅までであり[1]、アーバンネットワークの路線図には当駅までしか描かれていない。近畿統括本部(神戸支社)が管轄する最西の駅であり[注釈 1]、境界標は船坂トンネルの神戸側の出入口付近に設置されている。
JRの駅は直営駅であり[1]、相生駅の管理下に置かれているが、地区駅として駅長が配置されている。ICOCAはJRのみ使用可能[1][注釈 2]。
終戦直後には当駅発の定期長距離列車が存在していた。宮脇俊三の時刻表昭和史によると昭和20年9月号には当駅始発・青森行きの普通「507列車」の設定がされており、当駅を6時59分に出発して終着の青森駅には翌日の17時06分の到着(所要時間は34時間7分)であった。この列車は1950年(昭和25年)の急行日本海の列車番号に引き継がれている。
なお、隣の三石駅との駅間距離12.8キロは山陽本線の駅間距離で最長である。
歴史
- 1893年(明治26年)9月18日 - 大鳥圭介が兵庫県知事に上郡村への新停車場設置を請願。
- 1895年(明治28年)4月4日[1] - 山陽鉄道の有年駅 - 三石駅間に当駅が新設され、旅客・貨物の取り扱いを開始。
- 1906年(明治39年)12月1日 - 山陽鉄道の国有化により国有鉄道の駅となる。
- 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定。山陽本線の所属となる。
- 1959年(昭和34年)9月22日 - 山陽本線の当駅までの区間の電化が完成。
- 1972年(昭和47年)3月15日 - 貨物の取り扱いを廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
- 1994年(平成6年)12月3日 - 智頭急行智頭線が開業。乗換駅となる[2]。
- 1997年(平成9年)11月29日 - 特急「いなば」 が、当駅でスイッチバックする方式で運転開始。
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)3月18日 - 駅自動放送を更新。
- 2008年(平成20年)11月22日 - バリアフリー化工事の完成に伴い、新跨線橋及びエレベーターの運用を開始。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)3月13日 - ダイヤ改正に伴い、寝台特急「サンライズ瀬戸・サンライズ出雲」が当駅には停車しなくなり、通過となる[3]。
- 2011年(平成23年)7月1日 - 駅前広場築造工事完成。ロータリーの運用が開始。
- 2018年(平成30年)
利用可能な特急・快速列車
- 山陽本線・智頭急行線(京都・鳥取方面)
- 山陽本線・智頭急行線(鳥取・岡山方面)
- 山陽本線 新快速・快速(明石まで各駅停車)(京都・大阪・米原方面)
- 上郡駅-姫路駅-大阪駅-米原駅-近江塩津駅(曜日によっては行き先が異なる)
駅構造
地平駅舎の有人駅[1]。みどりの窓口[5]及び自動券売機、自動改札機が設置されている。長年ICOCA等のカードは利用できなかったが、2014年よりICOCAが利用できる飲料の自動販売機が設置され、2018年9月15日から鉄道の利用にも「ICOCA」が、200km以内のICOCAに対応している駅との間で、使用できるようになった。[6]バリアフリー化工事の完成により、新しい跨線橋の運用を開始し、合わせてエレベーター[1]の利用も始まっている。改札外に飲料の自動販売機があり、2番のりば・3番のりばホームには待合室[7][注釈 3]と飲料の自動販売機がある。智頭急行線改札内にも飲料の自動販売機がある。また、トイレは、1番のりばホーム及び改札外に多機能トイレが設置されている。売店は改札外にあったが閉店した[8]。智頭急行線駅舎内(改札外)には水洗式トイレがある。
のりば
12両対応の2面4線のホームを持つ。1番線が上り本線、2番のりばが中線、3番のりばが下り本線という構成。山陽本線の貨物列車は、上りは1番のりば、下りは3番のりばを通過する。智頭急行線ホームは2・3番のりばホームの西側の切り欠き部にあり[1]、智頭急行駅舎・中間改札で仕切られている。智頭急行線には独自の跨線橋がJR上郡駅舎の岡山寄りにありJR改札を通らずに利用できる[1][7]。また、2番のりばは当駅で折り返しとなる新快速・普通列車と当駅でスイッチバックを行う特急「スーパーいなば」が使用する。智頭急行線の普通列車は智頭急行のホームを使用する[1]。
のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
JR線のりば[7] | ||||
1 | A 山陽本線 | 上り | 姫路・大阪方面 | 主に岡山方面から、京都行きの特急含む |
2 | 主に折り返し始発 | |||
□特急「スーパーいなば」 | 鳥取行き/岡山行き | 両方向ともこのホーム | ||
3 | S 山陽本線 | 下り | 岡山・三原方面 | |
□特急「スーパーはくと」 | 鳥取・倉吉行き | |||
智頭急行線のりば | ||||
■智頭線(普通列車) | 佐用・大原・智頭方面 |
本項ではJR西日本公式サイトの全域路線図[9]の表記に従い、岡山方面を黄緑色のSで表記しているが、2016年3月および2017年3月ダイヤ改正の時点の実際の旅客案内では運賃表[注釈 4]を除いて、アルファベットなしの緑(■)[注釈 5]で表記されている。
原則として岡山・鳥取方面からの相生・姫路方面行きは1番のりば、姫路駅・相生駅 - 当駅間の区間系統の折り返しは2番のりばを使用するが、毎日7時台の当駅始発大阪・京都方面行き(西明石駅からは快速)は1番のりば、21時台の岡山方面発姫路行きは2番のりばを使用する。
3番のりばの隣にホームのない下り待避線(4番線)も敷設されていて、貨物列車の待機用などに使われている。その隣には留置線も敷設されていて、夜間滞泊に使われている。
西川原・就実駅が開業前まで、岡山方面の普通電車にあった8両編成運転は、同駅開業後は8両編成の普通電車は存在しない[10]。
ダイヤ
- JR山陽本線
日中時間帯は1時間あたり2本(1本は当駅折り返し)が停車する。朝の当駅始発・深夜の当駅止まりで大阪・京都方面への「新快速」・「普通」列車(西明石駅から「快速」)が上り4本、下り3本設定されており、始発は5時台で、最終着は日付を超える。この方面で一番遠くは、米原経由で大阪近郊区間の北端である近江塩津行きの新快速も出る(土曜・休日朝6時台後半)が、当駅始発の8両は米原行きの編成である[注釈 6]。ただし、それ以外の時間帯の大阪・京都方面の列車は赤穂線播州赤穂方面に出入りするため、当駅に乗り入れる姫路方面の列車は相生駅または姫路駅で折り返す列車が中心となっている。
JR神戸線の大阪駅を発着する列車で最も遠い発着駅となっている。
- 智頭急行智頭線
普通列車は、大原・智頭行きが大半であるが、8時台の1本は、因美線に乗り入れて鳥取行きで運転される。平成30年ダイヤ改正後は鳥取発上郡行きの普通列車は1日2本ある。
利用状況
「兵庫県統計書[11]」によると、2016年(平成28年)度の1日平均乗車人員(JR西日本)は3,073人である。
近年の1日平均乗車人員(JR西日本)は以下の通りである。
JR西日本 | |
---|---|
年度 | 1日平均 乗車人員 |
2000年 | 3,447 |
2001年 | 3,428 |
2002年 | 3,340 |
2003年 | 3,309 |
2004年 | 3,344 |
2005年 | 3,331 |
2006年 | 3,272 |
2007年 | 3,255 |
2008年 | 3,180 |
2009年 | 2,954 |
2010年 | 2,952 |
2011年 | 2,954 |
2012年 | 3,002 |
2013年 | 2,958 |
2014年 | 2,949 |
2015年 | 3,069 |
2016年 | 3,073 |
駅周辺
- 公共機関
- 教育機関
- 兵庫県立上郡高等学校
- 上郡町立上郡中学校
- 上郡町立山野里小学校
- 金融機関
- 交通関係
- ウエスト神姫・上郡町コミュニティバス「上郡駅」停留所
- 国道373号
- 兵庫県道5号姫路上郡線
- 兵庫県道28号上郡末広線
- 兵庫県道90号赤穂佐伯線
- 兵庫県道236号上郡停車場線
- その他
- 安室川
- 駅の東側には、有料駐車場(1日単位貸し)が数カ所ある。
路線バス
- ウエスト神姫
- 上郡町コミュニティバス『愛のり号』[12]
- まちなか循環ルート(右回り・左回り)(月~土曜日運行)
- 上郡駅 - 町役場 - 生涯学習支援センター - イオンタウン - 上郡駅)
- 高田台ルート(月~土曜日運行) 上郡駅 - 髙田台循環 - 上郡駅
- 国光ルート(火・木・土曜日運行) 上郡駅 - 国光公民館
- まちなか循環ルート(右回り・左回り)(月~土曜日運行)
- 東備西播定住自立圏『圏域バス』(ウエスト神姫に運行委託)
- 上郡ルート (日曜及び年末年始運休・1日2往復のみ)
- 赤穂市民病院
- 上郡ルート (日曜及び年末年始運休・1日2往復のみ)
- 播磨科学公園都市圏域定住自立圏『圏域バス』
- 事前予約型乗合タクシー『ほほえみタクシー』[14]
隣の駅
※両事業者の路線を直通する特急「スーパーはくと」「スーパーいなば」の隣の停車駅は列車記事を参照。
注釈
- ↑ 隣の三石駅以西は岡山支社の管轄
- ↑ 上郡町内で他にICOCAが利用できる公共交通機関は、上郡駅停留所に乗り入れる、ウエスト神姫の上郡駅 - 県立大附属高校・粒子線医療センター便、上郡駅 - 上郡ネオポリス便、上郡駅 - 播州赤穂駅 - 赤穂市民病院便がある。(PiTaPaも同様)
- ↑ 特に青春18きっぷシーズンには、当駅止まりの列車に乗車した岡山方面へ向かう乗客がこの待合室で次の列車を待つという光景がよく見られる。
- ↑ 2016年3月改正時に東姫路駅・摩耶駅の開業に対応するため岡山支社・米子支社・福知山支社・近畿統括本部のラインカラーと路線記号を反映させたものに交換されている。
- ↑ 路線記号導入以前の岡山支社の管内の運賃表や時刻表の停車駅案内に合わせたものである。
- ↑ 理由は、米原駅より先の北陸本線におけるホーム有効長の関係で途中の駅での増結・切り離し作業を要するのと、さらに北陸本線#新快速・快速でも触れている通り、そちらに入ると、12両編成の列車の停車に対応している駅が1駅も存在しないため(長浜駅までであれば8両編成は停車できるが、さらにその先敦賀駅までにかけては4両編成までしか停車できない)。
- ↑ 2006年に開催されたのじぎく兵庫国体の成年女子バスケットボール会場であり、当時上郡駅から会場へシャトルバスが運転された。
出典
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』 神戸新聞総合出版センター、2011-12-15。ISBN 9784343006028。
- ↑ 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』 神戸新聞総合出版センター、2011-12-15。ISBN 9784343006028。
- ↑ 平成22年春ダイヤ改正について (PDF)西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年12月18日(「4.特急の停車駅を変更します」の項より)
- ↑ JR西日本ニュースリリース
- ↑ “上郡駅|駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. . 2014-11-8閲覧.
- ↑ JR西日本HPニュースリリース
- ↑ 7.0 7.1 7.2 “上郡駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. . 2014-11-8閲覧.
- ↑ 店舗一覧
- ↑ “JR西日本全域路線図 (PDF)”. JRおでかけネット. . 2016閲覧. (PDF)
- ↑ 東京駅~岩国駅間の東海道・山陽本線において、唯一有効長が8両編成に満たしていない。
- ↑ 兵庫県統計書
- ↑ コミュニティバス「愛のり号」
- ↑ 新たな圏域バスが運行開始
- ↑ 上郡町HPより
関連項目
外部リンク
- ■■ 山陽本線(姫路 - 糸崎)(姫路 - 上郡 A / 上郡 - 岡山 S / 岡山 - 福山 W / 福山 - 糸崎 X)
- (神戸方面<<)姫路 - 英賀保 - はりま勝原 - 網干 - 竜野 - 相生(>>播州赤穂方面) - 有年 - 上郡 - 三石 - 吉永 - 和気 - 熊山 - 万富 - 瀬戸 - 上道 - (播州赤穂方面<<)東岡山 - 高島 - 西川原(西川原・就実) - 岡山 - (貨)岡山貨物ターミナル - 北長瀬 - 庭瀬 - 中庄 - 倉敷(>>新見方面) - 西阿知 - 新倉敷 - 金光 - 鴨方 - 里庄 - 笠岡 - 大門 - 東福山 - 福山 - 備後赤坂 - 松永 - 東尾道 - 尾道 - 糸崎(>>広島方面)