三越前駅
三越前駅(みつこしまええき)は、東京都中央区日本橋室町にある、東京地下鉄(東京メトロ)の駅である。
Contents
乗り入れ路線
銀座線と半蔵門線が乗り入れ、各路線ごとに駅番号が与えられている。
半蔵門線の列車は東京急行電鉄と東武鉄道との3社直通運転を行っている。
なお、新日本橋駅と連絡しており、連絡通路を経由して東日本旅客鉄道(JR東日本)総武快速線に乗り換えることができる。
歴史
- 1932年(昭和7年)4月29日 - 東京地下鉄道(現・東京メトロ銀座線)三越前駅開業。
- 1941年(昭和16年)9月1日 - 東京地下鉄道、路線を帝都高速度交通営団(営団地下鉄)に譲渡。
- 1972年(昭和47年)7月15日 - 日本国有鉄道(国鉄)総武快速線新日本橋駅開業、乗り換え業務を開始。
- 1989年(平成元年)1月26日 - 半蔵門線が開業し、乗換駅となる。
- 2004年(平成16年)4月1日 - 営団地下鉄の民営化により、当駅は東京地下鉄(東京メトロ)に継承される。
駅構造
銀座線・半蔵門線のいずれも島式ホーム1面2線を有する地下駅。両線は改札外連絡となり、乗り換えるためには一旦改札を出場し、「夢ロード」と呼ばれる連絡通路を経由する。東京メトロが公表している乗り換え時間の目安は5分となっている。2013年に連絡通路の拡幅工事が完成し、従来の倍以上の幅員となった。
銀座線の駅と新日本橋駅の位置はそれほど離れていないが、新日本橋駅が地下深くにあるため、乗り換え時間の目安は4分である。また、半蔵門線の駅と新日本橋駅は銀座線の駅を挟んで反対側にあり、両駅の乗り換え時間の目安は10分とされている[1]。
トイレは従来半蔵門線の改札内に2か所設置されていたが、2007年4月に銀座線中央改札外コンコースにオストメイト対応設備やベビーシートを設けた多機能トイレや幼児専用トイレが新設された。なお、半蔵門線側の押上側改札口内のトイレには多機能トイレが併設されている。
半蔵門線が水天宮前駅まで延伸される前は、銀座線の浅草寄りに渡り線があったため折り返し運転をする事ができ、渋谷 - 三越前での区間運用も過去には存在した。現在は渡り線が撤去されているため、異常時のみしか「三越前」表示は見られない。
当駅は、「日本橋駅務管区 三越前地域」として近隣の駅を管理している[2]。
のりば
番線 | 路線 | 行先 | |
---|---|---|---|
銀座線ホーム(地下2階) | |||
1 | G 銀座線 | 銀座・渋谷方面 | |
2 | 上野・浅草方面 | ||
半蔵門線ホーム(地下5階) | |||
3 | Z 半蔵門線 | 大手町・渋谷・中央林間方面 | |
4 | 押上〈スカイツリー前〉・久喜・南栗橋方面 |
(出典:東京メトロ:構内図)
- Mitsukoshimae Station-1.jpg
半蔵門線 改札口(2018年2月6日撮影)
- Mitsukoshimae Station-2.jpg
半蔵門線 押上方面行ホーム(2018年2月6日撮影)
- Mitsukoshimae Station Ginza Line concourse 2015.jpg
銀座線 コンコース(2015年撮影)
- Tokyo-Metro-Mitsukoshi-mae-Station.jpg
銀座線ホーム(2011年撮影)
利用状況
- 東京メトロ - 2017年度の1日平均乗降人員は129,691人である[利用客数 1]。
- 東京メトロ全130駅中24位。
- 東京メトロ線内の乗換人員を含んだ、2015年度の路線別1日平均乗降人員は以下のとおりで、2路線を合算した1日平均乗降人員は178,405人である[乗降データ 1]。
- 銀座線 - 96,309人 - 同線内では新橋駅、日本橋駅、渋谷駅、表参道駅、赤坂見附駅、上野駅、銀座駅、虎ノ門駅、溜池山王駅、浅草駅に次ぐ第11位。
- 半蔵門線 - 82,096人 - 同線内では渋谷駅、表参道駅、大手町駅、永田町駅、押上駅、九段下駅、錦糸町駅、神保町駅、半蔵門駅に次ぐ第10位。
年度別1日平均乗降人員
近年の1日平均乗降人員推移は下表の通り。
年度 | 営団 / 東京メトロ | |
---|---|---|
1日平均 乗降人員 |
増加率 | |
1999年(平成11年) | 117,241 | |
2000年(平成12年) | 118,399 | 1.0% |
2001年(平成13年) | 116,243 | −1.8% |
2002年(平成14年) | 110,127 | −5.3% |
2003年(平成15年) | 111,758 | 1.5% |
2004年(平成16年) | 114,963 | 2.9% |
2005年(平成17年) | 120,907 | 5.2% |
2006年(平成18年) | 122,007 | 0.9% |
2007年(平成19年) | 124,040 | 1.7% |
2008年(平成20年) | 124,040 | 0.0% |
2009年(平成21年) | 117,456 | −5.3% |
2010年(平成22年) | 116,824 | −0.5% |
2011年(平成23年) | 115,784 | −0.9% |
2012年(平成24年) | 117,018 | 1.1% |
2013年(平成25年) | 120,845 | 3.3% |
2014年(平成26年) | 127,807 | 5.8% |
2015年(平成27年) | 125,491 | −1.8% |
2016年(平成28年) | 127,157 | 1.3% |
2017年(平成29年) | 129,691 | 2.0% |
年度別1日平均乗車人員(1932年 - 1935年)
近年の1日平均乗車人員推移は下表の通り。
年度 | 東京地下鉄道 | 出典 |
---|---|---|
1932年(昭和 | 7年)[備考 1]4,534 | [東京府統計 1] |
1933年(昭和 | 8年)6,330 | [東京府統計 2] |
1934年(昭和 | 9年)7,350 | [東京府統計 3] |
1935年(昭和10年) | 8,450 | [東京府統計 4] |
年度別1日平均乗車人員(1956年 - 2000年)
年度 | 銀座線 | 半蔵門線 | 出典 |
---|---|---|---|
1956年(昭和31年) | 23,624 | 未開業 | [東京都統計 1] |
1957年(昭和32年) | 25,998 | [東京都統計 2] | |
1958年(昭和33年) | 25,853 | [東京都統計 3] | |
1959年(昭和34年) | 25,822 | [東京都統計 4] | |
1960年(昭和35年) | 26,567 | [東京都統計 5] | |
1961年(昭和36年) | 31,340 | [東京都統計 6] | |
1962年(昭和37年) | 31,305 | [東京都統計 7] | |
1963年(昭和38年) | 35,572 | [東京都統計 8] | |
1964年(昭和39年) | 36,719 | [東京都統計 9] | |
1965年(昭和40年) | 36,087 | [東京都統計 10] | |
1966年(昭和41年) | 34,134 | [東京都統計 11] | |
1967年(昭和42年) | 35,253 | [東京都統計 12] | |
1968年(昭和43年) | 39,908 | [東京都統計 13] | |
1969年(昭和44年) | 44,762 | [東京都統計 14] | |
1970年(昭和45年) | 49,852 | [東京都統計 15] | |
1971年(昭和46年) | 52,019 | [東京都統計 16] | |
1972年(昭和47年) | 53,795 | [東京都統計 17] | |
1973年(昭和48年) | 52,628 | [東京都統計 18] | |
1974年(昭和49年) | 52,515 | [東京都統計 19] | |
1975年(昭和50年) | 53,738 | [東京都統計 20] | |
1976年(昭和51年) | 52,647 | [東京都統計 21] | |
1977年(昭和52年) | 51,928 | [東京都統計 22] | |
1978年(昭和53年) | 50,751 | [東京都統計 23] | |
1979年(昭和54年) | 51,137 | [東京都統計 24] | |
1980年(昭和55年) | 51,868 | [東京都統計 25] | |
1981年(昭和56年) | 51,570 | [東京都統計 26] | |
1982年(昭和57年) | 49,671 | [東京都統計 27] | |
1983年(昭和58年) | 49,186 | [東京都統計 28] | |
1984年(昭和59年) | 49,926 | [東京都統計 29] | |
1985年(昭和60年) | 51,463 | [東京都統計 30] | |
1986年(昭和61年) | 53,296 | [東京都統計 31] | |
1987年(昭和62年) | 55,044 | [東京都統計 32] | |
1988年(昭和63年) | 54,803 | [備考 2]14,369 | [東京都統計 33] |
1989年(平成元年) | 50,096 | 17,482 | [東京都統計 34] |
1990年(平成 | 2年)49,386 | 20,644 | [東京都統計 35] |
1991年(平成 | 3年)47,779 | 21,000 | [東京都統計 36] |
1992年(平成 | 4年)46,997 | 22,219 | [東京都統計 37] |
1993年(平成 | 5年)45,932 | 21,989 | [東京都統計 38] |
1994年(平成 | 6年)44,315 | 21,293 | [東京都統計 39] |
1995年(平成 | 7年)42,164 | 20,910 | [東京都統計 40] |
1996年(平成 | 8年)41,605 | 20,723 | [東京都統計 41] |
1997年(平成 | 9年)40,767 | 20,707 | [東京都統計 42] |
1998年(平成10年) | 40,049 | 20,811 | [東京都統計 43] |
1999年(平成11年) | 38,344 | 19,926 | [東京都統計 44] |
2000年(平成12年) | 38,611 | 20,614 | [東京都統計 45] |
年度別1日平均乗車人員(2001年以降)
年度 | 銀座線 | 半蔵門線 | 出典 |
---|---|---|---|
2001年(平成13年) | 37,710 | 20,901 | [東京都統計 46] |
2002年(平成14年) | 35,923 | 20,534 | [東京都統計 47] |
2003年(平成15年) | 34,541 | 22,096 | [東京都統計 48] |
2004年(平成16年) | 35,247 | 23,677 | [東京都統計 49] |
2005年(平成17年) | 36,060 | 24,732 | [東京都統計 50] |
2006年(平成18年) | 35,885 | 25,784 | [東京都統計 51] |
2007年(平成19年) | 35,874 | 26,964 | [東京都統計 52] |
2008年(平成20年) | 35,378 | 26,082 | [東京都統計 53] |
2009年(平成21年) | 33,970 | 25,616 | [東京都統計 54] |
2010年(平成22年) | 33,641 | 25,687 | [東京都統計 55] |
2011年(平成23年) | 33,339 | 25,550 | [東京都統計 56] |
2012年(平成24年) | 33,587 | 25,677 | [東京都統計 57] |
2013年(平成25年) | 34,715 | 26,638 | [東京都統計 58] |
2014年(平成26年) | 36,721 | 28,008 | [東京都統計 59] |
2015年(平成27年) | 35,772 | 27,917 | [東京都統計 60] |
2016年(平成28年) | 35,953 | 28,270 | [東京都統計 61] |
- 備考
駅周辺
- 三越 日本橋本店
- 東京駅(JR線)日本橋口:B2出口から南へ約200メートルと至近、半蔵門線からは東海道新幹線・東北新幹線などへの実質的な最寄り駅となる。西隣の大手町駅よりも近い。
- 東京メトロ東西線大手町駅
- 日本銀行 本店
- スルガ銀行 東京支店
- 北海道銀行・北陸銀行東京支店
- 三井本館
- 日本橋三井タワー(三井新館)
- 東レ東京本社
- 中外製薬本社
- デンカ本社
- マンダリン・オリエンタル東京
- 室町東三井ビルディング
- COREDO室町
- 室町古河三井ビルディング
- COREDO室町2
- TOHOシネマズ日本橋
- COREDO室町2
- 室町ちばぎん三井ビルディング
- COREDO室町3
- 日本橋室町郵便局
- 新日本橋駅前郵便局
- 日本橋MUFGプラザ(旧:東京銀行本店)
- 日本橋 - 半蔵門線側
- 常盤橋
- 東洋経済新報社
- JFE商事ビル
- JFE商事東京本社
- 日本ビル
- 日本水産本社
- 日本ビル内郵便局
- 稲畑産業東京本社
- 長瀬産業東京本社
- 第一三共本社
- アステラス製薬本社
- 田辺三菱製薬東京本社
- Mitsukoshi01 1024.jpg
三越 日本橋本店新館
- Mitsukoshimae-eki-2.jpg
地上風景(2007年12月12日)
- Suruga Bank (Tokyo branch).jpg
スルガ銀行
バス路線
最寄りの停留所は、日本橋三越・室町三丁目・地下鉄三越前駅(A2出口)・三井記念美術館(A8出口)・日本橋室町一丁目(A4出口)・本石町一丁目・新日本橋駅(A10出口)・室町二丁目(A4出口)となる。以下の路線がそれぞれの停留所に乗り入れ、東42甲系統は都営バス、メトロリンク日本橋、スカイホップバスは日の丸自動車興業、江戸バスは日立自動車交通によりそれぞれ運行されている。
- 日本橋三越
- 室町三丁目
- 東42甲:南千住駅西口・南千住車庫前行 / 東京駅八重洲口行
- 地下鉄三越前駅・三井記念美術館・日本橋室町一丁目
- 地下鉄三越前駅
- メトロリンク日本橋Eライン:地下鉄水天宮前駅方面
- 本石町一丁目・新日本橋駅・室町二丁目
また、マンダリン・オリエンタル東京には東京空港交通により運行されている成田空港行の空港連絡バスが乗り入れている。
三越前駅に纏わる逸話
駅名と三越
- Mitsukoshi03s3200.jpg
三越 日本橋本店
- Nihon-bashi Tokyu 1999.jpg
三越のライバル、東急百貨店 日本橋店(当時)
- Tokyo Metro information board 001.JPG
路線図にも『三越』(東京メトロ半蔵門線)
俗説では、新橋への延伸を目指しながらも資金難に陥っていた東京地下鉄道に対し、目の前の中央通りに本店を構える三越が駅の建設資金を「全額負担」して開業させた駅であるとされる。この説が真実であれば、まさに「三越が駅を造った」ことになる。しかし、三越側では、店舗への直通出入口の設置費用を負担したという資料はあるものの、駅の建設費を全額負担したという資料は確認できないとしている[3]。また、後年開設された半蔵門線ホームの壁面デザインは三越の包装紙「華ひらく」をデザインした猪熊弦一郎の作品であるが、駅名標は他の営団→東京メトロの駅と同じものである。
一私企業の名を付した『三越前』の駅名は、鉄道時刻表や旅行ガイドブック、市販手帳の地下鉄路線図、ウェブ上の経路検索サービス、経路案内ソフトの他、都営の地下鉄路線図にも一切改変されることなく掲載されており、三越はそれら全て現在に至るまで広告料を払わずに宣伝していることになる。
当駅の開業後、三越はさらに賑わった。東京地下鉄道では上野広小路駅(松坂屋)、日本橋駅(高島屋・白木屋)、京橋駅(明治屋)、銀座駅(松屋・三越)の5駅が駅上の百貨店等の資金提供を受けて建設され、その際に各店舗と結ばれた特約は現在でも活きており、これらは駅名アナウンスにスポンサー名を入れているが、駅名に百貨店等の屋号を入れるまでに至っていない。
営団地下鉄半蔵門線(当時)が三越前駅までの部分開業だった時代、近隣に東急百貨店日本橋店(現:COREDO日本橋)を構え、百貨店として競合していた東京急行電鉄は、新玉川線(当時)・田園都市線と半蔵門線の直通運転を行っていた関係上、自社車両や時刻表・ホームの発車標の行先に、ライバル百貨店「三越」の名前を掲示せざるを得なくなるジレンマを抱え込み、自社線内では「渋谷方面」や「半蔵門線直通電車」など、行先を曖昧にしてアナウンスを行い、「三越」と呼ぶことを可能な限り避けた。その後、半蔵門線は、1990年(平成2年)に水天宮前駅まで延伸したことで、東急グループが抱えていたジレンマは解消された。
案内放送について
当駅におけるJR線への乗り換え案内では『JR総武快速線はのりかえ』と、路線名までアナウンス(表示)する。他に路線名まで案内されるのは明治神宮前駅、北千住駅、高田馬場駅などのみで、その他の駅では基本的には『JR線』としか案内しない。因みに、英語の案内・表示では『JR Sobu-kaisoku Line』[4]となる。なお、半蔵門線ホームでの乗り換え案内放送では2000年代初頭まで銀座線しか放送しておらず、現在でも市販の地図に掲載されている路線図では、三越前・新日本橋(JR総武快速線)両駅が乗り換え扱いになっていないものもいくつかある。
隣の駅
脚注
出典
- 地下鉄の1日平均利用客数
- ↑ 各駅の乗降人員ランキング - 東京メトロ
- 地下鉄の統計データ
- 東京府統計書
- 東京都統計年鑑
- ↑ 昭和31年 (PDF) - 15ページ
- ↑ 昭和32年 (PDF) - 15ページ
- ↑ 昭和33年 (PDF) - 15ページ
- ↑ 昭和34年
- ↑ 昭和35年
- ↑ 昭和36年
- ↑ 昭和37年
- ↑ 昭和38年
- ↑ 昭和39年
- ↑ 昭和40年
- ↑ 昭和41年
- ↑ 昭和42年
- ↑ 昭和43年
- ↑ 昭和44年
- ↑ 昭和45年
- ↑ 昭和46年
- ↑ 昭和47年
- ↑ 昭和48年
- ↑ 昭和49年
- ↑ 昭和50年
- ↑ 昭和51年
- ↑ 昭和52年
- ↑ 昭和53年
- ↑ 昭和54年
- ↑ 昭和55年
- ↑ 昭和56年
- ↑ 昭和57年
- ↑ 昭和58年
- ↑ 昭和59年
- ↑ 昭和60年
- ↑ 昭和61年
- ↑ 昭和62年
- ↑ 昭和63年
- ↑ 平成元年
- ↑ 平成2年
- ↑ 平成3年
- ↑ 平成4年
- ↑ 平成5年
- ↑ 平成6年
- ↑ 平成7年
- ↑ 平成8年
- ↑ 平成9年
- ↑ 平成10年 (PDF)
- ↑ 平成11年 (PDF)
- ↑ 平成12年
- ↑ 平成13年
- ↑ 平成14年
- ↑ 平成15年
- ↑ 平成16年
- ↑ 平成17年
- ↑ 平成18年
- ↑ 平成19年
- ↑ 平成20年
- ↑ 平成21年
- ↑ 平成22年
- ↑ 平成23年
- ↑ 平成24年
- ↑ 平成25年
- ↑ 平成26年
- ↑ 平成27年
- ↑ 平成28年