三段峡
三段峡(さんだんきょう)は、広島県山県郡安芸太田町の太田川上流の支流・柴木川にある長さ約16キロメートルの峡谷である。国の特別名勝に指定され、県北東部の帝釈峡と並び渓谷美を争い匹見峡、寂地峡とともに西中国山地国定公園の代表的景観となっている。
概要
一帯は石英斑岩からなり、長年の浸食によって節理が刻まれ、断層が露出している。比高は400メートルあり、その間に、落差30メートルの三段滝をハイライトに、黒淵、猿飛の滝、二段滝、三ツ滝、龍門の滝があり、5つの滝と2つの淵が七景として知られる。他に長淵、大淵といった滝壺の跡、耶源、王城など無数の景勝地が連なる。
これらの景観は軽装でも気軽に散策できるように遊歩道が設けられている。これは三段峡が名勝に指定された時に、観光整備したためである。このときの開発は環境に極力配慮したため、ほとんど自然環境を損なうことはなかった。しかし、柴木川の最上流に樽床ダムが建設されてからは水量が減少し、以前ほど滝の迫力がなくなったと言われている。また、一帯には国有林も多く、伐採の対象となっており、その環境問題が懸念されている。
なお、柴木川の支流田代川を更に上流に行くと全く手付かずの秘境である奥三段峡がある。遊歩道など観光設備が整備されていないため、本格的なトレッキングの準備が必要である。
新緑・森林浴・紅葉などの目的で観光客が訪れ、県を代表する観光地となっている。しかし後述の通り地元の鉄道が廃線になった影響で観光客の減少が続いており、観光関係者は危機感を募らせている[1]。
交通
広島バスセンターから広電バスの三段峡線高速道経由便で約70分、一般道経由便で約100分。三段峡バス停留所(終点)下車すぐに三段峡正面口がある。また、三段滝・二段滝に近い水梨口(出合橋)へは三段峡正面口から定期マイクロバスが運行されている。
以前はJR可部線三段峡駅が三段峡正面口の最寄りにあったが、利用者の減少に伴い2003年11月30日に廃止となっている。
脚注
- ↑ 「三段峡観光復活へ住民の会」中国新聞、2008年4月23日