万年雪
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万年雪(まんねんゆき、firn、フィルン)とは、平年の気象条件下で、積雪が越年するもの。主に標高の高い山岳地帯で見受けられる。日本の地形図では、面積が最小になる9月時点の大きさにより表記される。「まんねんせつ」と読まれることもある。
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概要
万年雪は、見かけ上溶けることなく存在しているように見えるが、気温が上昇する夏場には積雪表面付近はもとより地表付近からも、かなりの融解が生じる。このため、積雪部分は数年単位という短い期間で新陳代謝が行われ、巨大化したり下方へ移動する事象はほとんど見受けられない。
氷河との差違
氷河の場合、新陳代謝が何万年という単位で行われること、また氷塊として移動することなどの特徴がある。
地球温暖化による影響
氷河と同様、地球温暖化による縮小、消失が進んでいる場所が多い。特に、真夏の気温が0℃近くまで上がる場所では、わずかな気温上昇でも致命的な融解を招く恐れがある。一般に、万年雪は岩石などに比べて色が白いので、アルベド(太陽放射の反射率)が高く、周囲の気温を下げる効果がある。しかし一旦、縮小してしまうと、地表がむき出しになることによってアルベドが低くなり、周囲の気温が押し上げられて、更に融解が促進されるという悪循環(正のフィードバック)に陥ることも懸念されている。
またこれも氷河と同様、万年雪は夏の間、解けることによって、それよりも低い場所に水を供給している。しかし、万年雪がなくなるとそれがなくなるので、周辺の生態系に悪影響を及ぼしたり、水資源の減少を招く恐れもある。