万代シテイ

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ファイル:万代シテイ2015.JPG
新潟日報メディアシップから万代シテイを望む。レインボータワーは2012年2月に営業を終了した。(2014年2月12日)

万代シテイ(ばんだいシティ、Bandai City)は、新潟県新潟市中央区万代地内および八千代地内に所在する商業地。新潟交通三井不動産デベロッパーとして開発を担っており、このうち新潟交通グループが整備した商業施設は同社の不動産部が所有及び運営管理を行っている。

概要

ファイル:Niigata RainbowTower1.jpg
万代シテイの夕景。レインボータワーはバスセンタービル内に設けられている。写真左下は2005年に閉店したダイエー新潟店(現在はラブラ万代)

新潟交通の本社用地を再開発して整備された商業地区である。

読み方は「ばんだいシティ」だが、正式な表記は捨て仮名ではなく、並字の「シテ」である。敢えて大きい「イ」を表記に採用しているのは、「万代シテイ」という固有の単語を作ることによって、街のイメージを市民に定着させようという意図によるもので、新潟交通グループの路線バスの行先表示などもこれに倣っている。

明確な区域の設定はされていないが、万代一丁目から西側の八千代一・二丁目東側にかけた地区に商業施設が集中している。

歴史

開発に至るまで

現在万代シテイがある萬代橋東詰一帯の萬代橋通り東港線沿いの新潟市流作場(現在の中央区万代・弁天・八千代周辺)にはかつて、新潟交通の本社をはじめ車庫や車両整備工場、天然ガス井等があり、同社バス事業の要衝となっていた。1951年2月には現在の新潟テレコムビルの位置に「新潟交通バスステーションビル」(にいがたこうつうバスステーションビル、通称:バスビル)が竣工。県内では初の本格的なバスターミナルだった。バスビルからは主に郊外各方面への路線バスが発着していた。

しかしこれら新潟交通の施設群は、まず1950年代後半から新潟市内の地盤沈下が著しく進行したことにより天然ガスの採掘が制限されたため、天然ガス関連の施設縮小を余儀なくされた。更に1964年6月16日に発生した新潟地震では甚大な被害を受けた。特にバス事業においては車両基地の機能がこの流作場に集中して設けられていたことが原因で震災後の復旧に時間を要したことから、その機能を郊外に分散して設ける方針が採られることとなり、1960年代後半から近郊の各地に出張所(現在の営業所にあたる)や車庫を整備した上で規模を順次縮小した。また施設そのものも地震で被災したのに加えて老朽化等によって手狭となり、車両の大型化に対応し切れなくなる等して機能が低下しつつあった。しかし新潟駅に程近く、市の元々の中心街である古町との中間点にあたるという恵まれた立地条件もあって、余剰となった社用地の利用法の検討が行われた。

「万代シテイ」の開発

1971年7月、新潟交通は流作場地区の本社用地再開発と新規事業計画の大綱を発表。バスターミナルを中心に商業施設を配置しそれら各ビルの大部分をペデストリアンデッキによって連絡し、歩行者が地上に降りることなく徒歩で移動できるようにして周辺部の回遊性を高めるという、当時としては画期的なアイディアが盛り込まれた。

まず1972年7月オープンの「シルバーボウルビル」を皮切りに、1973年11月には「ダイエー新潟店」と「バスセンタービル」が、1975年には「万代シルバーホテルビル」が営業を開始し、第一期計画の施設群が完成した。

1984年の第二期計画ではそれまで車両整備用の施設や平面駐車場として供用していた土地でも施設群の整備が進捗し、「新潟伊勢丹」・「万代シテイ第一駐車場ビル」・「万代シテイ第二駐車場ビル」が完成した。

そして1995年12月には「新潟ジョイポリス」(現在の「ビルボードプレイス2」)、翌1996年10月には第二駐車場ビルのB棟が完成し、その1〜4階部分を利用したテナント群「ビルボードプレイス」がオープンして、現在の万代シテイの原型が完成した。

近年の万代シテイ

その後ダイエーは2004年産業再生機構の支援を受けることとなり、新潟店は同機構等によって策定された店舗再編計画で閉鎖が決定し、2005年11月30日に閉店。代わって三井不動産と系列のららぽーとがダイエーの店舗跡を再開発し、2007年3月2日に専門店複合型商業施設「ラブラ万代」としてオープンした[1]。またシルバーボウルビルは老朽化のため、2011年8月31日を最後に営業を全面終了して閉鎖・撤去され、跡地は三井不動産が取得した上で8階建ての商業施設へ改築。ラブラ万代と同様の専門店複合型施設と自走式立体駐車場を内包した「ラブラ2」として、2013年11月2日にオープンした。

万代シテイ内に所在する土地・建物の大部分は新潟交通グループが所有しているが、開発開始当初から所有者・管理者ともグループ内の複数の企業に渡って権限が錯綜していたため、運営上の問題が生じていた。このため2004年秋、グループ内で万代シテイの管理業務を専門的に担ってきた「万代開発」に運営体制を一本化し、この際に各施設の所有者も同社名義に変更されて合理化が図られた。更に新潟交通グループでは万代シテイをグループの中核事業の一つとして運営体制を強化するため、2012年10月1日付で万代開発を新潟交通へ吸収合併し、これ以降、新潟交通グループ所有の施設は新潟交通の管理下となっている。

なお、新潟駅万代口周辺から万代シテイにかけての地区は「新潟市ぽい捨て等及び路上喫煙の防止に関する条例」に基づいて「路上喫煙制限地区」に指定されている。万代シテイ周辺の喫煙所はバスセンター11番線横と日本たばこ産業(JT)新潟支店前(何れも東港線沿い)の2箇所に設置されている。

主な施設

万代一丁目

  • バスセンタービル
  • ラブラ万代
  • ラブラ2
    主なテナントは同項を参照。
  • 万代シルバーホテルビル
    • 万代シルバーホテル(3 - 10階、1階正面口にエントランスホールあり)
      1975年開業。新潟交通の子会社「シルバーホテル」が運営しており、館内には客室222室(シングル124室、ダブル9室、ツイン81室、和室4室、和洋室2室、スイート2室)、宴会場9室、レストラン・飲食店9店舗などを擁する。
      新潟交通が全日本空輸の新潟県総代理店として一部業務を受託していることなどから、2009年3月31日までは全日空ホテルズに加盟していた。しかし2008年12月1日、近隣の万代五丁目に所在する「ホテル新潟」(リンコーコーポレーション子会社)がIHG・ANAグループと提携して「ANAクラウンプラザホテル新潟」にリブランドしたことなどから、シルバーホテルは同グループから離脱した。
      なお、2012年4月1日からは阪急阪神第一ホテルグループに加盟している。また新潟交通は日本航空とも新潟県代理店として契約し、一部業務を受託しているが、近隣の万代島に所在する朱鷺メッセの万代島ビル内にて、ホテル朱鷺メッセが運営する「ホテル日航新潟」が営業を行っている。
    • 新潟アルタ(地下1・1・2階)
      当初は「新潟三越エレガンス」として1975年11月オープン、三越本店直轄で運営されていた(この当時、現新潟三越はその前身店舗であり、地元資本の「小林百貨店」として存在していた)。その後新潟三越百貨店に運営移管し「新潟三越万代店」に改称した。当時の「…エレガンス」、「…万代店」は中高年向けのブランドを主体に取り扱っていたが、2002年、土地柄に合わせて若者向けのブランドを主体としたテナント構成に転換して現名称に改称。2階には元々紀伊國屋書店があったが、同書店がラブラ移転後に増床した。
      三越伊勢丹ホールディングスの子会社である三越伊勢丹プロパティ・デザインは、2018年8月3日、運営する新潟アルタを通販サイトや他店舗との競争激化による収益悪化を理由に、2019年3月下旬に閉店すると発表した。閉店の発表を受け、ビルを所有する新潟交通は後継となるテナントに関して、万代エリアに少なかった飲食店を中心に出店を募るとしている[2][3]
  • 万代シネモールビル
  • 万代シテイ第一駐車場ビル

かつての主な施設

  • ダイエー新潟店(新潟ショッパーズプラザ)
万代シテイビル内。現在はラブラ万代(前述)として営業している。
  • シルバーボウルビル
老朽化に伴って2008年夏、新潟交通が閉鎖する方針を示したが、テナントのうちヤマハミュージック関東新潟店は立ち退きを拒否して民事訴訟を提訴したため、計画は一時凍結。2011年2月に和解が成立し、全テナントの立ち退きが決定した。最後まで営業していた主なテナントのうち、新潟交通が直営していたボウリング場「新潟交通シルバーボウル」は2011年6月30日、ヤマハミュージック関東新潟店[4]は8月7日をもってそれぞれ営業を終了した。その後、南西側の隣接地に個店舗を出店していたマクドナルド、ミスタードーナツ、ケンタッキーフライドチキンは8月28日、シルバーボウルビル1階の駐車場も同月31日で営業を終了して全面閉鎖され、建物は撤去された。
万代開発が所有する敷地は2012年5月に三井不動産が取得し、同社が設立した特定目的会社「ラベニュー万代特定目的会社」が事業主体となり、8階建ての商業施設が建設され、2013年10月に竣工、同年11月2日にラブラ2(前述)としてオープンした。建物の構成は1階から4階を衣料品や雑貨、飲食店などのテナントフロア、5階以上を約500台収容の自走式立体駐車場として、2階部分には隣接するラブラとの間を連絡するペデストリアンデッキが増設された。

八千代一・二丁目

BP2 - 第二駐車場ビル(BP) - 新潟伊勢丹 - バスセンタービル - LoveLa万代 - シルバーホテルビル間は全てペデストリアンデッキを介して各ビルの2階部分が連絡している。またLoveLa万代 - テレコムビル間は東港線十字路歩道橋を介して2階部分が連絡している。さらにBP2と信濃川右岸のやすらぎ堤を連絡するデッキの整備が進められ、2010年4月29日に開通。このデッキには一般公募により「万代スカイロード」という愛称が付与されている。

交通

駐車場

一部のみ掲載。 日通商事以外は全て24時間営業で365日年中無休 第一と第二はかつて有人対応であったが無人化されたため、全ての駐車場が無人対応となった。 日通商事とアクロスは管理事務所あり

  • 万代シテイ第一駐車場ビル(立体自走 511台収容)
  • 万代シテイ第二駐車場ビル(立体自走 1,500台収容)
  • 万代シテイ第三駐車場(平面 297台収容)→運営をパラカに委託
  • 万代シテイ第五駐車場(平面 209台収容 ただし、イベントがある場合は全面閉鎖となる。)
  • 日通商事万代シテイ駐車場(立体自走式 274台収容 但し、営業時間は平日は8:30 - 22:00、土・日・祝祭日は7:00 - 22:00まで)
  • アクロスパーキング(立体自走 256台収容)
    • 旧・万代シテイ第四駐車場(平面)。
  • ラブラ2駐車場(立体自走 507台収容)
    • 旧・シルバーボウル駐車場(平面、シルバーボウルビル1階 97台収容 2011年8月31日で営業終了)

関連項目

脚注

  1. 施設再生を伴った商業施設開発・事例「ラブラ万代」 - 三井不動産 - 2012年10月5日閲覧
  2. “新潟アルタ、今年度末閉店へ 競争激化で収益悪化”. 日本経済新聞. (2018年8月9日). https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3396238008082018L21000/ . 2018-8-10閲覧. 
  3. “新潟アルタ 営業終了へ ネットショップ普及などで 来年3月 /新潟”. 毎日新聞. (2018年8月9日). https://mainichi.jp/articles/20180809/ddl/k15/020/225000c . 2018-8-10閲覧. 
  4. ヤマハミュージックはシルバーボウルビル閉鎖後、8月26日に中央区東万代町(新潟中央郵便局隣接地)で移転オープンした。

外部リンク

テンプレート:新潟交通