ヴュルテンベルク福音主義州教会

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ヴュルテンベルク福音主義州教会地図
Karte der Evangelischen Landeskirche in Württemberg
基礎データ
面積: ca. 20.935 km²
指導教職者: 州教会監督
フランク・オトフリート・ユリー
総会議長: インゲ・シュタイナー
高等参事会主事: マルギト・ルップ
加盟教会組織: EKD
LWB
正式加盟
VELKD, UEK,
客員加盟
宣教組織 南西ドイツ福音主義教会世界宣教部 (EMS)
管区Prälaturen: 4
教会地区Kirchenbezirke 47
教会共同体Kirchengemeinden: 1.286 (1. Januar 2017)
教会員数: 2.081.337 (31. Dezember 2015)[1]
全住民における教会員比率: 33,0 %
公式ウェブサイト: www.elk-wue.de

ヴュルテンベルク福音主義州教会ドイツ語: Evangelische Landeskirche in Württemberg)はドイツ福音主義教会 (EKD)を構成する20の福音主義州教会の一つである。他の州教会と同様に公法上の社団である。州教会は本部をシュトゥットガルトに置いている。 この州教会は1286の教会共同体に2.081.337人の教会員(2015年12月31日現在)を有している。ヴュルテンベルク福音主義州教会はルター派世界連盟と欧州福音主義教会共同体(GEKE)に加盟している。合同派州教会の集合組織福音主義合同教会(UEK)とルター派州教会のドイツ合同福音ルター派教会(VELKD)には共に客員資格で加盟している。

ヴュルテンベルク福音主義州教会の首座教会はシュトゥットガルトにあるシュティフト教会である。1534年にマールブルク出身のコンラート・エッテンガーによってヴュルテンベルクにおける最初の福音主義の説教がおこなわれた教会である。他の重要な教会として、ウルム大聖堂ハイルブロンのキリアン教会、ロイトリンゲンのマリエン教会、エスリンゲン・アム・ネッカーの聖ディオニュシウス教会、シュヴェービッシュ・ハルの聖ミヒャエル教会がある。州教会による教育施設(神学生寮)としてテュービンゲン福音主義シュティフトがある。州教会は神学研修施設としてバート・ボル福音アカデミーを1945年に開設した。ここはドイツの中で最初に開設された神学研修施設である。1998年にテュービンゲンにテュービンゲン福音主義音楽大学を開設している。これは1945年にエスリンゲン・アム・ネッカーにあった同種の施設を基に建設されている。

州教会管轄地域

ヴュルテンベルク福音主義州教会の管轄地域はかつて存在したヴュルテンベルク王国の西部である。1850年に南シュヴァーベンにあったホーエンツォレルン=ヘヒンゲン侯国とホーエンツォレルン=ジクマリンゲン侯国がプロイセン王国に併合されて、ジグマリンゲンを州都とするホーエンツォレルン州Hohenzollernsche Lande)が設置された。この地域にあった福音主義教会共同体は古プロイセン合同福音主義教会ラインラント(プロヴィンツ)州教会ホーエンツォレルン教会地区に属していた。このホーエンツォレルン教会地区は1945年の第2次世界大戦終了時からヴュルテンベルク福音主義州教会によって暫定的運営管理されていたが、1950年に正式にヴュルテンベルク福音主義州教会に引き継がれた。それ以降、ヴュルテンベルク福音主義州教会は隣接するバーデン福音主義州教会と僅かな管轄地域調整、変更をおこなってきた。

歴史

1534年、ウルリヒ (ヴュルテンベルク公)はヴュルテンベルク公国(1495年 - 1805年)に宗教改革を導入させた。 この年こそがこの福音州教会の設立年であった。公爵、および後のヴュルテンベルク王国における王たちは領邦教会の首長(summus episcopus)であった。すなわち、統治者は世俗と教会の権力を一つにするのである。これまでのローマ・カトリック教会の司教たちはあらゆる権限を失った。ヨハネス・ブレンツがこの領邦の宗教改革者になった。マルティン・ルターの考えに従ってブレンツは宗教改革を遂行した。シュトゥットガルトにあるシュティフト教会に彼は埋葬されている。

ヴュルテンベルク福音主義州教会は最初からルター派であったが、礼拝様式は改革派教会の伝統の影響を受けている。いわゆる、礼拝諸式は簡素な形でおこなわれる(上部ドイツ様式)。ヴュルテンベルク福音主義州教会にあるルター派共同体において、ドイツミサ様式による礼拝はめったにおこなわれない。1806年までヴュルテンベルク公国はルター派の単一地域であった。ヴュルテンベルク王国になって、ナポレオンによる領土再編によって広大なカトリック地域(オーバーシュヴァーベン地方)が編入されたため、単一の宗派構造は終結した。19世紀後半以降になって南ヴュルテンベルクのローマ・カトリック地域にも福音主義教会共同体が設立された。

教会問題における管理に関して、ヴュルテンベルクの文部省内において教会関係会議という名称を持つ一部門が開設されていた。そのトップには教会関係会議議長が置かれている。

第1次世界大戦後、ヴュルテンベルク王は退位し、君主が教会の首長を担う制度(summus episcopus)は終焉を迎えた。ヴュルテンベルク教会は首長を頂くことができなくなった。それ故、教会(教区)の指導的聖職者と教会関係会議議長が教会指導を引き継いだ。1923/24年にヴュルテンベルク州教会は教憲が与えられ、教会の首長として教会議長を任命した。この教会議長職は1933年からは州教会監督という称号に変更された。

州教会の特性としての敬虔主義の発展

ヴュルテンベルク州教会の特性は敬虔主義との密接なつながりにある。18世紀初めにヴュルテンベルクはカトリック優勢な南西ドイツ地域における最大の新教徒居住地域であった。そのため、福音主義教会勢力を支持する領邦政府にとってルター派信仰告白の保守は重要事項であった。そのため、ある種の教条主義がこの州教会に影響を及ぼした。その対抗運動として敬虔主義はこの地に定着した。敬虔主義における最も重要な特徴は今日まで続く個人的な信心深さ、敬虔さである。

州教会と敬虔主義者の公的関係は何度も紛糾した。もっとも両方に相手側を理解する人々がいたため、州教会内部で敬虔主義者のグループは発展し拡大した。今日でも敬虔主義者たちは州教会において大きな影響力を維持している。アルトヴュルテンベルク地方の多くの教会共同体は今日でも敬虔主義に刻印づけられている。

州教会指導部

ヴュルテンベルクにある福音主義教会のトップには州教会監督Landesbischof (1933年まで教会議長Kirchenpräsident)がいる。州教会監督は州教会総会から3分の2以上の賛成で選出される。州教会監督の在任期間は元来終身であったが、最長68歳で終えることになっていた。しかし、州教会監督は規則上すでに満65歳で引退できるようになっており、その結果新監督が選出されることになる。2006年秋に開催された州教会総会は10年間という在任期間の制限を議決している[2]

州教会指導の最高執行権限は州教会監督に与えられる。州教会監督は州教会における全ての礼拝空間に向けて神の言葉を宣教する権限を有する。この宣教職務によって教会は霊的に指導される。州教会監督はその職務において監督補佐、並びに地区長によって支えられる。州教会監督は高等参事会員集団を動かし、州教会を外部に対して代表する

州教会監督は神学的、法的な代表者である。神学的代表は4つの管区全体における指導者である。法的代表は高等参事会主事Direktorであり、主事は以前一時的に副議長と呼ばれていた。

公国、王国時代の領邦教会指導部

1534年のヴュルテンベルクにおける宗教改革導入以降、教会運営は1553年から教会評議会(霊的職務) Konsistoriumと教会常議員会(教会行政管轄) Kirchenratが共同しておこなわれた。教会運営は首長補佐と教会地区長から構成される上級聖職者団と評議会員たちから成り立っていた。1698年、教会評議会と教会常議員会は分離された。教会評議会は副議長に補佐された議長が指導していた。教会評議会には宗教的、世俗的な地位を持つ多くの者が属していた。教会常議員会には主事補佐に助けられた主事が代表していた。教会常議員会は事務担当者も属していた。 1803年、ヴュルテンベルクにあった帝国自由都市群が公国に編入され、それらの都市を管轄する教会評議会がハイルブロンに設立され、アーレンエスリンゲンシュヴェービッシュ・ハルハイルブロンロイトリンゲンを管轄した。ハイルブロン教会評議会には代表者としての議長が置かれ、聖職者と世俗の評議会員、役人たちも属していた。

1806年、ヴュルテンベルク公国ローマ・カトリック教会教会領など多数の小領邦を併合し、シュヴァーベン地方の大部分と南フランケン地方の一部を支配下に収めた。その結果、公国はヴュルテンベルク王国になった。この1806年にハイルブロンにあったかつての帝国都市群を管轄する教会評議会は廃止された。1806年以降、ヴュルテンベルクにおける教会運営は宗教省の下に置かれたが、後に教会・教育省になり最終的には文部省と呼ばれるようになった。省内において教会評議会は特別な部門とされ、主事、後に議長が代表した。

州教会監督Landesbischöfe

ファイル:Frank Otfried July 2012-07-16.JPG
フランク・オトフリート・ユリー, ヴュルテンベルク福音州教会監督

州教会総会

選挙区選出議員、推薦議員
州教会総会議員
選挙区選出議員 90
推薦議員 7
教師試験委員
テュービンゲン大学神学部選出
1
総員 98
州教会総会内会派
生ける信徒共同体Lebendige Gemeinde 39
開かれた教会Offene Kirche 31
福音と教会Evangelium und Kirche 14
明日のための教会Kirche für Morgen 5
無派閥Ohne Gesprächskreis 1

州教会は議決機関として州教会総会を開催する。ヴュルテンベルク地方においてヴュルテンベルク福音主義州教会だけがドイツ福音主義教会EKDに加盟している。州教会総会議員は教会共同体の教会員から選挙によって選ばれる。他の州教会では地域の教会員から州教会総会議員を直接選ぶことはなく、地区総会段階で州教会総会議員を選出している。政治の場での議会と同様に、財政関係議案と教会法規の立法において州教会総会の職務は存在する。州教会総会議員は Synodaleと呼ばれ, 選挙区から選ばれ教会運営の目標と信仰観が異なったそれぞれの総会内会派に属している。

州教会総会議長は総会議長を担うのであり、2014年の第15回総会で選出されたインゲ・シュタイナーが現在の州教会総会議長である。 第14回総会議員は2007年11月11日に選出されている。90人は選挙区で直接選出されており、4人は推薦議員である[3] 。それ以外にテュービンゲン大学福音主義神学部の代表者としてハンス=ヨアヒム・エクスタイン神学部教授が総会議員として選出されている。

関連人物

エルンスト・ケーゼマン
テュービンゲン大学福音主義神学部新約聖書学教授として、州教会総会内会派「開かれた教会」のメンバーと共に敬虔主義集団「生ける信徒共同体」と激突した。彼の歴史的批判的方法による新約聖書学は敬虔主義者たちの聖書主義とは相容れなかった。

賛美歌集

  • Württembergisches Gesang-Buch, Enthaltend eine Sammlung Reiner und Kräfftiger Lieder, Stuttgart 1741
  • Wirtembergisches Gesangbuch, zum Gebrauch für Kirchen und Schulen, von dem Königlichen Synodus nach dem Bedüfniß der gegenwärtigen Zeit eingerichtet, Stuttgart, eingeführt am 14. Juni 1791 bzw. mit dem Titel „Gesangbuch für die evangelischen Kirchen und Schulen des Königreichs Württemberg“
  • Gesangbuch für die evangelische Kirche in Württemberg, Stuttgart 1842
  • Gesangbuch für die evangelische Kirche in Württemberg, Stuttgart, eingeführt 1912, ab 1936 mit einem „Anhang zum Gesangbuch für die evangelische Kirche in Württemberg, hrsg. von Landeskirchenmusikdirektor Wilhelm Gohl mit Genehmigung des evangelischen Oberkirchenrats“
  • Evangelisches Kirchengesangbuch (EKG), Ausgabe für die Evang. Landeskirche in Württemberg; eingeführt auf Beschluss des Württemberg. Evang. Landeskirchentages vom 13. November 1952 zum Advent 1953
  • Evangelisches Gesangbuch (EG), Ausgabe für die Evangelische Landeskirche in Württemberg, Stuttgart; eingeführt am 1. Advent 1996, 2. verbesserte Auflage 2007

脚注

参考文献

  • Das Evangelische Württemberg - Seine Kirchenstellen und Geistlichen von der Reformation bis auf die Gegenwart gesammelt und bearbeitet von Christian Sigel, Pfarrer in Gebersheim, 1910
  • Handbuch für Kirchengemeinderätinnen und Kirchengemeinderäte, hrsg. im Auftrag des Oberkirchenrates der Evangelischen Landeskirche in Württemberg, Stuttgart 2001
  • Reformationsgeschichte Württembergs in Portraits, hrsg. von Siegfried Hermle, Holzgerlingen 1999
  • Südwestdeutsche Reformationsgeschichte, hrsg. von Martin Brecht und Hermann Ehmer, Stuttgart 1984
  • Zu erbauen und zu erhalten das rechte Heil der Kirche. Eine Geschichte der Evangelischen Landeskirche in Württemberg, hrsg. von Gerhard Schäfer, Stuttgart 1984
  • Das evangelische Württemberg. Gestalt und Geschichte der Landeskirche, hrsg. von Ulrich Fick, Stuttgart 1983
  • Baden-Württembergisches Pfarrerbuch / hrsg. im Auftr. des Vereins für Kirchengeschichte in der Evangelischen Landeskirche in Baden und des Vereins für Württembergische Kirchengeschichte. Bd. 1-3. Karlsruhe: Verl. Evangel. Presseverb. für Baden, 1979-1994.

外部リンク